第2節
2025明治安田J1リーグ
2025.2.22土
セレッソ大阪
進藤 亮佑 (57')
1
HOME
FULL TIME
2
ヨドコウ桜スタジアム
0-1
1-1
湘南ベルマーレ
鈴木 章斗 (32')
鈴木 章斗 (51')
ヨドコウ桜スタジアム
16,002人
ヤンマー #Football is our engine サポーティングマッチ
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「まず、湘南さんに『おめでとうございます』と言いたいです。試合を振り返っても、湘南さんの方が上手(うわて)だったと感じます。若い選手がたくさんいますが、アグレッシブさは随所に見られたと思います。我々に関しては、入りが良くなく、自分たちの試合を展開できませんでした。後半の立ち上がりに0-2になった瞬間、難しくなったと感じています。ただ、0-2になっても選手たちは顔を下げず、『ここからやってやろう』という気持ちが伝わってきました。1点を返して、同点に追い付けそうなシーンもありました。選手たちはよく戦ってくれたと思います」
Q:2失点の守備も課題だが、前半、なかなかボールを前に運べず、敵陣に入っていくことができなかったように思います。組織立った守備をする相手に対し、今後もこのような展開はあるかと思うが、前半、足りなかったと感じる部分は?
「一つ一つのプレーを振り返ると、前に進めるところで前にパスを出せない展開が多かったかなと。一つ局面を変えることで、もっと前に進められたと思うので、そこが修正点だと思います。ボールを失った後のインテンシティーも今日は足りなかった。そうなれば、なかなかチャンスを作ることは難しくなります」
選手コメント
■進藤 亮佑選手
Q:開幕戦に勝って今節を迎えた中で、あの試合を見て相手も対策してきたと思います。今日はピッチでやり辛さもありましたか?
「やり辛さはありましたね。相手の守備は狙い通りだったと思います。もっと背後に蹴ったりできれば良かったですが、前半に気付けなくて。後半からやり始めたのですが…。相手は背後が空いていたので、そこをもっと突ければ良かったと思います」
Q:守備の部分では、少しチャンスを作られ過ぎた感覚もありますか?
「作られ過ぎたということもないですが、自陣に運ばれる回数が増えれば増えるほど、失点の確率は上がるので。そのシチュエーションを作らせないことは大事です。2失点目とかは、自分にもできることはあったと思います」
Q:0-2の状況から生まれた進藤選手のゴールで雰囲気も変わりました。自身にとっては、今季初ゴールだったが?
「得点は自分に求められている役割なので。シーズン無得点で終わってしまっては、『他の選手が出た方がいい』となる。守備で堅くプレーすることと同じぐらい、得点も求められているので。シーズンで5点ぐらいは取りたいです」
■畠中 槙之輔選手
Q:前半は相手陣地までボールを運ぶことに苦労していた印象だが?
「相手が作ってきた組織に対して、自分たちがピッチの中でどう改善するか、今日は少し時間がかかりました。前半はそれが失点にもつながったので、もったいなかったと思います」
Q:相手もハイプレスというより、ある程度ミドルブロックを引いてきた分、後ろが持てる時間もあったと思うが、その先が難しかった?
「余裕はありましたが、相手は2つ目、3つ目で狙ってきた。逆に言えば、相手のハメどころは分かっていたので、いかにそこをおびき出して裏を使えるか。今日はそこをうまく使えなかったと思います」
Q:1失点目の後、崩れてしまったが、前半の最後の時間帯について
「ペナ(ペナルティーエリア内)に進入されることもありましたし、決定機も作られたので、そこはもっと締めないといけなかったですし、あってはならないシーンだったと思います。2試合で4失点は、ディフェンスとしては評価に値しないので、そこはもっとこだわっていきたいです」
Q:2失点後、1点を返して同点の機運も高まりました。失点しても最後まで攻める姿勢は出せたと思うが?
「そうですね。でも結果的には1点しか取れていないので。もっと攻撃の部分でもこだわらないといけない。チャンスは作れていたので、最後のクオリティーは突き詰めていかないと、上には行けないです」
Q:大阪ダービーで勝利した次の試合で連勝すれば、勢いにも乗れそうだったが?
「こういう内容でも優勝するためには勝点を取ることが大事ですが、ここでしっかり、ダメなことはダメと分かったので。ふわっといい流れになるのではなく、波に乗れなかったことが逆に良かったと思います。また地に足を付けて、やっていきたいです」
■田中 駿汰選手
Q:前半は相手陣地までボールを運ぶことに苦労していた印象だが?
「自分たちで難しくしてしまったというか、考えてしまった。前半の内に自分たちのビルドアップを変えないといけなかった。それができず、前半を無駄にしてしまったなと。もっと改善できたと思うので、また映像を見て確認します」
Q:ボールは持てていたが、シュートに至れなかった印象です。
「湘南さんからしたら、持たせていた、という感覚だったと思います。自分たちとしては、効果的なビルドアップができていなかった。試合後も選手で話しましたけど、『もっと背後、ゴールに向かって走る選手がいないと、相手も怖くない』と。余裕で守られている感じだったので、もっとシンプルに背後に抜けて、抜けた選手をシンプルに使って、もう少し押し込めれば良かったと思います」
■北野 颯太選手
Q:開幕戦の活躍があって、相手は警戒してきたと思うが、その点はどう感じましたか?
「やっぱり予想通り、相手は研究してきたなと感じました。時間があればもっと上手くやれた部分もあったのですが、前半は特にうまくいかず、そこが今日の勝敗を分けたと思います」
Q:具体的な違いはどこにあったと感じましたか?
「(第1節の相手、ガンバ大阪とは)フォーメーションが違うし、やり方も違ったので。ガンバ戦では自由にプレーできた部分がありましたが、今回はなかなかそのスペースを使わせてもらえなかった。個人としても課題が残りますし、チーム全体として、今後どう向き合っていくかが大事だと感じています」
Q:3バックに対する苦手意識も?
「いえ、3バックに対して特別な苦手意識はないです。ただ、今回は難しい点が多かった。湘南は前からガンガン来るので、相手の土俵で戦ってしまった部分があったと思います」
Q:今日も後半はボールに触る機会は多かったですが、前半はマンツーマンで来られることも多く、ボールに触る回数が少なかったと思います。前半の内に改善することは難しかった?
「そうですね。前半は相手にマンツーで来られることが多く、ボールに触れる機会が少なかったことはありました。後半はその点が改善されて、ボールに触れる回数は増えましたけど、前半の内に改善することは難しかったです。チームとして前半の試合中もコミュニケーションを取って改善しようとはしていたのですが、ハーフタイムにみんなでどう修正していくか話し合って、後半に試合が変わったというのはあります。後半は多くの時間でボールを握って試合を進めることができていたと思います。そういう試合展開に持ち込めたので、前半の途中で修正能力を高めていく必要があると感じました」
Q:ポジションを少し変えながらも最後までプレーしたことについて、どんな気持ちですか?
「最後までプレーできることは自信につながりますし、信頼されていると感じて嬉しいです。ただ、それだけに結果を残したかった気持ちが強いです」
■中島 元彦選手
Q:復帰後ホームでの初戦となったが、久しぶりにヨドコウ桜スタジアムでプレーした感想は?
「チャンスはあったので、自分の実力不足です。イケイケのムードを作ってくれていたので、同点、逆転まで持ち込みたかったですね」
Q:2点を追う状況で入りましたが、中島選手を含め、交代で入った選手たちが追い付き、追い越せの流れを作ったことは、選手層を示せた部分もあったのでは?
「ベンチの選手は自分自身も含めて『何とかしたい』と思って入りました。悔しい気持ちを全員が持っていたと思うので、ピッチで少なからず迫力を出せたのではないかと思います」
Q:89分のヘディングのシーンは惜しかったが?
「決めないといけなかったです。GKが視界に入ってしまって、という感じでした」
Q:2試合続けてワントップのポジションでプレーしているが、公式戦でこのポジションでプレーした感覚は?
「これまではトップ下でやっていたのですが、逆にゴールだけを狙って待っているのも楽しくて。より一層、ゴールへの意欲は増しています。今日も3回ぐらいチャンスはあったので、それを一つ決めていれば同点でした。(自身の)ワントップとしての可能性にワクワクしています」
Q:作りに参加というか、中盤に下りて触りたくなる気持ちもあると思うが?
「それはめちゃくちゃあります。でも、逆にスペースを空けてあげたい気持ちもあります。自分がトップ下をやっていた時に、FWにやって欲しいと思っていたプレーをしようかなと。協力してやることが大事。(ヴィトール)ブエノとかは、自分の動きを見てパスもくれるので、前で張っていることも大事かなと思ってやっています」
2025シーズンのホーム開幕戦は黒星。後半に修正も、湘南の連動した攻守を上回れず
5-2で快勝を収めた開幕戦の大阪ダービーから中7日。セレッソ大阪は、ヨドコウ桜スタジアムに湘南ベルマーレを迎え、連勝を目指して今シーズンのホーム開幕戦に臨んだ。先発は開幕戦と同じ11人。ベンチは1人変更で、中村拓海に代わり奥埜博亮が入った。
開始6分、CKから湘南の鈴木章斗にヘディングでゴールを脅かされたが、ここはGKキム ジンヒョンが弾き出す。立ち上がりこそ湘南に押し込まれたが、以降はセレッソが徐々にボールを持つ時間を増やしていく。ただし、湘南の連動した守備に対し、セレッソはボールを前に運ぶことができない。中央をしっかり閉じられ、サイドを奪いどころにされ、開幕戦のような流れるようなパスワークを発揮できない。開幕戦では自由を謳歌した北野颯太も、「前半は相手にマンツーで来られることが多く、ボールに触れる機会が少なかった」と振り返ったように、湘南のアンカー奥野耕平の厳しいマークに遭い、苛立ちを見せるシーンもあった。システム上、ミスマッチとなるサイドの攻防でも常に数的優位を作られ、舩木翔や奥田勇斗の創造性も消された格好となった。そうした流れの中で、32分に失点。左サイドで舩木から阪田澪哉に出たパスを囲い込まれて奪われると、そこから出た背後へのパスに対し、福田翔生に起点を作られ、最後は湘南の10番・鈴木章斗に決められた。ここから前半終了まで立て続けに湘南に決定機を作られるなど、守備が崩れたが、キム ジンヒョンの好守やクロスバーにも救われ、2失点目は防いだ。
修正を施したい後半、アーサー パパス監督は選手を1人交代。阪田に代えて柴山昌也を投入し、柴山を右ウィングに、ルーカス フェルナンデスを左ウィングに配置する。ただし、反撃に出ようとした矢先、51分に2失点目。前線でラファエル ハットンがボールを失うと、一瞬、ファウルかとセレッソの選手たちの動きが止まった瞬間を突かれ、1発のパスから鈴木章斗に背後を取られると、そのままドリブルで持ち運ばれて、ニアに決められた。直後にセレッソは香川真司とハットンが交代し、ヴィトール ブエノと中島元彦がピッチに入る。システムも田中駿汰をアンカーに、北野とブエノがインサイドハーフの4-3-3に変更すると、57分、フェルナンデスのFKに進藤亮佑が頭で合わせて1点を返す。63分にもフェルナンデスのプレスから高い位置でボールを奪い、北野に決定機。コースを狙った良いシュートを放ったが、湘南のGK上福元直人の好セーブに阻まれた。湘南のカウンターにも警戒しつつ、全体を押し上げて同点を目指したセレッソは、89分にも決定機。柴山のクロスにファーで中島がヘディングで合わせたが、「GKが視界に入ってしまった」(中島)ことで、しっかりと当てることができず、わずかに枠を外れた。後半アディショナルタイムにも田中の縦パスを受けたブエノ、ブエノのCKから中島と、それぞれチャンスは訪れたが、決めることはできず、無念のタイムアップ。後半は盛り返した一方、前半はチームの良さを消され、「湘南さんが上手(うわて)だった」とパパス監督も認める敗戦を喫した。
試合後は、やはり前半の試合運びを悔やむ選手も多く、湘南の対策を上回れなかった事実も浮き彫りになった。もっとも、スタイルを突き詰めていく姿勢とともに、相手の出方に対して柔軟に戦う必要性も突き付けられた一戦の価値は小さくない。「ダメなことはダメと分かった。ふわっといい流れになるのではなく、波に乗れなかったことが逆に良かったと思う」と畠中槙之輔も振り返るなど、この試合で得た課題を今後に生かせば、今節の意味も膨らむ。新体制は始まったばかり。成功体験もエラーも糧に、前進を続けていきたい。