2026明治安田J1百年構想リーグ第18節

2026明治安田J1百年構想リーグ

2026.5.24

ファジアーノ岡山

レオ ガウショ (73')

レオ ガウショ (90')

2

AWAY

FULL TIME

3

0-1

2-2

セレッソ大阪

横山 夢樹 (8')

横山 夢樹 (56')

上門 知樹 (81')

JFE晴れの国スタジアム

13,980

ギャラリー

MATCH REVIEW

明治安田J1百年構想リーグの地域リーグラウンドは3連勝で締めくくり、WESTグループを2位で終える


6-1の大勝を収めた前節・名古屋グランパス戦から中6日。セレッソ大阪は、ファジアーノ岡山のホームに乗り込み、明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第18節に臨んだ。地域リーグラウンドとしては最終節となる今節。勝てばWESTグループ2位を確定できるとあって、選手たちは強い気持ちで試合に挑んだ。先発は前節から1人変更。名古屋戦で負傷した奥田勇斗に代わって大畑歩夢が左サイドバックに入り、3試合ぶりのスタメンとなった。

立ち上がりはホームの岡山の圧を受ける展開に。1分、スローインの流れから自陣左サイドを崩されると、岡山の右ウイングバック白井康介のクロスがファーに流れたところから左ウイングバックの山根永遠が巻いたシュートを放つ。前回対戦で1得点1アシストと活躍された山根に再び決定的なシュートを打たれたが、ここは中村航輔が懸命に手を伸ばしてビッグセーブ。開始早々の失点は防いだ。5分過ぎからセレッソもボール保持で押し返すと、8分に先制。右サイドで柴山昌也、石渡ネルソンを中心にボールをつなぐと、ディオン クールズのパスに抜け出したのは横山夢樹。「左から右に抜けて、そのタイミングで味方が右サイドでパスをつなぎながらリズムを作っていたので、自分も絡もうと思って中に動き出した」と自在にポジションを変えてボールを受けると、右足を一閃。GKも届かないファーサイドへ決め切るゴラッソを叩き込み、2試合連続となるゴールを奪った。それでも序盤は岡山の攻勢を受ける。ただし、試合前に「サイドに振られたり、揺さぶられても最後のところで体を張って守ることが大事。スライドをしっかりして、全員で守りたい」と田中駿汰が話していたように、サイドを広く使われて押し込まれても、中は人数をかけて守り、岡山に決定打は許さない。20分過ぎからはセレッソもペースを握り返し、チャンスを作っていく。26分、柴山のパスに抜け出したチアゴ アンドラーデのクロスにクールズが飛び込み好機を迎えると、36分に決定機。大畑歩夢のパスを受けた中島元彦が相手を交わして中へクロス。チアゴがトラップして逆サイドへパスを送ると、走り込んだ柴山が左足で狙ったが、わずかに枠を外れた。42分には、ウェリック ポポの落としから小倉幸成にミドルシュートを許す。崩された形だったが、DFが体を寄せてブロック。何とか枠外に弾き出した。すると45分に再び決定機。石渡がボールを奪い、横山が縦に突破して右足アウトサイドでクロス。ただし、タイミングよく飛び込んだ中島が触る直前で相手DFのクリアに遭い、得点とはならず。前半は岡山に押し込まれる時間も長かったが、1点リードで折り返した。

後半も立ち上がりは自陣左サイドを突かれて立て続けにCKを与えたが、中村航輔の好守も含めて失点は防ぐと、56分に追加点。相手の中盤でのトラップミスを奪った石渡が素早く前にパスを送り、カウンターを発動。4対3と数的優位な状況を作り出すと、石渡からボールを受けて運んだ中島が前節に続いて横山へ絶妙なパスを供給。ファーストタッチで前にボールを置いた横山がそのまま運び、出てきたGKをループで外してゴール。お手本のようなカウンターで仕留めた。2試合連続2得点と波に乗る横山は2分後にもシュートチャンスを迎えたが、ここはクロスバーを越えてハットトリックとはならず。その後、3枚替えで前線の配置も変えて圧力を強めてきた岡山に対し、71分に失点。自陣左サイドのポケットを取られると、ゴールラインを割ったと、一瞬、セルフジャッジで足を止めたところを突かれ、途中出場のレオ ガウショに決められた。1点差に迫られたセレッソも75分、76分と立て続けに決定機。ただし、前者は柴山のシュートを相手GKがビッグセーブ、後者はクールズのシュートがクロスバーを叩き、ゴールならず。それでも81分、直前に交代で入った上門知樹がファーストプレーでゴールを決めて、セレッソが再びリードを2点に広げた。この場面では、同じく途中出場の櫻川ソロモンがしっかりとボールをキープし、前を向いてスルーパス。「ソロ(櫻川)が優しいボールをくれました。右にボールを置けたので、振り抜くだけでした。『入れ!』という思いで打ちました」(上門)と右足を振り抜いた背番号7。約1年ぶりとなる復帰後初ゴールに選手たちも一斉に駆け寄り歓喜の輪が広がった。ただし、「リスペクトしている」(上門)古巣から決めた本人はノーセレブレーション。喜びは心に留めた。このまま3-1で逃げ切りたい試合だったが、90分に失点。再び1点差に迫られたが、その後は櫻川が前線で上手く時間を使うとともに、80分以降は3バック(5バック)で逃げ切りを図った守備も最後まで1点のリードを守り切り勝利。地域リーグラウンドを3連勝で締めくくり、WESTグループ2位を確定させた。

WESTグループ2位という結果に対し、アーサー パパス監督は、「試合前、『シーズン終盤に何かを勝ち取れるチームになっていきたい』と選手たちに話した上で、今日しっかりやってくれたので、一つ段階は上がった」と評価した上で、「さらにトップ争いをしていくためには、ステップをさらに踏んでいく必要はある」と目線を上げて、引き締めた。今季から田中駿汰とともにキャプテンを務めた畠中槙之輔も、「2位という順位を取れたことは良かったですが、ここまで来たら、落とした試合の重みは大きかったと思う。2位で満足する選手が多いのか、1位を取れたよね、と悔しがる選手が多いのかで来シーズンは変わってくると思います」と総括。両者の言葉からは、満足感より渇望感が伝わってきた。逃した“頂”へ挑戦する舞台は次なる26-27シーズンになる。その前に明治安田J1百年構想リーグの最終順位を決めるプレーオフラウンドが待っている。セレッソは、EASTグループを2位で終えたFC東京とホーム&アウェイで争い、3位を目指す。まずはホームでの第1戦に勝利し、第2戦へ良い形でつなげたい。

監督コメント

■アーサー パパス監督

「アウェイでの岡山との試合は常に難しい試合になることは分かっていました。立ち上がりは上手く入れたと思います。そこから(横山)夢樹がワールドクラスのゴールを決めたことは良かったです。リードするまでは前進の仕方も良かったですが、その後、少し課題が見えました。岡山さんは常に諦めずに戦ってくるので、リードしてハーフタイムを迎えても安心はできなかったです。後半もトランジションから(中島)元彦の素晴らしいパスで夢樹がスプリントして2点目を奪えたことは良かったですが、岡山さんは難しいチームです。前線にさらに強力なFWを投入して圧力を掛けてこられたので本当に難しかったですが、それに対する我々の選手たちの対応やメンタリティーも良かったと思います。何より上門が長いケガから復帰して得点を取った、試合を締めてくれたことはすごく嬉しかったです」

Q:今節の結果、WESTグループ2位になりました。この順位についてはどう思われますか?
「1位になりたいです。このチームは成長しているので、その意味では(この先の成長にも)ワクワクしていますが、やはり1位になりたいです。試合前に選手たちに言ったことは、『シーズン終盤まで常にタイトル争いできるチームになっていきたい』ということ。セレッソはこれまで、『良いチームだよね、良いフットボールをするよね、…でも』と言われていたと思いますが、そこからさらに進んで、シーズン終盤に何かを勝ち取れるチームになっていきたいです。その話をした上で、選手たちが今日しっかりやってくれたので、一つ段階は上がったのかなとは思いますが、さらにトップ争いをしていくためには、ステップをさらに踏んでいく必要はあると思います」

Q:残した数字という意味では、WESTグループで最少失点です。今日に関しても、追いつかれる3失点目を取られなかったという意味では、「岡山の猛攻を受けた中で、2失点で抑えた」という見方もできるかも知れません。今大会、守備面で成長した部分については?
「際立ったと思います。両リーグを合わせても、失点数の少ないチームになることができました。一つは、スタッフの働きぶりがあります。例えば、ナポリコーチが良い仕事をしてくれていますし、選手もそれを受け入れてやってくれていることが大きいと思います。その中で攻撃とのバランスもあります。失点しなくても、得点を取れないと勝てないので、そこは両輪が必要です。シーズンの前に、『全ての領域で成長していきたい』という話をした中で、例えばセットプレーでの失点が減ったことも、スタッフと選手の努力の結果だと思います」

Q:今節も2得点を決めた横山選手を始め、今大会における若手の成長について
「その点においても、クラブとして段階が上がっていると思います。若手だけではなく、チーム全体が成長しています。若手だけの力では成長できていないと思います。経験豊富な選手たちに導かれて若手も成長しています。さらに若手も出場機会がなければ成長しません。機会を掴んでいることが大きいです。プレーする機会と選手自身の野心、その2つが成長するためには必要です」

選手コメント

■上門 知樹選手

Q:ドラマとして出来過ぎかなと思います。
「いやいや、まぁそうですね(笑)。ありがとうございます」

Q:ゴールシーンを振り返ると?
「ファーストプレーだったので、前に向かう意識で受けました。練習でもやっている形で、ソロ(櫻川ソロモン)が優しいボールをくれました。右にボールを置けたので、振り抜くだけでした。『入れ!』という思いで打ちました」

Q:櫻川選手からパスを受けた時点でシュートしか考えていなかった?
「そうですね。パスは考えていなかったです。このスタジアムで育ててもらったので、どうしても結果が欲しかった。(岡山の)サポーターの皆さんは悔しいと思う方もいると思いますが、結果で恩返ししたかったので、良かったです。ただ、ゴールセレブレーションは今回はしないと決めていました。それぐらいリスペクトしているクラブですし、感謝しています」

Q:結果として決勝点になったことに関しては?
「ボス(パパス監督)も言っていましたけど、もう1点、2点、早い時間帯で取れることもできましたし、そこで取れていれば、もう少し楽な試合になったと思います。そこは課題として残りましたけど、でも勝ち切る力は付いてきていると思うので、あと2試合どちらも勝ち切って終わりたいです」

Q:長いリハビリが報われた思いもあったのでは?
「そうですね。約1年ぶりのゴールだったので、感慨もありました。やってきて良かったなと思います。まだ実感が湧いていないですが、ホッとしています」

■横山 夢樹選手

Q:前節、J1を舞台にした初ゴールを含む2得点を決めて、今日も2得点。前節、結果を出したことで、自信を持って入れたというか、試合に臨む気持ちも違いましたか?
「元々、自信はありました。ただ、最近は外に張るだけではなく中に入ることでシュートシーンも増えているので、それがゴールにつながっている要因だと思います」

Q:先制点の場面も左サイドから中に入って、気付いたら最後は右サイドで背後に抜けていました。チームとして右サイドで作っている中で、「パスが来そうだな」という感覚もありましたか?
「そうですね。左から右に抜けて、そのタイミングで味方が右サイドでパスをつなぎながらリズムを作っていたので、左に開くより自分も絡もうと中に動き出しました。上手くボールが入って、決めることができて良かったです」

Q:ファーに打ち抜いたシュートについては?
「とにかく振り抜こうと思って打ちました。あの角度は練習でも得意なので。上手くGKの上に行きました。GKも『(シュートは)来ないだろう』と考えていたと思うので、意表を突けて良かったです」

Q:チームとしてカウンターから決めた2点目については?
「もっくん(中島)から良いところにパスが出てくることは分かっていたので、信じて走って、その結果ゴールにつながったので良かったです」

Q:シュートは落ち着いていたが?
「少しタッチが長くなったのですが、上手く修正できて良かったです」

Q:狙い通りのファーストタッチかと思いました。
「少し長くなりました。決めることができて良かったです」

Q:シーズン序盤と比べて、手応えは変わってきていますか?
「そうですね。ドリブルの特長だけではなくシュートの質でもJ1で通用すると分かったので、次のシーズンももっと取れるように頑張りたいです」

Q:日本時間の今朝、お兄さんがベルギーで初ゴールを取ったことは知っていましたか?
「はい、知っていました。自分も嬉しいです。活躍して欲しいと心から願っているので」

■畠中 槙之輔選手

Q:今日の試合を振り返る前に、まずWESTグループ2位という結果をどう受け止めていますか?
「全試合を終えて2位という順位を取れたことは良かったですが、ここまで来たら、落とした試合の重みは大きかったと思うし、2位で満足する選手が多いのか、1位を取れたよね、と悔しがる選手が多いのかで来シーズンは変わってくると思います」

Q:2位を勝ち取ったというより、1位に届かなかった方に目を向けないといけない?
「個人的にはそう思います。色々な試合で落としてしまった、という思いの方が強いです」

Q:今節に関しては、2失点という結果はディフェンスとしては悔しいと思いますが、勝ち切ったことも含め、どう振り返りますか?
「今日は2失点とも瞬間で集中が切れたというか、足が止まったところで喫しているので。自分を含めてもっと改善しないといけない。防げた失点だったと思います。ただ、この3試合、複数得点を取れているので、そこは終盤に向けてチームとして改善できた点だと思います。だからこそ、失点もゼロにこだわりたかったです」

Q:ただし18試合で見るとWESTグループ最少失点です。昨季の課題であった失点数を減らせたことについては?
「昨シーズンに比べると大分減らせたとは思いますし、それは誇らしいことですが、失点しなかったら勝てた試合もたくさんあったので。満足したくないですし、改善すべき方に目を向けたいです」

Q:GKの好セーブもありましたが、チームとして粘り強い守備ができた実感もありますか?
「チーム全体のゴール前での意識は高くなりました。各々がシュートを打たせない、打たせてもコースを限定するポジションやチャレンジ&カバーができています。そこが失点を減らせた要因でもあると思います」

Q:昨シーズンから得点力を維持しつつ失点数を減らすという難しいミッションに対して、今大会の後半戦はだいぶ道筋が見えてきたようにも思うが?
「そうですね。自分たちが目指す意識が表現できてきていると思うので、来季もっと形にしていければと思います」

Q:FC東京とのプレーオフラウンドへ向けては?
「めちゃくちゃ良いサッカーをしていると思います。相手は流動的で、ウチみたいにボランチ、センターバック、サイドバック関係なく動くので、やっている方も難しいと思いますが、こっちとしても嵌めるのが難しい。しっかり準備したいです」

■井上 黎生人選手

Q:このスタジアムでプレーして勝ち切って、試合後は岡山のサポーターからもコールを受けていました。プレーし終えた率直な感想は?
「試合には満足していません。僕のエネルギーも足りなかったし、2失点もしているので、喜べるような結果ではないと思っています。ただ、(WEST)2位で終われたこと、(全体で)3位になるチャンスが残ったこと。その結果だけを見たら最低限はできたと思います。でもやっぱり悔しいですね。あと1試合、2試合、勝っていれば、という”たられば“はありますが、このスタジアムは僕にとって原点みたいなところがあって、岡山での1年があったからJ1にも行けたし、この年に娘も生まれました。サポーターも温かいですし、今日も歓迎してくれたので嬉しかったです。勝てて良かったです」

Q:ディフェンスとして2失点は悔しいと思いますが、今日に関しては2位になるために勝つことが何より大事で、最後に追い付かれなかったことも大きかったと思ったが?
「まぁ、そうですね。でも(上門)知樹がああやって決めてくれて、そのまま試合を終わらせないといけなかった。1失点目も2失点目も足が止まってしまった事実はあるので、そこはディフェンスとしてダメです。ただ、前回対戦の借りは返せたので、それは良かったです」

■櫻川 ソロモン選手

Q:このスタジアムでプレーして勝ち切って、試合後は岡山のサポーターからもコールを受けていました。プレーし終えた率直な感想は?
「岡山で成長させてもらいましたし、色々と学べたクラブでもあるので、感謝していますし、だからこそ勝ちたかった。ゴールも取りたかったですが、勝ってアシストもできたので、良かったかなと思います」

Q:結果的に上門選手へのアシストが決勝点になったが?
「ジョーくん(上門)も岡山に相当思い入れがある選手ですし、復帰してこの試合を迎えて、人一倍、気合いが入っていたので、前を向いたらすぐジョーくんに付けようと思っていました。ジョーくんがゴールにしてくれたので良かったです」

Q:今節も途中出場の選手がしっかりゴールに絡み、全員で戦う姿が見られたが?
「そうですね。良いチーム状態だと思います。継続していきたいです」