2024JリーグYBCルヴァンカッププレーオフラウンド第1戦

2024JリーグYBCルヴァンカップ

2024.6.5

セレッソ大阪

ジョルディ クルークス (6')

1

HOME

FULL TIME

3

1-0

0-3

FC町田ゼルビア

下田 北斗 (61')

ナ サンホ (62')

エリキ (87')

ヨドコウ桜スタジアム

7,372

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

ジョルディ クルークスのゴラッソで先制も、後半に3失点。敵地での第2戦で逆転を目指す


京都サンガF.C.との明治安田J1リーグ第17節から中3日。大会をJリーグYBCルヴァンカップに移し、セレッソ大阪はFC町田ゼルビアとのプレーオフラウンド第1戦に挑んだ。先発はリーグ戦から毎熊晟矢と舩木翔を除く9人を変更。上門知樹と山田寛人の2トップに、清武弘嗣と平野佑一がダブルボランチに入るなど、1stラウンド3回戦・FC琉球戦のメンバー主体で臨んだ。

立ち上がり、町田に速い攻撃からフィニッシュまで持ち込まれたが、セレッソも5分、平野と清武を起点に運び、右サイドをジョルディ クルークスが縦に突破してチャンスを作ると、6分、先制に成功する。相手のロングボールを舩木が跳ね返し、セカンドボールを拾った上門、平野と運び、山田が収めて上門へ落とすと、そこから再び右サイドのクルークスへ展開。ボールを受けた背番号11がドリブルで運び、カットインから得意の左足での巻いたシュートを決めた。ゴラッソによる先制で意気上がるセレッソは、14分と15分にも決定機。まずは14分、清武のパスを受けた上門が無回転のミドルシュートを放つ。際どいコースへ飛ばしたが、惜しくも相手GKに防がれた。ここで得たCKから、今度は清武のキックに舩木がフリーで合わせたが、ヘディングはわずかに枠を外れた。先制後は、町田にボールを持たせる戦い方を選択したセレッソ。試合前のポイントに挙げていた守備でも、引いてスペースを消すやり方を選択。町田に高い位置まで運ばれるシーンは目立ったが、最後のクロスやシュートは体を張ってブロック。キャプテンマークを巻いて奮闘した山下達也を中心に、前半は相手に決定機を作らせなかった。舩木のヘディング以降、攻撃ではシュートに持ち込む場面は作れなかったが、「守備でゲームプランを全うして」(小菊昭雄監督)、前半は1点リードで折り返した。

後半開始から、山下に代わって鳥海晃司が入る。立ち上がりから相手FWにしっかり渡り合い、守備の中心で跳ね返していた山下だが、試合後の指揮官によると、「少しアクシデントがあって、交代せざるを得ない状況になった」という。後半も町田にボールを持たれる展開は変わらなかったが、セレッソも54分、クルークスが先制点と同じような角度からカットインしてシュート。再びゴールに迫ったが、今度はクロスバーを越えた。相手に有効な攻撃をさせていなかったセレッソだったが、59分、こちらのプレスに対し、相手が苦し紛れに出したフィードから、失点につながってしまう。左サイドでボールを受けたエリキに対応した鳥海がペナルティーエリア内でハンドの反則を犯してPKを献上。正面に蹴ってきた下田北斗のPKに対し、GKヤン ハンビンも手には当てたが、前にはじくことはできず、ネットを揺らされた。するとキックオフ直後に2失点目。対角に蹴ったボールを跳ね返されると、ここから町田に自陣に勢い良く進入され、最後はナ サンホにミドルシュートを決められた。

直後に小菊昭雄監督はレオ セアラとカピシャーバを投入。反撃に出ると、68分にはセアラを起点に上門がシュート。ゴールに迫る。70分、今度は平野に代えて香川真司を投入。しばらく香川はアンカーに入り、途中からは上門がアンカーに移って清武と香川がインサイドハーフにポジションを取る[4-3-3]に変えて攻撃に出る。74分には、香川のパスを受けたセアラがゴール前に進入していくが、シュートは打てず。清武と香川のダブル司令塔を中心に何とか同点に追い付きたいセレッソだったが、87分に3失点目。背後を取ったエリキに対し、GKヤン ハンビンが飛び出して対応するも、一瞬、相手に先に触られ交わされると、無人のゴールに流し込まれた。後半アディショナルタイムには何度もCKを獲得したセレッソだが、得点につなげることはできず、このままタイムアップ。2点差での敗戦という、プライムラウンド進出へ向けて重くのしかかる結果となった。

もっとも、「1発勝負であれば今日で敗退ですが、すぐに日曜、アウェイで試合がありますので、シンプルにやり返すだけ」と指揮官も試合後に話したように、まだ“前半”が終了しただけ。ビハインドを跳ね返して逆転するチャンスは十分に残されている。「今日は1-3で負けてしまったのですが、自分たちも3点取れるポテンシャルはあると思います。絶対にやり返す、という強い気持ちを全員で共有しながら、次の試合に臨みたいです」と舩木。この試合で体感した町田の攻撃陣をしっかりと抑え、1点ずつ得点を重ねていきたい。6月9日、敵地での第2戦で、プライムラウンド進出へ向けた勝利を目指す。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「先制して、前半はしっかりと守備でゲームプランを全うして、1-0で折り返すことはできたのですが、後半最初の失点、背後に対してのロングボールの準備はチームで徹底して警戒してきたところですが、そこからPKを取られて、キックオフから2失点目。この2失点目が重くのしかかったと思います。メンタル面も含めて、まだまだ強くならないといけないと痛感したゲームでした。ただ、選手たちとも共有したのですが、1発勝負であれば今日で敗退ですが、すぐに日曜日、アウェイで試合がありますので、シンプルにやり返すだけ。やられたらやり返す。その準備をして、日曜日に向かっていきたいと思います」

Q:先制後、相手がボールを持つ時間が増えました。思った以上に相手に持たれた印象もありましたが、それでも前半はしっかりと耐えました。今日の守備について、どう見られていましたか?
「ハイライン、ハイプレスの守備から、ファーストライン、セカンドラインを基準に相手に持たせる時間も作りながら、いい守備からいい攻撃につなげていく。そういうゲームプランもありました。少し持たれる時間が長かったことは確かですが、前半は(1stラウンド3回戦の)琉球戦と同様、苦しい時間帯もしっかりと乗り越える絆の深さも感じました。後半、2点目、3点目を取りにいこうという中での2失点が痛かったと思います」

Q:前半、山下選手は機能していたと思いますが、ハーフタイムでの交代理由について
「少しアクシデントがあって、交代せざるを得ない状況になったので、交代させました。まだメディカルからはっきりとした情報は聞いていないですが、ケガのために前半で交代した、ということです」

Q:香川選手を入れるタイミングで、最初は13番(清武選手)のボードも見えていたが、平野選手に変えた理由について
「すぐ2点目を入れられたので、攻撃的に行かないといけない、という理由です。キヨ(清武)はマックス(の出場時間)が琉球戦の60分ほどでしたので、本来であれば今日は90分プレーさせる予定ではなかったのですが、キヨのクオリティと、(香川)真司との関わりですね。最後まで点を取りにいく姿勢を示す形でキヨを残しました」

選手コメント

■ジョルディ クルークス選手

Q:先制のゴールシーンについて
「いつも練習しているシュートだったので、入った瞬間は嬉しかったです。ただ、負けてしまったのは残念です。それでもまだ突破するチャンスはあります。日曜日にまた試合があります。外国籍選手枠の問題もあり、出場できるか分かりませんが、これからも諦めずに頑張っていきたいです」

Q:今日のゴールが出場のチャンスにつながっていく?
「自分たちは素晴らしい外国籍選手がいっぱいいるチームなので、僕は僕で、毎日、頑張って練習するだけです。その結果、起用を決めるのは監督ですし、その指示に従っていきたいと思います。僕は自分ができることを精一杯やるだけです」

■平野 佑一選手

Q:加入後、ホームでは初出場。試合へ向けて強い思いはあったと思うが、1-3という結果をどう振り返る?
「2試合合計のスコアで争うので、2点差での負けはチームとしては痛いです。先制点を取れた分、なおさら結果はもったいない。個人的にも、なかなか出場機会がない中で、琉球戦で勝ち取ったチャンスで、今日もほとんどがリーグ戦ではスタメンではない選手たちで臨みました。紅白戦など練習で一緒にやることが多いメンバーで、良い雰囲気でしたし、負ける雰囲気は感じ取れない中で試合をしていたので、何が悪かったのか、正直今も整理が付いていません。メンタル面など雰囲気としてはマイナスな部分がなかった分、整理が付いていないです」

Q:先制後、相手にボールを持たれて高い位置まで運ばれていたが、体を張って守れていました。肌感覚としては、しっかり守れているという思いだったのか、少しチャンスを作られ過ぎているという思いだったか、どう感じていましたか?
「(引いたのは)先制点を取ったこともあったと思いますが、(相手の)スタイル的に『前に蹴ってくるだろう』という部分で、前からプレスに行くのではなく、ということもありました。データ的にも、相手はボールを保持している方が困っていたり、勝率が悪い、というデータもありました。ただ、相手もメンバーが(リーグ戦から)入れ替わっていることもあって、下でパスをつないで攻めてきた。その対応は、自分たちが用意していた形とは違う部分もありました。それでも前半を(失点)ゼロで抑えたのは、いい流れだとは思ったのですが。後半、ハンドなど不運な形で追い付かれたり、同点の後の失点が早過ぎたと思います」

Q:失点に関しては、1失点目は長いボールを入れられてPK、2失点目は対角のボールを跳ね返されて、運ばれてから少しイージーにやられているが、不運な面もあるのか再現性があるのか、失点の捉え方について
「1失点目は、自分たちのタイミングでロングボールを蹴らせている。相手の意図的な形ではないロングフィードでの処理の問題だったので、どちらかと言うと、再現性は低いかなと。2失点目に関しては、キックオフの後、なるべく前に運ぼうとシンプルに蹴ったのですが、ちょっと再現性があるというか、しっかり修正しないといけない。いくつか引き出しがある中で、自分たちであのプレーを選択したのですが、先制された後のゲーム運びは、チーム全体で共有しないといけないと思います。僕自身も消化し切れていないので、もっと存在感を出していかないといけない。まだまだここから走ってパスを出していきたい、という時間帯で交代になってしまったので、そこは出ている時間で、もっと存在感を見せられるプレーをしていかないといけないと感じました」

Q:自身の持ち味が見えた場面も多かったように思うが?
「セカンドボールを拾うなど守備の部分と、あとはボールを簡単に下げないことや、自分たちの保持率を上げて、前線の選手たちにパスを出していくことは、若干は出せたかなと思います」

■舩木 翔選手

Q:先制後、相手にボールを持たれて高い位置まで運ばれていたが、失点はゼロで折り返しました。前半、肌感覚としては、どう感じていましたか?
「相手は代表で何人か欠いた中で、高さというより足元やスピードに特長がある選手を配置して押し込んできました。自分たちとしては、それでも最後の部分で体を張れていたことはプラスだと思いますが、自分たちのゴールに張り付いて守備をする時間が長かったので、何かしらの事故が起きてしまう危険性もありました。前半は山下くん、後半はトリくん(鳥海)と組んでやっていましたが、今は耐える時間、今は前から行く時間というのは、もう少し自分がはっきりと伝えても良かったのかなとは思います」

Q:第2戦も相手は攻撃のメンバーは今日と同じで来ることも予想されるが、今日対戦して感じたことは生かしていきたい?
「そうですね。相手が誰でも失点ゼロで抑えるのが守備陣の役割なので、今日は凄く責任を感じています。どの相手も前には強い外国籍選手がいますが、そういう選手を抑えていくことが今の自分の役割。今日は3失点してしまったので、次は絶対ゼロで抑える気持ちでしっかり守りたいです」

Q:2点差は、諦める点差ではないと思います。第2戦へ向けて
「敗退して終わりたくないですし、絶対に勝って次のステージに進みたいです。今年たくさん試合に出させてもらっている中で、より大きな舞台、決勝に行きたい思いは強いです。今日は1-3で負けてしまったのですが、自分たちも3点取れるポテンシャルはあると思います。絶対にやり返す、という強い気持ちを全員で共有しながら、次の試合に臨みたいです」

■ヤン ハンビン選手

Q:前半は何度も好セーブを見せていたが、結果的に3失点という結果を振り返ると?
「1失点目、良くない形でPKを献上してしまい、悪い雰囲気を変えたかったのですが、流れを変えることができず、残念です」

Q:背後を取られた3失点目について
「エリキ選手にスピードがあることは分かっていました。あの瞬間、自分が先に触れるという予測はあったのですが、自分の動き出しが遅かったのか、反省すべき点があります」

Q:勝ち上がりに向けて、第2戦も残っているが?
「自分たちにも勝ち上がる可能性はあるので、いい準備をして試合に臨みたいです」

■香川 真司選手

Q:逆転負けという悔しい結果になってしまったが?
「前半、先に点を取って、守備の意識が強くなって、耐える展開が続きました。2点目を取るという姿勢を相手に見せ続けないといけない。前半ラスト15分くらいは一方的に攻められていたので。もちろん、よく耐えたということもありましたが、耐えていた分、後半、ああいう失点の仕方でメンタルや体としても重くなった時に、2失点目も喫してしまったのかなと思います」

Q:リーグ戦で首位を走る町田に厳しい現実を見せられた形だが?
「彼らのやりたいことはハッキリしていたところはありましたし、スタッツを見ても、シュート数でも大きな差がありました。ただ、次の試合では自分たちも点を取るしかないので、逆に(我々の)やることがハッキリしたと思います」

Q:清武選手とのプレーについて
「キヨ(清武)が90分やり切ったことはチームとしては大きなこと。キヨ自身のコンディションももっと上がっていくと思う。(一緒に)やっていても、アクセントになっていたので、大きな収穫だと思います」