第10節
2024明治安田J1リーグ
2024.4.27土
セレッソ大阪
レオ セアラ (45+6')
レオ セアラ (68')
2
HOME
FULL TIME
2
ヨドコウ桜スタジアム
1-1
1-1
横浜F・マリノス
水沼 宏太 (17')
榊原 彗悟 (59')
ヨドコウ桜スタジアム
18,147人
ニッコンホールディングスサポーティングマッチ
イベント
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「立ち上がり前半の30分くらいまでは、想定はしていたのですが、(相手が)ACLの激闘を制してチーム力がさらにパワーアップした中で、新たなチャンスを得た選手たちが非常にアグレッシブに団結して挑んできました。苦しい時間が続き、失点して、PKを得た中で珍しくレオ(セアラ)が外してしまった。今までだとチームが自滅する、そういう雰囲気になりかねないゲームだったと思います。その中でしっかりと前半の内に、いい守備からカウンターで同点に追い付きました。後半も、事故的な失点から難しい状況になったのですが、全員で追い付いて、最後、もう少しで(勝てる)、というところまで相手を追い詰めることができたことは成長を感じました。勝ち切りたい試合でしたが、他会場を見ても上位チームが軒並み敗れている中、大きな勝点1だと考えています。次もまたホームでできるので、次は勝点3を全員で取りにいきたいと思います」
Q:昨年であればビハインドのまま敗れる試合も多かった中、2度追いついたことはチームの成長を示した一方で、終盤の攻勢を考えると勝ち切りたかった思いも残ったと思います。勝点1の受け止め方について
「昨年の私たちであれば、先制されたゲームを追い付くことがなかなかできなかった中で、難しい流れから2度追い付いたことは、非常に大きな成長を感じています。終盤、たくさんのチャンスクリエイトができた中で、勝ち切れた時にはっきりと私たちの目標が見えてくると思います。サポーターの皆さんの力も借りながら、終盤にあれだけ攻撃の回数を増やせたことは成長を感じますし、同時に(決め切れなかった)課題も感じます」
Q:横浜FMと「真っ向勝負」を挑まれた中で、チャンスの数では上回る内容も見せたと思います。その一方で、相手もボールの運び方やサイドの生かし方など、さすがと思わせるプレーも見せていました。この試合から得た学びや吸収したいことについては?
「攻撃のところは真っ向勝負でエキサイティングなゲームができたと思います。ただ、守備のところで、もっともっと前線から強度を高めてボールを奪いカウンターを仕掛けたい。そういうサッカーを目指していますので。相手が上回ったビルドアップもたくさんありましたが、もう一度、自分たちでハイプレスとブロックを作る時のライン設定を共有しながら、基本的には、全員で前から奪って、攻守に矢印を前に持って行くサッカーを極めていきたいと思います」
Q:カピシャーバ選手のアクシデントを受けて、上門選手を左のウイングで起用されました。今季はFWだけではなく、アンカーやインサイドハーフでもプレーしている上門選手ですが、ウイングでの狙いについて
「誰が出てもウイングでの役割は全員が共有しています。まずは破壊する。オン・ザ・ボール、オフ・ザ・ボールを含めて相手の最終ラインを破壊することをやってくれました。さらに守備のタスクも全うしてくれました。そして試合途中からはインテリオールにポジションを移しましたが、彼の攻守におけるパフォーマンスは非常に高かったです。カピシャーバが負傷して、為田も負傷明けでコンディションが100%ではない中で、ここからの連戦で非常に大事な選手になる、と改めて感じました」
Q:2得点のレオ セアラ選手について。J1リーグ5試合連続ゴールとなったが?
「そのような記録が残っていることは、彼のメンタリティを含めたコンディションが素晴らしく良いことを示しています。日々のトレーニングから、彼はどの練習でも毎日、自分と向き合って、こちらが『早く上がれ』と言うぐらい、最後までシュート練習をしたり、フィジカルメニューをしています。そのような努力がスコアに現れていると思います。今年から副キャプテンを託したのですが、チームには外国籍選手が多い中で、彼にリーダーシップを発揮してもらって、外国籍選手全員を引っ張って欲しい思いもあります。日本人選手との架け橋にもなって欲しい。何より、チームを勝たせるストライカーとしての役割を担って欲しい。そういった思いがあり、今季、副キャプテンを任せたのですが、毎試合、素晴らしいパフォーマンスを攻守に発揮してくれているので、感謝しています」
Q:連敗しなかったことも今節の大きな成果でしょうか?
「そうですね。プレーの内容を見てもホームで勝点3を取りたかったのが本音ですが、先ほども話したように、上位チームが軒並み敗れる中で、貴重な勝点1を取れたことは嬉しく思います。こういったゲームで次は勝点3を取りたい。すぐに札幌とホームで戦えますので、次は勝点3の喜びをサポーターの皆さんと分かち合いたいと思います」
選手コメント
■レオ セアラ選手
Q:PKを外したところから始まったが、2得点という結果について
「人生の中でPKを外したのは初めてだったのですが、そういうことも起こるのがサッカーです。大事な試合だったので、そこからも冷静さを保つように心掛けていました」
Q:並の選手であれば、メンタルを下げてしまうかも知れませんが、すぐに取り返せた秘訣は?
「人生で初めてPKを外してしまったのですが、これが最後になるわけではありません。何かが起こった時に冷静さを保つことは、常に意識しています。PKを決めていたら勝利できたかも知れませんが、PKを外した後に頭を下げなかったことが、その後の2得点につながったと思います。もう1点を取って勝てなかったことは悔しいですが、チームが勝点1を取れたことは良かったです」
Q:J1リーグ5試合連続ゴールとなったが?
「セレッソのユニフォームを着て5試合連続で取れたことは嬉しいです。チームメートとサポーターのおかげで取れていると思うので、欲張ることなく、常に足元を見ながら1歩1歩進んでいきたいです」
Q:横浜FMとのホームゲームでは、昨季に続いて2得点を決めたが?
「タイトルを獲った仲間たちと試合ができたことは良かったですが、今はセレッソのユニフォームを着て戦っているので、セレッソでも得点を取れていることは嬉しいです。この勝点1はリーグの最後の結果にも結びつくと思っています」
Q:昨年以上に守備での献身的なプレーも目立ちます。
「それが監督のやり方なので、監督の求める守備も自分ができるベストで行いつつ、得点も取っていきたいです」
Q:スタッフが「早く上がれ」と冗談で言うくらい、「練習も頑張っている」と小菊監督は言及されていたが?
「そうですね(笑)。今シーズンは昨年よりも良い準備ができています。やる時は全力でやって、休む時は休むことも心掛けています。食事での栄養面も考えていますし、筋肉をつけて体脂肪を落とすことも頭に入れています」
Q:試合前にはJ1通算100試合を祝うセレモニーもありました。ご家族の力も大きいですか?
「そうですね。家族は何より一番、大事な存在です。このようなセレモニーがあった試合で2点を取れたことは良かったです」
■ルーカス フェルナンデス選手
Q:2度のビハインドを跳ね返して得た勝点1について
「先に失点すれば追いつくのは難しいですが、チームの強さを示せたと思います。横浜FMはタイトル争いに関わってくると思うので、そういう相手から勝点1を得たことは良かったと思います」
Q:Jリーグ全体から見ても、現在はナンバー1のウイングと呼べる活躍をしていると思います。現在の4-3-3でのプレーについて
「ブラジル時代にずっとプレーしていたポジションなので、やり易さはあります。うまくプレーできていると思います。そうやって言っていただけることも嬉しいですし、これからも練習からしっかりやり続けて、試合で自分の力を発揮して、チームに貢献したいです」
Q:前節は何度もあったセットプレーの機会を生かすことはできなかったが、今節は得点につなげました。チームで話し合ったこともありましたか?
「確かに名古屋戦では何度もあったセットプレーの機会を生かすことができませんでした。今日はセットプレーから1点を取れたことは良かったです。自分たちの武器だと思うので、これからも取っていきたいです。レオ(セアラ)は、常に中で良いポジションを取ってくれています。クロスを上げるときは常にレオを見ていますし、合わせるようにしています。彼が得点王争いをしていることはチームにとっても喜ばしいことですし、これからもレオにいいクロスを上げていきたいです」
Q:レオ セアラ選手との普段の関係性はいかがですか?
「ブラジルでも一緒にプレーしていましたし、日本でもまたこうして一緒にプレーできることが嬉しいです。普段の仲も良いですし、いい関係を築けていることが、ピッチにも表れていると思います(笑)」
Q:ご自身の誕生日(24日)も、皆さんで一緒に祝ってもらった?
「そうですね(笑)。ディナーをみんなで食べました。アミーゴに祝ってもらったことは嬉しかったです。チームにはブラジル人選手も多い中で、みんなと話をして食事をする時間はとても楽しいです。
■香川 真司選手
Q:2度のビハインドを跳ね返しての勝点1。この結果をどう受け止めますか?
「前節は、内容は良かったが負けてしまった。今節も勝ち切れる内容ではあったと思いますが、負けなかったことは昨年からの成長。ビハインドを負った試合は、昨年はことごとく負けていたので、追い付いて得たこの勝点1は大きなポイントになったと受け止めて、やっていきたいです」
Q:ビハインド時の雰囲気は、昨年とは違いますか?
「チームとしてのメンタル的な自信も違いますし、必ずやれる、同点に追い付ける、という良い雰囲気は生まれています。そこから畳み掛けて、3点目、4点目を取ることは、上に行くためには求めていかないといけないですが、連敗しなかったことは重要でした」
Q:2得点を決めたレオ セアラ選手のチームにおける存在について
「もちろん、昨年もチームの得点王ですし、今年もシーズン序盤から点を取っています。今は手が付けられない状態ですね。レオ(セアラ)が決めてくれるという信頼はみんな持っています。この調子をしっかり続けてもらって、ケガさえしなければ、今のレオならもっともっと得点を重ねていけると思います。ただ、レオ以外の得点者が少ないことは課題です。レオ以外でも点を取れるチームにならないといけない。今日も2点を取っているので、3点目を僕も含めて違う選手が取れるパーソナリティを示さないといけないと思います」
Q:前半にプレーが中断する時間がありました。直後に香川選手の惜しいミドルシュートもあったが、あの中断の間に選手同士で話し合ったことはありますか?
「相手のポゼッションから効果的に試合を進められていました。守備でハマっていなかったので、その修正と、やられているけど気持ち的なストレスを抱えないこと。苦しい時間帯は間違いなくあるので、そこで崩れないようにしようという話をして、少し修正もかけました。それ以降は良くなった。サッカーは90分を通しての試合なので、苦しい時間帯は必ずあります。これからも、そういったところでしっかりと耐えるチームになることも必要です」
Q:アグレッシブで、ポゼッションで崩していくことを志向しているチーム同士、試合内容も面白かったですが、プレーしていて課題や手応えを感じた部分は?
「やっていることは間違っていないですし、そこのクオリティ(を上げること)。今日は2失点しましたが、トリ(鳥海)や(舩木)翔もしっかりやっています。(舩木は)CBに抜擢された中で、試合を追うごとに成長しているし、自信も付けている。本物になるために、次の試合に勝つために、やらないといけない。上に行くためには、一人一人が成長して、一人一人が反省して、『次は絶対に勝たないといけない』という強いプレッシャーを感じながら準備することが大事です」
■田中 駿汰選手
Q:1点目のプレスは狙い通りですか?
「そうですね。あの場面は真司さん(香川)と共通認識で、いいタイミングで嵌めにいけました。理想的な奪い方だったと思います」
Q:今日の勝点1を振り返ると?
「勝てたと思うので、もったいないなと。またセットプレーから失点して、1失点目も自分たちのミスからだったので。ボールは握られていましたが、特別崩された失点ではなかったので、自分たちとしては勝てた試合だったと思います。連敗しなかったことは良かったですが、勝ち切れなかったので、次は勝点3を取るために準備したいです」
Q:次節は古巣の北海道コンサドーレ札幌戦です。
「札幌も最近は調子を上げています。乗ったら強いチームなので、乗らせないようにしたい。個人としても古巣なので絶対に負けたくないですし、チームとしても絶対に勝ちたいです」
■毎熊 晟矢選手
Q:負けた後の試合、ということで、何か意識して試合に入ったことはありますか?
「名古屋戦の後もみんなからはプラスの声が出ていました。内容的には良い試合をしていたので、今週も練習から良い雰囲気でやれました。僕自身、勝っている時より負けた時にどう行動を起こせるかを考えていたので、試合前の声掛けは意識して入りました」
Q:前節もそうでしたが、今年はビハインドを背負っても追い付いています。失点した時のメンタルは、昨年からの変化は感じますか?
「より勝利に対して貪欲な選手が増えたことは感じています。それが前節、今節と(先制されても)追い付く要因になっていると思います。さらにそこから、こういう試合を勝っていけるチームにしていきたいです」
Q:自身の手応えとしては、終盤あれだけ押し込んだだけに、勝ち切りたい試合でしたか?
「その思いもありますし、一方で失点シーンはまだまだ甘さもあると感じているので、完全に勝ちに値する試合ではなかったのかな、とも思います」
Q:守備について、前から行くところと、ブロックの使い分けはスムーズにできている?
「僕たちがやりたいサッカーは前から嵌めていくことですが、前半の最初はウイングが出ていって、なかなか嵌っていなかったので、後半の途中からはインサイドハーフが出て行く形に変えて、嵌めやすくもなりました。試合中に変えられる部分は強みかなと思います」
Q:後半ラストのシュートは、相手GKを褒めるべき?打った感覚は?
「入ったかな、と思いましたが…(苦笑)、また練習します」
Q:名古屋戦の終盤は、やや消耗しているように見られたが、コンディションについて
「頭も体も絶好調だと思っています。疲れがあるように見えるのは、僕の実力だと思います」
Q:今日は上門選手の誕生日でした。勝って祝いたい思いも強かったのでは?
「そうですね(笑)。ジョー(上門)だけではなく、レオ(セアラ)もそうですし(J1リーグ通算100試合)、ジンさん(ジンヒョン)もそう(Jリーグ通算500試合)。その3つは知っていたので、何とか勝ちたかったですね」
■登里 享平選手
Q:勝点1という結果の受け止めについて
「ホームで主導権を握って試合を進めることが重要でしたが、どんな形であれ、連敗しないことは大事でした。そこはポジティブに捉えて、課題もみんなで共有して、次につなげていきたいです。連戦にも入っていくので、反省するところは反省して、切り替え方も大事。また全員ですり合わせていきたいです」
Q:試合終了時点では再び首位にも立ったが?
「もっと突き抜ける存在でありたいし、さらにサッカーの内容も良くなれば、結果も付いてくる。もっともっと突き抜けられるチームだと思いますし、今日も難しい展開でしたが、ホームの利点というか、良い雰囲気の中で追い付くことができました。次の試合は勝点3を取って、突き抜けていきたいです」
Q:前半と後半では、守備で上手く修正できた試合になりましたか?
「(前半は)前から行った時のスペース管理で難しさもあったので、ハーフタイムで話をして、(修正点を)はっきりさせたことが良かったです。ジョー(上門)も入って、コミュニケーションも取れたからできた部分もあるので、そこはポジティブに捉えていきたいです。これから連戦になっていきますし、気候も暑くなっていくので、勝点3を取るためにはより効率的に戦うことが必要になりますし、戦い方のすり合わせは大事になります」
■キム ジンヒョン選手
Q:勝点1の受け止め方について
「もちろん勝ちたかったですが、連敗しなかったこと、ホームで負けていないことをポジティブに考えていきたいです」
Q:前半の途中に急病人が出て、試合がストップしたが、あの場面は自身が声を掛けた?
「GKなので、ゴール裏から声を掛けられて。『危ないから(試合を)止めてくれ』という皆さんの声がありました。それで、セレッソのドクターとトレーナーに早く来てもらうようにしました」
Q:今節でJリーグ戦通算500試合出場達成となったが、改めて感想は?
「サポーターの皆さんが'500'という数字も掲げてくれていましたし、皆さんから支えてもらっていることを実感しました。その中でしっかり勝ち切りたかったですが、またセットプレーからやられたり、ミスもあったり。ちょっともったいない失点でした。こういう自分のメモリアルな試合では、良いイメージがないので、、(苦笑)。そのイメージを変えたい、良い思い出にしたかったのですが、また次こそは勝って、良い思い出にしたいです」
■上門 知樹選手
Q:今日は今季4つめのポジションでしたが、左ウイングに入ってプレーした感触は?
「チームとしてウイングが共有しているプレーはみんな頭に入っていますし、その役割を全うするだけでした。途中から入ったので、変にバランスを崩すと展開も変わるので、バランスを見ながらプレーしました。カピ(シャーバ)は左利きですが、僕は右なので違いは少なからずあるとは思いますが、もう少しウイングで出た時の突破力や馬力は、練習から高めていきたいです」
Q:カットインしてのクロスやシュートは出せると思いますが、縦にも行ける時は行かないといけない?
「そうですね。少なからず右は警戒されていると思うので。ジョルディ(クルークス)もそうですが、そこから縦に行ける推進力があれば、より怖い選手になれる。どこで出ても特長を出せるようにしたいです。あの位置からシュートを決め切る力を付ければ、より脅威を与える選手になれる。練習からやることが試合にも出ると思うので、そこはやり続けたいです」
Q:スクランブルで入ることになりましたが、入った時の意識としては、守備を心掛けていた?
「まずは守備ですね。監督も良い守備から良い攻撃を求めているので。外国籍選手も守備を怠らないですし、守備をしないと試合にも出られません。前半は残り時間も少なかったので、まずは守備から入って、前半で追い付けたのは良かったです。うまく入れたと思います」
Q:誕生日での試合を振り返ると?
「前に(舩木)翔がサポーターの皆さんに歌ってもらっていたので、僕も歌って欲しかったですし、みんなに祝ってもらいたかったです(笑)。その意味でも、僕がゴールを取れたら良かったですが。ただ、1-2になった時に、昨年の僕たちならそのまま負けていたと思いますが、今年は追い付けたので、今年は違うところを見せられたと思います。ベンチも含めた激しい競争がありますし、またチーム全員で高めていきたいです」
“桜のエース”が5戦連発の2得点と爆発。2度のビハインドを追い付いて勝点1を獲得
今季初の敗戦を喫した前節の名古屋グランパス戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、横浜F・マリノスとの明治安田J1リーグ第10節に挑んだ。先発は前節から1人変更。柴山昌也が外れ、香川真司が第4節・鳥栖戦以来、6試合ぶりの先発復帰となった。
立ち上がりからボールを握る横浜FM、プレスから高い位置で奪いにかかるセレッソ。この構図が明確になった中、3分、セレッソは自陣右サイドを取られてピンチを迎えるも、GKキム ジンヒョンが好セーブ。5分には、連動したプレスから相手GKのキックミスを誘い、レオ セアラがカットしてそのままシュート。惜しい場面を作る。序盤は互角の攻防が展開された中、17分、前節に続き先制を許す。自陣の背後に出たボールに対し、CBの舩木翔が素晴らしいカバーを見せたが、パスの出し所に迷っている隙を突かれボールを奪われると、素早くフィニッシュに持ち込まれ、エウベルのクロスから逆サイドの水沼宏太にヘディングで決められた。
ここから試合は横浜FMのペースになる。AFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦から中2日とタイトな日程の中、先発6人を入れ替えてきた相手に対し、「新たなチャンスを得た選手たちが非常にアグレッシブに団結して挑んできた。苦しい時間が続きました」と小菊昭雄監督もこの時間帯を振り返る。プレスが嵌らず、「相手のポゼッションから効果的に試合を進められてしまっていた」(香川)セレッソだが、追加点を与えることなく試合を進めると、45分にビッグチャンス。キム ジンヒョンが前線のレオ セアラへ的確なゴールキックを届けると、相手DFの背後を取ったレオ セアラがGKに倒されPKを獲得。ただし、自ら蹴った背番号9がまさかの失敗。それでも、試合途中に観客スタンドで急病人が発生して試合が止まった影響もあり、長く取られた前半アディショナルタイムに同点に追いつく。45+8分、前線からのプレスで香川と田中駿汰が挟み込んでボールを奪うと、田中のラストパスをレオ セアラが冷静に流し込んだ。
苦しい前半だったが、最後に追い付いて終われたセレッソが後半は巻き返す。ハーフタイムで守備の整理を図って臨むと、後ろからのビルドアップも改善されて敵陣へ押し込む時間帯が増える。しかし、後半も先にスコアを動かしたのは横浜FM。59分、セレッソは前節に続いてCKから失点してしまう。ただ、それでも下を向かないのが今季のセレッソの強み。右はルーカス フェルナンデスと毎熊晟矢で組み立てると、左は前半終了間際に負傷交代したカピシャーバに代わって入った上門知樹が躍動。63分には、左サイドの奥を取った上門が角度のないところから強烈なシュートでゴールを狙う。すると68分、この流れの良い時間帯に再び同点に追い付く。ルーカス フェルナンデスのFKから、中でフリーになったレオ セアラが力強いヘディングで合わせ、ゴールにねじ込んだ。PK失敗を取り返す今季初の1試合2ゴールに、雄叫びをあげた“桜のエース”。ここからホーム・ヨドコウ桜スタジアムの歓声のボルテージも一段と上がると、それに呼応するように、終盤にかけてセレッソが猛攻を仕掛ける。74分には、切り札のヴィトール ブエノと、ケガから復帰の為田大貴がピッチに入ると、83分、2人も絡んだ形でゴールに迫る。さらに後半アディショナルタイムには、毎熊が地を這うミドルシュートを枠内に飛ばしたが、ここは相手GKの好守に阻まれ、勝ち越しとはならず。その後、横浜FMにサイドを崩されヒヤリとする場面もあったが、スコアは動くことなくそのまま2-2で終了。ともに持ち味を出し合った激闘は、勝点1を分け合う結果で終わった。
上手く試合を運べなかった前半や、2度先行される苦しい試合展開を考えれば、よく盛り返して追い付いたとも評せる試合だが、終盤の攻勢を考えると、勝ち越して勝点3を得たかった試合とも言える。「昨年の私たちであれば、先制されたゲームを追い付くことがなかなかできなかった中で、難しい流れから2度追い付いたことは、非常に大きな成長を感じます。大きな勝点1だと考えていますし、次もまたホームでできるので、次は勝点3を取りにいきたい」と試合後に指揮官も話したように、連敗を回避し、この試合で得た勝点1を今後に繋げていくことが重要だ。5試合連続ゴールでチームを救ったレオ セアラも、「この勝点1はリーグの最後の結果にも結びつく」と前を向いた。中5日で行われる次節・北海道コンサドーレ札幌戦へ向け、全員で良い準備を重ねていく。