2024明治安田J1リーグ第31節

2024明治安田J1リーグ

2024.9.22

湘南ベルマーレ

鈴木 章斗 (12')

1

AWAY

FULL TIME

2

1-2

0-0

セレッソ大阪

レオ セアラ (21')

レオ セアラ (24')

レモンガススタジアム平塚

10,948

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

開始早々に失点も、エース・レオ セアラの2得点で逆転勝ち。リーグ戦9試合ぶりの勝点3を獲得


前節のヴィッセル神戸戦から中8日。セレッソ大阪はリーグ戦9試合ぶりの勝利を目指し、アウェイに乗り込み、湘南ベルマーレとの明治安田J1リーグ第31節に臨んだ。先発は前節から3人変更。北野颯太が第7節・アルビレックス新潟戦以来、今季2度目、喜田陽が今季初、奥田勇斗が2試合ぶりに、それぞれ先発を果たした。

前節の反省を踏まえ、「受けずに前へ」(小菊昭雄監督)という意識を持って入った今節だが、湘南のアグレッシブな姿勢を前に、今節も立ち上がりから守勢に回る。システム上、ミスマッチになるサイドを突かれてCKを立て続けに与えると、中でクリアした後のセカンドボールも拾われ、2次攻撃を受ける。2分、4分と湘南に決定機も作られたが、前者はレオ セアラがシュートブロック、後者はGKキム ジンヒョンが好セーブで失点は防いだ。ただし、ここで押し返すことができずに波状攻撃を受けると、12分、FKから鈴木章斗にヘディングを決められ、先制を許してしまった。前節をなぞるような展開となったが、「失点後も自分たちで折れずに向かっていって、もう一度ゲームプラン通り、前から行こうと徹底した。その中で1点目は、前線からの素晴らしい守備からショートカウンターでした」と試合後に指揮官が振り返ったように、21分、敵陣左サイドで為田大貴とルーカス フェルナンデスが連動した守備でボールを奪うと、フェルナンデスがそのまま運び、縦に突破。ペナルティーエリア内深くまで進入し、中でDFと駆け引きしてフリーになったレオ セアラへラストパス。これをセアラが押し込み、1点を返した。さらに3分後、今度は田中駿汰の背後へのパスに抜け出したセアラが巧みなトラップから体を入れてドリブルのコースを作り、相手DFを吹き飛ばしてゴール前に進入。最後はGKも交わしてゴールに蹴り込み、逆転に成功した。「最近は先に取られてしまう状況が続いていた中で、今日もやられたが、これまでとは違う形を示せた」と背番号9。自身20点の大台に乗せる2得点で、一気に試合をひっくり返した。ここからは湘南の勢いも弱まり、セレッソがしっかりとブロックを作った状態で相手の攻撃を跳ね返すと、この試合、セアラ、フェルナンデスとともに前線で輝きを放った北野が躍動する。ドリブル、パス、トラップと高い技術を遺憾なく発揮し、29分には自身が背後に飛び出してゴールに迫ると、37分には高い位置で奪ってセアラへラストパス。好機も演出した。

もっとも、1点リードで折り返した後半は再び守勢に回る。湘南にボールを動かされて押し下げられると、セカンドボールも拾えず、湘南のターンが続く。そうした中で、61分、セレッソに3点目の絶好のチャンスが訪れる。高い位置で相手DF間のパス交換をカットした北野がそのまま持ち込み、決定機。ただし、シュートはわずかにクロスバーを越えた。すると、直後の62分に大ピンチを招く。中で起点を作られ、サイドへ振られると、クロスから鈴木章斗のヘディングがポストを直撃した。続く64分にも危ない場面を作られた小菊監督は、65分という早い時間帯で進藤亮佑を投入し、システムを5-4-1に変更。数的優位を作られていたサイドにしっかりフタをして、中の人数も増やして跳ね返す形で試合を締めにかかった。進藤はリーグ戦としては今季初出場。しびれる場面で出番が回ってきたが、3バックの中央に入って守備を安定させると、75分にはカウンターからチームに決定機。ただし、ここは相手GKの好セーブに遭い、為田が仕留め切れず。跳ね返りを拾った喜田のシュートもDFに防がれた。ここからは互いに選手交代も行い、1点を巡る攻防が過熱していく中、セレッソは途中出場の阪田澪哉や山﨑凌吾に決定機が訪れつつ、逆に決められてもおかしくないピンチもあったが、何とかしのいで2-1で試合終了。約2年2ヶ月ぶりの逆転勝利を収めた。

何より欲しかった勝点3を手にした今節は、エースに複数得点が生まれ、北野に覚醒の兆しが見られ、さらには今季ケガで出遅れた選手たちも続々と戻ってくるなど収穫も多かった。試合後は、9試合ぶりの勝利に安堵の表情も浮かべた選手たちだが、ここからさらに勝点を重ねていきたい。次節はホームに戻っての柏レイソル戦。「ホームで久しぶりにサポーターの皆さまと勝利の喜びを分かち合う」(小菊監督)べく、チーム一丸で準備を進めていく。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「久しぶりの勝利でした。ここまで苦しい時間が続いていましたが、選手たちは毎日のトレーニングを精一杯、取り組んでくれていました。その選手たちの頑張り、そして、どんな時でもホームでもアウェイでも、私たちを支えて下さったセレッソファミリーの皆さまの強い後押しのおかげで今日は勝利できたと思っています。湘南のスタイル、アウェイ、色々な状況を考えた時に、今日のゲームは守備がカギになるということで、もう一度、私たちの粘り強い守備を重点的に取り組んで臨みました。今年は色々なシステムを試した中で、後ろを4枚、5枚、相手の状況や試合展開を踏まえながら、選手たちがしっかりと戦ってくれたと思います。失点の後も自分たちで折れずに向かっていって、同点、逆転できたことも成長を感じます。際どいシーンもありましたが、全員で体を張って戦えたこと、カウンターのチャンスを演出できたことも成長だと思っています。ただ、3点目を取れなかったことは私たちの課題ですし、ゲームコントロールも含めて、今日の土台をしっかりと積み上げていけるように、次はホームで、久しぶりにサポーターの皆さまと勝利の喜びを分かち合えるよう、またチーム一丸となって臨みたいと思います」

Q:9試合ぶりの勝利が約2年2ヶ月ぶりの逆転勝利でした。この試合の勝点3が持つ意味について
「もちろん、いい内容で勝点3を取ることが一番幸せなことですが、とにかく勝利、勝点3、そこにこだわって、選手たちとも強く共有して臨みました。その中で、湘南の素晴らしいパスワーク、入りでの気持ちの強さ、アウェイでの雰囲気、非常に苦しい時間帯が最初は続いたのですが、そこでチームがバラバラにならず、折れずに戦えたことが、今日の一番の勝因だと思います。とにかく一番の目的だった勝点3を取れたこと。それを非常に嬉しく思っていますし、選手たちに感謝しています」

Q:とにかく結果が大事な試合で勝利したことが一番ですが、内容を振り返ると、今節も立ち上がりで押し込まれてセットプレーも与えて先制されました。後ろを5枚にした後も、人はいるものの、フリーでクロスを上げられて、シュートを打たれるシーンもありました。ポストに救われる場面、相手のシュートミスに救われる場面もありました。勝ったからこそ、守備の課題をどう感じていますか?
「守備のところは、あれだけボールを握られたら、どうしてもラインが深くなる。私の今の反省としては、守備で頑張って奪ったボールを自分たちでゲームコントロールする。攻撃のところでプラスαをしていきたいと思います。先週1週間は、守備を徹底的にやりましたので、次の柏戦に向けては攻撃のところ、自分たちで良い準備をしながらボール保持、ゴールに向かう、そうしたところもやっていきたいと思います」

Q:立ち上がりは湘南の人数をかけた攻撃と、システムのかみ合わせもあり押し込まれて先制されたが、そこから流れをひっくり返せた要因をどう考えますか?
「時間とともに湘南の強度やボールのリズムが落ちたこともあるとは思いますが、私たちももう一度前から、ゲームプラン通り、前から行こうと徹底しました。その中での1点目は、前線からの素晴らしい守備からのショートカウンターでした。準備してきた、強い意志を持って攻守に前に、ということを選手たちが体現してくれた結果が、逆転できた要因だと思います」

Q:早い時間帯で進藤選手を入れて後ろを3枚にされました。準備されていたとは思うが、狙いについて
「相手の強み、システム、立ち位置を考えて、5枚も準備してきました。それと、今日は久しぶりに出た選手、ケガ明けの選手、久しぶりに先発を勝ち取った選手がいました。若い選手たちが精一杯、戦ってくれていましたので、その疲弊も含めて彼らは出し切ってバトンを渡してくれました。今日の勝利は、クラブの明るい未来、アカデミーで彼らに愛情を持って接してきた、鍛えてきたスタッフも喜んでくれると思います。色んな意味で大きな勝点3になったと思います」

Q:今日の2得点で20点の大台に乗ったレオ セアラ選手の貢献について。また、北野選手が躍動感漲るプレーを見せていた。交代前のシュートを外して、彼自身は悔しい思いがあると思うが、今後に向けての期待感を感じたが?
「まず(北野)颯太に関しては、最後のシュートを決めていれば100点満点だったと思います。今日の試合前にも若い選手たちに伝えたのですが、『この世界、次はない。自分の明るい未来を今日で勝ち取れ』と。そういう話をした中で、颯太もそうですし、今季初スタメンの(喜田)陽、ルーキーの奥田もそうですし、(西尾)隆矢、(舩木)翔、アカデミー出身の選手たちがしっかりと責任感を持って素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたことは嬉しかったですし、次につなげていきたいと思っています。
レオ(セアラ)に関しては、攻守に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれています。これまで歴代のストライカーも、たくさんゴールを奪ってくれた選手がいますが、どちらかと言えば、ゴールゲッター、ストライカーとしてゴールを決める自分の仕事を全うする選手が多かった中で、レオは守備のところでもハードワークして自己犠牲してくれる。攻守に柱として、副キャプテンとして、素晴らしい姿勢で毎日のトレーニングにも取り組んでくれています。シーズンのラストまでケガなく彼を得点王に、チーム全員で導きたいですし、しっかりとサポートしていきたいと思っています」

選手コメント

■レオ セアラ選手

Q:ようやくゴールした試合で笑顔が見れて、ホッとしています(笑)
「そうですね(笑)。今日も厳しい展開でしたが、得点できて嬉しいです。何より得点した試合で勝てたことが本当に嬉しいです。今まで勝利がない中でもずっとサポートしてくれたサポーターの皆さんのおかげで勝てたので、今日の勝利はサポーターに捧げたいです」

Q:今節も先制されて嫌な流れになるかなとも思ったが、すぐに取り返した。あの瞬間の心境は?
「最近は先に取られてしまう状況が続いていた中で、今日もやられてしまった、ということも頭をよぎりましたが、それでも切り替えて、まとまりを見せて、自分たちが家族だということを証明できました。何よりもみんなが最後まで戦って勝利できたことが良かったです。逆転できたことは、これまでとは違う形を示せたと思います」

Q:1点目はルーカス フェルナンデス選手のドリブルも素晴らしかったですし、うまくクロスに合わせた形になりました。2点目は、田中選手のパスを受けて、自身で収めてゴールまで持ち込みました。それぞれの得点を振り返ると?
「ルーカスとはずっとコミュニケーションが取れています。多分、ルーカスからのアシストは6点目ぐらいだと思います。あの場面では、スペースを見付けて走ったところに素晴らしいパスが来ました。感謝しています。2点目に関しても、(田中)駿汰ともコミュニケーションは取れています。日頃の練習の成果だと思います」

Q:個人の記録よりチームを優先する言葉や姿勢が見られるレオ セアラ選手ですが、先ほど監督は、「得点王に導きたいし、サポートしたい」という話もしていました。周りからのサポートも感じますか?
「得点できているということは、チームが自分のために走ってくれたり、パスを出してくれている、ということ。そのおかげで得点できていることは感じています。何より勝利すれば、自分の得点も生きてくるのかなと思います」

■ルーカス フェルナンデス選手

Q:失点直後にドリブルで切れ込んでアシストしたプレーがチームを勇気付けたと思うが?
「何より勝利できたことが嬉しいです。こうして逆転できたことが嬉しいです。あの場面は、自分たちがボールをインターセプトしたところから始まりました。チームで取った得点でもあります。失点しても逆転で勝てたことは、何よりチームを勇気づける勝利になったと思います」

■北野 颯太選手

Q:素晴らしいプレー内容でしたが、交代直前の決定機を外した悔しさの方が強いですか?
「そうですね。悔しい気持ちの方が強いです。あそこで決めていれば、今日は良い仕事ができたと言えるのですが、決めるか決めないかで全然変わりますし、決めていればチームも楽になったと思うので。次こそ結果を残します」

Q:決定機の場面は、自身で奪ってフィニッシュまで持ち込みました。隣にレオ セアラ選手もいましたが、自分で行くことは決めていた?
「取った瞬間から自分がシュートまで行くことは決めていました。もう少し冷静になれたら良かったです」

Q:「最後のシュートを決めていれば100点だった」と監督も話していましたが、ボールタッチの感覚やドリブル、前を向くプレーなど、随所に持ち味が出ていたが?
「そこはポジティブですし、毎試合、どのような相手でも今日のようなプレーを見せないといけない。その上で結果にもこだわっていきたいです」

Q:今後、レオ セアラ選手との2トップで得点を重ねていきたい?
「レオとの関係性も大事にしたいですし、レオ頼みにもなりたくない。そこはチームの勝利のことも考えながら、個人の価値も高めていきたいです」

Q:久々の先発でしたが、どのようなメンタルで臨みましたか?
「楽しみでしたね。チャンスが来たなと、楽しみで仕方なかったです。監督からは試合前に、『チャレンジしてこい、掴み取ってこい』と言われました」

Q:監督から「掴み取れ」と言われて、奮い立つ気持ちもありましたか?
「試合前のミーティングで、『若手は掴み取れ』と言っていたのですが、僕に言っているなと感じました(笑)。久々のスタメンでしたし、タイミング的にも自分のことやなと思って聞いていました」

■喜田 陽選手

Q:今季初先発でしたが、試合を振り返ると?
「なかなか勝てていない中で、自分が出て勝ちたい気持ちもありました。ゲーム展開は自分たちの思ったようにはできなかったですが、ずっと勝てていなかった中で、こういうゲーム展開でも今は勝つことが大事だと思うので、とにかく勝てたことが良かったです」

Q:後半の早い時間帯で後ろを5枚にして、「絶対に守り抜く」という監督のメッセージも感じましたか?
「1点を守り抜く、というメッセージだったと思いますし、後ろの選手たちも最後まで頑張ってくれたと思います。ただ、追加点を取れればもっと楽な試合運びができたと思うので、そこは課題です」

Q:自身のシュートも惜しい場面がありました。決まったかと思いました。
「あれは決めたかったです。相手選手に当たってコースが変わり、ポストの横に外れてしまいました。これからもチャンスがあれば、得点も狙っていきたいです」

■進藤 亮佑選手

Q:公式戦としては今季初出場でした。
「今日の試合で慣れたので、次もしスタメンでも、行けると思います」

Q:後半の早い時間帯に投入されました。「守り切る」というメッセージだったと思いますが、それを遂行できた?
「やられてもおかしくないシーンはありましたけど、結果っすね。今日はとにかく結果です。もちろん、映像を見て反省はしますけど、今日はとにかく結果だけ」

Q:守備陣としては、シュートを打たれ過ぎた思いもある?
「そういう思いもありますが、勝つ試合でもそういうシーンはありますし、そこで今日は体を張って、という守備はできていたと思います」

Q:今季初出場の試合で9試合ぶりに勝利して、チームとしても明るい材料だと思うが?
「流れを変える役割があると思っていましたし、監督もそこを期待してくれていたと思うので、結果が出て良かったです」