2025明治安田J1リーグ第4節

2025明治安田J1リーグ

2025.3.2

アルビレックス新潟

矢村 健 (17')

長谷川 元希 (62')

2

AWAY

FULL TIME

2

1-1

1-1

セレッソ大阪

中島 元彦 (28')

ラファエル ハットン (90+1')

デンカビッグスワンスタジアム

22,933

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

2度先行される苦しい展開も、中島元彦、ラファエル ハットンと古巣戦に臨んだ2人のゴールで劇的な引き分け

前節の柏レイソル戦から中3日。セレッソ大阪は、再び敵地に乗り込み、3試合ぶりの勝利を目指してアルビレックス新潟との明治安田J1リーグ第4節に臨んだ。先発は柏戦から4人変更。チアゴ アンドラーデ、ヴィトール ブエノが今季初スタメンを飾り、ルーカス フェルナンデスと畠中槙之輔が2試合ぶりに先発復帰した。システムは田中駿汰がアンカーに、北野颯太とブエノがインサイドハーフに並ぶ4-3-3となった。

試合は立ち上がりからセレッソがボールを保持。右サイドから攻め込むと、7分に決定機。CKのセカンドボールを拾ったフェルナンデスのクロスに田中が頭で合わせたが、相手GKの好守に阻まれた。7分には決定機が続く。今度は流れの中からフェルナンデスのクロスにブエノが飛び込むと、DFのクリアがクロスバーを直撃。オウンゴールで先制か、というシーンだった。良い入りをしたセレッソだったが、この試合は前からの守備が機能しない。10分を過ぎたあたりからプレスを外され、サイドに展開され、前に運ばれてピンチが続くと、17分に失点。西尾隆矢、奥田、フェルナンデスと右サイドでつないだところを奪われると、背後を狙われて相手に走られ、カバーに入った西尾も止めることができず、後方から走り込んできた稲村隼翔のクロス性のシュートをGKキム ジンヒョンが弾いたこぼれ球を矢村健に詰められた。ビルドアップの途中で奪われ、両サイドバックの背後を取られて失点という形は今季の失点パターンにもなっている。長所の裏返しでもあるのだが、今後何とか改善したい。良い入りをしながら自滅のような形で流れを失うと、ここから新潟の勢いが加速する。18分、24分と新潟に決定機を作られたが、ここを凌いだことで、28分、セレッソが同点に追い付く。畠中の縦パスを中島が落とし、ブエノが粘って右サイドへ展開。奥田からフェルナンデスへパスが渡り、フェルナンデスの低くて速いクロスに頭で合わせたのは中島元彦。直近の連敗中はチャンスで仕留めることができず、悔しさを抱えていた背番号13が同点ゴールを決めた。2020シーズンの新潟在籍時はコロナ禍で声援はなし、入場制限もあった中での試合だっただけに、今節の試合後は、「J1の舞台でこの大歓声の中でプレーできたことは感慨深かったです」としみじみ話した。その後、前半の終盤は新潟にゴールを脅かされたが、2失点目は喫することなく前半は同点で折り返した。

後半、最初のチャンスはセレッソ。51分、前からの守備でボールを奪い、素早くフィニッシュへ持ち込み北野がシュート。54分には左サイドの2人を交代。舩木に代えて、AFC U-20アジアカップ中国2025から戻ったばかりの髙橋仁胡、アンドラーデに代えて阪田澪哉を投入し、テコ入れを図る。勝ち越しに向けてギアを上げていきたいところだったが、ボールが落ち着かず、前へ運べなくなると、徐々に新潟に押し込まれて背後を取られ出し、62分に失点。自陣の左サイドでボールを失うと、そこから逆サイドへ展開され、クロスにニアで合わせられた。1失点目も含め、過程における寄せの甘さも目立った。勝ち越した新潟が前から勢いよく来る中で、セレッソはチャンスを作れないまま時間が経過。75分、アーサー パパス監督は最後の交代策として、ラファエル ハットンと柴山昌也を投入する。新潟も84分、最後の選手交代で布陣を5バックに変更すると、引いた新潟に対し、セレッソがボールを握り、敵陣深くまで進入していく。その流れの中で、後半アディショナルタイムに起死回生の同点ゴールが生まれた。右サイドでボールをつないで相手を揺さぶると、中央から右サイドの奥へ走り込んだ髙橋に田中がスルーパス。受けた髙橋がニアへクロスを上げると、GKがこぼしたところに詰めたハットンがゴールへ押し込んだ。中島と同様、新潟に在籍経験のある背番号9の今季初ゴールで追いつくと、2分後、再び右サイドを破り、西尾のクロスからハットンにさらなるチャンスも、ここはシュートを打ち切れず。試合はこのまま2-2で終了。敗色濃厚な一戦だったが、土壇場で引き分けに持ち込んだ。

「今日は切り替えも遅く、カウンターを何度も受けた」とキャプテンの田中も振り返ったように、前半の途中から終盤まで新潟に押されるシーンも目立ち、再三、背後を取られるなど苦しい展開だった。それでも交代で入ってきた選手も含め、最後まで諦めない姿勢を示して獲得した勝点1に、「残り10分、15分、自分たちが積み上げてきたことを最後まで貫いて、ゴールを奪えたことは素晴らしかった」とパパス監督も選手たちを称えた。ハットンのJ初ゴール、髙橋のJデビューなど今後につながる要素も収穫。次節はホームに戻り、名古屋グランパスを迎える。今度こそ開幕戦以来となる勝利を掴み、笑顔で試合を終えたい。

監督コメント

■アーサー パパス監督

「新潟さんのホーム初戦ということで、難しいゲームになることは予想していました。試合の入りとしては、最初の10分は素晴らしかった。開始10分でビッグチャンスを2つ作りました。狙いとしては、ハーフウェイラインから向こう側、相手の陣地でプレーすることでした。いい状況を作りましたが、先に失点してしまいました。ただ、その後も自分たちのサッカーを続け、良い攻撃を展開しながら、(中島)元彦がゴールを決めてくれました。今日は自分たちの選手の特長を生かした戦い方を意識しました。後半も前半と同様にプレーしたかったのですが、後半の立ち上がりはうまくいかない部分もありました。後半だけを見ると、新潟さんの方がいいシーンがたくさんあったと思います。それでも、最後の15分に関しては、自分たちも違いを作れたと思います。残りの10分、15分、自分たちが積み上げてきたことを最後まで貫いて、ゴールを奪えたことは素晴らしかったです。試合の終盤にプレーしていた選手を見ると、若い選手が多かったです。髙橋(仁胡)、(西尾)隆矢、(喜田)陽、シバ(柴山昌也)、(北野)颯太、(阪田)澪哉。彼ら若い選手たちが最後の最後までしっかりと戦い抜いて、スピリット、戦う姿勢をしっかりと見せてくれました」

Q: 「自分たちの選手の特長を生かした戦い方」という言葉もありましたが、今日は中島選手を1トップというか、ゼロトップ気味に配置し、その後ろでヴィトール ブエノ選手、北野選手がサポートする4-3-3の布陣でした。先制点など、機能したシーンもありましたが、中島選手を前で置くことや、この形に対して、どのような可能性を見出していますか?
「基本的にやりたいことは変わりません。前に人数をかけて、攻撃的な姿勢を貫くことは変わりません。ただ、ボールを奪われた後はアンカーの脇にスペースが空いてしまうので、その対応が重要になります。試合を振り返ると、攻撃的な姿勢を見せながら、うまく選手たちはやってくれたかなと思います。ただ、まだまだ改善できる部分はたくさんありますので、それを落とし込んでいきたいと思います。簡単に言えば、どこにスペースがあって、そのスペースを誰がどう有効に使うか。それが大切になります。空いているスペースも結構あったので、そこをしっかり使えるようにやっていければと思います」

Q:初めて日本でプレーする外国籍選手は慣れるのに少し時間も必要で、数試合やってみないと分からない部分もあると思っているので、どのタイミングで聞けばベストか探りながらここまで来たのですが、チアゴ アンドラーデ選手、ラファエル ハットン選手についてお伺いします。特に今日、初先発となったアンドラーデ選手ですが、まだ良さを出し切れていないと言いますか、特に守備面で、今日もそのサイドでプレスがかからず新潟に逆サイドに展開されてピンチというシーンも多かったように見えました。監督が求める守備の基準の高さを考えると、そこに達していないようにも思えますが、それでも起用しているのは、日本のサッカーに慣れながら少しずつ力を発揮して欲しい、という期待でしょうか。今日、ゴールを決めたハットン選手の評価と合わせてお願いします。
「4試合を終えた現状で言いますと、変えることができるポジションの選手もいれば、変えることができないポジションの選手もいます。そして、質問にあったウィングに求めるプレーは、とにかく仕掛けること、背後に走ること、あとはプレスをしっかり全うして欲しいという思いがあります。前節の柏戦では、阪田澪哉と柴山昌也が頑張ってくれました。その2人を(今節の左ウィングで)起用することもできたのですが、ケガのリスクも考えました。また、仰っていただいたように、日本に来たばかりの外国籍選手がすぐに活躍することは難しい。日本サッカーのアグレッシブさに対応するまで、フィジカルが追いつかないところもあります。ただ、言い訳はできないですし、求めていくモノはどの選手でも変わりません。環境に適応するのが難しいからパフォーマンスを出せない、ではダメなので、環境に順応しながら自分の良さを出して欲しいです。選手の前でもよく言うのですが、『日本の文化、日本のサッカーを常にリスペクトする気持ちを持たないといけない』と伝えています。外国籍選手だからと言って、特別扱いをしようとは思っていません。求めるべきプレーは求めていきます。そこは変わりません。ハットンに関しては、今日はそれを全うして、ゴールまで決めてくれました」

選手コメント

■中島 元彦選手

Q:このミックスゾーン(取材エリア)も懐かしいですか?
「めっちゃ懐かしいですね(笑)」

Q:約3年間プレーした仙台への気持ちが強いと思いますが、2020シーズンにプレーした新潟への想いも特別だと思います。今日、新潟のホームでプレーした感想を聞かせて下さい。
「新潟にいた時期はコロナ禍で難しく、新潟のことを全ては分かっていないと思いますが、今でもメッセージをもらいますし、当時も新潟の皆さんがよくしてくれました。仙台のような(特別な)気持ちもあります。新潟にいた頃は(スタジアムに収容する)人数も制限がありましたし、当時、新潟はJ2だったので、『自分がJ1に上げよう』という気持ちでプレーしていたので、今日、こうしてJ1の舞台で、この大歓声の中でプレーできたことは感慨深かったです」

Q:ゴール後はパフォーマンスを控えていましたが、やはり新潟へのリスペクトですか?
「そうですね。リスペクトを持って挑んだ試合だったので。ゴールを決められたことは嬉しかったです」

Q:得点シーンは、ルーカス フェルナンデス選手のクロスにヘディングで合わせた形でした。以前も話されていましたが、ヘディング、強いですね。
「はい(笑)。上がってきたボールが良かったです。相手のCBも大きかったので、精一杯、飛んで、あまりゴールの位置は見ていなかったのですが、良いコースに飛んで良かったです」

Q:クロスに至る作りとしても、畠中選手のクサビを中島選手が落として、ブエノ選手がキープして右サイドへ展開、奥田選手からフェルナンデス選手に渡った流れでした。1トップでどう周りと関わるか、試行錯誤している部分もあると思いますが、ひとつ形になった感じでしょうか?
「前に張ることも大事ですが、『もっと降りてボールを受けていい』と監督にも言われたので。監督の狙いとしても、自分が降りてCBを引きつけて、ワイドのスペースを空けるという狙いもありました。少しパスはズレましたが、ブエノが頑張ってくれました。はたいた中で、ゴール前に入っていく動きは、(大久保)嘉人さんがよくやっていた動きでした。昔、見ていた動きなので、イメージしながら入れました。そう考えたらあのヘディングも、嘉人さんみたいやったな、と思います(笑)」

Q:今日の形では、ブエノ選手や北野選手とうまく関わりながら、彼らと距離感良くプレーすることが大事ですね。
「そうですね。まだ模索しながらですが、もっと良くなっていくと思います」

■ラファエル ハットン選手

Q:かつて在籍した新潟のホームスタジアムでプレーした思いは?
「かなり前の話になりますが、新潟に在籍していたので、このスタジアムに戻ってくると、色んな思いがフラッシュバックしてきました。試合に関しては、我々が求めていた結果ではないですが、最後に自分が決めて同点で終われたことは良かったです」

Q:貴重な勝点1をもたらしたJリーグ初ゴールになりました。ゴール場面を振り返ると?
「相手陣地で、ボックス付近でかなり人数を掛けた攻撃ができました。人数を掛けたからこそ、GKが弾いたボールが自分のところに転がってきたのだと思います。あの場所にいることが大事でした。そのすぐ後、再び自分のところにボールが来たですが、そこではタイミングを合わせることができませんでした。ただ、チャンスは作れていたので、それをしっかりモノにして、次は勝利につなげる試合をすること、勝点3を取ることが大事です」

Q:Jリーグ初ゴールが古巣戦になったことは、ドラマチックですね(笑)。
「そうですね(笑)。自分のルーティーンとして、スタジアムに着いたらまずピッチに入るのですが、先ほども言ったように、その時は色んなことが思い返されました。この10年、たくさんの苦労もありました。こうしてまた、違うチームですが、戻ってくることができて本当に良かったなと思います」

■髙橋 仁胡選手

Q:Jリーグデビューになりましたが、ピッチに立った時の思いは?
「ここまで支えてくれた人たちへ感謝の思いがありました。特に母への感謝の気持ちが大きいです」

Q:加入してからここまで半年以上、長かったと思いますが、どういう気持ちで練習していましたか?
「昨年は辛い時期も多かったですが、この日のために毎日、頑張っていました。いつかは来ると信じていましたし、難しい時期もありましたが、ピッチに立てて良かったです。勝ちたかったですが、まずは出場できて嬉しいです」

Q:最後の同点の場面は、自身が右サイドの奥のスペースに走り込んで、クロスを上げたところからでした。あの場面を振り返ると?
「あの時間帯は右サイドから攻めていて、スペースも結構あったので、入ったらチャンスになると思いました。自分を信じて走ったら、(田中)駿汰くんがいいパスをくれて、そこからゴールにつながったので、良かったです」

Q:左サイドから右サイドに走っていったのは、自身の判断ですか?
「元々、サイドバックは中にいるので。張ってプレーしている時よりは、右サイドへのランニングも距離が近かったので、簡単にできました。右サイドで回している時に空いているスペースを見つけて走った感じです」

Q:AFC U-20アジアカップ中国2025から戻ってきたばかりで準備期間は短かったと思いますが、この試合に向けてしっかり調整できた感じですか?
「そうですね。(準決勝のU-20)オーストラリア代表戦は残念ながら負けてしまったのですが、その試合後からすぐチームのことを考えて、できるだけ早く日本に帰って、試合に出るためにできることをやろうと思っていました。短い期間でしたが、この試合に向けて準備はできました」

Q:U-20W杯の出場権獲得にも貢献されましたが、今大会で得たことは?
「最後まで諦めないことです。(準々決勝のU-20)イラン代表戦も先制されましたが、負けていてもプレーは変えずに戦い抜くこと。慌てずに、つないで前に進むこと。そういったことを学びました」

Q:J1デビューを果たしたばかりですが、ここから先、どういったプレーを見せたい?
「今日はディフェンスが少し弱かったので、次は入りからしっかり強く入りたいです」

Q:今後の目標について。日本代表や再び海外でプレーすることも目指していると思うが?
「もちろん、自分の中で考えていることは色々ありますが、そのためにはチームでスタメンを取らないといけない。まずはチームでしっかりプレーして、そこから自分が目指すことを考えていきたいです」

■田中 駿汰選手

Q:内容全体としては苦しい時間帯も多かったと思うが、試合を振り返ると?
「入りはボールを支配できて悪くなかったと思いますが、徐々にプレッシャーをはがされて、球際で五分五分から負け始めて、そこからは押し込まれた展開が増えたかなと思います」

Q:今日のフォーメーションは、田中選手がアンカーで、ブエノ選手と北野選手が一つ前に配置されていました。第2節・湘南戦の後半も同じ形だったと思います。先ほど、入りの話もありましたが、最初の10分で2回決定機も作っていましたが、今日の狙いについて。
「ブエノと(北野)颯太が、相手のボランチの後ろと最終ラインの前にできるスペースを上手く使うことがチームの狙いでした。そこにボールを入れて、前を向いてサポートしたり、ターンしたり、スルーパスを送ることで攻撃を展開する意図がありました。チームとして、もっとその形を出せれば良かったと思います」

Q:守備ではリスクも背負っている分、攻撃でもっと形を作らないと、メリットも少ないということですね。
「はい。もっと質を高くやらないといけませんでした。ミスも多かったです。守備では、自分たちが思っていたようなプレスをかけてボールを奪う展開は少なかった。相手のミスで取れたシーンはありましたが、意図的に嵌めて奪うシーンは作れませんでした」

Q:負けてもおかしくないゲームで勝点1を取れたことは大きかったと思います。最後の時間帯はうまく右サイドで崩せました。交代で入った選手も含めて取りにいく姿勢を出せましたね。
「そうですね。シバ(柴山)が仕掛けて、溜めも作れるので、右に比重を置いて、結果的にそこから点が取れました。ああいう押し込んだ状態でボールを握って、という状況をもっと前半から作りたかったです。もっとボールを握った上で支配したかった。今日は切り替えも遅く、カウンターを何度も受けました。そこは後ろの選手からもっと言っていかないといけません。結局、そこで(切り替えの場面で)頑張らないと、戻る距離も長くなり、走ることになります。そうなると疲弊して、自分たちのペースではなくなってしまう。今日はホントに切り替えが遅かったので、そこはもっとこだわってやっていかないといけません。そこは監督も言っていることなので、もっと厳しくやっていかないといけないです」

■西尾 隆矢選手

Q:試合の入りは素晴らしかった一方、前半の途中から相手に主導権を握られる時間も増えました。今日できたところ、難しかったところは?
「入りは良かったですし、前半は自分たちのサッカーもできました。ただ、前節もそうでしたが、前からアグレッシブに行く守備が継続できなかった。やっぱり90分ずっと走り続けられる人間はいないので、前からの守備がきつくなった時にどういう守備をするか、どうチームをコントロールするか。それをもっと明白にできれば良かったです。奪った後も、ボールを保持する時間がどんどん短くなって、雑になった時間帯もありました。自分たちのミスから簡単に相手にボールを渡してしまって、その流れで失点してしまうこともありました。前節もそうだったので、しっかり反省しないといけないですし、試合も続くので、早く改善しないといけないと思います。ただ、自分たちはアグレッシブに、前へ、前へ、というサッカーはどんな状況でもやり続けると監督は言っているので、そこはブレずにやり続けたい。前半のように、そういう姿勢を出せれば得点も取れますし、良いサッカーもできます。誰一人違う方向を向くことなく、チーム全員で同じ意志を持ってやることが大切だと思いました」

Q:前節と今節では先発のキャラクターやシステムも違い、前半からなかなか守備が嵌らず、後ろの選手は大変だったと思います。簡単に運ばれて、さらされて、難しい対応も迫られたと思うが、改めて、覚悟を持ってこのサッカーをやっていく?
「そうですね。ずっと言っているのですが、リスクを背負って、攻撃に人数を割いていることは分かり切っていること。監督もそのリスクは分かった上で、今のサッカーを目指しています。センターバックが2人で守らないといけない場面も多いと思うので、自分たちの守備力が求められます。失点が多いことは自分たちが一番分かっていますし、ゼロで抑えたい気持ちはチームとしてもあります。そこは、(失点が続いても)下を向かずにやっていきたいです。ただやっぱり、今日の失点も防ぐことはできました。一番ピンチになっていることは、攻撃していて、取られ方が悪い時。そこは誰が見ても思うので、攻撃の質をもっと上げること、常にシュートでやり切ることを意識していきたいです」

Q:最後の時間帯は、柴山選手が入って右サイドで起点を作って、同点まで持ち込みました。最後まで攻め抜く姿勢、諦めない姿勢は出せましたね。
「そうですね。ピッチに立っている以上、どんな時でも勝負を諦めている選手はいません。自分もしんどい時間帯でしたが、何ができるか模索しながらプレーしていました。シバが入って、あそこで時間を作れるようになりました。あの時間帯でも質を上げていくことができました。今日を見ても分かるように、途中出場の選手が変化を起こしてくれることは、チームにとっていいこと。スタメンで出ている選手だけではないことは、自分たちも分かっています。だからこそ、最初から出ている選手はもっとやらないといけない。簡単なミスをしてはいけない。そこはもっと、チーム全体で厳しく目を向けていかないといけないと思います」