2025JリーグYBCルヴァンカップ1回戦

2025JリーグYBCルヴァンカップ

2025.3.20

カマタマーレ讃岐

オウンゴール (48')

1

AWAY

FULL TIME

5

0-1

1-4

セレッソ大阪

チアゴ アンドラーデ (21')

ラファエル ハットン (59')

ルーカス フェルナンデス (74')

ヴィトール ブエノ (77')

上門 知樹 (84')

Pikaraスタジアム

5,434人

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

JリーグYBCルヴァンカップ・1stラウンド1回戦。先発した“ブラジル・カルテット”が揃い踏みし、カマタマーレ讃岐に5-1の快勝を収める


いよいよスタートした今季のJリーグYBCルヴァンカップ。セレッソ大阪は、J3リーグを戦うカマタマーレ讃岐のホームに乗り込み、・1stラウンド1回戦に臨んだ。先発は直近の明治安田J1リーグ第6節・横浜FC戦から5人変更。前線ではブラジル籍選手が4人揃って先発し、田中駿汰をアンカーに、中島元彦とヴィトール ブエノがインサイドハーフに並ぶ攻撃的な4-3-3でスタートした。登里享平が今季の公式戦初スタメンを飾り、高校時代を過ごした香川県に凱旋となった。

立ち上がりから相手に圧力をかけてパスミスを誘うなど、序盤からセレッソがボールを握り、試合を支配。10分、ショートカウンターからルーカス フェルナンデスがシュートを放つと、14分にはブエノのパスから裏を取ったチアゴ アンドラーデの折り返しにラファエル ハットンが合わせてチャンス。“ブラジル・カルテット”が積極的にゴールに迫ると、21分、先制に成功。CKのセカンドボールを高い位置で奪い、ハットンが中へクロス。DFのクリアボールを拾った奥田勇斗が縦に進入、フェイントで相手を外して切り返し、左足で上げたクロスにファーでアンドラーデが頭で合わせた。24分にもショートコーナーから決定機。フェルナンデスのクロスにハットンが合わせたが、ここはミートしなかった。その後も攻守の切り替えが速いセレッソが、プレスで相手のミスを誘ってカウンターを仕掛ける。また、この試合では持ち前のスピードを生かして何度も相手の背後を取ったアンドラーデがサイドからゴールに迫る。前半は讃岐のシュートをCKからのヘディング1本に抑えるなど、セレッソのワンサイドゲームと言える内容で折り返した。

後半も開始早々、中島のパスからサイドを抜け出したアンドラーデのクロスにハットンが飛び込みチャンス。前半と同様、縦への推進力を生かしてゴールに迫ったが、直後に一瞬の隙を突かれて失点。自陣左サイドでのスローインを相手に奪われ、素早くサイドを変えられると、フェルナンデスが戻り切れず、相手の左ウイングバックに対応した奥田がドリブルで縦に運ばれる。そこから放たれたクロス性のシュートをGKキム ジンヒョンが素早い反応で弾いたが、戻りながらの対応が迫られた畠中慎之輔の足に当たり、そのままゴールイン。48分、オウンゴールという形で同点に追い付かれた。ここから約5分間、ホームスタジアムの声援を背に讃岐が猛攻を仕掛けてきたが、セレッソもゴール前で体を張って失点は防ぐと、59分、勝ち越しに成功。CKの流れからセカンドボールを拾って分厚く攻めると、最後は畠中のパスから背後を取ったハットンが勝ち越しゴールを決めた。その後は前に出てくる讃岐を裏返し、カウンターから何度も決定機を作るなどセレッソが圧倒。74分、自ら獲得したPKをフェルナンデスが決めて3点目を奪うと、77分には相手のバックパスをカットしたハットンの優しいパスをブエノが決めて4点目。さらに84分、自陣から丁寧につないで前線に運ぶと、田中のスルーパスから左サイドを抜け出した北野颯太のクロスに上門知樹がダイレクトで合わせ、勝負を決定付ける5点目を決めた。

その後もセレッソでの公式戦デビューを果たしたジャルンサック ウォンコーンにも決定機が訪れるなど、最後まで攻め続けたセレッソが5-1で勝利。「(攻撃的な)メンタリティーを証明した試合になった」と指揮官も納得の表情を浮かべる快勝を収め、徳島ヴォルティスとFC今治の勝者とぶつかる1stラウンド2回戦に駒を進めた。

監督コメント

■アーサー パパス監督

「メンタリティーを証明した試合になったと思います。他のスタジアムも今日はJ1のチームがJ3のチームと対戦していますが、僕らが結果で示したような状況にはなっていないところもあります。結果が伴った、良い勝利になりました。1-1になって難しい展開にもなりましたが、最後はしっかり締めたと思います。ただ、讃岐さんもリーグでは好調だと思いますし、良いシーズンになることを願っています」

Q:今日は前線にブラジル人選手4人を先発で起用されました。同時に4選手を先発させたのは今シーズン初めてですが、意図や狙いは?
「それぞれ練習からハードワークしていました。(北野)颯太に関しては、連続して90分の試合を重ねるのは初めての経験だと思うので、今日は途中からにしました。あとは、(ブラジル人選手たちに)フィジカル的にチームに対して貢献できるレベルに仕上げて欲しい、という狙いがありました」

Q:リーグ戦の第4節・アルビレックス新潟戦後、「監督の基準からすれば、チアゴ選手の守備は緩く、コンディションが上がっていないのではないか?」という質問をした時、「彼にも要求していく」という話をされていましたが、今日はスピードを生かした縦への突破など、持ち味も出していました。少しずつコンディションが上がっていると見てよろしいですか?
「期待していたより時間は掛かっていますが、少しずつ上がっています。あの後、実は2人で話をしまして、目標を設定しました。能力的には疑いのない選手です。局面で違いを生み出せる選手です。対面した時、相手はスピードで勝てないと思います。2人で話して目標を設定した後、彼はしっかり取り組んでくれています。少しずつ違いを見せてくれていると思います」

Q:大勝した後で聞くのも恐縮ですが、サイドから喫した失点も気になります。リーグ戦でも狙われている場所だが、1失点の受け止めについては?
「今日の試合を振り返った時に、相手の作ったチャンスは3回ぐらいだったと思います。なので、チームを責めることは避けたいと思います。我々に関しては、8点、9点、10点と取れるチャンスは作ったと思うので、そこ(失点)だけ責めるのは止めようと思います。確かに失点してから5分ぐらいは自分たちの力が出せない時間は続きましたが、その中でもしっかり戦い抜いてくれました。観戦してくれた人の中には、もしかしたら1-0で勝つことに満足する人もいるかも知れないですが、5-1の勝利でネガティブなところを見るのはどうかな?という思いもあります。選手たちは毎回、改善しようと取り組んでくれています。あとはリーグ戦でも同様に結果を出して、向上しているところを見せたいと思います」

選手コメント

■チアゴ アンドラーデ選手

Q:加入後初ゴールになったが、感想は?
「セレッソ大阪のユニフォームを着て初ゴールが取れて嬉しく思います。得点以外にも自分の良さを出せたと思いますし、今後の自信になりました。試合の結果にも満足しています」

Q:現在のコンディションについては?
「90%くらいまでは上がってきています。練習や試合をこなすたびに良くなっている感覚はあります」

■ヴィトール ブエノ選手

Q:ゴールも決めましたが、試合全体を振り返ると?
「決められて良かったですし、出場時間が増えれば増えるほど、感覚は良くなっていきます。試合を通していいプレーができたと思います」

Q:今日は前線にブラジル籍選手が4人同時に先発しました。彼らと意識したことは?
「大前提として、チームの哲学がある中で、それをみんなが理解して表現しようとしています。もちろん、彼らとは同じ言葉を話せるので、細かいところでコミュニケーションは取りやすいですし、そういったところが今日の勝利にもつながったと思います」

Q:特にチアゴ選手とはブラジル時代にも共にプレーされています。今日は彼も持ち味を発揮していたが?
「そうですね。パフォーマンスは良かったし、スピードという強みを生かせたと思います。自分と同じで、出場時間が増えれば増えるほど、良くなっていくと思います」

■上門 知樹選手

Q:北野選手のクロスに合わせて5点目を決めましたが、得点シーンを振り返ると?
「あの場面でFWと逆サイドのウイングがゴール前に入っていくことは練習からやっているので、練習通りです。チーム全員で共有できた得点だと思いますし、颯太のパスが良かった。日頃、毎日ご飯に連れて行っている甲斐があったなと(笑)。そんな感じのパスでした」

Q:競争している中で、わずかな時間をしっかり生かしたことは、今後につながるゴールになったのでは?
「そうですね。どこかで得点は欲しいと思っていましたし、こういう少ないチャンスをしっかりモノにしていく中で、チャンスは増えていくと思います。なかなか出番がない中で、ベンチの選手もベンチ外の選手にも、上から言うわけではないですが、少しでも見本になれるように頑張りたかったですし、励みになってくれたら嬉しいです。僕自身、出番がない中で今日は得点できたので。もちろん、競争なので、出ている選手をリスペクトしていますが、どれだけ出ていない選手がスタメンの選手を突き上げることができるか。強いチームはそういうチームだと思うので、今日のゴールはそういうゴールになったと思います」

■奥田 勇斗選手

 Q:ボールを握る時間が長かった中で、特に前半、崩すために意識していたことは?
「しっかりとボールを握りながら、両ウィングの前のスペースをシンプルに使うことを意識しました。その中で、自分は横幅も使いながら、中に入って相手に圧をかけ、スペースに走り込んでチャンスを作ろうと思ってプレーしました」

Q:アシストの場面は、持ち直して左足のクロスだったが、振り返ると?
「最初にこぼれた時はフリーだったので、ダイレクトで打とうと考えていましたが、ボールの回転が悪かったので、トラップして、縦に突破してクロスを上げようとしましたが、相手がつられたのが見えたので、切り返しました。最後は中を見てチアゴが見えたので、そこにクロスを上げました」

■登里 享平選手

Q:久しぶりにこのスタジアムのピッチに立った感触は?
「18年ぶり?ですかね(笑)。初心に帰った気持ちでした。このスタジアムに向かう時も色々と考えて、久しぶりの感情になりました。自分にとって、これからにつながります。(高校)選手権の曲を聞いたりして、スタジアムに向かいました(笑)。ずっと帰って来たいと思っていました。チーム状況としても難しい中で、今シーズン初スタメン。『何かを変えないといけない』というタイミングでこのスタジアムでの試合だったので、思いは強かったです。ガムシャラにできたので、やっぱりそういう気持ちは大事だなと改めて思いました。これから先につながっていきそうです。このタイミングで、このスタジアムでプレーできたことは有り難かったです。知り合いの方も来てくれて、いい姿を見せたかったですし、もっともっとチームを良くして、自分自身も成長したいと思います」

Q:今後に向けて、勢いの付く試合になったのでは?
「そうですね。この試合をきっかけにしないといけない、という試合でした。讃岐さんも失うモノはなかったと思いますが、自分たちもそういう思いでやりました。そうしたハングリーさは1試合、1試合、持たないといけない。もっともっと意識高くやらないといけない。そういった背中をどんどん見せて、チームを引っ張っていけたらと思います」

Q:自身のプレーを振り返ると?
「今日は前線の外国籍選手を生かすことを考えてプレーしました。そこはストロングなので。攻撃はもちろん、攻守の切り替えの部分もずっと言い続けて、実践してくれました。普段、出ていない選手や久しぶりにチャンスをもらった選手もいて、競争がチームを強くすると思います」

Q:特に左サイドでコンビを組んだチアゴ選手をどう生かそうと考えていましたか?
「そこを生かすミッションが自分にはありました。今までもブラジル人選手と組むことが多かったですし、フロンターレ時代もブラジル人選手に気持ちよくプレーしてもらうことが自分の強みや役目でもあったので。スピードというストロングで脅威になっていたので、立ち上がりからそこを生かしていこうと思っていました。相手も途中でシステムを変えてきましたが、スペースを見つけて、狙っていきました。タイミングはもっと合わせていくことが必要ですが、うまく使うことはできたので、良かったと思います。これから試合をしていけば対策もされると思いますが、それでも上回れるように、グループでも崩していけるようにしていきたいです」