【3/14 ACLブリーラム戦】Match Review
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強く欲した勝点3は奪えずも、杉本健勇、執念の同点弾でグループステージ突破へ望みをつなぐ
1週間前、敵地で敗れたAFCチャンピオンズリーグMD3の借りを返すべく、そして、グループステージ突破へ望みを広げるべく、ホームで勝点3だけが求められたブリーラムとのMD4。セレッソ大阪は、直近の公式戦であるJ1第3節・柏レイソル戦から、柿谷曜一朗と木本恭生を除く9人を先発で起用。必勝を期してこの一戦に臨んだ。
立ち上がり、良い入りをしたのはセレッソ。2分、山口蛍のクサビを杉本健勇がダイレクトで落として水沼宏太がシュートを放つと、3分には、松田陸のクロスをヤン ドンヒョンが胸で収めてシュートに持ち込む。ところが、11分、パスミスも絡んで与えた相手の最初のCKから失点。ラッタナコーンの蹴った鋭いインスイングのキックが、ニアで守っていたヤン ドンヒョンの頭をかすめてゴールに吸い込まれた。
ここからブリーラムは、守備時は5バックで固めてカウンター狙いに徹する。セレッソは、ボールは持てどもブロックの中に侵入できず、シュートまで持ち込めない。時間ばかりが過ぎる中、高木俊幸のクロスに杉本がヘディングで合わせた42分のチャンスが前半、唯一の決定機だったが、シュートは枠を外れた。
後半も試合の構図は変わらず、ブリーラムの守備に苦しむセレッソだったが、65分、スタジアムの重い空気を一変させるゴールが生まれた。松田のクサビを杉本が落とし、山口が左サイドへ展開すると、丸橋の絶妙なクロスに杉本がニアでDFを引きつけ、空いたスペースへ飛び込んだのは、ヤン ドンヒョン。待望のセレッソ加入後、初ゴールが飛び出し、セレッソが同点に追いついた。
スタジアムのボルテージも上昇し、一気に逆転を狙ったセレッソだが、71分、後半初めて与えた相手のCKから、再び失点。ラッタナコーンの正確なキックがまたもニアへ飛んでくると、今度はエジガルに先に触られ、後ろへ逸らされると、ファーで待ち構えたジオゴにヘディングで決められた。MD3での失点も踏まえ、試合前、ブリーラムの攻撃で最も警戒していたのがセットプレーだったが、前節の教訓を生かし切れず、痛恨の2失点目を喫した。
それでも、このままブリーラムに連敗だけは避けたいセレッソは、力を振り絞って反撃に出る。84分、丸橋のFKにソウザが飛び込みチャンスを迎えると、87分には、高卒ルーキー・安藤瑞季が投入される。すると、その安藤が大きな仕事をしてみせた。88分、山口、ヤン ドンヒョンとつながったボールを安藤が収めてドリブル。DFに強く当たられながらもキープして左へ散らすと、丸橋から杉本へと渡り、杉本がゴール中央へクロス。ここはDFにクリアされるも、こぼれ球にいち早く反応した山口が拾って右サイドを駆け上がり、ふわりとしたクロスをゴール前へ送ると、山口に大きなジェスチャーでボールを要求していた杉本が豪快なヘディングをゴールに突き刺した。
土壇場で生まれたエースストライカーの一撃に再びスタジアムは大歓声に包まれたが、試合はこのまま2-2で終了。劇的な形で追いつき敗戦は免れたセレッソだが、勝点3を強く欲していた試合だっただけに、試合後の尹晶煥監督、選手たちに笑顔はなし。アウェイでの一戦に続き、悔しさが残る結果となった。
それでも、「追いついたのでポジティブに捉えたいとも思う。残り2試合、絶対に2勝するという強い気持ちを持って戦います」と杉本も力強く話したように、グループステージ残り2試合、セレッソにもまだまだ十分、グループステージ突破の可能性は残されている。下を向く必要はない。まずは再びホームで迎えるMD5の済州ユナイテッド戦に、全てを懸ける。