第12節
2024明治安田J1リーグ
2024.5.6月
ガンバ大阪
宇佐美 貴史 (28')
1
AWAY
FULL TIME
0
パナソニック スタジアム 吹田
1-0
0-0
セレッソ大阪
パナソニック スタジアム 吹田
34,485人
放送
DAZN / NHK大阪
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「大阪ダービーでの敗戦で、責任を感じています。選手たちはこの連戦の中、素晴らしい立ち上がりで、魅力的なサッカーをしてくれました。失点は残念な形でしたが、先ほど選手たちとも共有したのですが、『ボールを大切にしながら前進していく、私たちのスタイルを極めていきたい。ブレることなく成長し続けていきたい』と。それを選手とともにやっていきたいと、改めて強く感じました。この敗戦で選手たちはショックを受けていましたが、もう一度、ブレずに、強くなるチャンスだと思っていますので、また明日から次節の神戸戦へ向けて準備していきたいと思います」
Q:試合の入りは良く、しっかりと力を示していたと思うが、失点後、ミドルゾーンに構える相手の守備を崩せなかった。前進できずに奪われてカウンターを食らう機会も多かったが、あのような状況を打開していくために必要だと感じたことは?
「(入りは)ガンバも前からアグレッシブにボールを奪いにきていた中で、私たちのリズムが非常にスムーズでした。(相手は)奪いに行っても剥がされる、という立ち上がりだったと思います。ただ、私たちの失点後、ガンバは重心を後ろに下げて、ブロックを構える形になったと思います。その中でも、私たちが(ボールを)動かしている基準を変わらずやり続ける、そしてクオリティを上げていく、全員の共有をさらに強くしていく、そのあたりが今日の課題だったと思います。これからもしっかりと、やるべきことをやっていきたいですし、相手がブロックを下げたら私たちはしっかり押し込んで、カウンタープレスで2次攻撃、3次攻撃という狙いもありますので、まずはゾーン3までボールを運んで、そこから(崩しの形を)全員で共有していくことを目指して戦っていく、そしてカウンタープレスでもう一度、攻撃に移っていく。そういったスタイルをより強固にしていきたいと思います」
Q:途中交代した毎熊選手と登里選手の状態について
「詳細な状況はまだ入ってきていないので、確実な情報ではないですが、筋肉系のトラブルがあったということで、交代させました。これから状態を把握したいと思います」
選手コメント
■香川 真司選手
Q:大阪ダービーでの敗戦は辛い部分もあると思うが、試合を振り返ると?
「ミスから失点してしまったことが最後まで重くのしかかってしまいましたけど、それは仕方ないです。その後、時間もあった中で、なかなか決定機を作り出せなかった。アウェイですし、難しいことは分かっていましたが、90分を通して、攻撃のリズムが出なかったと思います」
Q:相手は先制したことで、こちらに持たせながら、守備を固めてカウンターというやり方を取ってきたが、打開するために必要だったと思うことは?
「相手も研究してきていますし、自分たちも1点が欲しい状況の中、どう次の策であったり、リズムを変えていくか。なかなか今日はリズムが上がらなかった。これからもこういう試合は出てくるかも知れません。それでも1-1にする必要がありましたが、今日は物足りなかった。質もそうですし、ダイナミックなサイドチェンジなども含めて、もっと必要になってくると思います」
Q:入りは現状の力を示せたと思うだけに、失点がこの試合を難しくしてしまった。改めて、先制点の重要性を痛感するが?
「もちろん、そうですね。特にアウェイで先に失点すると難しいことは分かっていました。相手も必死ですし。ただ、後半も含めて時間はあったので、何とかチャンスを作り出したかった。今までは作り出せていた中で、今日はクオリティが上がらなかったという印象です」
■田中 駿汰選手
Q:立ち上がりは良い形でボールも回っていたが、失点後、崩すことに苦労して難しい試合になった印象だが?
「そうですね。立ち上がりは良い入りができて、セカンドボールも拾えて、上手くいっていました。失点は仕方ない。入りで取れるチャンスもありましたし、失点後ももっとアグレッシブにいくべきだったなと思います。1点を取って守りに比重を置いてきた相手を崩し切ることができなかったので、悔しいです」
Q:登里選手の交代以降、CBに入る時間帯もあったが?
「(交代に際し)自分がCBに入るであろうと想定もしたので、問題はなかったです。引かれて難しい時間帯でしたが、CBの自分のところは余裕を持ってボールを受けられたので、もっと崩しながら回せたら、シュートチャンスは作れたのではないかと思います」
Q:今季の中でも正念場が訪れたが、次節の神戸戦へ向けて
「ケガ人も出て、苦しいと言えば苦しいですが、出られる選手はまだまだいるので。苦しい時だからこそチャンスだと思うし、勝って、流れを断ち切りたい。全く悲観する必要はないので、自分たちがやってきたことを続けるだけだと思います」
■為田 大貴選手
Q:加入後リーグ戦での大阪ダービー敗戦は初だが、振り返ると?
「前半は自分たちのペースでした。立ち上がりも良かったですし、球際やセカンドボールの攻防でもウチが優位に進めていたと思います。ダービーで、自分たちのサッカーをやろうとはしていました。もちろん、相手も90分を通して集中していましたが、自分たちで崩れたところもあるかも知れません。ただ、またやり返すチャンスはありますし、優勝がなくなったわけでもないので。こういう勝ててない状況で使ってもらって結果を出せなかったことは悔しいですが、またチーム全体で上がっていきたいです」
Q:次節のホーム・神戸戦へ向けて
「優勝するためには、どの試合も落とせないですし、今はまた追う立場になったので、チャレンジャーの気持ちで挑めればと思います」
■登里 享平選手
Q:初めての大阪ダービーでしたが、雰囲気も含めて振り返ると?
「どの試合も重要であることは変わらないですが、ピッチ内でのバトルや(いつもと違う)雰囲気はありました。負けたくない相手ですし、勝利を届けることができなかったので、サポーターの方には申し訳ないです」
Q:シーズン全体でも踏ん張りどころだが、どう次につなげていく?
「やり続けることが最も重要です。チームは良い時も悪い時もあり、こういう時期もシーズン全体ではやってきます。もちろん、(不調の時期が)無いに越したことはないですが、こういう時にまた開き直ってできるかも問われます。自分自身、その辺りは声掛けでも、できることはやっていきたいです」
■奥田 勇斗選手
Q:(出場は)予期しないタイミングだったと思うが、ピッチに入る時の思いは?
「ずっと毎熊くんとノボリくん(登里)が試合に出ていたのですが、ここからは連戦なので、どこかで自分が入るタイミングは来ると思っていました。常に良い準備はしていたので、入りから落ち着いてプレーできたと思います。ただ、このタイミングは予想していなかったので、少し呼吸を整えるのに時間こそかかりましたが、プレーは問題なくできたと思います」
Q:奇しくも大阪ダービーで、このような形で出番が来ることになったが、気持ち的にも特別な思いはありましたか?
「そうですね。(ガンバは)6年間、お世話になったクラブだったので、複雑な気持ちはあったのですが、今はもうセレッソの選手なので、絶対に負けたくない気持ちでこの試合に臨みました。それをピッチで表現したかった。セレッソのファン、サポーターの皆さんに勝利で届けたかったので、残念です」
Q:プロとして大阪ダービーでプレーすることはアカデミー時代からの目標だったと思うが、実際にピッチに立った思いは?
「ガンバ(のアカデミー)でプレーしていたので、サポーターの熱量は分かっていましたが、実際にアウェイでプレーして、ピッチで息苦しさを感じる部分もありました。貴重な経験ができたので、この経験をこれからに生かしていきたいです」
Q:今後も重要な試合が続くが、どう貢献していきたい?
「これまでも常にいい準備はしてきましたし、今まで出られなかった(悔しい)想いをこれからの試合で表現したい。結果にこだわりたいですし、この機会をしっかり生かせば、スタメンを取ることにもつながっていくと思うので、頑張りたいです」
良い入りもミスから喫した失点を最後まで取り返せず、大阪ダービー5年ぶりの敗戦
前節の北海道コンサドーレ札幌戦から中2日、セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、ガンバ大阪との大阪ダービーに臨んだ。先発は札幌戦から2人変更。前節途中出場で流れを変えた香川真司と為田大貴がスタメンに入り、サブにはリーグ戦では今季初めて清武弘嗣が名を連ねた。
4試合ぶりの勝利を目指した今節。試合の入りは素晴らしかった。前から勢いよく来るガンバのプレスをはがして前進。田中駿汰や登里享平らが浮いた位置でボールを受け、両サイドもうまく使いながら敵陣に進入していく。12分には、左サイドから右サイドに揺さぶって毎熊がニアゾーンに進入すると、13分にも香川真司のスルーパスに抜け出した毎熊が背後を取ってクロス。相手DFを崩しにかかる。26分にも、毎熊が起点となり、為田、レオ セアラとつないで最後は毎熊がフィニッシュ。だが、第9節の名古屋戦、前節の札幌戦と同様、入りの良い時間帯で先制点を奪えずにいると、28分、自陣でのつなぎのミスを突かれ失点。毎熊と鳥海晃司の呼吸が合わず、パスがズレたところを宇佐美貴史に拾われ、ミドルシュートを決められた。それでも崩れることなく試合を進めていたが、36分にアクシデント。毎熊が足を痛め、負傷交代を余儀なくされた。代わって入ったのは、ガンバアカデミー出身の奥田勇斗。目標にしていたプロでの大阪ダービーという舞台に急きょ立つことになったが、「入りから落ち着いてプレーできた」と自身も振り返ったように、慌てることなくスムーズに試合に入ってみせた。
1点ビハインドで迎えた後半も、立ち上がりからボールを握ったのはセレッソだったが、再びアクシデント。今度は左サイドバックの登里が負傷すると、このタイミングで小菊昭雄監督は3選手を同時に交代。登里、奥埜博亮、為田に代えて、上門知樹、ヴィトール ブエノ、柴山昌也を投入。アンカーの田中をセンターバックに下げて舩木翔を左サイドバックへスライド。上門がアンカーに入り、そのまま4-3-3を継続した。64分、ブエノが直接FKを狙うと、直後のCKからショートコーナーで再びブエノがミドルシュートを放つ。66分には、香川に代わって清武が入り、今季のリーグ戦では初出場を果たす。ここから交代選手のパワーも加えて同点、逆転といきたいセレッソだったが、逆に70分、71分、73分と立て続けにガンバに決定機を作られる。ここはGKキム ジンヒョンの好セーブもあり何とかしのぐと、清武のスルーパスや柴山のドリブルなど、選手個々の持ち味を生かして反撃に出るが、決定機を作るまでには至らない。終盤のピンチは再びキム ジンヒョンが好セーブで防ぎ、相手に追加点は与えずにいると、89分には奥田のクロスに清武がヘディングでゴールを狙う。後半アディショナルタイムにはキム ジンヒョンも上がってセットプレーの流れからバイシクルシュートを放つなど、全員で懸命に1点を奪いにいくセレッソだが、試合はこのまま0-1でタイムアップ。リーグ戦の大阪ダービーとしては5年ぶりの敗戦を喫した。
結果とともに、毎熊、登里と両サイドバックの負傷交代を余儀なくされるなど、セレッソにとって痛い試合になったことは確か。首位、FC町田ゼルビアとの勝点差も5に広がり、順位も5位に後退した。もっとも、下を向いている時間はない。次節は2位のヴィッセル神戸、次々節は首位の町田と、今季の命運を左右する上位との大一番が立て続けにやってくる。「苦しい時だからこそチャンス。全く悲観する必要はない。自分たちがやってきたことを続けるだけだと思います」とは田中。逆境を跳ね返し、今季の目標へ再び力強く歩みを進めていけるか。まさにチームの総合力が問われる局面だ。