【4/7 鳥栖戦】Match Review
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したたかな試合運びで接戦を制し、公式戦3連勝を達成
リーグ戦初勝利を挙げたJ1第5節・湘南ベルマーレ戦、グループステージ突破へ望みをつないだAFCチャンピオンズリーグ MD5 済州ユナイテッド戦に続き、ホーム3連戦となった今節のサガン鳥栖戦。勝点3を掴んで、よい雰囲気を継続させたかった一戦は、見事、柿谷曜一朗と丸橋祐介のゴールでセレッソが2-1で勝利。公式戦3連勝を達成し、リーグ戦における順位も昨日の時点で暫定5位まで浮上した。
試合の入りは、あまりよくなかった。強風が吹き荒れるキンチョウスタジアムでの一戦、前半は風下に立ったセレッソは、相手の攻撃を受けてしまい、DFラインの背後を狙われる。8分には、田川亨介に裏へ抜け出され、絶体絶命のピンチを招くも、ここは守護神キム ジンヒョン右手一本でセーブ。チームを救ってみせた。すると、セレッソにも決定機。14分、高木俊幸のクロスを相手DFがクリアし切れず、こぼれ球に反応した杉本健勇が豪快な一撃を放ったが、惜しくもポストを直撃した。
時間の経過とともに持ち直したセレッソに先制点が生まれたのは27分。高木のクロスを相手CBが中途半端な対応でボールを前にこぼすと、柿谷が見逃さず、ボールを奪ってゴール前へ進入。角度のないところから落ち着いてゴール右スミに流し込む技ありのシュートを決めて、キンチョウスタジアムに歓喜をもたらした。
後半、最初にチャンスを掴んだのはセレッソ。開始1分、流れるような攻撃から、最後は丸橋のクロスに柿谷がヘッドで合わせたが、わずかに枠を外れた。その後、立て続けに鳥栖にゴールに迫られて肝を冷やしたセレッソだが、ここをしのぐと、55分、意外な形から追加点が生まれた。柿谷のスルーパスに抜け出した水沼宏太が放ったシュートはGK権田修一に防がれたが、これで得たCKから、丸橋がインスイングのキックをニアへ蹴ると、誰にも触れることなく、ボールは逆サイドのネットへ吸い込まれた。
これで余裕を持った試合運びが可能になったセレッソだが、前節、2点のビハインドをひっくり返した鳥栖の攻撃力はやはり脅威だった。77分、今季の失点パターンにもなっているサイドからのクロスをヘディングで決められ、1点差に迫られる。この状況で、尹晶煥監督の決断は早かった。杉本を下げて山村和也をピッチに投入すると、山村はDFラインの一角へ。昨季、何度も見せてきた5バックでの逃げ切りを選択すると、以降の時間帯は鳥栖に決定機を作られることなく、試合を締めくくった。
決して相手を圧倒したわけではないが、訪れたチャンスを見逃さず、試合の機微を見事に掴んだ試合運びを見せた”ユン・セレッソ“は、この試合のポイントでもあった球際での争いでも負けず。試合後は、「サガン鳥栖は、ハードワークができて、タフなチームだと思っていますが、我々の選手たちが上回ったので、勝利という結果を手にすることができました」と、古巣戦となった指揮官も胸を張った。
開幕直後こそ勝利が遠く、順位も低迷したセレッソだが、ここに来て連勝を達成。勝点を積み重ねるとともに、チームの戦い方の幅を広げるケガ人も戦列に戻ってきて、いよいよ反撃態勢が整ってきた。