2回戦
2024.6.12水
セレッソ大阪
渡邉 りょう (7')
阪田 澪哉 (14')
為田 大貴 (64')
3
OTHER
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
2-1
1-0
ジェイリースFC
福元 考佑 (27')
ヨドコウ桜スタジアム
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「天皇杯初戦ということで、危険な試合になるという気持ちを全員で共有して臨みました。他会場を見ても、(J1勢が)苦戦しているチームはありますが、私たちも難しい試合になりました。ただ、1発勝負のトーナメントですので、一番優先されるのは勝利。そこに尽きるという中で、しっかりと勝ち上がったこと(が全て)。そして、ケガなどもあり出場機会が少なかった選手がしっかりとこの試合に向けて、いつも通り、精一杯準備してくれました。その中でたくさんの選手が躍動してくれたことは、勝利とともに嬉しいことでした。ここからまた競争が激化すると感じています。連戦もあります。夏場の厳しい試合もたくさんありますので、また全員でいい競争をしながらレベルアップしていきたいと思います」
Q:選手の突き上げに関して、渡邉選手、阪田選手らが結果を残した一方で、あと一歩という選手もいました。アピールが必要だった選手たちのパフォーマンスについて
「自分の立ち位置を上げた選手と落とした選手がいると感じています。名前の挙がった(渡邉)りょうに関しては、昨年から、調子が良くなったと思ったらケガで離脱を余儀なくされてしまうという流れだったのですが、最近ようやくケガから復帰して、日々のトレーニングで自分と向き合い、しっかりと準備したことが今日の結果とパフォーマンスにつながったと思います。阪田に関しても、どのポジションでも自分の成長のために謙虚に努力した結果が今日のパフォーマンスにつながったと思うので、嬉しく思います」
Q:町田との2連戦や今日の天皇杯も含め、多くの選手が出場したこの2週間は、濃い期間だったと思うが、中2日で臨むJ1リーグ第18節の浦和レッズ戦へ向けて
「浦和戦は今後のリーグ戦を左右する大事な一戦です。この間、逆に浦和はルヴァンカップも天皇杯もなく、しっかりと調整できたとは思いますが、試合をすることがプロサッカー選手としては幸せなこと。試合は続きましたが、緊張感のある日々を2週間、全員で充実した時間を過ごせました。この間、リーグ戦でもパフォーマンスを発揮できそうだなという確かな手応えを得た選手も複数いますので、総力戦で向かっていきたいです」
選手コメント
■渡邉 りょう選手
Q:公式戦出場はルヴァンカップ1stラウンド2回戦以来、約2ヶ月ぶりだったが、その間、どういった思いでトレーニングをしていた?
「少しケガもあって、その後はなかなか序列を上げることができない期間が長く、苦しい時間が続いたのですが、セレッソはそういう選手が試合に出て結果を残すチームです。今年は特にそう。ジョルディ(クルークス)、(ヴィトール)ブエノ、柴山選手や為田選手もそうです。どう悔しさを力に変えて、ピッチに立った時に結果を出すかが大事だと思っていたので、そこを常に考えて日々を過ごしていました。まずは今日、ゴールという結果に結び付いたことは良かったですし、次につなげることができたと思います。ただ、試合内容はチームとしても個人としても改善できる点はいっぱいありますし、個人としても、もっともっと点を決めることができたと思うので、そこはしっかり改善して、次の浦和戦に臨みたいと思います」
Q:清武選手のクロスに、ファーサイドでボレーで合わせた得点の形について。ストライカーらしいゴールだったと思うが?
「清武選手のボールが全てです。彼が持つと絶対にボールが出てきます。キヨくんを見て走ったらパスが来たので、清武選手に感謝したいです。キヨくんの技術が詰まったパスだったのかなと思います」
Q:現在はレオ セアラ選手が突出してゴールを決めているが、夏場の戦いでは、そこに突き上げるFWが必ず必要になります。リーグ戦へ向けての思いは?
「彼以外で複数得点を取っている選手は少ないので、そういう選手がもう一人、二人と出てこないとリーグ優勝は難しい。レオを越えるのは現時点ではなかなか難しいかもしれないですが、そういう高い目標を持って毎日やっています。中2日である浦和戦は本当に重要な一戦になるので、まずはチーム全体でそこに向けてしっかりやっていきたいです」
■阪田 澪哉選手
Q:「結果を残す」という試合前日の言葉通り、有言実行の1得点1アシストになりました。
「ありがとうございます(笑)。結果を残せたことは、少しでも何かを残せたとは思います。ただ、崩しやビルドアップでのミスは目立つので、そういうところは改善していかないといけないと思います」
Q:ニアゾーンに入って決めた得点場面はこの1年の成長を感じたが、得点シーンを振り返ると?
「サイドバックで出ても、ゴール前に入っていったり、ゴールに関わるプレーができることは自分の持ち味の一つだと思います。練習から、抜け出してゴールに行くことは意識していたので、ああいうシーンを作って得点できたことは、少しは成長できたのかなと思います」
Q:試合前に話していた「毎熊選手から見て学んでいる」部分ですか?
「そうですね。飛び出すタイミングは見ていて勉強になるので。全てを真似するわけではなく、自分の特長も生かしながら、ですが。今日はそういう部分が出た得点だったと思います」
Q:シュートについては、高校時代にプレーしていたストライカーらしさも感じたが?
「点を取るのは好きなので、どのポジションで出ても点を取るイメージはしています。今日もサイドバックで出て得点が取れたことは良かったです」
Q:2年連続、天皇杯で点を取ったことについては?
「嬉しいですが、リーグ戦でも決める選手になりたいです。いつチャンスが来てもいいように、という思いで日頃から準備していますし、結果を残すことは監督へのアピールにもなります。監督からの信頼を掴み取るためには、カテゴリーが下の相手からでも結果を残すことは必要です。今日は難しい試合でしたが、チームとしてのやるべきことをしっかりやることが、リーグ戦でのメンバー入りにもつながると思います。リーグ戦のメンバーに食い込むことを目指してやっていきたいです」
■清武 弘嗣選手
Q:先制点につながったパスについて。渡邉選手も感謝していたが?
「(渡邉)りょうが取れて良かったです。りょうも久々でしたし、(北野)颯太もスタートからは久しぶりだったので、何とか点を取らせてあげよう、という気持ちは強かったです。りょうは取れて良かったと思いますが、颯太にももっといいパスを送ったり、いいポジションを取らせてあげたかったのですが、そこだけが悔いが残ります」
Q:今後にもつながる勝利になりそうですか?
「そうですね。今日は久々に4-4-2のフォーメーションで臨んだのですが、また新たなオプションにもなっていくと思います。今日、出た選手たちがしっかりとプレーできたので、チームとして良い方向に進めばいいと思います。もう少し得点が取れれば良かったですが、そこはチームの課題として持っていければと思います」
Q:個人としても、リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯と短期間で試合数を重ねています。この2週間で一気に自身の状態を上げていけた手応えもありますか?
「ちょっとずつしか出ていないので、そこまでは、という感じですが、より効果的なパスを出すことは常に意識しているので、今日はそれが実った試合だと思います。ああいうパスが自分の武器なので、どんどん出していこうと思っています」
Q:大分県代表のチームと天皇杯という舞台で戦えたことについては?
「やっていて、良いチームだと感じました。ボールの運び方や動かし方が上手かったので。最後の精度はJクラブとの差はあると思いますが、ゴールまでの持っていき方は、凄く良いチームだったなと思います。コテ(小手川宏基選手)とも久々に会えて良かったですし、少しピッチで一緒にやれたことも良かったです。コテも頑張っていますし、僕もまだまだ頑張ってやらないといけないなと思います」
■山下 達也選手
Q:リーグ戦での出場機会が少ない選手たち主体で、3-1で勝ちました。試合を振り返ると?
「立ち上がりは危ないシーンもありました。そこは反省点で、セットプレーはリーグでもやられているので、修正しないといけないと思いますが、若い選手や普段出ていない選手が数字を残したので、ポジティブな面の方が大きかった試合だと思います」
Q:ルヴァンカップのプレーオフラウンド第1戦も、前半は素晴らしいパフォーマンスを披露しながら、アクシデントによってハーフタイムで交代になりました。今日はその悔しい気持ちをぶつける思いもありましたか?
「この歳なので、小さな痛みというか、(筋肉の)張りは敏感に出てきます。前のホームでの町田戦が終わった後から今日を目指してやってきました。今シーズン初めて90分やれたことは、この先のシーズンに向けた自信にもなります。コンディションは良いので、どんどん試合に絡んでいけたらと思います」
Q:町田戦、そして今日とプレーを見ていて、「リーグ戦にも絡めるのでは」という期待感もあります。自身としても欲を出していきたい?
「そうですね。若い選手に負けないように、食い込んでいきたいと思います」
Q:あと2試合でリーグ戦も半分が終わるが、チームとして大切なことは?
「今日もそうでしたが、ニューヒーローが出てこないと、チームの勢いも出てこない。そういった選手たちが自覚と責任感を持ってプレーすることが大事。自分自身でしか状況は変えられない。一人一人がそういうメンタリティーで練習から取り組んでいくことが全てかなと思います」
■奥田 勇斗選手
Q:相手も良いサッカーをしていましたが、勝ち切ったことでホッとした部分もありますか?
「そうですね。立ち上がりに危ない場面があって、そこで決められていたら難しい展開になっていたと思いますが、チーム全体でしっかり守って、得点も早めに取れたので良かったです」
Q:ルヴァンカップも含めたカップ戦の3試合は全て先発フル出場でした。力を必要とされ、しっかり発揮できた部分も多かったと思いますが、自身にとってはどのような3試合になりましたか?
「特に意識してこの3試合がどう、というより、試合に勝つために自分がやれることを模索して毎試合やっています。若いので、上下運動もしっかりしないといけないですし、攻撃もできて守備もできるサイドッバックを目指しているので、上下動と攻守両面で貢献したいと思ってこの3試合は挑みました。ただ、攻撃では自分の特長をしっかり発揮できた3試合だとは思いますが、守備では課題も残りました。そこは試合の経験を重ねて慣らしていければと思います。(特に守備で残った課題は?)セットプレーです。自分は身長も高くないですし、ヘディングもそんなに強くないので。真っ向勝負では勝てない分、体を当てるタイミングで勝っていかないといけない。そこは練習だけでは身に付かない部分もあるので、実際に試合を重ねていくことで慣れていきたいです」
Q:プレーオフラウンド第2戦でも最後まで走って攻撃参加していました。あの時間帯であれだけ走れるのも凄いと思ったが、中2日で今日もフル出場。体力的には大丈夫ですか?
「逆にハイになっているので(笑)、休んだ方がキツいというか。大学時代から連戦もある中でずっと試合に出ていたので。大学も走るチームだったので、そのあたりは特に大丈夫かなと思います。連戦の疲労はどこかで出るかもしれないですが、僕はまだ3連戦。翔くん(舩木)とかはもっと出ているので。ただ、守備陣はカバ―し合うしかないので、GKも含めて常にコミュニケーションを取って、助け合っていこう、という話はしています」
渡邉りょう、阪田澪哉の今季初ゴールを含む3得点で勝利。天皇杯3回戦進出を果たす
FC町田ゼルビアとのJリーグYBCルヴァンカップ・プレーオフラウンド第2戦から中2日。舞台を天皇杯に移し、セレッソ大阪は、大分県代表ジェイリースFCとの天皇杯2回戦に臨んだ。先発は、直近の試合から舩木翔と奥田勇斗を除く9人を変更。GK清水圭介が今季初出場を果たし、渡邉りょうがルヴァンカップ1stラウンド2回戦以来、約2ヶ月ぶりの出場となった。
立ち上がり1分、セレッソはCKから相手に決定機を作られたが、シュートが枠を外れて失点は免れた。ただし、最初のヘディングもフリーで打たせており、「そこは反省点。セットプレーはリーグでもやられているので、修正しないといけない」と山下達也も振り返る。ここからはボールを握り、すぐさま主導権を奪い返すと、7分、先制に成功する。山下、ジョルディ クルークス、平野佑一、清武弘嗣とテンポ良くパスをつなぐと、清武がドリブルで運んで絶妙なクロス。「絶対にボールが出てくる」と信じて走り込んだ渡邉へピンポイントで届けると、背番号35が見事なボレーシュートで合わせてネットを揺らした。公式戦における今季初ゴールを決めた渡邉。ケガもあり、出場機会から遠ざかっていた時期も、「どう悔しさを力に変えて、ピッチに立った時に結果を出すかが大事だと思っていた。そこを常に考えて日々を過ごしていました」と自らと向き合い準備を重ねていた。「まずは今日、ゴールという結果に結び付いたことは良かったですし、次につなげることができたと思います」と自身の“今シーズン”がようやくスタートした。続く14分にも追加点。右サイドで起点を作ったクルークスのパスをニアゾーンに走り込んで受けた阪田が右足でトラップし、反転して見事に左足で決めた。昨年、プロ初ゴールを決めた天皇杯2回戦で今季も結果を残した。その後は3点目のチャンスを逃すと27分に1点を返され、31分にも決定機を作られたが、ここはGK清水が足に当ててビッグセーブ。1点リードで前半を折り返した。
後半開始から北野颯太に代わって上門知樹が2トップの一角に入ると、51分、清武のパスを受けた上門がミドルシュート。惜しくも枠は外れたが、相手ゴールを脅かした。57分にも、阪田が縦に突破してチャンスを作ると、64分に3点目。舩木翔のフィードを受けた阪田が再び縦に突破してクロスを上げると、ファーサイドから飛び込んできた為田大貴が頭で合わせ、ゴールにねじ込んだ。3分後にも、この試合、随所に別格のプレーを披露し続けていた清武のパスから渡邉が決定機を迎えたが、ここはシュートをGKにストップされた。途中から柴山昌也、山田寛人らも交代で入り、4点目を目指して攻めるセレッソは、78分、柴山が得意のドリブルでカットインしてシュート。83分には、山田が高い位置でカットして自ら持ち込みシュートと、それぞれ果敢にゴールに迫る。守備では、82分にPKを与えてピンチを招いたが、ここは相手のシュートが枠を外れて事なきを得た。85分、舩木のフィードから背後を取った柴山がループシュートで狙うもわずかに枠の外。87分にも、再び柴山が細かいタッチのドリブルで相手を外してシュート。ただし、ここも相手GKの手に当たった後にクロスバーを叩いてゴールならず。悔しさを露わにした背番号48だが、短い時間でインパクトのあるプレーを連発した。
試合はこのまま3-1でセレッソが勝利。ジェイリースFCの巧みなボール運びの前に、守備で後手を踏む場面も見られたが、前半から得点を重ねて3回戦進出を果たした。「1発勝負のトーナメント、一番優先されるのは勝利。そこに尽きる」と指揮官も試合を総括。さらに、「たくさんの選手が躍動してくれたことも、勝利とともに嬉しいこと。ここからまた競争が激化すると感じています」とも話した。次なる公式戦は、中2日で迎える明治安田J1リーグ第18節・浦和レッズ戦。5連戦の5試合目となるが、勝点で並ぶ相手に対し、「今後のリーグ戦を左右する大事な一戦」(小菊監督)。必勝を期して準備を重ねたい。