2024明治安田J1リーグ第20節

2024明治安田J1リーグ

2024.6.26

セレッソ大阪

オウンゴール (8')

1

HOME

FULL TIME

0

1-0

0-0

サガン鳥栖

ヨドコウ桜スタジアム

11,040

Asueサポーティングマッチ

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

5試合ぶりにクリーンシートを達成。リーグ後半戦のスタートを白星で飾る


リーグ後半戦のスタートとなった今節。セレッソ大阪は、ホームにサガン鳥栖を迎え、明治安田J1リーグ第20節に臨んだ。先発は前節のジュビロ磐田戦と同じ11人。トップ下には、前節に続いて上門知樹が入った。

開始早々、その上門が前からプレス。鳥栖に蹴らせて、奥埜博亮がセカンドボールを拾う。前回対戦時では、鳥栖のビルドアップに守備で後手を踏んだセレッソだが、今節は連動した守備で鳥栖の攻撃を抑えると、奪ったボールも素早くつなぎ、敵陣に入っていく。4分に最初の決定機。複数の選手で細かくつないで中央を割ると、最後はレオ セアラが左足をコンパクトに振り抜いた。ここはポストを叩いてゴールとはならなかったが、8分、先制に成功する。奥田勇斗が右サイドのスペースへパスを送ると、走り込んだルーカス フェルナンデスが深い位置からダイレクトでクロス。戻って対応した相手選手のヘディングでのクリアが鳥栖のゴールに吸い込まれた。オウンゴールという形ではあったが、「立ち上がりから選手たちが攻守にゲームプランを全うしてくれた」と小菊昭雄監督も振り返ったように、セレッソが攻守に勢い良く試合に入った結果、生まれたゴールでもあった。続く11分には舩木翔のクロスから、17分にもセアラが背後に抜けてチャンスを作ったが、追加点とはならず。前半の中盤以降は鳥栖にボールを持たれる時間も続き、自陣右サイドから何度かチャンスを作られたが、西尾隆矢と奥田もしっかり対応。失点を許すことなく、前半は1点リードで折り返した。

後半に入って早々、立て続けにCKを獲得すると、52分に決定機。フェルナンデスのキックをファーで田中駿汰が折り返し、中でセアラが詰めたが、ここは相手GKに防がれた。ここからは選手交代も行って反撃に出てきた鳥栖に対し、セレッソは守備の時間も増えていくが、カウンターから何度も好機を作る。68分には、最終的にオフサイドにはなったが、GKキム ジンヒョンから奥田、セアラとつなぎ、背後を取った上門がポスト直撃のシュートも放った。71分、前節と同様、上門に代わって柴山昌也がトップ下に入ると、82分、柴山に決定機。フェルナンデスが自陣でボールを奪い、そのままドリブルで運び、ゴール前へ走り込んだ柴山へ絶妙なラストパスを送る。GKとの1対1という絶好のシチュエーションを作った柴山だが、シュートは惜しくもGKに防がれた。試合後、この場面について柴山は、「ニアは空いているように感じなかったので、ファーに力強く蹴ろうと決断したのですが、冷静に映像を見たら、相手GKもファーを予測して先に動いていました。ニアに流し込めば入っていたと感じています」と振り返った。「ああいう場面でいかに冷静に自分の技術を発揮できるかが今の課題」と悔しさを露わにしたが、次節以降に期待したい。チームとしても、「2点目を取れなかったことが今回の反省点」(西尾)と、試合を決定付けることができずにいると、終盤は自陣に押し込まれる場面も増えた。それでも、チーム全員が守備の集中を切らさず体を張ってブロック。90分にはセアラに代わってジャスティン ハブナーが入り、5バックで試合を締めて、1点を守り切った。

リーグ後半戦の初戦であり、上位に食らい付くためには「どうしても勝点3が必要な試合だった」(西尾)一戦で勝利を掴んだセレッソ。試合前日、「無失点にこだわりたい」と話していた奥田も、相手のストロングポイントである左サイドからの攻撃を封鎖。「今日はしっかり攻守に見せることができたと思います」と笑顔で試合を振り返り、「今日の勝利で上位との勝点差も縮まりました。一つ一つ勝っていけば追い付ける差なので、ここから連勝していきたいです」と今後の意気込みを述べた。次節は中3日で再びホームに名古屋グランパスを迎える。前回アウェイでの対戦では開幕8戦負けなしを止められた相手だけに、今節は必ず借りを返し、さらなる上位へ向かっていきたい。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「非常に大きな勝点3だと思っています。後半戦のスタート、また、ホームでできるということで、勝点3がマストの状況でした。ここで勝点3を取れなければ、上位争い、優勝争いが非常に厳しくなっていました。その中でしっかりと結果を出すことができ、選手に感謝しています。またすぐにホームで名古屋との試合がありますので、ホーム3連勝を目指して良い準備をしていきたいです」

Q:試合の入りが素晴らしかったですが、上手く入れた要因は?
「鳥栖は前節の京都戦で素晴らしい勝利を収めて、本来のスタイルも含めて、前から圧力をさらに掛けてくることが予想されました。その相手の矢印をどう折って、どのようにかいくぐっていくのか、選手たちが攻守にゲームプランを全うしてくれたおかげで、良い入りができました。立ち上がりが全てだったと思います。守備もコンパクトに、全員の狙いを共有することができました。ボール保持のところでも、どう相手を動かして、押し込んでいくのか。そこも表現してくれたことが先制点につながったと思います」

Q:後半、柴山選手が迎えた決定機など、追加点が取れなかったことについて
「先ほど選手たちとも共有したのですが、1-0で、クリーンシートで勝てたことは選手たちのハードワークの結晶で、素晴らしい勝利でしたが、たくさんあったカウンターのシーンで追加点を取ることができれば、さらに選手たちの絆が深く、強固になって、色んな幅でゲームコントロールができる、チームとしての引き出しが増えます。シバ(柴山)もそうですが、何度もあったチャンスで2点目を決め切れないことに私たちの課題がありますし、2点目を決め切ることができれば、さらに強いセレッソに成長できると思いますので、全員でしっかり向き合ってやっていきたいです」

Q:無失点で抑えた守備について。パリ五輪に挑む世代別代表のメンバー発表も近いですが、西尾選手と奥田選手で組む右サイドもしっかり守れていたが?
「鳥栖の左サイドはストロングポイントで、横山(歩夢)選手からのホットラインで、クロスからの得点パターンは我々が一番、警戒していたところでした。そうした相手に対し、素晴らしいパフォーマンスでした。個人としても、グループとしても、相手の良さを出させないプレーが多かったと思います。彼ら(西尾と奥田)のパフォーマンスが今日の勝利に大きく貢献したと思います」

選手コメント

■西尾 隆矢選手

Q:無失点での勝利は、DFにとっては最高の結果ですね。
「そうですね。前節も自分のところから失点した部分もあるので、そこは悔しかったです。今日、失点ゼロで終われたことは良かったです」

Q:今日は試合の入りが良かったが?
「入りは全体的に良かったですが、2点目を取れなかったことが今回の反省点。2点目を取れなかったことで、終盤はボールも持たれて押し込まれる時間も多くなりました。ショートカウンターからチャンスを作っていたので、そこで仕留めることは、チーム全体でやっていきたいです」

Q:それでも終盤は選手全員で体を張って守ったが?
「今日は後半戦のスタートで、大事な一戦でした。どうしても勝点3が必要な試合だったので、しっかり勝点3を取れたことは良かったです」

Q:前節2得点していたマルセロ ヒアン選手との対峙については?
「スピードがある選手ですし、体も屈強ですが、対人で負ける気持ちはなかったです。自分から先に体をぶつけられれば怖くないと思っていたので、しっかりと対応できました。それと、試合前に知ったのですが、(ヒアン選手は)自分より年下だと。それを知って『より負けられない』と思いました(笑)。その気持ちもプレーに出せたと思います」

Q:今日はU-23日本代表コーチの羽田憲司さんも視察に訪れていたようだが?
「そのようですね。話はしていないですが、(香川)真司さんも、『来ていたよ』と伝えてくれました。前節も大岩(剛U-23日本代表)監督が来られていたようですし、メンバー発表も近づいているので、常に見られていることは自覚しています。ただ、そこは頭の片隅に入れながら、セレッソで結果を出し続けることが大事だと思って集中してプレーしています」

Q:前節は鈴木海音選手(ジュビロ磐田)、今節は木村誠二選手と、U-23日本代表候補のメンバーが相手にいましたが、自身としても、この2試合はやれることをしっかり出せたのでは?
「そうですね。代表のメンバーと対戦できるのは嬉しいですし、試合をしていても楽しいです。前節、今節と負けられない思いは強かったですし、今日はしっかり勝ち切れて良かったです」

■奥田 勇斗選手

Q:試合前日は「無失点にこだわりたい」と話していたが、クリーンシートで抑えました。
「そうですね。今日の試合は守備を意識して臨みましたし、セットプレーでもしっかりタイトにマークに付けました。攻撃でも出ていく力を出せたと思いますし、今日はしっかり攻守に見せることができたと思います」

Q:攻撃では、先制点につながった場面も含め、特に前半は右サイドが機能していたが?
「ルーカス(フェルナンデス)との連係も良くなっていますし、(西尾)隆矢もボールを運んでくれるので、自分が高い位置でプレーできるシーンは多いです。そこからさらに、最後のクオリティーを高めていきたいです」

Q:守備では、鳥栖の横山選手も仕掛けてきましたが、サイドでの対人を振り返ると?
「映像を見ていた中で、カットインからのクロスで得点するシーンもあったので、カットインに注意しようと思っていました。最初は、逆足でのクロスになる縦に行かせようと思いながらプレーして、徐々に距離感も掴めて、うまく対応できたと思います」

Q:中3日で迎える次節に向けて
「今日の勝利で上位との勝点も縮まりました。一つ一つ勝っていけば追い付ける差なので、ここから連勝していきたいです」

■ルーカス フェルナンデス選手

Q:先制点につながるクロスも含め、今節もチームに貢献したが?
「しっかり走って、ゴールに結びつけることができて良かったです。相手もボールを握るプレーはうまいので、耐える時間もあると思っていました。最後までしっかり守れたことも良かったです」

Q:カウンターを繰り出す場面もありました。2点目、3点目も欲しい展開だったが?
「そうですね。試合後もロッカールームでは、『2点目、3点目を決めて、試合を決定付けないといけない』という話はしました。ただ、今日は失点ゼロで終われて勝利できたことは良かったです」

Q:試合前に抱っこしていたのは娘さんですか?
「そうです(笑)。先週、家族が来日しました。とても嬉しいです」

■柴山 昌也選手

「(開口一番に)すみません…!(苦笑)」

Q:決定機の場面だと思いますが、やはり自身でも決めたかった?
「そうですね。さっきも映像を何回も見返したのですが、あの瞬間に判断したのは、ニアは空いているように感じなかったので、ファーに力強く蹴ろうと決断したのですが、冷静に映像を見たら、相手GKもファーを予測して先に動いていました。ニアに流し込めば入っていたと感じています。一瞬の判断ですが、これまでもああいったシーンを決めたことはありますし、今日も決めることができたと思うので、本当に悔しいです」

Q:前節も話していましたが、ああいう場面を決め切るようになれば、個人としてのステージも上がるだけに、乗り越えたい?
「間違いないです。前節も今節もあそこまで行けていることはプラスですが、チャンスで決め切れなかった。ここ2試合は前で出ることも多く、よりゴールに近いので、自分の特長もより生きてきます。これからもあのようなシーンは増えると思うので、そこで決められるようになれば、得点も量産していけると感じています。ああいう場面でいかに冷静に自分の技術を発揮できるかが今の課題なので、頑張ります」