第36節
2024明治安田J1リーグ
2024.11.9土
セレッソ大阪
田中 駿汰 (81')
1
HOME
FULL TIME
0
ヨドコウ桜スタジアム
0-0
1-0
アビスパ福岡
ヨドコウ桜スタジアム
15,458人
パリッ!!としたおいしさ シャウエッセン サポーティングマッチ
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「堅守を誇る福岡を相手に多くの時間で攻守にゲームをコントロールできたこと、しっかり1-0で勝ち切れたこと、クリーンシートで勝てたこと、たくさんの嬉しい要素が詰まったゲームでした。こじ開けられそうで、なかなかこじ開けられない時間が続きましたが、ミドルシュートは大きなポイントになると思っていました。柴山もあと少しでゴールになるシュートも打ちました。トレーニングからミドルシュートもよく取り組んでくれていますので、そういった練習の成果を発揮してくれました。振り切った勇気を称えたいと思います。ホーム最終戦、リーグ最終戦まで少し時間が空きますので、私自身も彼らとの時間を噛みしめながら、毎日を大切に、今日を入れて3連勝で締めくくれるように頑張っていきたいです」
Q:開始5分間と後半アディショナルタイム以外の時間帯は、ほぼ主導権を握った試合になったと思います。試合前に仰っていた、どうこじ開けるかという部分、リスク管理の部分も含めて、満足度の高いゲームになりましたか?
「そうですね。前節、ケガ人が出たこと、後半に入った選手のパフォーマンスが良かったこと。それらも含め、今日、出る選手で輝ける、また福岡のストロングを考えた時に、どのシステムで行くかを考えて、今日は4-4-2にしました。最初の時間帯は、しっかりと我慢強くプレーしようと。ああいう展開になることはゲームプランにありました。しっかりと10分間は守備を徹底する。ボールの運び方も徹底する。全員が我慢強くできました。最後の5分も、しっかりと守備で5枚にしながらゲームコントロールできたことも良かったです。試合中でのシステム変更や人の配置の変更は、昨年までの私は思い切ってできないところもありましたが、今シーズンはキャンプから色んなことに取り組んで、かつこの3年半の色んなトライ、エラーもありましたが、色々とトライしながら自分の引き出しを少しずつ増やせていけたかなと思います。選手たちはしっかりと、そのゲームプランに沿って発揮してくれたことも嬉しく思います」
Q:決勝点を取った田中駿汰選手について。今季加入して、ここまで全試合出場です。残念ながら警告累積で次節は出場できませんが、今日のゴールも含めて、ここまでの貢献についての評価をお願いします。
「(田中)駿汰には、攻守でチームの柱として助けてもらいました。支えてもらいました。感謝しかないです。先ほど申し上げた試合中のシステム変更や配置、役割の変更も、彼がいるからできます。彼がいなければ、そういった選択肢も狭くなります。彼の存在は大きく、いることで色んなことにチャレンジできる、トライできるところはあります。今日も攻守にチームの柱として、自分の役割を全うしてくれました。かつゲームを決めるプレー、ゴールも決めてくれました。彼のこの1年のパフォーマンスは、100点満点のパフォーマンスだったと思います。次節、ホーム最終戦に出られないことは私も残念ですが、しっかりと準備をして、今シーズンの最終節には良いコンディションで勝利に貢献してくれると信じています」
Q:脳震とうで交代したルーカス フェルナンデス選手の状態について
「ルーカス(フェルナンデス)、そして私もかつて共に戦った永石拓海選手。互いに勝利を目指して一生懸命やった中でのケガでした。2人の状態が気になります。ルーカスは病院に行ったと聞いています。永石選手の状態も心配ですので、これから福岡サイドに聞いて、私も確認したいと思います」
選手コメント
■田中 駿汰選手
Q:相手の守備をこじ開けた決勝点の場面を振り返ると?
「その前にもミドルシュートのシーンがあって、イン巻きで、思ったところにいかなかった。『次、来たら振り切ろう』と思ったので、振り切った結果が良かったですね。やっぱりシュートは振り切るべきだなと思います」
Q:後半15分、為田選手のシュートをGKが止めたセカンドボールを拾って打ったシュートですね。少しコースを狙ったようなシュートになったと。
「そうですね。コースを狙って、力のないシュートになってGKの正面に飛んだので、次は振り切ろうと思いました」
Q:良いコースに飛びましたね。
「上手く切り返せて、左足でしたけど、思い切ってニアに蹴りました。思った通りのコースに蹴れたので、振り切れて良かったです」
Q:それまでの時間帯は、ボールを握ってチャンスも作りましたが、こじ開け切れない時間が続きました。どう考えながらプレーしていましたか?
「まぁでも、こういう展開になるかなとは思っていました。『前半0-0はオッケー』だと。福岡の守備は堅いので。その中で自分たちも我慢しながらプレーして、崩す形もありました。もう少し決定的なシーンを作れたら良かったとは思います」
Q:今節はボランチでの先発になりました。意識していたことは?
「おっくん(奥埜)とも『今日はボランチが1枚入っていこう』と話していたので。おっくんもどんどん前に関わっていましたし。自分が行く時はおっくんがバランスを取ってくれたり。周りを見ながら気が利く選手なので、助けられました。自分ももっと気配りしながら全体のバランスを見ながらやらないといけないと思います」
Q:シーズン終盤にきて、3バックも4バックも使い分けられるチームに進化しています。それが可能なのも、「田中選手の存在が大きい」と監督も話していたが?
「まだまだ自分としては、監督が期待してくれているプレーは出せていないと思います。もっともっとクオリティー高く、監督が求めてくれたポジションでもっと結果を出したい。警告の累積で次節は出られないので、個人としてはあと1試合ですが、大切にプレーしたい。チームとしても、残り2試合、勝って終わりたいと思います」
■為田 大貴選手
Q:試合開始から左SBでした。90分プレーしての感想は?
「長谷部監督とは一緒にやっていたので、僕のところにウェリ(ウェリントン選手)を当てて狙ってきました。慣れの部分もあると思いますが、クロス対応は改善しないといけない部分は多々あったと思います。(これからも左SBをやるなら)相手が3-4-3なのか、4-4-2なのか、そういうところも頭の中で整理しながらやっていければと思います」
Q:攻撃面では、2度ほど惜しいシュートもありました。あそこまで高い位置にサイドバックが入っていけるのは、為田選手がSBで出た良さも出たのでは?
「そうですね。自分が出る意味は考えてプレーしないといけないと思っていました。アピールし続けないといけないのは、どこのポジションに入っても同じですが、サイドバックには本職の選手もたくさんいる中で、自分が出る意味を考えながらやっていました」
Q:決勝点に至る流れでも、高い位置を取っていました。自身のクロスの跳ね返りを拾った田中選手のシュートが決勝点になりました。あの場面を振り返ると?
「ああやって間に入って受けることも、自分の良さ。色んな選択肢がありましたが、狙い通りというか、相手が嫌がるところに落とせたかなとは思います」
■奥埜 博亮選手
Q:最初と最後以外は、ほぼ主導権を握った中での試合でした。ゴールまであと一歩というシーンも続きながら、どういう意識でプレーしていましたか?
「入りの部分はみんなで意識していましたが、どれだけ意識しようと言っても難しい部分はあります。あとはボールを持てる時間が長かったので、相手をどうやってズラして、ゴールを奪うか意識してプレーしていました」
Q:ボールを受けられる分、色々工夫しながらプレーしている様子も見られました。
「そうですね。違いというか、同じリズムで攻撃していても意味がないので。ドリブルで運んだり、自分が飛び出したり、色々と考えながらプレーしていました」
Q:守備に関しては、ほぼ危なげなく、という感じでしたか?
「クロスの部分で相手は高さがあったので。ウェリントン選手がウチのサイドバックと競る形を狙っていたので。タメ(為田)とも話して、『頑張ってくれ』と言いながらやっていました(笑)。うまく体をぶつけてくれて、対応してくれたと思います」
Q:同じサイドでしたが、左サイドバックに入った為田選手とプレーした感想は?
「攻撃の部分では、タメも味方を見て動けますし、ボールを付けてくれたり、動き直したり、周りを見てプレーできる選手なので。そういう選手はやりやすいですし、お互いを見てプレーできたとは思います」
Q:決勝点は田中選手のミドルシュートでした。やはりこういう試合はボランチの攻撃参加やミドルシュートが効きますね。
「そうですね。前線の選手が押し込んでくれればくれるほど、あのスペースは空くので。駿汰とは前半が終わった後も、『あそこが空くから狙おう』という話はしていました。僕も飛び出すチャンスがありましたし、決めたかったです(苦笑)。やっぱり後ろから走り込まれたら相手も掴み辛いと思うので。ボールを握って押し込めば押し込むほど、ボランチや後ろの選手が飛び出すタイミングは作れる。今日は久々に高い位置で握りながら前にも絡んでいけたかなと思います」
Q:「気にしていない」という話もありましたが、自身も無得点では終われないのでは?
「そうですね(笑)。まずはチームが勝つことですが、自分が点を取ったりアシストして試合に勝つことが個人としては一番なので。今日みたいに絡んでいければチャンスはあると思うので、しっかり決め切れるようにしたいです」
Q:次節は田中選手が出場停止となる分、奥埜選手に懸かる期待もより大きくなります。
「(チーム内に)良い選手も多いので、自分が出られる確証もないですし。中断期間で良い競争をして、自分も試合に出られるように頑張っていきたいです」
■西尾 隆矢選手
Q:無失点での勝利について。
「残り3試合、今までやってきたことを全て出そうと臨みました。今日もアクシデントがありましたが、勝ち切れたことは良かったです。守備陣も焦れずに跳ね返せたところは大きかったです」
Q:90分には、相手のカウンターを防ぐプレーもありました。スタジアム全体が湧きました。1対1で、入れ替わられたら危なかったですが、ビッグプレーでしたね。
「そうですね。あの瞬間、そのまま走って戻ろうかなとも考えたのですが、置いていかれると思ったので、滑るしかないなと。あとは運が良かったです。日頃の行いです(笑)。徳を積んでいました(笑)」
Q:若干イチかバチか、だったんですね。
「そうですね。届きそうとは思ったのですが、あれで触れなかったらダメなプレーになるので。リスクは承知の上で、滑らないといけない、という判断でした」
Q:ゲストで長州力さんが来場されました。長州さんのことは、知っていましたか?
「知っていましたよ。僕、結構プロレス好きなので。昔、親が見ていたので。貫禄ありましたね(笑)」
■奥田 勇斗選手
Q:前節も開始早々に出番が来たとは言え、先発としては久しぶりだったが?
「特に緊張することもなく、自分がやれることをやろうと、強い気持ちで出ました」
Q:攻撃では、相手のウィングバックの背後を狙っていた?
「そうですね。岩崎選手が前に来るので、その裏の空いたスペースを自分とルーカスで狙っていこうと思っていました」
Q:一つ奪われて危ない場面もありましたが、全体としては守備でも安定していたのでは?
「綺麗に崩されたシーンはなかったと思います。自分たちから失ってカウンターを受けるシーンはありましたが、しっかり守れたと思います。前節とはまた違うアクシデントもあって、ゲームのコントロールも難しかったですが、勝ち切れて良かったです」
■柴山 昌也選手
Q:予期せぬ形での出場になりましたね。
「アップもちょうど始まる時間でした。ベンチでずっと見ていて、アップに行ったぐらいであのアクシデントがあり、すぐ呼ばれてアップもできていなかったので、体も肺もきつかったですが、ルーカスの思いも背負って、しっかりプレーしようと思いました」
Q:入った直後、前半アディショナルタイムにクロスバーに当たるシュートもありました。
「レオ(セアラ)とのワンツーで得意な形に持って行けたので。昨日も練習していた位置だったので、決めたかったです。あと2試合あるので、もっと練習して、決め切りたいです」
■山田 寛人選手
Q:入って早々、山﨑選手との連係で決定機がありました。惜しかったですね。
「あのパターンは練習でもあって、こぼれてくるのは予想できました。ニアに打つのは難しかったので、(GKの)足の下をうまく抜けてくれないかなと、『当たっても入れ』と強めにシュートを打ったのですが、足で防がれました(苦笑)」
Q:公式戦で山﨑選手と一緒にプレーしたのは初めてだったが?
「そうですね。練習試合では2人で組むこともあって、コンビネーションも良かったので、『2人で出たいね』という話はしていたので、叶って良かったです。僕が決めていればもっと良かったですが。あと2試合ですが、自分の中で”1点決める”と思っているので、必ず決めたいです」
福岡の守備ブロックをこじ開けたのは田中駿汰。ニアへ放った強烈なミドルシュートが決勝点に
前節の明治安田J1リーグ第35節・北海道コンサドーレ札幌戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、アビスパ福岡との明治安田J1リーグ第36節に臨んだ。先発は札幌戦から2人変更。負傷した阪田澪哉、喜田陽が外れ、カピシャーバが12試合ぶり、奥田勇斗が6試合ぶりにスタメンを飾った。システムは第31節・湘南ベルマーレ戦以来6試合ぶりに4バックで臨んだ。
直近2試合と同じく、入りは相手に押し込まれる場面もあったが、「ああいう展開になることはゲームプランにありました。しっかりと10分間は守備を徹底する。ボールの運び方も徹底する。全員が我慢強くできました」と試合後に小菊昭雄監督も振り返ったように、慌てることなく守ると、前々節・ジュビロ磐田戦の反省も生かし、つなぎの場面では背後も意識。13分に一度、奥田が奪われてカウンターも受けたが、極力、不用意な奪われ方は避けるよう試合に入った。14分、相手のCKを跳ね返したところからセレッソに最初の決定機。ルーカス フェルナンデスがドリブルで運び、最後は左サイドを追い越してきた北野颯太へラストパス。決定的な形だったが、やや角度がなく、シュートは枠を外れた。ただし、この日も北野は抜群のキレを発揮すると、26分には自身が中央で起点を作ったところから好機。右サイドに展開し、最後は逆サイドから走ってきた左サイドバックの為田大貴がフィニッシュ。シュートはGK正面に飛んだが、相手DFを左右に揺さぶる攻撃だった。31分にもスローインの流れから、カピシャーバのクロスがDFに当たってこぼれたところを北野がシュート。DFの素早い寄せに防がれたが、ゴールに迫った。福岡の粘り強い守備の前にゴールこそ奪えなかったが、良いリズムで攻めていた前半終盤、アクシデントが発生する。カピシャーバのクロスに対し、飛び込んだフェルナンデスと、飛び出した福岡GK永石拓海が空中で激突。受け身が取れない形で落下した。そのまま脳振盪による交代で2人はピッチを後にする。前半アディショナルタイムには、フェルナンデスに代わって入った柴山昌也がレオ セアラとのワンツーで切れ込むと、無回転気味のミドルシュートでゴールを狙ったが、惜しくもクロスバーにはじかれた。
スコアレスで折り返した後半も、立ち上がりこそ福岡の攻撃を受ける場面もあったが、すぐにセレッソが盛り返すと、50分に決定機。田中駿汰のパスから背後を取った奥埜博亮がシュートも、GKの好セーブに防がれた。60分にも好機。右サイドで作り、田中を経由して左サイドへ展開すると、カピシャーバがスルーしたボールに合わせたのは大外から入った為田。ただし、シュートはGKに防がれた。跳ね返りを拾った田中がコースを狙うも、ここは力なくGKにキャッチされた。ただし、この場面を教訓に、決勝点のシーンでは、「足を振り抜くことを意識した」と田中。その後の伏線になるプレーだった。1点が欲しいセレッソは67分、山﨑凌吾と山田寛人が同時にピッチに入ると4分後、両者が絡んで決定機。セアラのスルーパスを山﨑が落とし、受けた山田がシュート。GKの足下を狙ったが、ここでも好セーブに阻まれた。後半、最大のピンチは75分、左サイドからのクロスにウェリントンが飛び込むも、為田が懸命に体を寄せて競り、ヘディングシュートは枠を外れた。すると81分、ついにセレッソが福岡のゴールをこじ開ける。複数のパスをつないで福岡DFを自陣に押し下げると、最後は為田のクロスをDFがクリアしたボールを拾った田中がワンフェイントで相手を交わし、左足でシュート。見事ニアのコースを射抜き、ネットを揺らした。
ここから選手交代も含め、同点に追いつくべく攻めてきた福岡だが、90分、相手のカウンターを西尾隆矢が見事なタックルで阻止するなど、セレッソの守備の集中力も途切れない。球際の争いも激しい、肉弾戦の要素もあった今節。最後は鳥海晃司を投入し、後ろを固めて1-0で逃げ切ったセレッソは、第33節・浦和レッズ戦以来、3試合ぶりの勝利で順位も一つ上げて7位に浮上。ホーム最終戦となる次節まで3週間ほど空くが、この間も良い準備を続け、近年、勝利がない鹿島アントラーズ戦に挑む。