2024明治安田J1リーグ第32節

2024明治安田J1リーグ

2024.9.28

セレッソ大阪

0

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FULL TIME

0

0-0

0-0

柏レイソル

ヨドコウ桜スタジアム

14,082

大阪・関西万博開催200日前記念マッチ

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

連勝を目指した一戦はスコアレスドロー。6試合ぶり無失点は収穫も、攻撃に課題を残す


9試合ぶりの勝利で連敗を4で止めた前節の湘南ベルマーレ戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、連勝を目指して柏レイソルとの明治安田J1リーグ第32節に臨んだ。先発は湘南戦から2人変更。奥田勇斗と舩木翔が外れ、今季初先発となる進藤亮佑、リーグ戦では今季2度目の先発となる阪田澪哉が入った。システムは3-4-2-1。鳥海晃司、西尾隆矢、進藤の3バックに、田中駿汰と喜田陽のダブルボランチ、左ウイングバックに為田大貴、右ウイングバックに阪田、2シャドーに北野颯太とルーカス フェルナンデス、1トップにレオ セアラの布陣で臨んだ。

立ち上がり、柏のFKとCKを受けたがしっかり跳ね返すと、12分、北野がボールを奪い、フェルナンデスがドリブル突破で相手選手のイエローカードを誘発。2シャドーがキレのある動きを見せると、17分には阪田が魅せる。右サイドからスピードに乗ったドリブルで中へ進入。ペナルティーエリア手前でファウルを受けてFKを獲得すると、キッカーはフェルナンデス。鋭いキックが枠に飛んだが、DFに当たって惜しくも外れた。柏の強み、左サイドの10番・マテウス サヴィオには、阪田、進藤、北野の3人でしっかり対応したが、それでも24分、このサイドから決定機を作られるも、手塚康平のシュートはGKキム ジンヒョンがビッグセーブでゴールを守る。30分にもサヴィオを起点にジエゴのクロスから木下康介がヘディングシュート。33分にも、ジエゴのミドルシュートを浴びたが、いずれもキム ジンヒョンがキャッチすると、37分にセレッソもチャンスを作る。進藤と田中のパス交換で相手のプレスを外し、喜田が左サイドへ大きく展開。これを受けた為田が中に鋭いクロスを入れたが、レオ セアラにはわずかに合わず、DFにクリアされた。前半は互いに攻から守への切り替えも早く、引き締まった内容で、0-0で終了した。

前半の入りは柏に押されたが、後半は開始からセレッソが攻勢に出る。47分、阪田のドリブルをサヴィオが倒し、サヴィオにイエローカードが出る。この試合、ウイングバックに入った阪田はキレとスピードのあるドリブルを随所に披露。スタジアムを沸かせた。49分には、キム ジンヒョンのキックをセアラが頭で落とし、DFがクリアし損ねたボールをフェルナンデスが拾い、ドリブルでカットインしてシュート。GKに防がれたが、惜しいシーンを作った。その後も喜田を起点にテンポよくボールを動かすと、66分、喜田、阪田、北野のパスワークで崩しかけるなど、若手が躍動する。左サイドの為田も含め、サイドの深い位置まで進入してCKの数も増やすなど、後半は徐々に得点の匂いも漂い始める。68分にカピシャーバ、78分には柴山昌也を、それぞれ2シャドーの位置に投入。キャラクターに変化を加えつつ1点をこじ開けにかかるが、柏の固い守備を破れない。84分には、右サイドを崩し、クロスにカピシャーバが合わせたが、相手DFにブロックされた。後半は、守備では相手のシュートを2本に抑えるなどセレッソが支配する時間は長かったが、ゴールを奪うことはできず、0-0のスコアレスドローで終わった。

試合後、「若手のパフォーマンスと全員でハードワークしてクリーンシートで終えたこと」を収穫に挙げた小菊昭雄監督。その上で、中3日で迎える次節の大阪ダービーへ向けて、「次は攻撃のところでも、リスクを背負って前に人数をかけて、より深いところに全員で向かっていく。2次攻撃、3次攻撃と仕掛けていきたい」と熱く語った。勝利のみが求められる一戦へ。全員で良い準備を重ね、今度こそホームでサポーターと喜びを分かち合いたい。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「若い選手が素晴らしいパフォーマンスで躍動していただけに、勝ちたいゲームでした。非常に悔しい気持ちでいっぱいです。ただ、ポジティブな点もたくさんありました。最近は失点が多かった状況でしたが、しっかりとクリーンシートで終われたこと。崩されたシーンもほぼなかったと思います。しっかりと全員がハードワークして、正しいポジションを取り続ける、バトルする。そうしたことを発揮してくれたことがクリーンシートにつながったと思います。攻撃でも際どいシーンをたくさん作ることができました。リスタートも含めて、何とかこういうゲームで1点をもぎ取って勝つことによって、若い選手たちが自信を深めて、よりセレッソの未来が明るくなる。そういうチーム状況だと思います。今日のポジティブな点を、次の大一番、大阪ダービーでしっかり発揮できるように準備したいと思います」

Q:3バックで臨んだ意図について。失点が続いていた戦術的な理由と、左サイドバックの登里選手、舩木選手が不在という、人的な理由もありましたか?
「そうですね。今のチームの状況、そして柏の強みを総合的に判断して、また、進藤も前節は途中から出場して、復帰戦として素晴らしかったですし、彼の準備も万端だということで、3バックを選択しました」

Q:攻撃に関しては、阪田選手や北野選手の躍動が見られた一方、後半、圧力をかけたい時間帯で、やや後ろに重さもあったように見えたが、点を取るために、次節へ向けての課題について
「後半も自分たちでゲームをコントロールする、ボール保持をすることはできていたと思いますが、より深いところに入っていく、人数をかけていく。そこは今日の課題だと思います。ここ最近、失点が続いていたこともあり、選手たちも『失点をしたくない』というメンタリティーも少しあったと思います。今日、失点ゼロで抑えたことが自信になると思うので、次は攻撃のところでも、リスクを背負って前に人数をかけて、より深いところに全員で向かっていく。2次攻撃、3次攻撃と仕掛けていく、そこは次節の大阪ダービーに向けた課題だと思っています」

Q:深い位置からのロングボールも多かったように見えました。ショートパスでのビルドアップには苦労していたように見えたが?
「入りのところでは、最近は相手の圧を受けて、少し手前、手前になって押し込まれる展開が続きましたので、相手の矢印を折っていく作業、利用していく作業。そこはロングボールをうまく使いながらひっくり返していく、そこから前向きな守備をする。ゲームプランの中には、ロングボールをうまく活用していく、というプランもありました。ビルドアップに関しては、相手を縦、横に広げさせて、コアとボックスをしっかり使いながら、ボランチと(北野)颯太、ルーカス(フェルナンデス)で相手を動かしながら、ショートパスとロングパスの使い分けは、今日は非常に良かったと思っています」

Q:阪田選手について。練習試合では右サイドバックでプレーすることも多く、以前、毎熊選手のように、「サイドバックと前、両方で使いたい」という話もされていたが、今後、どう育てていく方針か。
「毎熊選手も私が監督になってから、右サイドバックだけではなく、一つ前のポジションにもトライしてもらいました。若い選手は新たな景色を見ながら、トライとエラーを重ねながら成長していく。そこはマイクからも改めて学びました。颯太と同様、(阪田)澪哉はまだ高卒2年目の若い選手ですが、彼らは計り知れないポテンシャルを持っています。颯太もここ2試合、神戸戦の後半も含めて3試合、圧巻のパフォーマンスを示しています。澪哉も今日はウイングバックというポジションで、彼の強みを最大限に出してくれました。キャンプから、サイドバック、サイドハーフ、ウイングバックと色々とトライしてきました。今日は攻守に素晴らしいパフォーマンスを示してくれたと思っています。

選手コメント

■阪田 澪哉選手

Q:素晴らしいパフォーマンスだったが、自身で振り返ると?
「自分の特長を少しは出せたのかな、というところと、守備では、今日は5バックでしたが、進くん(進藤)や(西尾)隆矢くんが後ろにいて、進くんが僕を動かしてくれました。練習の中から、『こういう時はこう動く』と言って下さっていました。まだ守備の課題はありますが、思い切って前からの守備もできたと思います」

Q:もう少しでPKになりそうな突破もあったが?
「ああいうところで自分の特長を出していかないといけません。もっと決定的な仕事をできるようにしたいですし、ああいうプレーをゴールにつなげていけるようにしたいです」

Q:対面にはマテウス サヴィオ選手もいて、駆け引きでは神経を使ったと思うが、そのあたりも含めて渡り合ったこと、失点ゼロで抑えたことは自信になった?
「そうですね。ジエゴ選手も高い位置を取ってきて、2人を見ないといけない状況もあったのですが、進くんがカバーしてくれて、(北野)颯太も帰ってきてくれて、一緒に守備で頑張ってくれました。個人としても自信になりましたが、チームの力もあって、失点ゼロで抑えることができたと思います」

Q:ここ数試合、北野選手がピッチで躍動しているが、そういう姿は刺激になるのでは?
「そうですね。颯太とは同い年なので。前節とか活躍している姿を見ると、『自分も負けないぞ』という気持ちも出てきますし、颯太の存在は自分としても刺激になります。自分の成長にもつながるので、良い関係性というか、大きな存在です」

Q:今日は2人のコンビで崩すシーンもあり、見ていても楽しかったが?
「同い年ということもあって、コミュニケーションは取りやすいです。自分たちがチームを引っ張っていく気持ちでプレーしたいです」

Q:ウイングバックでのプレーについては?
「今年はずっとサイドバックをやっていますが、ウイングバックは攻撃の回数も増えますし、自分の特長を出せるポジションかなと思います。仕掛けるプレーは練習からも言われていますし、後ろの選手もいるので、思い切ってプレーできます。ただ、1対1の対応など、守備の部分では、サイドバックをやってきたことも生かされていると思います」

Q:ドルトムント戦でのゴールも含め、一つ一つの成功体験が自信になっている?
「ドルトムント戦のゴールはたまたまですが(苦笑)、少しずつ自信は生まれています。次はしっかり結果を出して、チームの勝利として、自信を深めていきたいです」

Q:次節は大阪ダービーです。先発の可能性も出てきました。意気込みを。
「前回は負けてしまっていますし、負けられない相手ということは当然分かっています。サポーターの皆さんと一緒に戦いたいですし、チーム一丸となって、個人としてもチームのために戦って、絶対に勝ちます」

■進藤 亮佑選手

Q:悪くはない試合でしたか?
「トータルで見れば、そうですね。細かいところ、ビルドアップや守備のポジショニングの修正点は、映像で確認したいです」

Q:失点ゼロで抑えたことについて
「当たり前のことをやっていれば、無失点の試合は増えていくと思います。細かいところを徹底してやった中での失点は仕方ないと割り切って、今日はできることの確認、細かい作業は徹底してやっていました」

Q:マテウス サヴィオ選手との1対1は、見ていて楽しいというか、見応えがありました。
「彼はJリーグでもトップの選手なので。試合中は『楽しい』とは思っていないですが、緊張感のある、『飛び込み過ぎると抜かれる、だけど行かないといけない』みたいな、ああいう感覚は久しぶりだったので、新鮮でした」

Q:心身ともに100%に近づいてきた?
「そうですね。100ですか…。『100じゃないヤツが試合に出ているのか』と言われるのも嫌なので、100に…。ただ、もっと上げられるという自分への期待もありますし、チームメートからの『もっとやってくれ、やってもらわないと困る』という声もあるので。もっともっと、コンディションを上げる余地はあると思っています」

Q:次節の大阪ダービーへ向けて。
「個人的なことを言えば、ダービーは先発で出たことがないので、出場したら、楽しみながら、プロとして、セレッソのプレーヤーとして、責任を果たしたいと思います」

■北野 颯太選手

Q:阪田選手とのコンビは見ていても楽しかったが、今日のパフォーマンスを振り返ると?
「澪哉との関係性は良い感じにできていたと思います。そこはポジティブな部分です。でも、自分自身、結果が付いてきていないので、そこは自分にも厳しく評価しないといけないです。前節も言いましたが、結果が全てなので、こういう試合で決め切って勝利に導く、そういう選手にならないといけないと思っています」

Q:今日はチャンスの数自体が少なかった。前に人数をかけ切れなかった印象も残ったが?
「そうですね。もう少しシュート数を増やしていかないといけないと思いました。次はダービーですし、結果しか要らない。どんな泥臭い試合でも、泥臭いゴールでも、勝てばいい。そういうゴールを決められるように、チームを勝たせられるように、良い準備をしたいと思います」

■田中 駿汰選手

Q:スコアレスドローでの引き分けという結果を振り返ると?
「最近の試合を考えれば、しっかり守って失点ゼロで終わったことは良かったです。ただ、無得点ですし、チャンスもあまり作れなかったので、そこは課題です」

Q:今節は3-4-2-1で臨みました。相手も違いますが、守備で前々節・神戸戦を払拭する結果が出たことは収穫ですか?
「そうですね。リーグ戦で90分を通して守備の部分でできたことは、自分たちの自信にはなります。最低限はやれたかなと思います」

Q:前節、今節と喜田選手とボランチを組んでいますが、手応えや課題などは?
「ヒナ(喜田)も走れますし、技術も高い選手。特に意識することなく、感じ合いながらできているので、今日もバランス良くできていたかなとは思います。ただ、自分たちでもっとボールを受けて、リズムを作って、起点になっていかないといけないと思います」

Q:次節の大阪ダービーへ向けての意気込みを。
「何が何でも勝つと。勝てば正直、内容はどうでもいい試合です。前回は負けているので、今回はホームでやり返して、全員で勝点3を掴みます」