第21節
2024明治安田J1リーグ
2024.6.30日
セレッソ大阪
レオ セアラ (26')
ルーカス フェルナンデス (65')
2
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
1-0
1-1
名古屋グランパス
久保 藤次郎 (76')
ヨドコウ桜スタジアム
16,400人
ヘソプロダクションサポーティングマッチ
イベント
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「チームが安定して前進している状況で迎えた今日の試合でした。その安定した状況を加速させるために、そして我々の目標を達成するためにも今日は勝点3が必要なゲームでした。先制点、そして、ここ数試合の課題であった追加点をしっかり取れたことが、一つ大きな勝因になりました。もう一つは、連戦で、非常に湿気の多い気候条件の中、全員がハードワークして素晴らしい守備を全うしてくれたことも勝因に挙げられると思います。今日の試合でまた一気に加速しましたので、1週間後の東京V戦へ向けて、全員でしっかり準備していきたいです」
Q:今節はブラジル人選手トリオが2得点を生み出しました。改めて、結果を残しているレオ セアラ選手とルーカス フェルナンデス選手について
「ブラジル人選手たちがしっかりと特長を生かしてそれぞれの強みを発揮していることが、いまチームの調子が良い大きな要因だと思います。ただ、攻撃のところだけではなく、私は守備のタスクも強く求めています。守備ができなければ、攻撃に特徴がある外国籍選手でも試合には出せない、ということはハッキリ伝えています。もちろん日本人選手も含めて、そのタスクをしっかり全うするようチーム全員に伝えている中で、彼ら(外国籍選手)も自由と規律、攻撃と守備、そのバランスをしっかり取ってプレーしてくれています。もちろん、解き放つエリアでは、攻撃のタスクを与えていますが、しっかり抑えないといけないところでは守備のタスクも全うすることは、レオ、ルーカス、カピ(カピシャーバ)と、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれています。これからさらに上を目指すためには、彼らのパフォーマンスは必要不可欠な要素だと思います」
Q:そうしたブラジル人選手たちを、チームとしても上手く使っていると思います。周りとの連係面については?
「そうですね。特に今日もジョー(上門知樹)が潤滑油として素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。ブラジル人3選手が輝いた大きな要因だったと思います。守備の場面でも、少し彼ら3選手が前がかりに行こうとしたときに、ジョーがうまくボランチとの距離感を図り、締めるタイミングを配慮して、バランスを取ってくれました。そうした守備に加えて、ジョーの運動量、ポケットへのランニング、そういったことがあったからこそ、彼ら3選手のパフォーマンスにつながったとも思います」
Q:ダブルボランチに変えて安定している守備ですが、欲を言えば、彼らがゴール前に関わりゴールという結果も生まれると、より分厚い攻撃になりそうだが?
「元々、オク(奥埜)も(田中)駿汰も攻撃が好きな選手です。今日もそうですし、ここ数試合、ゴール前に入っていく回数は増えています。駿汰も前節は結構シュートを打ちました。オクも元来点取り屋です。タスクを共有して回数を増やしていけば、彼らのゴールは近いタイミングで必ず生まれると思います。今の攻守のバランスを全員で共有して、上積みしていけば、(ボランチの)ゴールという結果も増えていくと思います」
Q:今日も安定した守備を見せていた西尾選手にとっては、五輪のメンバー発表を控えた中で最後の試合となったが、彼の成長ぶりについて
「若い選手は1試合1試合、グングングンと伸びるんだな、という経験をコーチ時代も含めてたくさん見てきました。まさに(西尾)隆矢はそういうタイミング、時期なのかなと思います。悔しい経験をしたU-23アジアカップから、彼自身も色んな苦しいこともあったと思いますが、それをしっかり自分の力で乗り越えて、ゴールを守る、ボールを奪う、ビルドアップ。全ての面で、1試合1試合、成長が著しいと実感しています。それは見ておられる皆さんが一番感じられるのではないかと思うぐらい、誰が見ても素晴らしいスピードで成長曲線を描いています。自信を持ちながらも謙虚に、過信にならないように。彼はそういうタイプではないので安心はしていますが、オリンピックだけではなく、近い将来の日本代表にもなれる選手だと思っていますので、そこを目指して1日1日を精一杯やって欲しいと思います」
選手コメント
■レオ セアラ選手
Q:長い距離を1人で持ち込んで決めた先制点について
「風もあり、相手のDFが(落下地点を)読めなかったのかもしれません。ボールを受けてドリブルをして、中を見たら誰もいなかったので、自分で突破してシュートまで行こうと思いました。チャンスで先制点を決めることができて良かったです」
Q:今節もブラジル人選手トリオが大活躍だったが?
「3人だけではなく、チーム全員で良い形を作った中で、僕たちが結果を残せているのだと思います。自分たちだけではなく、チーム全員のパフォーマンスが上がっている結果だと思います。そうした中でも、僕らが結果を残せばチームは目標の順位に近付けると思うので、もっともっと結果を残していきたいです」
Q:これで15点目となり、得点ランクトップを走っているが?
「ゴールはいつでも嬉しいです。ただ、自分だけの力ではなく、チーム全員で勝ち取ったゴールです。それに何より、勝利につながったことが嬉しいです。欲張らず、これからも1試合1試合を全力で戦って、ゴールを積み重ねていければと思います」
■ルーカス フェルナンデス選手
Q:自身の得点が決勝点になったが?
「ゴールを決めることができて嬉しいです。何よりチームの勝利に貢献できたことが良かったです。自分たちが結果を出していけば、自ずと上位にも入っていけますし、もっともっと上も見えてくると思います」
Q: 「アシストだけではなく、得点も取りたい」という話を少し前にしていましたが、リーグ戦の直近4試合で2点目です
「そうですね。やっぱりゴールは勝利につながりますし、得点を取るために練習しています。これからも自分たちが練習して準備している形を常に試合で発揮できるようにやっていきたいです。今日はレオとゴールを取りましたが、レオとは常に『ゴールを取ろう』と話していますし、これからも続けていければと思います」
Q:小菊監督は守備面での貢献も評価していたが?
「ディフェンスしないといけないことは分かっています。監督の指示は自分たちもしっかりやらないといけません。それがこういう形で勝利につながったことは良かったです」
■カピシャーバ選手
Q:2点目は、自らがボールを奪ったところが起点となったが?
「自分たちの武器であるカウンタープレスが上手くいったと思います。みんなで連動して守備をして、あの場面では自分が奪えました。そこから相手を抜くこともできて、中にルーカスがいることも見えました。ルーカスが良い動きをしてくれたので、そこに合わせることができました」
Q:追加点の重要性を感じた試合にもなったが?
「自分たちでも、『2点目を取ることが大事』という話をした中でこの試合に臨みました。その中で2点目を取れたことは嬉しかったですし、これからの自分たちの自信にもなりました」
■奥埜 博亮選手
Q:後半、左足でのシュートは惜しかったですね。
「そうですね、でも枠に入っていないので、枠に飛ばせるようにしたいです(苦笑)」
Q:ゴールへのフィーリングは上がっている?
「もう少しボランチのところからシュートを打てる場所に関わっていく回数は増やしていきたいです。チームとのバランスにもよりますが、ボランチからそういう場所に関わる機会が増えれば他の選手も空くので、試合展開にもよりますが、個人的にはフィニッシュの回数も増やしていきたいです」
Q:J1通算300試合という節目の一戦を勝利で飾れたが?
「自分としてはあまり実感がないですが、300試合という数字を達成するためには、自分の力だけでは成し得ることはできません。自分を試合に使ってくれた監督の方や、チームメイトの協力もあってのことなので嬉しいですし、まだまだ頑張っていきたいという思いです。そういう試合でしっかり勝てたことは良かったです」
Q:この3連戦も、蒸し暑さもある中で全て先発されました。まだまだやれますね。
「そうですね(笑)。持久力の部分で変化は感じていません。疲労回復は若い頃よりは意識してやっているので、色んなことにチャレンジしながら、自分に合う方法を見つけていきたいです。(今後は)ジンさん(キム ジンヒョン)とかもっと凄い人もいるので、追い付けるようにやっていきたいです」
■西尾 隆矢選手
Q:今日も1点差で終盤を迎え、最後はしんどい試合になったと思いますが、勝因について
「どの試合も簡単ではありませんが、今日もタフな試合になりました。終盤も『簡単には勝たせてくれないな』と思ってプレーしていました。前半も最初はしんどい時間が続きましたが、ここ数試合はそういう時間帯で耐えられていることが勝利につながっていると思います。今日の試合もそういう我慢強さを出せてしっかり勝点3を取れたので良かったです」
Q:パリ五輪のメンバー発表前、最後の試合も勝利に貢献されました。「やることはやった」という心境ですか?
「そうですね。セレッソでずっと試合に出させてもらって、1試合1試合するたびに成長させてもらっていると感じています。そういう有り難さを、五輪のメンバーに選ばれて五輪の舞台で発揮できれば嬉しいです。あとは願うだけですね(笑)」
Q:最近は試合の中で、より気持ちがプレーに現れているように見えるが?
「人生もそうですが、良い時期も悪い時期もある中で、昨年は苦しい思いもしました。自分を見つめ直す時間でもありました。今は素で喜びも悔しさも表現できているというか、勝手に出てきます。これが本来、自分がやっていかないといけない姿勢だったなと、今になって気付きます。今は良い時期だからそう思うのかもしれませんが、悪い時期でもそういう姿勢やテンションは維持しないといけないと感じています。今は良い状態だと、自分の手応えとしても感じます。やっていて、ポジティブにプレーできています」
Q:縦パスも明らかに入っているように見えるが、ビルドアップでの成長も感じますか?
「そこに関しては、成長というよりトライという気持ちですね。現代のサッカーは、前にいいパスを提供できるCBが求められています。なおかつ守れる。ビルドアップは昨年、一昨年と課題でした。ミスを恐れてトライしないことが一番ダメだと感じたので、今は試合でどんどんトライすることを心掛けています」
■奥田 勇斗選手
Q:貴重な勝点3を積み上げました。自身として、この試合を振り返ると?
「チーム全体でも、この試合は上位に近付くために大事な試合と認識して臨みました。先に2点を取れたことが勝利につながったと思いますが、あの時間帯で失点しないことも心掛けていきたいです。自分としても、勝つために何ができるかを意識して臨みました。守備では1対1でやらせないことや、セットプレーでマンツーマンの相手にやらせないことを意識しました。そこも徐々に結果として出せていると思います。攻撃では、自分がうまくコントロールすれば味方も楽になると思うので、そこは引き続きやっていきたいです」
Q:名古屋の倍井選手とは大卒の同期だが、対戦した感想は?
「プロとしては初めて対戦しました。(倍井)謙とは、大学時代からずっと対戦しているので、特長は掴んでいました。1対1も、今日はやられていないと思います」
攻守に躍動し、名古屋にリベンジを果たす快勝。リーグ後半戦を連勝でスタート
後半戦のスタートを勝利で飾った前節のサガン鳥栖戦から中3日。セレッソ大阪は再びホームに名古屋グランパスを迎え、明治安田J1リーグ第21節に臨んだ。先発は前節と同じ11人。3連戦の3試合目だったが、安定してきたスタメンを継続して挑んだ。
立ち上がりは名古屋の攻撃をしのぐ展開に。3分には決定機に近いシーンも作られたが、舩木翔がシュートコースを限定し、GKキム ジンヒョンがビッグセーブでゴールを守った。続く6分の相手のシュートも西尾隆矢が体を張ってブロック。この時間帯に失点しなかったことが、この試合の最初のポイントとなった。セレッソも7分、ルーカス フェルナンデスが高い位置でボールを奪ってチャンスを作り、最後は上門知樹がシュート。8分にも、カピシャーバの鋭いクロスにレオ セアラが飛び込む。ここからも一進一退の攻防が続く中、何度か永井謙佑にサイドを突破されかけたが最後は守ると、22分にビッグチャンス。奥田勇斗のクロスをファーサイドでカピシャーバが折り返し、レオ セアラがシュート。ここはクロスバーを越えたが、26分、セレッソが先制に成功する。相手が細かくつないで攻めてきたところを奥田がカットし、前方へパスを送ると、相手DFに競り勝ったレオ セアラがハーフェーライン付近からドリブルで持ち運び、左サイドから中へ進入。角度のないところから左足で決めて、先制点をもたらした。これで主導権を掴んだセレッソは、30分には上門がプレスバックで相手DFへのイエローカードを引き出すと、37分には相手のバックパスに詰めたレオ セアラが2点目を取りかけるなど、セレッソが攻勢のまま前半は終了した。
後半も立ち上がりは名古屋のサイド攻撃に守勢に回る。ただし、すぐさまボールを握って押し返すと、55分には、ルーカス フェルナンデスのパスを受けた奥埜博亮が左足で惜しいミドルシュートを放つ。この試合がJ1通算300試合となった奥埜。「あまり実感がないですが、試合に使ってくれた監督の方や、チームメイトの協力もあってのことなので嬉しいです。(間もなくJ1通算400試合となる)ジンさん(キム ジンヒョン)とかもっと凄い人もいるので、追い付けるようにやっていきたい」と試合後は今後の抱負も述べた。試合は60分に名古屋が3枚替えで仕掛けてきたが、ここをしのぐと、65分に待望の追加点。左サイドでカピシャーバがプレスをかけてボールを奪うと、そのまま自ら仕掛け、相手をかわして中へクロス。逆サイドから飛び込んできたルーカス フェルナンデスが右足アウトで合わせてネットを揺らした。「自分たちでも、『2点目を取ることが大事』という話をした中でこの試合に臨みました。その中で2点目を取れたことは嬉しかったです。これからの自分たちの自信にもなりました」とカピシャーバ。今後の戦いを見据えても、大きな追加点となった。
これでさらに優位に立ったセレッソだが、ここからやや疲労の色も見え、細かなミスが続いてカウンターの打ち合いのような展開になると、76分、CKをクリアしたセカンドボールを叩き込まれて失点。1点差に迫られると、87分にはカウンターからピンチも迎えたが、自陣右サイドからのクロスに対し、中でパトリックに届く直前、戻った為田大貴がスーパークリア。同点を防ぐ大きなプレーだった。後半アディショナルタイムにはジャスティン ハブナーを投入し、前節と同様、最後は5バックで締めたセレッソが1点差を守り切って勝利。ホーム3連勝を達成し、リーグ戦の負けなしを7試合に伸ばした。試合後は、今節の勝利の立役者、ブラジル籍選手トリオがサポーターと喜びを分かち合い、スタジアムが幸福感に包まれた。「非常に湿気の多い気候条件の中、全員がハードワークして素晴らしい守備を全うしてくれたことも勝因。今日の試合でまた一気にチームは加速した」と小菊昭雄監督。次節・東京ヴェルディ戦へ向け、再びチーム全体でいい準備を重ねていきたい。