「セレッソ大阪 サポーターズコンベンション2016」レポート【第二部】
- チーム
・クラブ方針資料(PDF)
・事業関連資料(PDF)
・チーム統括部方針資料(PDF)
※こちらの資料をご参照ください。
【第2部】◆クラブ方針発表/事業関連実績報告・方針説明
玉田 稔社長クラブ方針と事業関連について、ご説明します。
・クラブ方針資料 P2
まず、2015年シーズンの総括ですが、2014年の反省を生かして、我々の考えていることを十分に理解してくれている監督ということで招へいしました。その結果、残念ながら残り1試合というところでの退任となりました。1つは、コミュニケーションの問題というのが大きかったかなという反省があります。それから、下位チームとの対戦成績にも、実は問題がございました。結果、残念ながらJ1昇格プレーオフで昇格できませんでした。
・クラブ方針資料 P3
これはJ2リーグの順位表です。セレッソは勝点67で、3位のアビスパ福岡とは(勝点差)15点、2位・ジュビロ磐田とも15点差がございました。得失点差は+17ということで、1位・大宮アルディージャの+35、ジュビロの+29、アビスパの+26と比べて、やはり4番目の実力だったのかなということになろうかと思います。総失点は40点(試合数42)で、1番少ないチームは6位のV・ファー連長崎の33点。我々より上位にいるチームではジュビロが43点ですが、ジュビロは総得点が72点あります。セレッソの場合は(総得点が)57点です。
・クラブ方針資料 P4
チーム別の対戦成績を見ると、太字で書いていますが、下位チームに勝ち切れていないというところがよく見えます。2勝したチームは、大宮、北九州、岐阜、栃木の4チームですが、上位のチームでは大宮だけです。逆に2敗したチームというのは、福岡、長崎、金沢、群馬ということで、下位のチームにも2敗していて、上位のチームでは福岡に2敗しています。2分のチームは、千葉、熊本、水戸と、(一部は)リーグで下位のチームです。42試合戦って、18勝13分11敗です。
・クラブ方針資料 P5
試合内容を見ると、前半を勝って終わると、勝率は約7割。先取点を取った場合には勝率0.75、これも約7割の勝率でした。では、なぜ勝ち切れなかったのか、J1復帰できなかったかというところで失点を見ると、40失点のうち76分から試合終了までで14失点しています。失点の35%、3分の1以上を残り15分で喫していることになります。また、そのうちアディショナルタイムでの失点が4試合ありました。
・クラブ方針資料 P6
これらを総括して、細かいところはのちほど大熊清監督から分析しお話しいたしますが、「最後まで走れていないんじゃないか」「最後のところで球際に弱くなっているんじゃないか」ということで、ひょっとすると90分間走れる力がついていなかったんじゃないかなということも言えるかもしれません。
ケガ人が多かったということも言えます。そういった意味で、選手が90分以上の時間帯をフルに走り抜ける、戦い抜ける体力づくり、選手のサポート体制を強化する必要がある。これは今年すでに実践しております。
それから、先ほど失点の話をしましたが、ジュビロよりも総失点が3点少ないのですが、総得点も圧倒的に少ないということで、それが順位の差に出ていました。得点力不足の解消、これについては、FWにも強力な選手を配置することができています。このあたりも解消する手立てが何とかできたかなと思います。
それから、競争による個々人のレベルアップということです。第1部で紹介しましたが、13名の新加入選手に加え、昨シーズンからの選手も含めて、総勢39名になります。U-23チームでJ3にも参入しますが、その選手を除いても、全ポジションで複数の選手が競うという形になります。ポジションによっては、1つのポジションを3人で競うことにもなります。そういう競争のなかで、個々人のレベルアップを図っていきたいと考えています。
・クラブ方針資料 P7
2016年の一番大きな方針は、J2で優勝してJ1復帰ということです。「夢と絶望の90分」(J1昇格プレーオフ)というのは、もう戦いたくないというところです。
それから、クラブスローガンとして「SAKURA SPECTACLE」を掲げました。もう一度、セレッソ大阪というのはどういうチームなんだというところを振り返る意味で、新たに「SAKURA DNA戦略」を骨格方針としました。世界基準の選手を輩出することと、柿谷(曜一朗)選手もそうだと思いますが、そういった選手をいい形でチームに復帰させていく、循環させていくということをやり続けたいというところです。この「SAKURA DNA戦略」につきましては、詳しくはのちほど宮本(功・チーム統括部長)からご説明させていただきます。
・クラブ方針資料 P8
そして、クラブスローガンは「SAKURA SPECTACLE」です。昨シーズン、私が社長に就任したとき、スローガンというのはあまり好きじゃないという話をしました。基本的なチームのスタンスや考え方というのは、そうそう毎年変えるべきものではないと私自身認識しております。いろいろな方のご協力をいただきながら、こういう言葉をまとめました。もちろん、SAKURAというのはセレッソなのですが、「閃け、輝け、咲き誇れ」ということです。具体的に言いますと、チームの昨シーズン終盤を見るとおわかりいただいたかもしれないですが、躍動感がなかったといったことがあったと思います。「戦う」、「走る」、「魅せる」、「驚かせる」、「信じる」、「立ち上がる」、「夢を咲かす」。我々はサポーターの皆さんとともに生きていきたい、この花を咲かせていきたいというのが、「SAKURA SPECTACLE」の本質です。「SAKURA SPECTACLE」をベースに、「SAKURA DNA」、こういったことをもう1度しっかりとチームに根づかせていくことで、1年ではなかなか難しいかもしれませんが、J1復帰後、常にACL(AFCチャンピオンズリーグ)を狙えるチームを作っていきたいと思います。
ここで、方向を変えるお話になりますが、実は会社の組織変更も少し考えました。昨年は事業部という形で、運営、広報、営業、こういったところをひとまとめにしていましたが、それぞれを個別にして、営業、広報、運営、ホームタウンと4つの部門とし、そして管理部、新たにチーム統括部も編成しましたので、6つのセクションになりました。しばらくはこのセクションで走りながらいきたいと考えています。
一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブでは、今年4月1日から、長居公園全体の指定管理といった業務にも就いていきます。そこでまたいろいろ組織、人事を考える必要があります。営業は今までのような大きな組織ではなく、会社の根幹となるところを、私の直轄のもとでやりたいと考えていますので、昨年の営業の成績と、今年度の方針や目標について、私から説明いたします。
・事業関連資料 P2
昨年の実績について、まずスポンサーですが、実質6社増えました。新規に10社、未継続は4社です。スポンサー、広告収入については、一昨年から比べますと、4億6千万円ほど増えております。
・事業関連資料 P3
年間指定席、皆さんにも買っていただいている席ですが、2015年が1215席ですので、前の年から230席ほど減り、84%のレベルです。年間パスポートについて、これも残念ながら大きく減り、2014年に比べると3分の2まで落ち込んでいます。
・事業関連資料 P4
2015年は、新たにレッドブルやシンハービール、明治安田生命と多くのスポンサーの方々に、新規にご加入いただきました。
・事業関連資料 P5
総入場者数は、2014年と2015年は試合数が違いますが、これも残念ながら前年比60%ということで、J2になったために大きく落ち込んでいます。平均入場者数は12,232人ということで、J1とJ2を合わせた40チームの上から12番目の数字になります。J2では1位ですが、一昨年から比べると大きく減っています。
・事業関連資料 P8
2016年の営業方針について、大きくは3つです。皆さんの期待に応え続けたいというところが一番大きなところですが、なかなか難しいテーマです。あきらめているわけではないです。皆さんのいろいろなご意見を聞きながら、なんとか一歩ずつでも前に進めていきたいと思っています。
・事業関連資料 P9
「パートナークラブを活用した、アジアでのマーケット拡大」については、ベトナム、タイ、インドネシアといったところのマーケットも拡大していきたいと思っています。
・事業関連資料 P10
「リピーター化に向けた取り組み」としては、1回来ていただいた、コアでない方をいかにリピートに向けて持っていけるかというところも、大きなポイントと考えています。
・事業関連資料 P11
「お客様の期待を超え続けるグッズ企画・販売」というところでは、先ほども言いましたように、社団法人が指定管理することにより、試行錯誤しながらになると思いますが、スタジアム売店も少し違ったやり方ができるかなと思います。
・事業関連資料 P12
収入の目標としましては、太字が2016年で、その横に書いてあるのが2015年です。いずれも前年を上回っていきたいということで、特に「その他広告収入」は、2015年の2億3千8百万円に対して、4億円以上としています。
・事業関連資料 P13
入場者数、平均入場者数も、すべての項目で2015年を上回る数字にしています。これは、我々だけでできるものでは到底ありません。もちろん、社員が一生懸命頑張って、皆さんと協力しながら、いろいろなバックアップ体制を取りながら、達成していきたい数字です。
◆チーム統括部方針発表
宮本 功チーム統括部長兼一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ代表理事今日はチーム統括部の責任者として説明をさせていただきます。まず、チーム統括部という名称を久々に復活させています。ここ数年、強化部という表現でチームを動かしていました。今年は、ご存じのように、大熊清監督がトップチームを率いながら、強化の一部も担うということから、チーム統括部を復活させて、それをうまく動かしていくのも当然必要ですし、1年だけではなく中長期で動かしていかないとチームがなかなか強くならないので、それをできる仕組みにしました。
・チーム統括部方針資料 P2
スローガンが新たに定まり、このスローガンのもとにいろいろなマネジメントが展開されていきます。SAKURAという言葉を初めてこういう形で前面に出して使うのですが、今まで育成型と言われながら、トップチームがJ2にいるという現実だったり、何回も優勝するチャンスがありながら勝てなかったり、今まであと少しというところで必ずなぜか勝利が逃げていく、もしくは勝利に相当する結果が逃げていくというところがありました。成功しているところ、そうでないところ、しかも会社を2つに分けて、株式会社と一般社団法人でチームを運営するという珍しい形を採用しているわけですから、やはり、わかりやすい言葉、わかりやすいコンセプトで、2つの会社がそこに一生懸命向かって進んでいくことが必要なタイミングになっていました。それを今回整理して、クラブのスローガン、チームのスローガン、サッカーのスローガンとして、「SAKURA SPECTACLE」としました。育成のスローガンとしては、「SAKURA DNA」という言葉に基づいて展開をしていきたいと思います。
・チーム統括部方針資料 P3
チーム統括部については、組織図を見ていただくとわかるように3つに分かれています。
「フットボールオペレーショングループ」、これがチームを動かします。たとえばチームの評価、選手の評価、契約、査定、編成、そういう本当のチームを作っていく、いわゆる以前の強化部の本質の部分、これを「フットボールオペレーショングループ」として、ここの部長を大熊清監督が兼任します。モリシ(森島寛晃)もここにいます。「フットボールオペレーショングループ」は、サッカーの部分に集中します。ただ、それだけではチームは実際には動きません。それをしっかりバックアップするグループを設けます。そのうえで、今回U-23という名称で、J3にも1チーム参加します。J2クラブの中では、我々セレッソしかJ3にチームを出していないのですが、それを動かすためにも、アカデミーとうまく接続していくためにも、「普及育成グループ」を含めたこの3つのグループでチームを動かしていきます。これがチーム統括部です。
・チーム統括部方針資料 P4
チームをピラミッドで表すと、名称も整理しましたが、トップチームがセレッソ大阪と、セレッソ大阪U-23。すごくわかりにくいと思いますが、セレッソ大阪U-23というチームはJ3に参戦しますが、1つのチームとして独立して登録しているわけではありません。すごくイレギュラーな形で今回のU-23のチームを鍛えていくということを、Jリーグが導入したのです。ですから、トップチームの全選手=U-23の選手でもあります。けれども、U-23が出場するJ3には、23歳以下というルールが当然あり、オーバーエイジの人数が定められていて、GKが1名、フィールドプレーヤーが3名までしか出場できません。でも同じチームですから、自由に行き来ができます。仮りの話ですが、同じ日にトップチームとU-23チームの試合があって、もしサブのメンバーに入っていて一方の試合に出なかったら、もう一方の試合に出られます。1分でも出てしまうと、その日はもう一方の試合には出られません。
なぜ我々がU-23チームでのJ3入りに手を挙げたか。我々は今、育成型で戦っているわけですが、トップチームの選手にとって、いいコンディション、いいトレーニングをしていくうえで、たとえば若手のトレーニングとベテランのトレーニングでは、若干違います。シーズン中のトレーニングと、トップチームの試合に関わっていない若手のトレーニングは、まったく違います。コンディショニングのトレーニングを1年間ずっと若手が続けたら、なかなか成長がスピードアップしません。そういう意味でも、我々はU-23に手を挙げて、さらにトップチームのコンディションをあげていく。トップチームの選手の、試合に関わっていない選手たちの実戦経験、要はコンディション調整などをすべてJ3側で担保できます。GKは、なかなかみんなが試合に出るということはできません。試合勘は大事になりますが、そこでJ3(U-23チーム)があります。トップチームの選手たちにとっても、すごく大事です。
一方で、U-23という年齢制限がかかっているので、ここで選手たちを本物にしていく。有料ゲームですから、アカデミーと同じような戦い方をするのではありません。必ず勝負にこだわるし、プロとして戦わなければいけないのです。そこをしっかりやりながら、トップチームが勝つ。それをしっかりやっていきたいと思います。
そのうえで、その下のアカデミーの選手たちを、「セレッサ」と呼んで、レディース、ガールズも含めて、しっかり活動していきます。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、この2年間で、U-12、U-15、U-18、小学生年代、中学生年代、高校生年代で、全部日本一になりました。男子も女子も全部日本一になっています。今後、まだまだ子どもたちは成長してきます。順調に成長してくれば、小学生年代から日本一の選手がずっとこれから上がってくるのです。ここまで、ちょっと時間はかかりましたが、表現することができるようになってきました。それをトップチームにどうしてもつなげたい。勝ちたい。その媒体をU-23がやります。
ただし、U-23は、あくまでその選手たちがトップチームで活躍するための場所です。そこに居着かれてもらっては困るのです。ビックリするかもしれませんが、トップチームとは条件が違います。タイキャンプには行っていません。高知にキャンプに行っていました。朝6:30分から走っていました。アカデミーのマイクロバスで高知に行きました。僕が乗ることを考えても、なかなかハードだと思います。要は、選手たちが絶対に上に上がって成功をつかめるような、きちっとしたマネジメントをしていきたいと思います。
・チーム統括部方針資料 P5
そのうえで、世界基準の選手を輩出しながら、海外で活躍する出身選手を循環して強化することで、シーズンを安定して戦いながら、勝つ、優勝する。これを中期の方針としています。
今年から一部、そういう形が入っています。でも、本当の意味で、ずっとこれを継続していくためには、J1にいないとダメです。セレッソがいつも優勝を争える、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)でも優勝を争える、そういうチームになって初めて、循環する強化が成立するはずなのです。今は、戻ってきてくれている彼らは、言葉でうまく表せないのですが、すごく勝負してくれていると思います。遥かに条件がいいところから戻ってきてくれたからです。僕らが成長していかないと、本来戻ってこられないと考えています。一方で、戻ってくるような強化をするためには、選手を出し続ける必要があります。中途半端ではなく、世界レベルで。それをきちっと循環させていく。私はアカデミーも担当していますが、非常に厳しい条件になります。世界、海外に行かない選手をひたすら育てるのであれば、セレッソは早く強くなるかもしれません。でも、そうではなく、世界に出す選手を育てて、循環して、勝つ。あくまでそれを目標に、アカデミーとトップチームがハーモニー(調和)しながら、チームを強くしていきたいと思います。
循環、強化するためには、いろいろな契約をすごく工夫して、世界のレベルできちんと対等にやれるようなノウハウが必要です。それから、当然、いい選手を戻してくるわけですから、選手の個性を生かした編成も必要になるでしょう。それは、少し前に学びました。海外の有力クラブと、もっと良好な関係を築く必要もあると思います。そのうえで、U-23を活用しながら、世界的な選手を育てていく。ハナサカクラブのご支援をいただきながら、子どもたちに安定したトレーニングを施しながら、子どもたちに感謝の気持ちをきちっと醸成していく。言い換えれば、「SAKURA DNA戦略」という表現を使いましたが、セレッソに対する帰属意識をしっかり作る。謎の練習生の練習を受け入れない監督は、ウチには来ない(笑)ということなのです。でも、これは重要なマネジメントです。嫌だとかいう人は来られない。なぜならば、それが我々のモデルだからです。会社は株式会社と一般社団法人に分けていますが、社団法人はその環境整備を一生懸命していく。そのすべての力を、すべての知見を使ってチームを勝たせる。それをしっかりとやっていきたいと思います。
もちろん、今年J1に戻って、さらに選手を強く、チームを強くしていく。それから、いい選手を戻していく。J2とJ1だと、すごく差がある。それは、対戦する相手も違うからです。もちろん、対戦する相手が違うから、クラブにもたらされる財政面がまったく違います。それが選手のところにそのまま跳ね返っていくのです。ですから、このモデルで本当に戦うためにはJ1に戻る必要があります。そこを全力でやりながら、U-23もしっかり戦って、今まで20年間取れていない、てっぺん(タイトル)を取りたいと思います。
◆チーム強化方針発表
大熊 清監督兼チーム統括部フットボールオペレーショングループ部長・チーム強化方針資料 P2
チーム強化方針についてご説明します。玉田社長からも説明があった昨年の順位表ですが、総得点57というのは、リーグで5位の数字です。総失点については、最少失点が長崎の33であり、セレッソはリーグで7位の少なさということになります。やはり、得失点差の観点を含めて、この得点力の少なさと、75分以降の失点がチーム総失点の35%を占めているというところが、戦術上、フィジカル上、非常に問題があったのではないかというところは、謙虚に受け止めなければいけないと思っております。
・チーム強化方針資料 P3
その対策として、タイキャンプでは気温38度という暑さのなかで、40分ハーフのゲーム(紅白戦)をやってきました。チームとは、個の選手の集合体であり、個人のパフォーマンス、フィジカル、ケガの防止を含めて、個を鍛えることが非常に大切かなと思っております。そのなかで、フィジカルについては、日本代表も担当していた山崎(亨)や、Jリーグの大分や長野などでフィジカルコーチを担当していた田中(等志)を採用して、フィジカルコーチを2人置いています。
昨シーズンは非常にケガが多くて、これからも試合が始まるとケガもあるかもしれませんが、ここまで2週間強、練習をかなりきつくやっているなかで、今のところトップチームは(大きな負傷者が)ゼロです。ケガの防止、フィジカルの強化ということで、フィジカルコーチを2名招へいするとともに、トレーナーは4人体制で組んでおります。J1ではそういうクラブも多いと思いますが、セレッソとしてはこれだけのマンパワーで選手のためのサポートをするというのは、初めての形に近いし、非常に選手にとってもプラスに働くことになるのかなと思います。そのうちの1人は、ケガの回復の状態をよくして、早く戻すというフィジオセラピスト(PT)ですが、非常に充実した体制をとっています。
・チーム強化方針資料 P4
得点力不足の解消について。昨シーズンの総得点57というのは、リーグ5位の数字でした。今シーズンは、かなり早い段階から外国籍選手のリストアップをしていました。リカルド サントス、ソウザ、ブルーノ メネゲウという新しい外国籍選手は、かなり前から決まっていました。強化として考えたことは、彼らが中国で活躍していること。リカルド サントスについては、19歳でヨーロッパに渡り、ずっとヨーロッパで頑張っていたということで、非常に順応性がある選手だと思います。いろいろな環境の違いのなかで、結果を出してきた選手です。初めての移籍が日本ということではなく、できれば、ヨーロッパ、中国、韓国などに1度出ている選手を、ということでリストアップしました。
これはほかとの競争もあるわけですが、彼らが日本でやりたいというメンタリティーがあり、Jリーグだからではなく、セレッソに対する魅力を感じて来てくれました。ほかにオファーがあった選手たちだったのですが、セレッソに来てくれました。これは我々の力ではなく、皆さんに積み重ねていただいた力だと思いますし、非常に感謝しています。ブラジルやヨーロッパに行っても、J1のどこのチームよりも(セレッソの名は)響き渡っている。痛切にそのことを感じました。本当にありがとうございます。
また得点という意味では、大卒選手が久しく採用できていなかったわけですが、これは意図的にということもあるかもしれませんが、なかなかいい選手、ユニバーシアード日本代表クラスの選手を獲れていませんでした。今シーズンは、スカウトの都丸(善隆)が頑張ったこともあり、久々に大卒のFW選手(澤上竜二)が入ってきました。皆さんの力をいただいているアカデミーからの選手(岸本武流)も入っていますし、もちろん、既存の選手の玉田(圭司)、田代(有三)らにも競争してもらっています。それに加えて、セレッソ愛の強い、どうしてもJ1に上げたいと言う柿谷、杉本も帰ってきてくれました。玉田社長が言うように、このなかで競争と結束をきちっと出しながらやっていくということと、今のサッカーではハードワークが求められるということであれば、バックアップの選手の存在も非常に大切になります。そういう意味でも、バックアップのパワーも非常についたのではないかと思います。
・チーム強化方針資料 P5
山口蛍のハノーファーへの移籍ということもあり、前(攻撃)の選手だけではなく、ソウザという、パルメイラスなどでレギュラー、もしくはレギュラー争いをしていたボランチについても、かなり前から獲得へ動いていました。彼も中東からなど、いろいろなオファーがありましたが、セレッソの名前と日本での魅力を感じて来てくれた選手です。そして、ロンドンオリンピック代表(U-23日本代表)で主将も務めた山村(和也)も、これも最後の最後になりましたが、J1の各チームのオファーを断って、セレッソに来てくれました。この厳しいポジション争いのなか、競争と結束を持って、皆さんとともに戦っていきたいと思っております。
・チーム強化方針資料 P6
そのトップチームメンバーが、この30人になります。今のところ、1人もケガ人なくやっております。競争でチーム力をアップして、皆さんとともにJ1へ上がりたいと思っています。
・チーム強化方針資料 P7
U-23ですが、この9人になります。ただ2種登録という形で、皆さんの力添えをいただいているアカデミーからもたくさんのいい選手を入れます。高校1年生にも、昨年優勝した中学生(U-15)にも、年代別代表がたくさんいます。高知キャンプにはユースの選手も行きました。日本ではトップクラスと言える体制の中にいるアカデミーには、いい素質を持った選手たちがたくさんいます。
U-23ということですが、トップチームでパフォーマンスが出ない選手は、野球の2軍のように落とすということもあります。それと同時に、いい選手は上げていく。環境に甘んじることなく、厳しさを持って、しっかり競争していくという体制もできたのではないかと思っています。
Jリーグの登録では、A契約は25人と決まっているのですが、アカデミーから昇格したトップ選手についてはその人数に入れないということなので、人数をたくさん抱えることができています。皆さんの力と積み重ねがあって、すばらしい、世界と対峙できる、対決できる体制が整ったと思っております。
そのなかで、しっかりと選手には言っています。「攻守をしっかりやれ」と。攻守が一体化した、ボールを奪うサッカーを、アカデミー、U-23、トップチームと、縦軸をしっかりとして、セレッソのスタイルを、体制とともにしっかりと作っていきたいと思っております。
人間は得意なところばかりではなく、先ほども皆様にご挨拶した選手たちを含めて、どれくらい自分たちの不得意なところもやるかというのも必要だし、何かを越えて立ち戻れる力強い自信を持つことも、これからも必要になってくると思います。そこを、すばらしい、皆様に作っていただいた体制のもとでやっていきたい、セレッソらしい攻撃、主導権を握るサッカーを構築していきたいと思っております。
最後に、サッカーにおいては遅攻も必要ですが、ゴールから逆算して、どれくらいゴールに向かえるか、もしくはゴールを守れるか。どれくらい自覚を持って、チームのため、勝利のために、皆様とともに戦えるかという心技体が、今年は非常に重要だと思っています。いつでも自分の言動が、チームのため、勝利のためになっているかということ、1人ひとりが、任務を遂行できるか、それを積み重ねられるかということが大切になると思っております。これだけの選手を揃えてもらいました。1人の力が重要にもなるサッカーというスポーツでありながらも、11人、30人、39人の結束が非常に大切な種目でもあると思っています。そこをしっかり選手たちに徹底して、皆様のバックアップをいただいて、J1に昇格したいと思います。しかも、強くなって。
選手たちにも言っています。「うまいチームではなく、強いチームに、みんなでなっていこう」と。しっかりと積み重ねていきたいと思います。そして、先ほどの挨拶でもお話させていただきましたが、皆様の温かいご声援ご支援に、甘えや油断なく、しっかりと自分を見つめ、自立し、自分で考えて、考えるだけなら誰でもできると思いますが考えて行動を起こす、トレーニングをする、チームのため、自分のために個を鍛えるということを、しっかりと選手に伝え、考え、実行するというところも、僕が言うのではなく、1人ひとりがそれをできるような、そういう集団になるように、全力で頑張っていきたいと思います。今シーズン、いろいろなことがあるとは思いますが、皆様の力を借りて、それを乗り越えて、自分たちのチームが立ち返る自信を持って、1試合1試合、ひたむきに戦っていきたいと思います。今シーズンもご支援、ご声援のほど、よろしくお願いいたします。
◆質疑応答
【事業関係】Q:ホームゲームの日にたくさんイベントがありますが、開始・終了時間をもう少し考えていただけませんか。選手のウォーミングアップ時にはスタジアムに戻るので、参加できないイベントがあります。昨年も、プライム会員しか応募できないイベントの終了時間が遅かったので、応募をあきらめました。それとも、あの時間に開催するということは応援の声が減ってもよいのでしょうか。
A:玉田稔社長
決して減ってよいという考え方ではなくて、いろいろなイベントを楽しんでもらいたいという思いがあったのですが、ご指摘いただいたようにこちらの配慮が足りなかったと思います。もう一度スケジュールをうまくできるように考えていきます。
Q:試合中、客席にビールを売りに来る方法を変えていただきたいです。試合を集中して見ているのに、コップを振りながら「ビールいかがですかー?」と来られると、視聴覚ともに妨げられて辛いです。商売なのかもしれませんが、お金を払って試合を観ている観客を第一に考えていただきたいです。たとえば通路でしゃがんでいて、観客が手を上げたらその席に向かうというふうにするとかはいかがでしょうか。
A:宮本功代表理事
ビールの販売について、今までの運営の仕組みだと我々は選べなかったし、関与できませんでした。販売を含めて、我々がスタジアムを借りる時に付いてくるもので、価格やサービスのありようは、お願いはできるものの、我々が発注できるものではありませんでした。4月以降は指定管理を受けたことにより、少し改善できると思います。ですが、今の販売方法は、私も勉強不足で申し訳ないのですが、すごく飲みたい人もいるかもしれないので、いろいろ考えて、場所に応じてなど、とにかく皆さんの観戦が第一であることには変わりはありませんので、しっかり研究していきたいと思います。
Q:ホームゲーム前日の待ち列の確保開始時間の18:00なのですが、もうちょっと早くしてもらえないでしょうか。他のチームのスタジアムは10:00や遅くても15:00とかなので、せめて15:00くらいにしてもらえませんか。
A:玉田稔社長
今シーズンのホームゲームは、基本、土曜日にU-23、日曜日にトップチームというケースが大半です。となると、今の時間帯そのものが変わってきますので、キックオフ時間等々も考慮して、時間帯を設けたいと思います。たぶんチェックする回数が減ると思いますので、お願いになるもかもしれませんが、きちっとルールを守ってやっていきましょう、ということで進めたいと思います。
Q:昨年、メガストアでユニフォームのマーキングやスマホケースの注文などをしたら、仕上がりにミスがあったり不良品があったり、対応が悪い印象でした。ユニフォームのマーキングでは、背番号に空気が入り変な感じに浮いて、明らかに貼り付け段階でミスが確認できる仕上がりでした。スマホケースは、12番・個人ネームで発注しました。発注の紙にオリジナルネームを書き、仕上がりを見たら1文字「M」が正しいのに「N」となっていました。2週間以上待たなければいけない商品なのに、さら2週間待ちで、1カ月以上待ちになりました。シーズン後半だったため、シーズン終了間近になってしまいました。ミスはあるものですが、ユニフォームの時はスタッフの対応が良くなかったです。改善してほしいので、今後のメガストア運営についても検討をお考えください。
A:宮本功部長
すごく申し訳ないですし、改善します。シーズンのいつかということを抜きにしても、シーズン前だと試合に間に合わせたいだとか、それぞれの方の欲しいタイミングがあると思います。具体的に私が作業して差し上げられるということではないですが、しっかりとフォローして改善させていただきます。
Q:去年のファンクラブ会員特典のタオルマフラーですが、限定という表記があったか覚えていないのですが、オリックスとの企画に使われたり、福岡戦の招待企画で使われたりと、明らかに作りすぎたという感じがあったのですが、そのあたりの対策はできなかったのでしょうか。
A:宮本功部長
ファンクラブは目標を設定していましたから、それに向けてアクションを取っていました。人数そのもののところで、目標と現実が必ずしもうまくいくわけではなく、グッズ1つにしても売りたいと思っても全く売れない、色の違うタオルマフラーとか、いろいろなトラブルがあります。幸い、いろいろな有効利用ができたことについては良かったと思います。できる限りロスのないようにしっかりやっていきたいと思います。
Q:ホームゲーム当日、列誘導されているスタッフの方、売店のスタッフの方について、ほかのアウェイのゲームに行った時に比べてスタッフさんの質が低いかなとずっと感じています。誘導しているスタッフにもかかわらず、どこに行ったらいいかパッと答えられなかったり、売店の方に「山口選手のタオルマフラーをください」と言うと「何番ですか?」と聞かれたりということが結構あります。何試合も行き慣れている方はそれでもいいと思うのですが、玉田社長のお話にも合ったように、リピーターの獲得に向けてそういうところで時間がかかってしまうとか、だらだらしてしまうというのはもったいないと感じています。終わった後の反省会など必ず必要だと思うのですが、総括はされていますでしょうか。
A:玉田稔社長
イベントもそうですが、試合後は反省会を必ずやっていて、できることはすぐに次の試合から反映させようとしています。ただ、ご指摘いただいたようにアルバイトにお願いしているところもあるかと思いますが、方針として顧客満足度のアップと言っておきながら、それとチグハグな対応をしてしまっているというになります。ここにいるスタッフも含めて、しっかりとレベルアップを図りたいと思います。
Q:先ほど玉田社長からお話があったリピーター化に向けた取り組みで、初めてセレッソの試合観戦をしたお客様や子どもたちに、楽しかった、勝ってうれしかったと言ってもらうため、また次の試合を観に来てもらうために、試合終了後にはゴール裏で選手たちのあいさつの時に写真撮影をしていたと思います。清水エスパルスのように勝ちロコなどのパフォーマンスがあれば、選手、サポーター、チーム、スタジアムが1つとなって盛り上がれるのではないかとずっと考えていました。選手主体で考えてもらいたかったので提案させていただきました。
A:宮本功部長
今までいろいろなクラブのセレモニー、イベントがあったと思いますが、私が関わった範囲ではクラブ側が強制しない、こうしなさいとシナリオを渡すことはしてきませんでした。引退ゲームがグダグダになって、DJの西川大介さんにコントロールしてもらって…というセレモニーが多かったと思います。セレッソの選手は、森島(寛晃)を筆頭にあまり出たがらないので、余計に積極的な交流の場所が成立しなかったのかもしれないです。願わくは、選手が自然発生的に行ったところに我々が助太刀をするという形で、皆さんとセレッソ、選手の間でなにか作っていけたらいいなと、そういうチャンスがあればと思います。
A:玉田稔社長
リピーターについて言うと、やっぱり勝つことで、また観に行きたいと思っていただけると思います。また、皆さんのご協力もいただかないといけないのですが、たとえば汚いスタジアムだったというのは2度と行きたくないと思われてしまうという逆の面もあります。もう1度行きたい、また行ってみたいなということを、いろいろな面で注意して作っていきたいと思います。
【チーム関係】
Q:昨シーズン、特に練習中の負傷が多かったように思いますが、それについてどうお考えでしょうか。また対策等あれば聞かせていただきたいです。
A:大熊清監督
確かにケガ人が多かったと思います。さらに、少し再発が多かったというところが残念な点で、そういう意味でも、チーム強化方針 でお話をさせていただいたようにトレーナーを4人にしたこと、それとチームという枠組みの前に個の心技体を鍛えたいというところです。これは信頼関係がないと、練習のほかに筋トレ場に行ったりはできないし、私生活での食事も非常に重要だと思います。経験のあるスタッフを増やして、私生活の栄養部分の指導を行い、フィジカルコーチによる個の強化をしっかり図っていきたいと思います。選手からこういうメニューが欲しいとか、筋トレをもうちょっとやりたいという声が出だしています。先ほど言った自覚と自立という意味では、非常に良い方向に向かっていると思うので、しっかり管理しながら強化していきたいと思っています。
Q:J1とJ2ではかなりスピードが違うと思います。1年間J2のスピードで慣れてしまうと、J1でのスピードに慣れるのが難しいと思います。J2で結果を出しながら、J1を見据えた準備などを具体的に教えてください。セレッソはJ2で優勝するのが目標ではなく、J1で優勝するのが目標ですから。
A:大熊清監督
選手補強については、皆さんの力添えとクラブの理解があってJ1で戦える選手層を集めさせていただきました。スピードというのは、考えるスピードであったり判断であったり、そういうところも含めて自覚して自分で考えなければいけない部分があるのですが、最終的には練習は嘘をつかないと思っています。たとえばスピードであれば、今はGPSという形で運動量を測れるようになっていて、1日ごとにどのくらい走ったというのを毎日データで管理しています。運動力が一番あるのが、丸岡満選手で一番走れます。彼と、今は名前を言えないですけど走らない選手を、わざとマンツーマンにして走らせてみました。そうすると1回の練習で1.5~2kmぐらい違います。そういう意味では、体調管理やフィジカルの強化を含めて、やっぱり練習は嘘をつかないものだと思います。やらせる、習慣化させるというところも必要かと思うので、練習の内容、量を含めて、今のご指摘はセレッソにとって必要なことだと思います。体重管理、脂肪管理、筋力も管理しています。あまりにも「管理」ということが、選手にとってストレスにならないようなアプローチもしていかないといけないなかで、強くなってJ1に戻れるように、しっかりと練習をさせたいし、自覚の意識を持ってやっていきたいと思います。
Q:タイキャンプを終えて思ったこと、チームに足りない部分、ここはどのチームにも負けないという部分を教えてください。
A:大熊清監督
足りなかったところというのは、先ほども話をさせていただきましたが、戦術上やはり運動量というのは謙虚に足りなかったと思っています。ただ、セレッソは走るだけでなく、相手を前後に走らせるというところは持っていると思います。ゴールに向かいながら、我々も走って相手もさらに走らせるということで相手の失点を多くさせるというポテンシャルは、今まで作ってくれたセレッソのサッカーが持っていますし、そういう補強をクラブにしていただいています。そういうサッカーをしっかりやっていきたいというところと、今までにあるないではなくて、逆に本当に変わったなというところをセレッソに付け加えたいと思います。セレッソはうまい上に、こんなに相手にプレッシャーをかけられるようになったのかと、メンタル的に崩すというよりも、相手が引いているのであれば相手ゴールに近いところでボールを奪いに行ってやるというプレッシャーを相手にかけられるということを、今もやっているし、できるポテンシャルはあると思います。なにが他チームより勝っているかというご質問でしたが、セレッソに植え付けて、今後その質問にきちっと答えられるようにしていきたいです。
Q:昨年のサポーターズミーティングでセカンドチームの設立予定はないと否定していたのに、今シーズンからJ3に参入したのはなぜですか。セカンドチームを設立したのなら、大阪府リーグや関西リーグと手順を踏んでからJ3に参入すべきではないのですか。JFLの各クラブに対して失礼ではないかと思います。セカンドチーム設立からJ3参入に至るまでの経緯、目標などがあれば教えてください。
A:宮本功部長
先ほどチーム統括部方針 で少し触れさせていただいたのですが、厳密に言うとセカンドチームというものは設立されていません、登録上は。すべてトップチームです。ですが、若手を育成するためにJリーグがルールを新たに設けて、その一定の基準をクリアできたクラブが今回3チーム、J3に参入しています。ですので、新しいルールに基づく参入の方法では、地域リーグなどから戦っていくというのがそもそもできません。個別のチームとして登録していないので、不可能です。ルールがそもそも違うというのが大前提です。昨年も我々はセカンドチームを動かす構想を持っていましたが、このルールができたのが今年になったということで、参入させていただくと手を挙げたというのが現実です。
Q:単刀直入にお聞きしたいです。全42試合で総勝点126点中、何点獲得を目標にされていますでしょうか。
A:大熊清監督
勝点2×試合数が、過去の自動昇格の条件です。それ以上を目指したいと思います。(優勝ということでは)90点を取りたいと思います。
Q:昨年、なぜあのタイミングで監督交代なのかと思いました。大熊監督の前でお聞きしにくいのですが、監督人事のリスクマネジメントについて、どのようにお考えでしょうか。
A:玉田稔社長
大変厳しいご質問です。私自身、昨年からこのポジションをやっている訳ですが、一昨年は監督が何度も代わったというトラウマがありました。昨年の監督を決める時にいろいろな話し合いをして、考え方はものすごくしっかりして、この監督だったら任せられるだろうと一致して決めましたが、コミュニケーションが難しかったのが一番大きな問題だったと思います。リスクマネジメントという点では、この監督がダメだった場合どうしようか、というのは当然何人かのリストアップをしながら対応はしています。が、昨年については、(一昨年の)トラウマがあって、ここで代えていいのだろうかというのがありつつ最後の最後までいってしまったというところです。このままがんじがらめのイキイキ感のないサッカーをしたら選手がかわいそうだと、大熊部長と話し合いをして交代を決めました。今年は大熊監督がここにいますが、成績ではなく、たとえば病気などもありますから、リスクマネジメントという意味でリストアップは必要だと考えています。
【その他・クラブ関係】
Q:クラブの哲学が、監督や社長が変わる度にコロコロ変わりすぎな気がします。海外チームのように、何年経っても変わらないチームスローガンをユニフォームの内側に刻むとかして「セレッソというクラブはこうなんだ」ということを示してほしいです。
A:玉田稔社長
クラブ方針 で今年のスローガンをご説明させていただいた時に言いましたが、基本的にクラブの考え方は変わるものではないと思います。ただ、今年はこれをやりたいというハウトゥーはあってもいいかと思いますが、ご指摘の通りだと思います。
先ほど私と宮本から説明したように、もう一度「セレッソ大阪はどういうチームなのか」というところに立ち返って、育成型、循環型という言葉を使っていますが、そのあたりを含めて「SAKURA SPECTACLE」「SAKURA DNA」という言葉にしました。この2つの言葉には哲学を込めておりますので、これは変えていくつもりはないです。
おっしゃる通り、監督や社長が変わるごとにクラブの方針が変わってはいけないと思います。夢が実現できるまでというよりも、ずっとこういう考え方でやっていきますし、私が代わる場合も引継ぎをきちんとしていきたいと思います。
Q:ヤンマーさんや日本ハムさんといったスポンサーの支援をもっと受けられないものなのでしょうか。他のクラブは親会社や有力スポンサーに営業をかけています。たとえば福岡は12月6日のJ1昇格プレーオフで、私が勤める会社の10組20名の人を招待していました。サッカーを見たこともない人(大阪在住)は、福岡側で応援していました。京都はスペシャルシートの購入を毎年、依頼してきます。私の勤める会社はセレッソのスポンサーとお付き合いがありますが、そのようなお願いがあったと聞いたことがありません。ビッグクラブをめざすのであれば、使えるリソースはすべて使わないと達成できないと思います。
A:玉田稔社長
ヤンマーさん、日本ハムさん、いろいろなスポンサーがありますが、チケットのあっせんをしていないわけではなく、昨日もヤンマーグループの資材取引先の購買懇談会というのがあり、100社くらい集まると思うのですが、そこでもお願いしてきました。ヤンマーのいろいろな事業会社の取引先の方にも年間指定席についてお願いをしていますし、日本ハムさんの取引先の方にもお願いをしています。インナーの部分ですので目立っていないと思いますが、一生懸命やっておりますし、引き続きさらに拡大してやっていきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。