第5節
2025明治安田J1リーグ
2025.3.8土
セレッソ大阪
北野 颯太 (45+4')
1
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
1-0
0-1
名古屋グランパス
マテウス カストロ (85')
ヨドコウ桜スタジアム
17,171人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「パフォーマンス自体はいいモノを出せました。90分、出し続けるという部分でも良かったと思います。後半、少しオープンな状況になる時間帯もありましたが、名古屋さんもトランジションが速いチームです。ただ、そういう展開になったとしても、自分たちがしっかり試合をクローズできる展開にはなっていたと思います。最後の締めがうまくできなかった。凄く良いプレーをした試合でしたが、今週はあのような失点をしないために練習してきたので、その点では少し失望しています」
Q:前後半を含めてボールを握り、いい内容の試合だったと思います。後半は特に相手の背後を取って再三ゴールに迫っていたが、2点目を奪うために足りなかったと思うことは?
「点を取ることは難しいですが、最後の最後ですね。もちろん選手たちは得点しようとプレーしてくれたので、そこに対して何かを言うことはないですが、最後の最後、技術的な部分はもっと落とし込まないといけないと思います。20本近くシュートを打ちながら1点しか取れなかったということは、向上する余地があると感じています。質を高めていかないといけないと思っています」
Q:西尾選手を右サイドバックで起用された狙いは?
「守備的なことより、ビルドアップを助ける役割として起用しました。名古屋さんがマンツーマンで来ることは分かっていたので、ディフェンスラインからつなぐこと、相手をはがすこと、中盤でスペースを作ること、そこも狙いでした。あとは、ボランチのところでも力を発揮してくれるだろうと思って起用しました」
選手コメント
■北野 颯太選手
「勝ち切りたかった、というのが率直な気持ちです」
Q:得点場面について。畠中選手、喜田選手、中島選手とつないで崩したが、振り返ると?
「最初、僕もビルドアップに参加しようと思いながらポジショニングしていて、そうしたら、シンくん(畠中)からいい縦パスがヒナくん(喜田)に入って、もっくん(中島)もめちゃめちゃいい動き出しをしてくれて、ポケットを取れました。僕はマイナスの位置で待っていただけなので、あれはチームの得点です。あの形をもっともっと増やしていけたらなと思います」
Q:5試合で4点目だが、どう受け止めていますか?
「個人的なところで言えば調子は良いと思いますが、やっぱりチームを勝たせるゴールを取りたいし、そういう立場だと思います。自分のことだけではなく、チームのことも考えながら、という気持ちが強いです」
Q:2点目が取れず、嫌な感じもありましたか?
「いや、ピッチの上では負ける雰囲気はなかったですけど、やっぱり相手は1発で仕留めてくるチームですし、(自分達は)仕留めきれなかった。そこは向き合っていくしかないです」
Q:今シーズン調子が良いが?
「責任感は昨シーズンの途中から強くなりました。俺がチームを勝たせる、という思いはより強くなっています」
■中島 元彦選手
Q:アシストの場面を振り返ると、喜田選手からパスを受けた時点でイメージできていた?
「最初は(阪田)澪哉に出そうと思ったのですが、ディフェンダーがスペースを埋めに来ていたので、間に合わないと思って。間接視野で(北野)颯太が見えたので、『決めてくれ』と思いながら出しました。後ろからパスをつないで、スペースをうまく使って崩せたので、チームとして、やりたいサッカーができたと思います」
Q:名古屋の守備に対して、後半は特に崩すシーンも作れていたが?
「スペースはたくさんありましたし、ボールも持てたので。決めるところで決めないと、こういう結果になる。チャンスで2点目を取れなかったことが引き分けの要因です。そこは攻撃陣の課題になりました」
■喜田 陽選手
Q:先制点の崩しについて
「畠中選手から良いパスが来て、うまく自分もワンタッチで落として、前の空いているスペースにパスを出せました。畠中選手はボールを持てますし、後ろから作ってくれる。あの場面もメッセージ性のあるパスでしたし、畠中選手のパスがスイッチになりました」
Q:中島選手の1トップに関しては、昔からアカデミーでずっと一緒にプレーしてきた選手としては、どう見ていますか?
「最初は少し違和感もありましたが、FWもできる選手なので。前でずっと動き続けてくれているので、そこをしっかり見ることが大事です」
Q:反省としては、2点目ですか?
「追加点ですね。取られたことも改善点ですが、追加点の方にフォーカスして、やっていきたいです」
■畠中 槙之輔選手
Q:先制点の起点になった縦パスについて。喜田選手は「メッセージが込められたパスだった」と話していたが?
「そうですね。前にスペースも空いていましたし、相手が僕のところにプレッシャーも来なかったので。『空いているところに入って来い』という意図をもって出したパスでした」
Q:2点目を取れていれば、という展開でしたが、最終的に失点してしまった反省も?
「後半の開始もいい入りができて、チャンスも多く作れていたので、あそこで2点目を取れていたらもっと楽な展開になったことは間違いないですが、失点しなければ勝てていた試合なので、そこは改善したいです」
■田中 駿汰選手
Q:前節・新潟戦の試合後、「もっとボールを握って試合を支配したかった。その上で、失ってもすぐ奪い返すことが理想」という話もされていたが、今節に関しては、そうしたサッカーを大部分で表現できたのでは?
「そうですね。試合の入りから自分たちがやりたいことを比較的できていたゲームでした。先制点も取れましたし、課題としては、追加点のところ。失点シーンも改善点はありますが、その前に2点目を取れるチャンスもあったので、もったいない試合になったと思います」
Q:慌てずパスをつなぎ、相手をはがして前進することはできていただけに、もう1点欲しかったと思いますが、これを続けていくことが大事?
「そうですね。練習でやってきたことを今日の試合では出せました。ボス(パパス監督)が提示してくれることを信じてしっかりやろうという中で、うまくピッチで表現できた試合だったと思います。チームとして、やるべきことはこの先も変わりません。今、結果は出ていないですが、やっていることは間違っていないので、信じてやり続けるだけです」
Q:守備面で危ない場面は、前半、1回ポケットを取られたシーンと後半の失点場面ぐらいだったと思いますが、特に失点場面はもう少し寄せる必要があった?
「そうですね。人数はいたので。ニアゾーンに入られた時、(第3節・柏)レイソル戦もそうですが、もっとタイトに寄せないと、いいクロスが入ってきます。また映像を見直して、みんなで話し合いたいです。改善できるところではあるので」
■髙橋 仁胡選手
Q:Jリーグ初先発となりました。随所にいいプレーを出せていたと思うが?
「自分でも良いプレーができたと思うので、最後はやっぱり悔しい気持ちです。勝点3を取りたかったので、同点という結果は自分の中では足りないと思います」
Q:前半からしっかりつないで、縦に速くゴールに迫れていたが、今日、チームとして良かったと思う部分は?
「攻撃もそうですし、セカンドボールもチームとして拾えていました。プレッシャーも良かった。みんなで頑張れた。細かいところで、もっと良くしないといけないところもあったけど、今日の試合はチームとして良かったと思います」
Q:ポジショニングは自由に動いているシーンもありました。チームとしての狙いと、自分の判断で動いているところもありますか?
「そうですね。基本、『中に』とは言われていますが、監督も『相手を見て、自分が思ったところに動けばいい』とも言われています。中と外、相手を見ながら動いています」
Q:失点場面はサイドを崩された形でした。「こうしておけば」という思いはありますか?
「縦を切れたら良かったと思うけど、左利きの選手やったので、カットインもあるかなと思って…。もうちょっと寄せられたと思うので、映像を見て振り返ります」
Q:ヨドコウ桜スタジアムのピッチで立つのは、加入した昨年の夏から目指していたと思います。どういう雰囲気でしたか?
「スタジアム入りの時から皆さんの応援を感じたし、試合中も熱い応援でした。昨年からずっとこの日を待っていたし、今日は初めてのスタメンでしたが、これからもっと、ここでプレーしたいと思います」
■キム ジンヒョン選手
Q:ゲーム内容は前半から後半にかけて、しっかりと自分たちの狙いを出せたのではないかと思います。つなぐことを含めて、どう振り返りますか?
「しっかりと準備したことが試合でできたことはポジティブに考えるべきだと思います。結果は引き分けに終わりましたが、内容に関してはみんなよくやったと思います」
Q:それだけに、勝ち切れなかったことが悔しいですが、こういったゲームをどう今後につなげていきたい?
「新監督になって5試合が経ちました。チーム全体として監督の戦術を理解して表現することが大事ですし、個人、個人としても、もっと責任感を持ちながらプレーすれば、もっと良いチームになって、より良い戦い方ができると思います。修正すべき点もありますが、監督と選手がしっかり話し合い、修正すべき部分を改善していけば、結果は必ずついてくると思います。また切り替えて頑張りたいと思います」
北野颯太の今季4点目で先制も、後半は好機で仕留め切れず、終盤に失点。悔しさ募る勝点1に
連敗を2で止めた前節のアルビレックス新潟戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、今シーズンのホーム初勝利を目指し、名古屋グランパスとの明治安田J1リーグ第5節に臨んだ。先発は前節から3人変更。髙橋仁胡がJ1初先発を飾り、阪田澪哉、喜田陽が2試合ぶりにスタメンへ戻った。
前半からセレッソがボールを握り、パスをつないで敵陣に入っていく。もっとも、名古屋の幅を使った攻撃、シンプルに背後を狙ってくる攻撃もいくつか受けると、12分、最初の決定機は名古屋。最終ラインからのロングキックを前で永井謙佑に収められ、ドリブルで運ばれてシュートを許したが、ニアに放たれた一撃はGKキム ジンヒョンが防いだ。26分にはセレッソにチャンス。この試合でも攻撃を引っ張った北野颯太が相手をはがして持ち込み、左サイドの阪田へパス。崩した形で阪田がカットインからシュートを放ったが、DFのブロックに防がれた。31分には、名古屋に自陣左サイドを崩されて決定的なシーンを作られたが、マテウス カストロのシュートはクロスバーを越えて事なきを得た。37分にもCKのクリアボールを拾われ、名古屋の稲垣祥に強烈なミドルシュートを打たれたが、ここもGKキム ジンヒョンがビッグセーブで失点は阻止。すると前半アディショナルタイム、セレッソが先制に成功する。畠中槙之輔がフリーでボールを持った状態から中央のスペースへパス。そこへ走り込んだ喜田がワンタッチでさらに前方へパス。抜け出した中島のマイナスの折り返しを北野が蹴り込み、ネットを揺らした。2本の縦パスで崩した先制点は、「常に前へ、前へ」と話すアーサー パパス監督の哲学が反映された素晴らしいゴールだった。
追加点を狙った後半、セレッソは攻守に前から行く抜群の入りを見せる。ただし、49分、50分と連続して迎えたルーカス フェルナンデスの決定機では、シュートを枠へ飛ばすことができず。61分、劣勢を跳ね返すべく3枚替えを行ってきた名古屋に対し、一時、セレッソが劣勢になるも、パパス監督もすぐさま香川真司と柴山昌也を投入、再び流れを引き戻す。66分、髙橋のCKに中島がニアで合わせるも、枠に飛んだヘディングシュートは元セレッソのGK武田洋平に止められた。67分のCKでは、直接ゴールに吸い込まれそうな軌道のキックを蹴るなど、髙橋のCKは今後も楽しみだ。74分には、畠中のパスから相手の背後を取ったフェルナンデスがクロス。走り込んだ香川が合わせたが、シュートはDFに止められた。84分には、フェルナンデスのCKをニアで畠中が合わせたが、ヘディングシュートはクロスバーを叩いた。後半は概ね主導権を握って試合を進めていた中で、幾度となく訪れた決定機をモノにすることができずにいると、85分に失点。中央から自陣左サイドへ展開されると、そこからコンビネーションでサイドを突破され、クロスから中でマテウス カストロに決められた。後半に関してはこの時間まで相手にチャンスらしいチャンスを与えていなかったが、まさに1発で仕留められた格好となった。勝点1で終わるわけにはいかないセレッソは、ここから試合終了まで猛攻を続ける。87分、香川のパスを受けた北野がシュートを放つと、後半アディショナルタイムには、髙橋の縦パスを受けた中島が反転してシュート。いいコースに飛んだが、GK武田に阻まれた。その直後、今度は柴山のクロスにファーでフェルナンデスが合わせるも、シュートはミートせず。試合はこのまま1-1で終了。勝点1を分け合う結果となった。
前半こそ互いの持ち味を出し合う拮抗した展開だったが、後半は多くの時間帯でセレッソが押し込む形を作れていただけに、勝点1という結果に悔しさは募る。キャプテンの田中駿汰は試合を振り返り、「練習でやってきたことを今日の試合では出せました。ボス(アーサー パパス監督)が提示してくれることを信じてやっていく中で、今日はピッチでうまく表現できた試合だったと思います」と手応えを語り、今後へ向けては「今、結果は出ていないですが、やっていることは間違っていないので、信じてやり続けるだけです」とキッパリ。パスの矢印を前へ向けるスピーディーな攻撃を90分プラス後半アディショナルタイムまで貫けたことは今節の収穫。次節は精度を高め、複数得点を奪い、今季2勝目を手にしたい。