第27節
2024明治安田J1リーグ
2024.8.17土
セレッソ大阪
ヴィトール ブエノ (45')
北野 颯太 (79')
レオ セアラ (90+6')
3
HOME
FULL TIME
5
ヨドコウ桜スタジアム
1-3
2-2
京都サンガF.C.
ラファエル エリアス (12')
原 大智 (17')
福田 心之助 (28')
ラファエル エリアス (56')
ラファエル エリアス (64')
ヨドコウ桜スタジアム
19,019人
ダイヘンサポーティングマッチ
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「京都のスタイルを考えた時に、立ち上がりは大きなポイントになると思っていました。相手の前線からの強い矢印に対して、ロングボールも入れながらのセカンドボールのバトル。そのあたりを全員で共有してゲームプランを組んで臨んだのですが、そこをしっかりと私が徹底できなかった。そこが今日の全てだと思っています。立ち上がりの3失点で、当然、試合は難しくなりました。非常に厳しい結果となりました。もちろん、5失点したので課題はたくさんあります。特に守備面やビルドアップでの課題はありますが、ここ数試合、得点を取れていなかった中で、今週は攻撃のトレーニングを重点的にやってきた中で、再現性を持ちながら、意図を共有しながら突破を図れたこと、3点を取れたことは、今日唯一のポジティブな点です。しっかり試合を見直して、守備のところ、ビルドアップのところ、ゲームコントロールのところを共有しながら、全員でもう一度、メンタリティーのところも高めていきたい。残り11試合、上位争いができるのか、中位になっていくのか、自分たち次第だと思いますので、もう一度、全員で一丸となって向かっていきたいと思います」
Q:今節は立ち上がりから攻撃的な姿勢を強く持って入ったと思うが、その一方で5失点。失点に関しては、ボールの奪われ方の問題か、個々の対応力、守備力の問題か。
「答えから言えば、両方だと思います。まず京都の個のクオリティー、グループのクオリティーは非常に高く、素晴らしかったと思います。そのクオリティーに対して、個々の守備範囲、グループとしての守備、私たちも守備力を上げていかないといけないと痛感しました。また、奪われ方が悪くて失点という、自分たちから首を絞める展開も反省しないといけません。もちろん、ゲームコントロールをする中で、ロングボールも使い分けて、ということも大事にしていますが、自分たちでボールを握って主導権を握ることはキャンプからトライしていることです。いま勝てないからと言って、リスクを回避して、レオ(セアラ)へロングボールを入れてセカンドボールのバトルを徹底することは考えていません。いま目指しているスタイルは、選手の未来、クラブの未来も含めて、やっていきたいと思っています。やれる選手たちだとも思っています。今日、失敗したからと言って、そのこだわりを捨てるつもりはないですし、ブレずに、チームとしてのサポート、個人のクオリティーを両輪で高めていきたいです」
Q:今日は夏休みということもあり2万人近い観客が入る中、試合後はサポーター席からブーイングも飛んでいました。その受け止め方は?
「申し訳ない気持ちでいっぱいです。今日だけではなく、アウェイの地にもたくさんの方に来ていただいて、熱い声援を送ってもらっています。今日は選手たちもサポーターの皆様に勝利を届けたい、そういう思いで試合に臨みました。もちろん私自身も皆さんの笑顔を見たい、勝利をお届けしたいという強い気持ちで臨みました。その中で、お盆休み、子どもたちもたくさん来ている中で、勝利の姿を見せられなかったことは残念で、申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、試合はまだ続きます。次節はアウェイですが、多くのサポーターがスタジアムに来て下さると思いますし、DAZNを通して応援して下さる方もいます。苦しい状況をしっかりと自分たちで乗り越えて、来週は勝利を勝ち取る姿をお見せできるように、しっかりと全員でやっていきたいです」
選手コメント
■レオ セアラ選手
Q:勝利から遠ざかっているが、いま必要なことは?
「自分たちがミスしているところは見直さないといけないです。ここ数試合、勝っていないので、下のチームとの勝点差も縮まってきました。そこも気にしないといけません。改善しないといけないところはすぐに改善して、次節は勝利に結び付けたいです」
Q:J1通算50ゴール目という節目の1点について
「50点を取れたことは本当に嬉しいですが、勝利できなかったことが悔しいです。チーム全体で改善するところは改善して、次は勝利につながるゴールを取りたいです」
Q:古巣の横浜F・マリノス戦となる次節へ向けて
「今日よりさらに強い相手だと思います。自分たちが変わらないといけない。そうでなければ勝利は難しい。自分たちが改善しないといけないところはすぐに改善して、変わった姿を見せたいと思います」
■ヴィトール ブエノ選手
Q:リーグ戦9試合ぶりの先発で、気持ちも入った試合だと思うが?
「勝利で終わりたかったです。チームが勝利できなかったことが悔しいです。自分自身はいつでも試合に出られるように準備していました。自分の足りないところ、監督から指摘されているところは高めていけるように、日々の練習から強度を高くやっています」
Q:得点の形はいつも素晴らしいです。自身のゴールについて
「自分が出ている時間は少ないですが、少ない時間でも出たら結果を残すことは意識しています。ここからさらに出場時間を伸ばせるようにやっていきたいですし、そうすれば、もっと数字で貢献できると思います」
■奥田 勇斗選手
Q:リーグ戦3試合ぶりの先発でしたが、今節へ臨む思いについて
「この2試合、スタメンから外れたのは守備が原因で、そこは自分の課題です。練習でも見つめ直して、取り組んできました。今日も守備から入ることは、より意識して入りました」
Q:京都のプレスに対し、奪われ方が悪く、失点やピンチを重ねた印象です。今後の教訓にしたい?
「自分たちのミスからの失点がほとんどでした。攻め方やリスク管理をもう少しチーム全体で話していかないといけません。個人的にも、攻撃で結果を出せた部分はありますが、守備の選手として、失点したら意味がないので、そこは練習から守備の意識はもう一度見つめ直したいと思います」
Q:前節の課題も踏まえ、攻撃では縦への意識を強めるシーンも見られたが?
「左サイドはコンビネーションでローテーションして攻めること、右サイドはルーカス(フェルナンデス)と僕の関係で突破することが狙いでしたが、奪われ方が悪く、何度もカウンターを受けました。後半は追い付くためにリスク覚悟で攻めた分、あのような展開になりましたが、自分たちで流れを崩してしまった。そこは見つめ直さないといけないと思います」
■北野 颯太選手
Q: 「ゴールで成長を示したい」という試合前の言葉を実行したが?
「個人としては、次につながるゴールでした。最近は点を取れていなかったので、途中出場でも取れたことは良かったです。自分自身が成長しているところを見せたかったので、その意味では、次につながるゴールになったと思います」
Q:間で受けて前を向く、北野選手の良さが出ていた印象です。
「今日はフィーリングも良かったですし、得点以外にも、自分らしさを出せたと思います。ただ、後半のあの時間帯だったから、間も空いていたということもあると思います。頭から出たらまた違うプレーも要求されると思いますが、自分としても、続けていかないといけない。1点を取る、ということは誰でもできると思うので、残り11試合、継続して点を取っていくことが何より大事だと思います」
Q:ピッチで要求している姿も見られたが?
「最近、チームもなかなか勝てていなくて、この前、(西尾)隆矢くんとも話したのですが、『自分たちが引っ張っていかないといけない』と。隆矢くんも五輪で感じたことを伝えてくれますし、それはすごく僕自身にも刺さりました。『このチームをこれから支えていくのは自分たち』という覚悟をもってプレーしたいです」
Q:20歳の誕生日の練習後、「これを機に結果を出していきたい。自分に対する危機感もある」という言葉もありました。一番変化しつつあるのはメンタル面ですか?
「そうですね。一番の課題はそこだと思っています。サッカーで一番大事なところもメンタル。でもまだ1試合なので、どれだけ継続していけるかが、今後の自分の成長にもつながります。残り11試合、この思いを持ち続けてプレーすることが大事です」
Q:プレータイムを長めに得た前節・広島戦の後、すぐに結果を出したことは大きな意味を持つと思うが?
「そうですね。ここからの11試合も自分にとって、とても大事な時間です。この勢いを止めずに継続していくこと。そこが難しいところでもあるので、また次の自分の課題として、ステップアップしていきたいです」
京都の圧力に対し、前半から失点を重ね、ホームで3-5という厳しい敗戦に
前節のサンフレッチェ広島戦から中5日。セレッソ大阪はホームに戻り、京都サンガF.C.との明治安田J1リーグ第27節に臨んだ。先発は前節から2人変更。柴山昌也に替わってヴィトール ブエノがトップ下に、西尾隆矢に替わって奥田勇斗が右SBに入った。
試合は立ち上がりから両チームが積極的にゴールを目指すスピーディーな展開になる。京都の攻撃も受けつつ、セレッソも果敢にゴールに迫る姿勢を発揮。6分、登里享平のパスを受けた為田大貴が縦に運んでクロスを上げれば、9分にはレオ セアラを起点に為田、ブエノとつなぎ、最後はセアラがシュート。前節の反省も生かし、果敢にゴールを狙った。互いに良さを出し合う入りとなった中、12分、セレッソは自陣でボールを奪われると、そのままフィニッシュに持ち込まれて失点。京都のハイプレスは警戒していた中で、もったいない点の失い方になった。ここから試合の流れは京都に傾く。17分には原大智に斜めの動きで背後に抜け出され、絶妙なループシュートを決められ2失点目を許すと、飲水タイム明けの28分にも失点。新外国籍選手を加えて個とグループの質が上がった京都の攻撃に対応する間もなく3失点を喫した。ここからセレッソも猛反撃。33分、奥田が枠を捉えた鋭いシュートを放つと、35分にはショートコーナーからセアラに決定機も、ヘディングシュートはGKク ソンユンに防がれた。この時間帯はCKを連続して7本得るなど押し込み続けると、45分に1点を返す。相手ゴール前でテンポよくボールをつなぎ、最後は奥埜博亮のパスを受けたブエノが巧みなフェイントでDFをかわし、コースを狙った見事なシュートを決めた。
後半も開始から攻勢に出たのはセレッソだったが、次の1点は京都に入る。56分、再び自陣で失うと、素早くボールを運ばれ、最後は右サイドからのクロスにヘディングで決められた。61分、小菊昭雄監督は登里と奥埜に代えて、西尾と柴山を投入。舩木翔が左SBに出て西尾と鳥海晃司がCBでコンビを組んだ。ただし、態勢を立て直す間もなく64分、またも京都にカウンターから決められ5失点目。京都の新ブラジル人選手、ラファエル エリアスにハットトリックを達成された。京都の術中にハマり続けたセレッソだったが、73分に交代で入った平野佑一が流れを変える。テンポよく縦にパスを付けると、76分には平野のパスを受けたセアラがシュート。ここは惜しくもクロスバーを叩いたが、79分、平野を起点に柴山、奥田と素早くつなぎ、最後は奥田のパスを受けた北野颯太が左足のシュートで冷静に枠に収め、ネットを揺らした。80分には山﨑凌吾を投入して最後のカードを切ると、後半アディショナルタイム、セアラがファウルを受けてPKを獲得。これをセアラ自身が決めて2点差に迫ったが、反撃もここまで。連敗を喫し、リーグ戦6試合未勝利となった。
試合後、「個々の守備範囲、グループとしての守備、どちらも高めないといけないと痛感した。奪われ方が悪くて失点という展開も反省しないといけない」と述べた小菊監督。ホームで5失点という屈辱の敗戦をどれだけチーム全体で真摯に受け止め、次節以降につなげていけるか。クラブの底力が問われる。