【11/18 横浜FM戦】Match Preview
- チーム
歓喜に包まれたルヴァンカップ決勝から2週間。次なる目標、ACL出場へ向けて再始動
セレッソ大阪に関わる誰もが歓喜に酔いしれ、大きな感動に包まれたJリーグYBCルヴァンカップ決勝から2週間。舞台を再びリーグ戦へ移し、3位のセレッソが5位の横浜F・マリノスのホーム、日産スタジアムに乗り込む。
「ここから、(リーグ戦と天皇杯と)マックスで5試合。そこに向けて、またチーム全員で戦いたい」とは清武弘嗣の言葉だが、決勝戦の後、4日間のオフが明けて再集合したチームに優勝の余韻に浸っている選手はいない。「自分の中でも切り替えているし、今節に向けていい練習ができた」と木本恭生も話すように、すでに意識はリーグ戦へと切り替わっている。ましてや、今節は、ACL出場圏内である3位を争う直接対決となる、横浜F・マリノスとの一戦。「勝てば3位をキープできる。直接、叩くのが一番」(山口蛍)と、目下のライバルを蹴落とし、ACL出場へ向けて歩みを進めたい。
そういったチームとしての目的意識はハッキリしており、現状に満足している様子は全く見られない。それでも、ルヴァンカップ決勝へ向けたチームのテンションは非常に張り詰めており、実際の決勝戦でも、球際を激しく戦い、ミスのない、非常に引き締まった試合を演じてクラブとして悲願の初タイトルを獲得した。どうしても、その反動は懸念されるところ。オフ明けには、指揮官自身、「メンタルが少し緩んでいるかも知れない。ミーティングで選手たちに強調した部分はそういうところ」と話していた。それでも、今週に入り、試合へ向けた日常のサイクルを取り戻すと、日に日に試合へ向けた集中力は高まっていった。選手のメンタル面を危惧していた尹晶煥監督も、試合前日の囲み取材では、「意欲を持って練習に取り組んでいる。精神的に緩んだ様子は見られない」と、選手たちの今節に臨む姿勢を評価した。
もっとも、ここまでリーグで2番目に失点が少なく、ホームゲームは11戦連続無敗中(6勝5分)の横浜FMを打ち破ることは簡単なことではない。横浜FMにとっては今季のホーム最終戦であり、今季限りで退任することが決定しているエリク モンバエルツ監督の花道を飾りたい思いもあるかも知れない。それでも、セレッソも現在は公式戦6連勝中。チーム状態は今季最高と言っても過言ではない。「いい意味で優勝が自信にはなったとは思うので、その自信をピッチ上でエネルギーに変えてやっていくことが大事」と水沼も話すように、過信ではない、チャンピオンとしてのプライドを胸に、セレッソは今節に挑む。
最後に一つ。この試合のトピックとして外せないのは、敵として扇原貴宏を迎え撃つこと。すでにルヴァンカップのグループステージ第1節で“横浜FMの扇原”とは対戦しているが、扇原自身、当時よりチーム内での存在価値を高め、役割も定まってきたはず。「(対戦は)タカの方が楽しみにしていると思う。どっちにしても、絶対にやられたくない相手。フリーで持たせたらいいボールが出て来るので、そこは警戒したい」(丸橋祐介)。「自分たちが攻めていても、そこで奪われた時にタカさんから1発の裏がある。背後への対応は大切になる」(木本)。守備陣は一様に、扇原のパスに警戒する。そして、セレッソで、ロンドン五輪で、ボランチとしてコンビを組んだ山口とのマッチアップは、セレッソサポーターの琴線に触れる部分。「セレッソで一番コンビを組んだのがタカ。そういった意味では(対戦は)楽しみ。違うチームに行ってもプレースタイルはそこまで変わっていないと思うけど、またチームのスタイルは違うので、そのなかで変わった部分もあると思う」。かつての相棒について、山口はそう話す。いずれにしても、扇原の長所であり武器は、セレッソの誰もが理解している。その良さを出させず、チームとしても横浜FMを倒し、敵地から勝点3を持ち帰る。