【5/2 名古屋戦】Match Review
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降りしきる雨の中、守備陣の奮闘は光ったが、最後まで1点が遠く、スコアレスドロー決着。勝点3を取り逃す
前節のジュビロ磐田戦に続き、アウェイでの連戦となった今節の名古屋グランパス戦。試合前から降りしきる雨が試合の経過とともに強さを増し、後半は横殴りのどしゃ降りとなる中、アウェイまで詰めかけた大勢のサポーターの声援を背に最後まで勝点3を目指したセレッソ大阪だったが、1点が遠く、結果はスコアレスドロー。獲得した勝点は1に留まった。
前半、立ち上がり、セレッソはボールこそ名古屋に持たれたが、しっかりと守備で対応し、名古屋に決定的な形は作らせない。16分、ガブリエル シャビエルに和泉竜司とのワンツーからシュートを許したが、ここはマテイ ヨニッチが体に当てて威力を弱めると、キム ジンヒョンがしっかりとキャッチした。
攻撃では、この試合、トップ下で先発した清武弘嗣を起点にゴールに迫る。13分、清武のクロスから高木俊幸がチャンスを迎えると、18分にも清武のクロスを高木が頭で落とし、ヤン ドンヒョンがシュート。軽快に攻撃のタクトを振っていた清武だったが、20分過ぎ、アクシデントが発生する。左足をおさえてピッチにうずくまると、そのまま交代を余儀なくされた。
試合後、清武の状態を問われた尹晶煥監督は、「(痛めた箇所は)左のふくらはぎだと思います。帰って、病院に行く必要があるのかなと思います」と話したが、軽症であることを祈るばかりだ。その後、前半は特に大きな動きはなく、43分には、ガブリエル シャビエルのFKが弧を描いて直接ゴールマウスに飛んできたが、キム ジンヒョンが弾いて事なきを得た。
ハーフタイムに尹晶煥監督から「お互いの距離感を意識して、遠すぎないように」との指示を受けて臨んだ後半。セレッソは、山口蛍を起点にボールを動かし、チャンスを作る。47分、山口のパスを受けた山村和也がシュート。48分にも、山口のパスからヤン ドンヒョンが裏に抜け出すが、ここはわずかにオフサイド。58分にはキム ジンヒョンのゴールキックがそのままヤン ドンヒョンに渡り、ヤン ドンヒョンがトラップからループシュートを放ったが、クロスバーを越えた。
後半、守備では名古屋のシュートを1本に抑える盤石さを披露。前線のジョーにボールが入った際もCBが落ち着いて対応し、ボランチもプレスバックして挟み込む。もう一つの名古屋の武器であるガブリエル シャビエルのセットプレーに対しても、中でしっかりと跳ね返した。今季、リーグ戦のアウェイでは前半での失点が目立っていたセレッソだったが、今節は名古屋の攻撃をしっかりと封じ込めた。
あとは得点だけ─。試合が進むにつれてそういった雰囲気に持ち込むことに成功したが、その1点が遠かった。71分には、山口のスルーパスからDFの裏を取った松田陸のクロスに高木が飛び込むも、わずかに合わず。80分には、山口の縦パスを途中出場の柿谷曜一朗が落とし、ヤン ドンヒョンがシュート。85分には長谷川アーリアジャスールがこの試合2枚目の警告を受けて退場となり、セレッソが数的優位となる中、後半アディショナル、この試合、最大のチャンスが訪れた。丸橋、ヤン ドンヒョン、柿谷、丸橋とテンポ良くパスをつなげてサイドを崩すと、最後は丸橋のダイレクトパスにヤン ドンヒョンが抜け出すも、シュートはGKに防がれた。
降りしきる雨で視界が遮られる悪条件下、最後まで集中力を保った守備陣の奮闘は光っただけに、セレッソとしては何としても1点を奪って勝点3を獲りたかったが、尹晶煥監督、山口キャプテンが試合後に揃って口にしたように、得点を決める攻撃の質に課題を残した。勝点1ずつに留まったアウェイ連戦の悔しさを晴らすべく、次節、中2日でホームに戻って行われる第13節のV・ファーレン長崎戦での必勝を期す。