第24節
2024明治安田J1リーグ
2024.7.20土
セレッソ大阪
ルーカス フェルナンデス (90+10')
1
HOME
FULL TIME
2
ヨドコウ桜スタジアム
0-1
1-1
アルビレックス新潟
松田 詠太郎 (36')
小野 裕二 (47')
ヨドコウ桜スタジアム
18,468人
ヤンマー #Football is our engineサポーティングマッチ
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MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「今節は30周年記念マッチということで、セレッソの歴史を作って来られたOB、そして関係者の皆さまに勝利をお届けしたかったのですが、非常に残念な結果となりました。前半、私たちにもチャンスもありながら、ピンチもありました。入りも良かったですし、粘り強く無失点で抑えていた中で、自分たちのスローインから奪われてカウンター(から失点)。後半の入りでの失点。最近は守備が堅く、失点せずに乗り越える時間帯は我慢強く乗り越えることができていたのですが、今日は残念な失点の仕方、時間帯、そして退場と、非常に難しい試合となりました。ただし、2点差が付いて退場者が出て、さらに3点、4点と取られてもおかしくない厳しい試合状況の中で、最後まで戦い抜いたところ、1点を返して、さらに追いつくんだという気持ちを全員が見せた部分は選手たちを称えたいと思います。もちろん、勝点3がマストの試合で敗戦という結果は、非常に悔しくて残念な気持ちですが、また少し中断期間がありますので、全員の競争をもう一度フラットにして。ケガ人も戻ってきました。今、試合に出ていなくてもトレーニングでのパフォーマンスが高い選手もいます。中断期間中、ドルトムント戦もありますし、競争をゼロからやっていきたいと思います」
Q:今日、特に残念だったと思うのが、前半の内容です。前節の反省を生かすことができなかった印象です。守備でもプレスが連動せず、スピードアップさせてしまう場面が多々あり、攻撃でも、つながりを欠いて決定機を作れませんでした。どのような狙いで試合に入りましたか?
「相手のスタイルとして、新潟はJ1でもボール保持率ナンバーワンのチームです。やはり守備がキーになってくる中で、しっかりと自己犠牲できる選手、ハードワークできる選手、その基準を満たしている選手をまずは選びました。その中で、全員でプレスラインを共有しながら、基本的にはハイプレスでやっていこうという共有があった中で、相手に上回られる時間帯もありました。そこはチーム戦術の問題だと思っています。選手たちの頑張りがつながらなかったところは、これからの課題だと思っています。チームとしての守り方、人選もしっかりと分析して、今後に生かしていきたいと思います」
Q:復帰戦となった登里選手、セレッソでのデビューとなった山﨑選手について
「ノボリ(登里)に関しては、本来はこの試合(のスタメン出場)は少し厳しいプランでした。その中で、西尾がU-23日本代表に選ばれて、今の最終ラインの状況を考えた時に、少しの紅白戦しかしていない状況で、色々なリスクもあったのですが、非常によく戦ってくれた、走ってくれたと思います。そこは彼のメンタリティー、クオリティーが支えてくれたと思います。これから中断期間でコンディションも上げていけるので、さらに高いパフォーマンスを発揮してくれると思います。(山﨑)凌吾については、まだチームに入って間もないのですが、素晴らしいポストプレー、守備の献身性もたくさん見せてくれました。彼もここからチーム戦術に慣れて、しっかりと競争の舞台に立って、FW陣と切磋琢磨していって欲しいです」
Q: 「もう一度、競争をフラットに」という言葉もありましたが、普段から仰っていますが、さらに目を厳しくして、ということでしょうか?
「もちろん、今までも日常が全てで、競争を勝ち取った選手が出場することを大事にしてきました。その中で、登里、進藤、(喜田)陽も復帰しました。新加入の凌吾、(髙橋)仁胡も入ってきました。今まで積み上げてきたシステムに、彼らの良さを生かしながら、どう使っていくのか。スタイル、人選、そのあたりも含めてもう一度競争をしていきたいと、選手たちにも伝えました」
Q:今節は上位の町田、ガンバも敗れました。結果的に上位との差を詰めるチャンスだったが、今後の上位争い、優勝争いに食らい付いていく意気込みについて
「残された試合、全てに勝点3を目指して準備する、戦う、そこに尽きます。一つ一つ、全て勝つつもりで準備しますし、自分たちで諦めないことが大事。終わったことは反省し、切り替えて、次の町田戦に向けてやっていきたい。首位の町田を叩ければ自分たちで可能性を広げていくことができますので、一つ一つの試合に全力で準備して戦っていきたいと思います」
選手コメント
■ルーカス フェルナンデス選手
Q:最後は積極的なシュートで、ゴールの瞬間、スタジアムの雰囲気も変わったが?
「相手も良いチームで、ゲームをコントロールされて、難しいゲームになりました。もちろん、我々の流れの時間帯もありました。ポストに当たったシュートが入っていれば、また流れも変わっていたと思います。1点を返せば流れも変わると思って最後まで戦っていました。最後まで戦うチームの姿勢は見せることができたと思います」
Q:やはり0-2で終わるのとは、気持ちも違いますか?
「一人少なくなっても諦めないということは、あのゴールで示せたと思います。大勢のサポーターが来て下さった中で負けることは本当に悔しい。最後まで出し尽くした、ということは自信を持って言えますが、結果を出さないといけないのが我々の世界です」
■田中 駿汰選手
Q:今日の敗因としては、どう考えますか?
「相手にボールを握られた中で、しっかり守備で耐えて、失点ゼロで前半を終えたかったです。相手もポゼッションは上手いので、簡単には取らせてくれません。回されても最後は体を張って守れていたら、違った結果になったと思います」
Q:プレスに行っても外された時に、スピードアップされた印象です。割り切って、全体で守備のブロックを落とす方法もありましたか?
「そうですね。『前から行く』というチームとしての共通認識があったので、前から行きましたけど、うまくハメられずに打開されたシーンは結構ありました。前半の中で、『プレスのラインを少し下げよう』という話もあったのですが、そこまで上手く修正ができず、ズルズル行ってしまった前半でした」
Q:試合の中でコントロールすることも必要でしょうか?
「そうですね。上手くいかない時間帯はどのチームにもあるので。そこで、やっている選手たちがどれだけ修正できるかは大事になってきます。そういうことができれば自分たちももっと上に行ける。やりたいポゼッションの形もありますけど、守備を整備すれば、自然と攻撃も良くなる。中断期間はしっかり守備をやることが大事だと思います」
■奥田 勇斗選手
Q:今節の攻守を振り返ると?
「ビルドアップでは、ノボリさん(登里)が入って、3-2のボール回しにチャレンジして、自分は後ろの3の右で回す形でした。前進してボールは運べましたし、握れていたとは思いますが、握るだけになっていた。そこから縦パスや、ファイナルゾーンに入る動きは足りなかったと自分自身も思います。自分もファイナルゾーンに入った時は、もっと攻撃に参加すれば良かったと思いました。守備は久しぶりにトリくん(鳥海)と(同サイドで)組んでやりましたが、連係も取れていたと思います。前節は背後をやられたシーンもあったのですが、今節は集中して入れたと思います」
Q:毎熊選手が移籍して、欠かせない戦力になっていますが、心境の変化はありますか?
「スタメンで出る以上、責任は一層、重くなりました。毎熊くんが偉大だった分、重圧はありますが、自分なりにチームに馴染めていると思いますし、攻撃ではハマってきたと思います。守備は慣れの段階だと思います」
Q:両方だとは思いますが、攻守どちらをより伸ばしていきたい?
「自分としては、攻撃が好きなので、前に行きたい気持ちは強いですが、サイドバックは守備のポジションなので。守備が出来て初めて、良い攻撃につながります。最近は守備から入る意識になっています。次、ドルトムントと試合がありますが、今日の試合後は監督も、『中断期間でもう一度、競争を見直す』と話していたので、またスタメン争いが始まります。自分も負けじと頑張っていこうと思います」
■登里 享平選手
Q:守備の狙いどころが定まらず、相手の攻撃を受けて厳しい試合になった印象だが?
「そうですね。相手も保持するチームで、奪いにいくところ、リトリートするところの使い分けが大事になった中で、押し上げ切れなかった部分もありました。後ろからもっとコントロールするべきでしたし、逆に押し返す部分で、奪った後の課題も残りました」
Q:久しぶりに先発して長い時間プレーした感覚は?
「特に変わらずでしたが、試合中に修正する部分、コントロールすることがなかなかできなかった。難しいゲームになりました」
Q:登里選手が負傷する以前は、後ろからつながって攻撃ができていたが、ここ数試合は少し前と後ろが離れている印象もあるが?
「入ってみても、そう思いました。後ろからもう少し距離を縮めて、相手のサイドハーフやボランチを引き出す、アプローチを受けないポジションを取らないといけない。引き込み過ぎて、相手に影響を与えられていないことはもったいない。もっともっと前に前に、相手を引き出しながら優位性を作ってボールを動かせるようになれば、もっと相手を押し込める。そのあたりは、自分も気付いたことはやっていきたいです」
Q:久しぶりのピッチでしたが、今日に関しては、攻守に課題が残った試合になりました。
「そうですね。コンディションを上げていくこともそうですが、出たからには勝たないと意味がない。結果が全て。優勝するために、ホームで勝てなかったことは力のなさを感じます。今日は上位も敗戦していますが、自分たちも1試合1試合、勝点3を取っていかないと差が縮まらない。次節はしっかり勝点3を取れるように準備したいです」
■キム ジンヒョン選手
Q:今節は守備がハマらず相手の良さを出させてしまった印象です。
「もちろん、相手が上手いことは分かっていました。その中で前から取りにいく姿勢も見せたのですが、僕も含めて守備の4バックが、やるべきことをできていなかった。あれだけ簡単に後ろが失点してしまうと、前からのプレスで嵌めに行っても意味がなくなる。ここ2試合、やられっぱなしなので。試合後にもチームへ向けて言ったのですが、『後ろ(守備陣)があれだけやられると勝てない』と伝えました。今日は結果が全てだったと思います」
Q:前節も今節も、守備で後手を踏むシーンが続きました。その中で、ジンヒョン選手のセーブに助けられているシーンも多いですが、そういう1対1のシーンを作られないようにしないといけない?
「作られても仕方ない場面はありますが、後ろの予測や駆け引き、球際や声掛け、そういうことをうまくできているかと言えば、そうではない。結果、やられたとしても、先ほど言ったことは、やり続けていかないといけない。その積み重ねで後ろは堅くなっていくと思う。それができているか、できていないかと言えば、最近は足りていない試合が多いと思います」
Q:試合前は、J1通算400試合出場達成の祝福のボードを武田亘弘GKコーチが渡していました。二人三脚でここまで来た思いですか?
「そうですね。自分はノブさん(武田コーチ)のおかげでここまで成長できました。まだまだ成長したいですし、いつも良い練習をさせていただいています。その気持ちもあり、今日はノブさんから花束をいただけたら嬉しいなと思い、自分から頼みました。写真としても残すことができれば嬉しいなと思い、無理やりお願いしました。ノブさんは(人前に出ることを)嫌がる人なので(笑)。僕のために前に立ってくれて感謝しています」
■柴山 昌也選手
Q:決定機もあったが、わずかにポストに弾かれました。どう捉えていますか?
「第一に、GKに当たらないように打とうと思ったのですが、決めきらないといけなかった。そういう場面が続いていること自身でも分かっているので、頭を整理して、メンタルを整えて、しっかり臨みたいです」
Q:早い時間帯での途中出場が続いています。監督の期待の表れだと思うが、どういうプレーを心掛けていますか?
「期待していただいているからこそ、早めの交代だと思います。リードされている状況で入ることが多いので、チームの流れを自分のプレーで変えたり、ボールを持って時間を作ったり、狭いエリアでも味方を助けて展開して、というプレーは心掛けています。あそこまで行けているものも自分自身ですが、あそこで仕留めるか仕留めないかで、チームが勝つか負けるかにもなってくる。しっかり責任を持ってプレーしたいです」
Q:前節の試合後は、かなり悔しさを表現していたが?
「自分のところでチャンスが来て、決めたら勝ち、という試合だったので。前節も今節も責任を感じています。もちろん毎試合、頭を整理して臨んではいるつもりですが、結果、今日も数センチの差で入らない。何かが足りないことは確実なので、普段の生活から見つめ直してプレーしたいです」
■山﨑 凌吾選手
Q:セレッソでのデビュー戦でしたが、ピッチに入る瞬間の思いは?
「チームが0-2という状況だったので、姿勢で前からハードワークするところ、1点ずつ返していこう、という思いでピッチに入りました」
Q:前で収めながら、柴山選手の決定機につなげたシーンもありました。味方を生かす動きも意識した?
「2トップだったので、比較的自由に動きながら、相手の隙を見ながら、嫌なところに入っていくことは意識しました。味方がいいところに入ってくれたので、そこに合わせるだけでした」
Q:劣勢の時間帯で、大きな選手を入れて2トップ、という形はこれまでのセレッソにはなかなか見られなかった。もちろん先発を狙いながらですが、チームにプラスαをもたらせる思いもありますか?
「そうですね。チームに入って1週間、今日、初めてピッチに立たせてもらいましたが、これからまた、監督も『スタメン争いが激しくなる』と話していたので。自分もチームメイトから認めてもらうこともそうですし、今日少し出て、自分もチームの力になれるのでは、と感じました。チームが勝つことが一番なので、セレッソのためにプレーしたいと思います」
リーグ戦10試合ぶりの敗戦。上位追撃ならず、ほろ苦さの残るメモリアルマッチに
「セレッソ大阪設立30周年マッチ」として開催された今節。試合前には、「セレッソ大阪設立30周年スペシャルマッチ」も行われ、「セレッソ大阪OBチーム」が大久保嘉人氏のゴールで、お笑いコンビ見取り図率いる「もりちゃんずユナイテッド」に勝利。幸先の良いスタートを切ると、選手入場の前には盛大なオープニングセレモニーも実施され、ゴール裏にはビッグフラッグが登場。舞台は整った状態で試合を迎えた。
先発は前節・川崎フロンターレ戦から1人変更。パリ五輪に臨むU-23日本代表に合流した西尾隆矢が外れ、ケガから復帰した登里享平がリーグ戦12試合ぶりに先発復帰を果たした。ベンチには、同じくケガから復帰した進藤亮佑、この夏に加入した山﨑凌吾も入った。セレッソ大阪の初代社長・鬼武健二氏のキックインで始まった試合。序盤は互角の攻防を展開する。9分、登里が中で受けて奥埜博亮を経由し、最後はカピシャーバのクロスにレオ セアラがオーバーヘッドで合わせるなど、登里の復帰でビルドアップのスムーズさは増した。ボール保持に優れた新潟に対し、セレッソは守備では前からのプレスを選択。立ち上がりはうまく封じ込めるシーンもあったが、15分を過ぎたあたりから、新潟にうまく剥がされ、スピードに乗った状態で展開されるシーンが増えていく。16分には自陣右サイドを破られ決定機を作られたが、シュートがクロスバーを越えて事なきを得た。28分にも3人目の動きで自陣左サイドのハーフスペースを取られて被決定機も、シュートは枠の外。33分の被決定機ではGKキム ジンヒョンが好セーブを見せてゴールを守った。新潟に主導権を握られた状態でも何とか失点は防いでいたセレッソだったが、36分に決壊。敵陣での自分たちのスローインから相手にボールを奪われ、自陣右サイドを突破されると、ここで止めることができず、クロスから逆サイドで決められた。
後半開始から上門知樹に代えて柴山昌也を投入した小菊昭雄監督。開始早々、ルーカス フェルナンデスがドリブルで運んでチャンスを作るなど反撃に出るが、47分、対人守備で潰し切ることができず、新潟に追加点を奪われた。2点を追いかける展開となったセレッソは52分、奥埜に代わってヴィトール ブエノが入る。それでも思うようにチャンスを作れずにいると、65分にはカピシャーバに代わって山﨑が投入され、形も2トップに変更。相手に圧力をかけると、73分に好機。奥田勇斗を起点に柴山、フェルナンデス、ブエノとつないで中央を崩し、最後は柴山にチャンスもシュートは打ち切れず。77分にも柴山に決定機。山﨑のポストプレーを受けた奥田がハーフスペースへスルーパス。抜け出した柴山がGKとの1対1を迎えたが、左足でのシュートはポストを叩いた。すると82分、セレッソは交代で入ったばかりの平野佑一がVAR判定の結果、一発退場で数的不利に陥る。ここからは10人で2点差を追いかける難しい試合となった中、試合終了間際の90+10分、フェルナンデスが一矢報いるミドルシュートを叩き込み、1点差に迫った。一気にボルテージが上がったスタジアム。残りわずかな時間での同点を目指して最後まで攻めたが、反撃及ばず。1-2で敗れ、第14節・FC町田ゼルビア戦以来、リーグ戦10試合ぶりの敗戦を喫した。
「今節は30周年記念マッチということで、セレッソの歴史を作って来られたOB、そして関係者の皆さまに勝利をお届けしたかったのですが、非常に残念な結果となりました」と試合を振り返った小菊監督。ここからリーグ戦は中断期間に入る中、「もう一度フラットにして、競争をゼロからやっていきたい」と改めてチームの見直しを語った。24日に控えているドルトムント戦を経て、再開初戦の相手は首位の町田。今季の目標を達成するためには勝つしかない一戦に向け、良い準備を重ねていきたい。