【1/1 天皇杯決勝 横浜FM戦】Match Preview
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シーズンの集大成となる天皇杯決勝。タイトルへの強い想いを胸に、総力で今季2冠目を勝ち取りに行く
J1リーグ戦を34試合、JリーグYBCルヴァンカップを13試合、そして、第97回天皇杯をここまで5試合。2017年シーズンで歩んだ公式戦は、実に52試合を数える、セレッソ大阪。そのなかでも、3季ぶりのJ1では、J1昇格プレーオフ勝ち上がり組として初のJ1残留を果たしただけでなく、3位と躍進。ルヴァンカップでは無敗でクラブ史上初となるタイトルを獲得。天皇杯でも2003年度の第83回以来となる4度目のファイナリストになった。数々の新たな歴史を『ユン・セレッソ』が築き上げてきたなかで、今季最後となる公式戦53試合目、シーズン締めくくりとなる天皇杯決勝に臨む、桜色の戦士たち。2018年1月1日、ルヴァンカップで栄冠を勝ち取った舞台でもある埼玉スタジアム2002に再び乗り込み、横浜F・マリノスと対戦する。
この伝統あるカップ戦も、ファイナルに至るまでは、決して楽な戦いではなかった。3回戦のアルビレックス新潟とのアウェイ戦では延長にもつれる展開を、木本恭生の決勝弾で3-2と勝ちきった。4回戦ではJ2ながらも高い戦力を持つ名古屋グランパスとのアウェイ戦で福満隆貴のゴールを最後まで守りきり、1-0。準決勝では杉本健勇や山口蛍をケガで欠き、柿谷曜一朗もベンチスタートとなったなか、終了間際の90分に先手を奪われながら、そのすぐあとの90+1分に水沼宏太の同点弾で追い付き、延長戦での柿谷、ソウザのゴールで勝ち越して、ヴィッセル神戸との激闘を3-1と制した。
いわゆる『ルヴァン組』と言われた、リーグ戦ではなかなか出番に恵まれなかった選手たちの奮闘も含めて、尹晶煥監督のもとで、まさに総力で粘り強く勝ちぬいてきた。だからこそ、「最初のトーナメントから全員が試合に出ながら、U-23のメンバーも含めて、全員で勝ち取ったこの決勝の舞台を、選抜で出るメンバー、ベンチのメンバーは、責任を持って(戦い)、最後まで走り抜きたい」と、キャプテンの柿谷はチームを代表して気合いを込める。
そして、天皇杯決勝は、元日に、勝ちぬいた2チームのみがピッチに立つことを許される特別な舞台。また、大晦日までチームとして決戦のためにトレーニングを積み重ねることができるというのも意義深い。「元日にサッカーができるのはうれしいことなので、しっかり戦いたい。この時期までの練習はセレッソに入って初めて。1日でも多くみんなとできたのはうれしいこと。(決勝は)本当にしっかりみんなで勝ちきりたい」と、丸橋祐介。どの選手にも充実感、そして、勝利への意欲があふれている。
また、「タイトルをとっていくことが、チームとしてもすごく評価されると思うので、そこを取り続けられるように、まずは2冠目を取れるようにしたい」と山村和也がいえば、「ルヴァンカップの決勝以上に、(天皇杯の)タイトルを獲りたい想いをスタッフ、クラブに関わる全員が思っている。(杉本)健勇をはじめ、1年を引っ張ってくれた選手がケガでいないのは残念ですが、彼らの気持ちをしっかり背負って、全員で戦いたい」と、チームを支えてきた小菊昭雄コーチもコメントするように、さらなる高みを目指すクラブとして歩み続けるためにも、何としてもこの決勝を勝ち、ユニフォームに2つ目の星を輝かせたいものだ。
相手の横浜FMとは、今季3戦3勝と、相性のいい相手とも言える。だが、「そこは(この決勝では)本当に別物。新年にもなりますし、今までの成績というのは意識していないし、決勝戦で相手もモチベーションは高いと思うので」(水沼宏太)、「一発勝負なので、前回(対戦時)の倍くらい頑張らないと、たぶん優勝することはできないと思う」(マテイ ヨニッチ)と選手たちも気を引き締めるように、第93回大会覇者でもある経験豊富な横浜FMは、今季のJ1でもトップ5に入る力を強敵。準決勝ではセレッソと同じく、延長戦を制して逆転勝利し、勢いにも乗っている。それでも、「こういう優勝するチャンスが来るときに、それをしっかりつかむことが、強いチームになるための道。しっかりつかみ取りたい」と尹監督も語気を強めるように、ここで引くわけにはいかない。
今季、様々なジンクスを破り、新たな扉を開き続けてきた、セレッソ。その集大成となるのは、過去3度決勝で涙をのんだ、天皇杯を制すること。最後に決勝に進んだ第83回大会を知る酒本憲幸は言う。「あの悔しさを知っていますから。今回は気合い入っていますよ!」。ルヴァンカップのときように、再び表彰台の上で歓喜を味わうために、この元日決戦、すべての力を出し切り、セレッソが必ず制する。頼もしき桜色のサポーターとともに、カップをピンクに染め上げる。