第3節
2025明治安田J1リーグ
2025.2.26水
柏レイソル
垣田 裕暉 (66')
木下 康介 (74')
2
AWAY
FULL TIME
1
三協フロンテア柏スタジアム
0-1
2-0
セレッソ大阪
北野 颯太 (13')
三協フロンテア柏スタジアム
8,946人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「両チームがアグレッシブなサッカーを展開したということに関しては、素晴らしい試合だったと思います。今日は学ぶべきことが凄く多かったなという気持ちがあります。前半、いい形で入れて、後半もいい形を継続して出せるようにすることが大事でした。VARのところの判断で悔やまれる部分もありますが、自分たちがやってきたことを継続することは、忘れずにやっていきたいと思います。次の1点が入っていれば、試合は決まったという気持ちはあります。ただ、柏さんにも『おめでとう』という言葉を送りたいです。あの状況からひっくり返したことは、素晴らしいチームだと思っています」
Q:前節の反省も生かして、前半はいい入りをしたと思います。相手のビルドアップに対してしっかりプレスもかかっていましたし、先制点も取りました。そこから前半の終盤や後半の立ち上がりで2点目が入っていれば、いいゲームになったという感覚があります。その一方で、後半の途中からはスライドも間に合わなくなり、相手にサイドを崩されるシーンが増えました。前半から飛ばした分、少し疲れが見えたこともあると思いますが、90分のマネジメントで、「こうしておけば良かった」と思う反省点はありますか?
「(質問に対して)まず一言、すごくいい分析をされているなと思います。仰られた通り、前からプレッシャーをかけ続けて、相手のサイドからサイドへの、サイドチェンジを減らそうという狙いはありました。強度は維持しながら、後ろの4枚が前の選手たちをしっかりサポートして、プッシュしていければと思っていました。後半のような展開になったとしても、勇気をもってかけ続けることが大切でした。前半、良かったことは、プレスをかけ続けたこと。自分たちから行く姿勢を見せられたこと。展開が進むにつれて、前から行く動きを抑える気持ちが少しずつ出てしまったのかなと思います。前に行くのではなく、少し後ろ向きになってしまった。そういう展開になってしまえば、難しくなります。もちろん、疲れが見えた選手もいますが、努力したことは評価したいです。すぐ試合がありますし、次の試合に向けて、デュエルでしっかり勝たないといけません。次は勝点3を取りたいと思います」
選手コメント
■北野 颯太選手
Q:前節から先発が4人、前線も2人が代わった中での試合でしたが、攻守に狙いをもった、いい入りができたと思うが?
「そうですね。前節の敗戦から、前に前に、というところは見直して、チームとしてそこは共通理解を持ってこの試合に臨みました。立ち上がりはいいサッカーができたと思います。守備でもアグレッシブにハードワークすることを意識しました」
Q:得点シーンは阪田選手のクロスをクリアされたところで、喜田選手と西尾選手がセカンドボールを拾って、北野選手のシュートに至りました。シュートの判断は、咄嗟に打った感じですか?
「そうですね。その前に、(阪田)澪哉からクロスが上がって、いいボールが来たのにヘディングをすかしてしまって、『やってしまった…』と思ったのですが、(西尾)隆矢くんがカウンタープレスをしてくれて、自分のところに転がってきたので、咄嗟に『打っちゃえ』と思って打ちました」
Q:調子がいい証拠ですね。GKの動きも見ていなかったのでは?
「はい、全然(笑)。適当にというか、思い切って打ちました」
Q:その後もチャンスメイクやシュートなど、攻撃を引っ張っていました。個人的なパフォーマンスは良かったと思うが、1試合を通して今日の内容はどう振り返りますか?
「ゴールを取ったこと以外は、まだまだ課題も残るという印象です。ボールロストも多かったし、球際で負けることも多かった。もっと得点やアシストをしたかったですし、チームを勝たせられなかったことが反省です」
Q:確かに先制後も追加点を取れそうなシーンもありましたし、後半の立ち上がり、北野選手とのワンツーで抜け出した阪田選手のフィニッシュの場面で追加点を取れていれば、もう少し楽に運べたように思います。相手の手にも当たっていましたが…。
「正直、納得いっていない部分もありますが、まあでも、それがサッカーやと思うし、言い訳をしたくないので。僕にももっと決めるチャンスはあったし、澪哉の責任でもないし、ジャッジの問題にもしたくない。自分に矢印を向けてやっていきたいです」
Q:開幕から3試合で3得点について
「得点が取れていることは大きいですし、コンディションもいいと思います。ただ、年間を通して継続できるかが大事なので、今、調子がいいからと言って、何も満足していません。今だけという風にはなりたくないので、継続してやっていきたいです。常に自分にプレッシャーをかけて、危機感を持って、まだまだ成長したいです」
■柴山 昌也選手
Q:柴山選手を含め、前節から選手を入れ替えた中でも、狙いを持った攻守を体現できていた時間帯も多かったと思うが?
「監督からは、杉岡選手の背後を狙って、自分のところで優位を作ることは言われていたので、そこを徹底して突けたことは、狙い通りに運べましたが、相手もポジションを取って、ビルドアップから崩しまで上手かった。それでも前半は、自分たちも疲れがなく守れていましたが、後半、どこかで厳しい時間帯が来ることは分かっていました。自分もそうですが、前半の強度を長い時間、維持していかないといけなかったと思います」
Q:チームとして90分のマネジメントという課題は残ったと思いますが、入りに関しては、ボールを握るのが上手い相手に対しても、恐れずプレスをかける姿勢も出せたのでは?
「そうですね。自分のところで中を締めながら杉岡選手のところに行って。何度も行けていた部分もありました。ただ、相手も原川選手が落ちたりして、人数を増やして、プレッシャーをかけづらくなって、そこから対角でサイドを変えられたシーンもありました。そこは全体でもっとケアしないといけなかったと思います」
Q:先制点の場面は柴山選手が起点となって、阪田選手のサイドへ展開したところから始まりました。視野も広く見えていた?
「まず、ヒナくん(喜田陽)から足元にいいボールを差してもらいました。カットインは自分の特長でもあるので、そこから運んで、澪哉が(外に)張っていることはチームの立ち位置でもあったので、パスは出せると思いました。そこからもう一度、中に入って、詰めることも意識しました。結果的に得点につながって良かったです」
Q:前節は、パスが足元ばかりになった課題もあったと思うが、今節は進藤選手の長いボールの受け手になり、スペースを突く狙いも見えました。前節から攻守に修正は効いていただけに、後半の試合運びが残念ですが、後半は全体として守備が遅れた感覚はありましたか?
「あれだけ持たれてしまうと、プレスも後手になって、空いたスペースを使われてしまう。そういうシーンが後半は多かったです。もっとコミュニケーションを取れたら良かったですが、頑張るしかなかったです。後半、(運動量が)落ちてしまったことはありますが、チームのためにどれだけ走れるか。このサッカーではキーになると思います」
Q:逆転負けは悔しい結果ですが、前節から中3日という短い時間の中、メンバーが代わっても攻守にやろうとしていることを統一して、ある程度、狙いを出せたことは自信につながる部分もあるのでは?
「そうですね。自分も今は左も右もやっているのですが、どちらでもいいプレーができるようにやっていますし、監督のサッカーも浸透しつつあるので、今日の課題を次節の新潟戦にぶつけたいと思います」
■中島 元彦選手
Q:復帰後、初先発でしたが、試合を振り返ると?
「勝てれば良かったですが、守備も含めて求められていることはやれたかなと思います。ただ、ゴールを決められたらもっと良かったです。FWとしては、点を決めないと競争にも勝っていけないので。そこは物足りなかったと思います」
Q:相手につながれて、サイド攻撃を受けた場面もありましたが、前半は前の4選手を含め、プレッシャーもかけながら後ろも押し上げて、狙い通りの入りもできたのでは?
「そうですね。プレッシャーに行けて、先制点も取って、理想的でしたが、追加点を取れたらもっと良かったです。PKか、PKじゃないか、というあたりで少し流れが変わって、失点してしまった。そこからまた盛り返す力を付けないといけないと思いました」
■喜田 陽選手
Q:自分たちの狙い通りの入りができた一方、後半に2失点。試合を振り返ると?
「相手は後半から選手を交代してきて、攻め方も少し変えてきました。相手の狙いというか、特にロングボールを多用して、サイドへ展開する攻撃をしてきたことで、少しずつ自分たちの守備にズレが生まれて、自分たちで崩れていった印象です」
Q:後半は守備での対応が難しくなった?
「難しくはなりましたが、2失点とも自分たちで守れる失点だったと思います。失点ゼロで抑えないといけなかったです」
Q:喜田選手を含め、前節から選手を入れ替えた中でも、狙いを持った攻守を体現できていた時間帯も多かったことは自信になるのでは?
「前半はできた部分も多かったですが、後半、相手が変えてきたことにもっと早く対応して、崩れず無失点で抑えることができたら良かったです」
良い入りから北野颯太の今シーズン3点目で先制も、後半、守備で耐え切れず、無念の逆転負け
1-2で敗れた前節・湘南ベルマーレ戦から中3日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、柏レイソルとの明治安田J1リーグ第3節に臨んだ。先発は湘南戦から4人変更。西尾隆矢、喜田陽、柴山昌也、中島元彦が今シーズン初スタメンを飾り、柴山は右ウィング、中島は1トップでのスタートとなった。
今節に臨むにあたり、「前節は後ろ向きのプレーが多かった。今節に向けては、フリーなスペース、空いているスペースはどこなのかをしっかりと理解して、前への選択肢をどんどん増やしていきたい」と話していたアーサー パパス監督だが、その言葉通り、今節のセレッソは攻守ともに立ち上がりから積極的な姿勢で試合に入る。GKも含めて後ろからボールをつないでくる柏に対して前線からのプレスで制限をかけると、奪ったボールは足元でつなぐところ、シンプルに相手3バックの脇に長いボールを入れて起点を作るところを使い分けて前進。前節から修正した入りを見せた中、最初の決定機は柏に訪れる。12分、原田亘にカットインから低い弾道のシュートを打たれたが、GKキム ジンヒョンが素早い反応で弾き出すと、直後の13分、セレッソが先制に成功する。喜田が縦パスを入れると、受けた柴山が右サイドからカットインし、逆サイドの阪田澪哉へパス。阪田のクロスは相手DFにクリアされたが、喜田と西尾が猛ダッシュし、セカンドボールに反応。西尾がカットしたボールがショートカウンターのような形で北野颯太に渡ると、北野が右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。自身も「咄嗟に打った」と話したように、体が自然に反応した見事な一撃だった。その後も前から積極的に奪う姿勢を見せつつ、上下左右にスライドして守備に穴を空けないセレッソは、27分、田中駿汰の縦パスを受けた北野がシュート。ここで得たCKから、柴山のキックに西尾が合わせたヘディングはGK正面に飛んだ。前半終了間際には左右に大きく展開され、サイドを破られるシーンもあったが、柏もプレー精度を欠いて、事なきを得た。前半アディショナルタイムには、右サイドを崩して中島がフィニッシュも、シュートは枠を外れた。追加点こそ奪えなかったが、攻守に狙いを持って、コンパクトに戦い続けた前半45分だった。
後半開始早々、セレッソにビッグチャンス。相手のトラップミスを奪った阪田が北野とのワンツーでペナルティーエリア内へ進入。相手のマークを外してシュートを放つと、相手DFの手に当たってゴールの外へ。VARの介入により、OFR(オンフィールドレビュー)が行われたが、主審は「PK無し」のジャッジ。セレッソ側からすれば納得しかねる判定にも思えたが、この好機を生かせなかったことが、後に響いていく。56分にもセレッソにチャンス。この試合、再三狙っていた進藤亮佑から柴山へのパスでサイドを取ると、柴山のパスを収めた北野がシュートもGKに止められた。2点目が取れそうで取れないもどかしい展開が続くと、66分、同点に追い付かれる。右サイドバックの奥田勇斗が持ち運んだところをカットされたところから、一気にサイドを変えられ、自陣左サイドを破られると、中で垣田裕暉に決められた。ここからホームスタジアムのボルテージが一気に上がり、柏の猛攻に遭う。再び主導権を引き寄せるべくパパス監督も72分、3選手を同時に交代するも、入った選手が機能せず、柏に傾いた流れを食い止めることができない。すると74分、再び奥田がドリブルで運んで奪われたところからシュートに持ち込まれ、逆転を許してしまった。
その後も勢いよく向かってくる柏に対し、セレッソは反撃の糸口を見い出せない。81分、田中に代わってヴィトール ブエノが入り、より攻撃的な布陣で同点を目指したが、決定機には至らず試合終了。攻守に狙いを持って入れた試合だったが、終わってみれば柏のサイドを広く使った攻撃をしのぐことができず、逆転負け。悔しさが募るアウェイ戦となった。ただし、下を向いている時間はない。次節も中3日でのアウェイゲーム。まずはしっかりとコンディションを整えて、チーム一丸で勝点3を得るべく乗り込みたい。