第7節
2025明治安田J1リーグ
2025.3.28金
セレッソ大阪
ラファエル ハットン (2')
1
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
1-0
0-1
浦和レッズ
渡邊 凌磨 (83')
ヨドコウ桜スタジアム
18,366人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「選手たちを称えたいと思います。今日のパフォーマンスは称える必要があります。ただ、残念という言い方にはなりますが、努力した結果でしたが、60分を超えた時点で試合が決まっていてもおかしくなかったと思います。チャンスを数多く作って、決め切れなかった。ただ、褒めてあげたいです。やるだけのことをやったので、勝ちがついてくれば良かったですが…。選手たちも悔しいと思いますし、サポーターの皆さんもホームでいい雰囲気を作っていただいた中、いい形でゲームを進めながら、勝ちにつながらなかったことは申し訳ない気持ちです」
Q:今シーズンのメンバー構成を考えますと、ラファエル ハットン選手とチアゴ アンドラーデ選手がフィットして活躍することは非常に大事だと考えています。まさに1点目は彼らの良さが出たと思いますが、1点目の評価について。また、ケガで交代したチアゴ選手の状態は?
「前にも申した通り、まず日本に慣れる必要がありました。我々にも我慢が必要でした。日本のサッカーに順応することは時間が必要です。チアゴに関しては、今日は長い時間プレーできなかったですが、1点目も含めてチャンスを作る部分で違いを作ってくれたので、良かったと思います。まだ24歳と若いので、経験を積み重ねていくことが彼の成長につながります。ハットンはポジショニングも改善されています。ボールに近づいて受ける癖があったのですが、そうではなくて、いるべき場所にいて、今日に関しては素晴らしい形で決めてくれました。2人ともポジティブに捉えています」
Q:失点直前の交代について。結果論にはなりますが、ヴィトール ブエノ選手と香川選手を投入し、追加点を取りにいくのか、守り切るのか、メッセージが曖昧になった部分もあると思いますが、彼らに与えたタスクは?
「(交代させた北野と中島が)長い時間プレーしていたので、チームにエネルギーが必要だという判断です。足が止まり始めたので、2人(ブエノと香川)を入れて、チームの潤滑油にするために送りました」
Q:第5節・名古屋戦の試合後も、「シュートの精度を高めること」は課題に挙げていました。特効薬は難しいと思うが、改善策として考えられることは?
「シュートに至るまで、チャンスの構築が、我々が考えないといけないことです。先ほども申した通り、早い段階で試合を決められたとは思いますが、最後の最後で技術を発揮すること、シュートの実行が上手くいかなかった。ちょっとしたことで絶対に変わります。選手にも先ほど話しましたが、とにかく顔を上げて、我慢することが大事だと。ホームゲームで良い試合はできているので、とにかく続けていくことが大切だと思っています」
Q:監督がおっしゃったように、チャンスはたくさんあり、早い段階で試合を決めることもできたと思うが、決め切れなかった時、どう試合を終わらせるか。前から奪いにいって2点目を狙いにいくのか、何とか耐えてリードを守り切るのか。そのあたりの判断について、どうイメージされていましたか?
「失点しない、という気持ちは選手たちも持って戦っていました。勝つことを考えた時、1-0でも3-2でも勝つことで試合を終わらせたかったですが、浦和さんの選手一人一人を見た時に、能力が高い選手が揃っています。相手は交代カードを切ってきて、リスクを犯しながら向かってきた中で、耐え切ることができませんでした。ただ、先ほども申した通り、チャンスはしっかり決め切る。そこに尽きるかなと思います」
Q:今日はGKの先発がキム ジンヒョン選手ではなく、福井選手でした。おっしゃられる範囲で、その理由と、福井選手の今日のパフォーマンスについて
「今週、複数の選手に体調不良がありました。ジンヒョンも2日間、自宅で療養していました。阪田澪哉も今日はメンバーに入っていませんが、体調不良です。ジンヒョンに関しては、回復し、昨日、練習に復帰しましたが、2日間休んでいたことで、少し遅れがありました。全ての選手を信頼していますが、(福井)光輝も練習に挑む姿勢は素晴らしいです。日々ハードワークもしています。このクラブに来て1試合目でしたが、彼のパフォーマンスは凄く良かったと思います。技術のところもそうですが、何より勇気を持ってプレーしていました。監督の立場からすると、2人の良いGKがいることは良い状況だと思います」
選手コメント
■ラファエル ハットン選手
Q:開始早々のゴールは、チアゴ選手とハットン選手の持ち味が発揮されたゴールだったが、振り返ると?
「スタートは非常に良かったです。開始早々に点を取って、その後も点差を広げるチャンスはあったので、そこで決めないといけなかったです。そこで2点目を取れなかったことで、終盤、同点ゴールを決められる展開になってしまったと思います」
Q:前半で2点差以上を付けるチャンスもあった分、攻撃陣としては悔やまれる?
「そうですね。瞬間、瞬間の判断、冷静に決め切るところに課題が残りました。今、降格圏にいて、少しプレッシャーを感じている部分がそういうところに影響したかも知れません。ただ、とにかくハードワークを続けるだけです。すぐに次のホームゲームが来ます。この状況を脱するために、全力で次の試合に臨みたいです。1日も早く降格圏を抜け出したいと思います」
Q:ルヴァンカップの讃岐戦に続き、個人のコンディションやパフォーマンスは上がっている印象だが、手応えはありますか?
「そうですね。フィジカル、試合勘は良くなっている手応えはあります。昨年、ブラジルでなかなか試合に絡めなかったこともあったのですが、今は感覚を取り戻しつつあります。ブラジル人が日本に来て、1年目から活躍することは簡単ではないと聞いていますが、その中でも試合に出続けてゴールも決めているので、手応えを感じています。現状をポジティブに捉えてもいいかなと思います。ただ、まだまだベストパフォーマンスではないので、もっともっとこれから上げていきたいです。1試合1試合、レベルを上げていくことは個人的にも意識しています」
Q:周囲との連係面も高まっているのでは?
「連係面も良くなってきていると思います。始動して3ヶ月というのは、長いようで、まだまだ短いとも思います。もう少し時間がかかりますが、練習の成果が出ているからこそ、あれだけのチャンスが作れていると思います。あとは勝利という結果につながれば、もっと自信が生まれ、もっと点につながると思います。絶対にこの状況は打開できると思っています」
■中島 元彦選手
Q:1-1で終わった試合の受け止めについて
「チームとしては難しい状況ですが、自分にベクトルを向けて、自分にできることをやろうと思っています。それがチームに伝染していったら、チームもいい方向にいくと思うので、まずは自分にベクトル向けているところです」
Q:今日に関しては、守備の時はダブルボランチ、攻撃の時はインサイドハーフや前線まで。ピッチ全体をオーガナイズしていたように見えたが、今回のポジションでの手応えは?
「チームとして必要なところに顔を出すことは意識しました。もう少し前に顔を出せたら良かったかなとは思いますが。重心が後ろ気味だったので。ビルドアップの面では、うまく助けられたと思っています。このポジションは久々でしたが、奥埜選手がやっていたような動きだと思います。次はもっとゴール前に顔を出して、ゴールに関与できるようになれば、もっといいと思います」
Q:チームとして幅を取りながら、中央を崩していくパターンもできていたように思うが?
「チャンスは多く作れていると思います。ウイングからのクロスはチームでも狙っていて、それはチームの色として出せています。次はミドルシュートだったり、そういうところのオプションを増やしていけたらと思います。そこも自分の特長なので」
Q:監督は「悲観的に考える引き分けではない。今は耐えるべき」と話していたが、チームの雰囲気について
「チームとして、やりたいことは明確にやれていると思いますが、追加点を取れずに失点してしまっています。個人個人としてメンタル的なダメージはあると思いますが、すぐ試合は来るので、そこに向けて切り替えてやっていけたらと思います」
■田中 駿汰選手
Q:引き分けに終わった受け止めについて
「名古屋戦と同様、最後はやられるべくしてやられてしまったというか。選手の中では、進藤くんやシンくん(畠中)とも、『改善しないとやられる』という話はしていましたが、どういう改善をするかは、外からボス(アーサー パパス監督)が示してくれる。自分たちで勝手にシステムを変えることはできないので、外からの指示を待っていました。苦しい展開が続いていたので、もう少し何か早めに変えることができたら良かったです」
Q:苦しくなってきたのは、どのあたりの時間帯でしょうか?
「後半途中までは自分たちもビルドアップからうまく前進できていましたが、後半の真ん中ぐらいから、相手のサイドバックにプレスがかからなくなり、大外を使われ出して、揺さぶられました。ファウルにはなりましたが、チアゴ サンタナ選手のヘディング(によるゴール)もあったので」
Q:追加点を取って勝つフェーズから、時間が進んで、1-0でもいいと割り切って切り替えるタイミングが難しかった?
「(前提として)2点目を取れるシーンもあったので、2点目、3点目を仕留め切ることは課題になりました。ただ、1-0でも勝てるチームになる必要があるとも思っています。毎回、2点、3点と取れるわけではないので。割り切って1-0で勝つシフトをしてもいいとは思います。そこはボスがどう考えているか分からないですが、また全体で話し合って、すり合わせていきたいと思います」
Q:どういう試合の進め方をするにしろ、意思統一が必要になる?
「そうですね。試合自体は全く悪くないです。むしろ、今日も名古屋戦も内容としては良かったと思います。ただ、だからこそ、こういう良いゲームで勝点3を取っていかないといけない。自分たちが目指しているやり方を変える必要はないですし、ブレずに継続していきながら、試合の締め方など細部を反省して、改善して取り組んでいきたいです」
Q:今年のチームが目指しているサッカーは魅力的だと思います。その中で、難しい時間帯でどう試合を進めるか、そのあたりの課題はチームでもっと話し合っていくことが大事?
「そうですね。普段から話し合ってはいますが、選手たちが試合の中で感じていることをボスに伝えて、それをいい方向につなげていければと思います」
■進藤 亮佑選手
「みんな頑張って、誰一人ファイトしていない選手はいなかったです。もちろん、(北野)颯太とか前線の選手が決めていれば、というのはありますが、個人の責任ではない。1-0で踏ん張る後ろの強さも必要ですし、試合中に(やり方を)変えられないことも課題として残りました」
Q:後半30分頃、香川選手が入る前ぐらいに監督とコミュニケーションを取っている姿も見られたが、どういう確認をされていた?
「前半の終わり頃から守備で相手と噛み合っていないと感じていました。ただ、前半のうちに変えるのは難しかったので、状況を見て、後半から何か変えられればと思って、監督に『こういう配置をした方がいいと思う』という話もしたのですが、『なかなか試合中に変えられない』ということだったので、このままの配置で耐える決断をしました」
Q:守備でのミスマッチもありながら、攻撃ではチャンスも作れていたので、踏ん張りながら勝ち切ることを目指した?
「アウェイの柏戦も、何も変えられずに逆転された悔しさがあったので、もしそういうシチュエーションがあれば、何かアクションを起こしたかった。試合中にフィールドプレーヤーで変えるのは難しいので監督に話をしに行きました。選手は一人一人ファイトしていましたが、それがつながる仕組みを作っていかないといけないと思います。きつい時に耐える方法をどこかで見つけていかないといけない。今日に関しては、もう少し耐えたら後ろを5枚にしたかも知れません。耐え切れずに失点してしまった、という感じでした」
■畠中 槙之輔選手
Q:悔しい結果になりましたが、今の率直な思いは?
「勝てた試合だったと思いますし、2点、3点と取れるシーンもあったので。ただ、1点は取ってくれているので、後ろが耐えていれば勝てたゲームでもあった。そこは修正しないといけないと思います」
Q:前半は相手にチャンスを作らせていなかった中で、後半、相手も選手交代で形を変えてきて、失点場面はサイドに釣り出され、中が空いてしまったが、浦和のメンバー交代に対応し切れなかった部分も?
「相手どうこうではなく、自分たちが疲れてきた時にどう耐えるか、そこは今シーズンが始まってからずっと課題です。耐えないといけない時間帯での失点だったので、悔しかったです。後半に関しては、失点の少し前ぐらいから歪みが出てきて、シュートを打たれるシーンもありました。ギリギリ何とかみんなで体を張って守っていましたが、修正しないといけなかった。逆に言えば、体を張って守れていたので、最後までそれを出さないといけなかったです」
Q:相手が攻勢を強めてきた時間帯で、チームとしてどう守るのか、ハッキリした方がいい?
「そうですね。チームとしてどうオーガナイズするか。どこにボールを誘導するのか。その共通理解は深めていかないといけないと思います。キツイからこそ、周りの選手がサポートし合わないといけないです」
Q:ホーム初勝利が遠いですが、どう乗り越えていく?
「勝てる試合を落としていけば、チームとしてはきつくなります。どこかでいい方向に変えないといけません。ただ、やっているサッカー自体は悪くないと思うので、細かいところをみんなで共有していければと思います。サポーターの方も温かく、結果が付いてこない時でも応援してくれているので、しっかり勝って、楽しい気持ちにさせてあげないといけないと思います」
■登里 享平選手
Q:入りも含め、前半は讃岐戦で得た流れをうまく生かして、いいサッカーができていたと思うが、終わってみれば引き分けに。。悔しい気持ちもあると思いますが、振り返ると?
「結果が全てですね。勝たないといけなかった。それに尽きると思います」
Q:先制点は、チアゴ選手の良さを生かすパスを送りました。スペースに走らせるボールは讃岐戦と同様でしたね。
「そうですね。持ち運んだ時に相手の背中も空いていたので、そこを見逃さずに狙えました。入りもそうですし、ビルドアップも含め、自分たちの思うようにできた時間帯も多かったので、ポジティブに捉えるところもありますが、結局、こうやって引き分けているので、危機感をもっと持たないといけない。課題にも向き合わないといけない。そこは厳しく捉えたいと思います」
Q:追加点が取れていれば…という思いも残ります。
「そうですね。課題の一つは追加点です。2点目、3点目を取れていれば、もっと楽になりました。今日のゲームの流れを見ても、追加点は大事でした。ただ、全体的に足が止まった時にどう対応するか、守備に課題は出ました。前にいたシバ(柴山)に対しても、戻らせて引き込むのか、取りに行かせるのか。そこのコントロールはもっとする必要がありました」
Q:ゲームの締め方は、追加点ともう一つの課題として残りましたね。
「1-0でのゲームの進め方ですね。自分もそうですし、苦しい時間帯でどうするか。自分もミスがありましたが、どうゲームをコントロールするか。そこは全員で見つめ直してやっていきたいです」
■福井 光輝選手
Q:加入後初先発でしたが、試合前の思いと、パフォーマンスについては?
「チームとして苦しい状況だったので、何とか勝点3を取りたい思いで挑みました。プレーに関しては、練習から自信を持ってやれていたので、試合でも変わらずプレーできました。ただ、勝点2をこぼしてしまったので、もったいない試合になったと思います」
Q:セーブもそうですが、足元のビルドアップでも落ち着いていたように見えたが、つなぎの部分に関しては?
「普段からキム ジンヒョンさんという大きな背中を見て練習していますし、ジンさんのようなプレーをしたいと思って、いいところは盗みたいと思っています。今日も試合中から考えながらプレーできたと思います」
Q:試合後は監督も評価されていました。「監督の立場からすると、2人の良いGKがいることは良い状況」という言葉もあったが、いい意味で監督を悩ませる状況になったと思います。今後に向けて
「苦しい状況ですが、僕以外にも苦しんでいる選手はいます。試合に出られない選手もいる中で、僕がそういう選手たちに何かエネルギーを与えられたらと思ってプレーしました。メンバー外で悔しい思いをしている選手たちも、試合後に寄ってきてくれて、『最高だった』と言ってくれたので、チームとして、次につながるいいエネルギーを与えることはできたと思います。次に向けて準備し続けるだけです」
Q:開幕から失点が続いている中で、今節に向けて、守備ではどのような改善を施して臨みましたか?
「アグレッシブなサッカーを志向しているので、守備でも前からアグレッシブに行くことは変えずにやろうと。今日は得点を取った時間帯が早く、守勢に回る時間も多かったですが、行けない時は行けないで、リトリートすることも大事。練習からそういう準備はしていました。行けない時は行けないで、フォーメーションを変えて守ることも話していました。ただ、チャンスはあったので、そこで仕留め切れば、よりいい展開にできたとも思います」
Q:後半アディショナルタイム、チアゴ サンタナ選手のシュートを防いだセーブを振り返ると?
「映像を見ると、どこからでも足を振ってくると思っていたので、準備していました。どの試合でも左に流れることが多く、振り向きざまのシュートを打ってくることも分かっていたので、そこは準備していました。反応できて良かったです」
■香川 真司選手
Q:終盤の時間帯、どのようなプレーをしようと入りましたか?
「入ってすぐに点を取られたので、難しい展開になりました。ああいう時間帯でどうするのか。勝っている状況でどういう戦い方をするのか。結果論ですが、もっと明確にしないといけなかった。勝てていないので、もっと割り切った戦いを選ぶことも必要だと感じました。ホームで2試合、こういう戦いが続いたので凄く悔しいですが、この結果を受け入れて、次の試合に向けて対策も考えないといけないと思います」
Q:1-0でクローズすることも考えつつ、2点目を取れたら、といった感じでしょうか?
「むしろ2点目のチャンスはいっぱいあったので。それは名古屋戦も同様です。ただ、失点をゼロで抑えることもできていないので。流れがうまくいかない時、どう対処するか。ディテールにこだわるしかない。細かいところで言えば、センターバックが(サイドに)出た時にファウルで止めることも必要。試合後も話し合いましたが、ハッキリプレーすることも必要だったかなと思います」
Q:長いシーズン、苦しい時期は訪れるが、脱却するために必要なことは?
「どんなに良い内容でも勝てない時は勝てないし、悪い内容でも勝てる時は勝てる。いい流れに乗るために、まずは1勝することが大事。その1勝をどう勝ち取るか。最後は泥臭く5バックで守るのか。慎重かも知れませんが、そういうところも含めて、勝つために何かを変えることも必要。そこは監督の判断にもなりますが、また映像を見ながら話し合っていきたいです」
ラファエル ハットンの先制点で幸先よくスタートし、主導権を握るも、追加点を奪えず終盤に失点。締め方にも課題を残す
0-2で敗れた横浜FCとの明治安田J1第6節から中12日。この間、JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦・カマタマーレ讃岐戦を挟み、セレッソ大阪は、ホームのヨドコウ桜スタジアムに浦和レッズを迎えて明治安田J1第7節に挑んだ。先発は前節から5人変更。チアゴ アンドラーデと奥田勇斗が明治安田J1第4節・アルビレックス新潟戦以来3試合ぶり、進藤亮佑が明治安田J1第3節・柏レイソル戦以来4試合ぶり、登里享平がリーグ戦では今季初先発、GK福井光輝は加入後初出場・初先発を果たした。システムは4-3-3。讃岐戦に続き、中島元彦がインサイドハーフに入る布陣で臨んだ。
開幕から6試合を終えて勝点5。前節終了時点で18位に沈むセレッソとしては、是が非でも勝点3が欲しい一戦となった中、開始早々、幸先よく先制に成功する。背後に走り出したアンドラーデの動きを見逃さず、登里が絶妙なパスを届けると、アンドラーデが胸でトラップして前を向き、中を見て上げたクロスにラファエル ハットンが合わせた。讃岐戦でも活躍した新加入のブラジル人コンビが早速スタジアムを沸かせた。12分にもセレッソにビッグチャンス。登里、中島、北野颯太とつないで浦和の中盤を崩すと、最後は北野のスルーパスに抜け出したハットンにチャンス。GKに防がれたセカンドボールをルーカス フェルナンデス、奥田が連続して狙ったが、決め切ることはできなかった。19分にも福井、奥田とつないだパスを受けた北野が1人はがして縦に突破、クロスからハットンが収めてシュートを放つ。試合後、敵将のマチェイ スコルジャ監督が、「ハイプレスを掛けようとしても、相手が中盤の脇、ポケットのところに顔を出してきた時にうまくマネジメントできませんでした。そういったところから、セレッソが我々のハイプレスを回避し、危険な場面を作っていました」と振り返ったように、前半はセレッソがビルドアップで主導権を握ると、45分にも決定機。GK福井からつないでボールを運び、最後は北野がコースを狙ったシュートを放ったが、惜しくも枠を外れた。先制点をアシストしたアンドラーデが負傷交代するアクシデントこそあったが、前半はセレッソが優勢のまま1点リードで折り返した。
後半は開始から浦和が選手を一人変更。前半はトップ下に入っていた松本泰志に代わり、松尾佑介が投入された。松尾が左ウィングに入り、マテウス サヴィオがトップ下に移った。攻撃にテコ入れを図ってきた浦和だが、後半、最初の決定機もセレッソ。55分、相手のスローインに対し、中島がプレスをかけてボールを奪取。すぐさま一つ前の北野にパスを送ると、北野が相手ディフェンスを交わしてシュート。決まったかに思われたが、ここもわずかにポストの横。勝利を引き寄せる追加点とはならなかった。それでも後半の立ち上がりはセレッソがボールを握ってコントロール。危なげなく試合を進めていたが、70分、浦和が渡邊凌磨、中島翔哉の2人を投入してきた時間あたりから、セレッソも徐々に足が止まり始め、プレスがかからず自陣に押し込まれてしまう。74分には金子拓郎のクロスをチアゴ サンタナにヘディングで合わせられ、ネットを揺らされたが、ここは直前にサンタナにファウルがあり、ゴールは認められず。その後も76分、79分と連続してピンチを招くも、ディフェンスラインの選手たちを中心にセレッソも体を張って対応。何とか失点は許さずにいたが、83分、同点に追い付かれてしまう。自陣左サイドで柴山昌也がプレスをかけるも外され、前に運ばれると、登里、畠中がボールサイドに寄ったが、奪い切れず、最後は進藤、奥田も中にスライドしてカバーしたが、大外で3列目から走り込んできた渡邊に決められた。失点直前にアーサー パパス監督は2枚替え。北野と中島に代えてヴィトール ブエノと香川真司を投入したが、1-0で迎えた試合終盤をどう締めるか、に対するメッセージとしては、やや不明瞭になった。「自分たちが疲れてきた時にどう耐えるか、そこは今シーズンが始まってからずっと課題」とは畠中槙之輔。チーム全体で話し合い、解決したい問題だ。
後半アディショナルタイムにはサンタナに決定機も、シュートは福井がビッグセーブ。加入後初出場・初先発だったが、「彼のパフォーマンスは良かった。何より勇気を持ってプレーしていた」と指揮官も称えた。試合はこのまま1-1で終了。セレッソは土壇場での逆転負けこそ防いだが、試合内容を考えると痛恨の勝点1。追加点のチャンスを逃したこと、試合の締め方に課題を残した。それでも、「練習の成果が出ているからこそ、あれだけのチャンスが作れている。あとは勝利という結果につながれば、もっと自信が生まれ、もっと点につながる。絶対にこの状況は打開できる」と先制点を決めたハットン。中4日で迎える次節・ファジアーノ岡山戦こそ、チーム全員で今シーズンのホーム初勝利を掴みたい。