【2/21 ACL広州戦】Match Review
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手に汗握る熱戦はスコアレスドロー。4年前からの成長を示し、貴重な勝点1を獲得
大阪長居スタジアムに広州恒大を迎えて行われたAFCチャンピオンズリーグMD2。セレッソ大阪は、AFCチャンピオンズリーグMD1の済州ユナイテッド戦から先発4人を変更。18日の練習中に右腓腹筋を傷めた清武弘嗣の他に、杉本健勇、柿谷曜一朗、木本恭生に代わり、高木俊幸、ヤン ドンヒョン、山村和也、山下達也がスターティングメンバーに名を連ねた。
セレッソにとってグループステージ最大のライバルとも目される広州恒大。前半は、その圧力を前に守勢に回る展開を余儀なくされる。13分、右サイドの裏を取られて最初のピンチを招くと、14分にはソウザのバックパスを奪われてアランにシュートを許す。18分に再びアランに決定機を与えると、25分にもマテイ ヨニッチのクリアをガオ リンに拾われてシュートまで持って行かれる。32分には右サイドからのクロスにファーサイドでリカルド グラルにヘディングで合わせられたが、枠を外れた。「前半はチームとしてバタバタしてしまった」と山口蛍も振り返ったように、相手の長いボールに対して全体が押し下げられ、クリアが中途半端になったところを拾われるなど、セレッソはミスも重なり、広州恒大に波状攻撃を許した。攻撃でも、相手のプレスを前に、奪ったボールをつなげず、なかなかボールが落ち着かない展開となった。
それでも、厳しい時間帯を我慢強く失点ゼロで抑えたことで、後半は流れがセレッソに傾く。広州恒大の前からのプレスや運動量が落ち始めると、セレッソがスペースを有効に使い、チャンスを作り始める。56分、丸橋祐介のクロスにヤン ドンヒョンが頭で飛び込むと、61分にはソウザが高い位置で奪ってシュートを狙う。64分にもソウザが左サイド深くまで侵入。前半とは打って変わり攻勢に出ると、75分に投入された柿谷がセレッソの攻撃を加速させる。76分には、FKからマテイ ヨニッチが折り返してヤン ドンヒョンがシュート。ネットを揺らしたが、マテイ ヨニッチがオフサイドの判定でノーゴール。78分には、柿谷が果敢に仕掛けて獲得したCKから、丸橋のキックをファーサイドでソウザが詰めてゴールも、丸橋のキックが空中でラインを割っていたことで、再びゴールは認められず。
試合展開としては、1点を奪って勝ち切りたいセレッソ。すると、88分、この試合、最大のチャンスが訪れた。柿谷のクロスに、83分に途中出場していた杉本がドンピシャでヘディングで合わせるも、GKの驚異的な反応により防がれた。その後も、土壇場で決勝点を決めた済州戦の再現とばかりに最後まで押し込んだセレッソだが、ゴールを割ることはできず。勝点1を分け合う結果に終わった。
「うまくいかない時間帯があっても崩れないことが大事」。そう試合前に話していたのは水沼宏太だが、その言葉通り、広州恒大が攻勢をかけてきた前半を耐えたセレッソが、後半は相手を圧倒。そういった流れを考えると勝点3が欲しかったことも事実だが、「ホームで勝てなかったのはすごく痛いけど、広州恒大相手に0-0は悪くない」(柿谷)。「勝てたら良かったけど、相手も力のあるチームなので、負けなかったことは良かった」(水沼)と選手たちもそれぞれ振り返るなど、粘り強い戦いの中から貴重な勝点1を加えたことも確か。完敗した4年前からの成長は確かに示した長居での一戦となった。