【7/11 金沢戦】Match Review
- チーム
鮮やかなパスワークから前半2得点。後半は守勢に回るも無失点でしのぎ、4回戦進出
■試合データー
https://www.cerezo.jp/matches/2018-07-11-19/
天皇杯2回戦以来、約1カ月ぶりとなる公式戦、ツエーゲン金沢との天皇杯3回戦に臨んだセレッソ大阪。ロシアワールドカップからチームに戻ったばかりのキム・ジンヒョンと山口蛍は遠征に帯同しなかったが、それ以外は“ベスト”と言える布陣で、キャプテンマークは副キャプテンの清武弘嗣が巻いた。一方の金沢は、直近のJ2第22節から中3日。先発5人を入れ替えたが、注目の清原翔平と庄司朋乃也は揃って先発。清原がトップ下に位置に入る[4-2-3-1]の布陣だった。
序盤、ペースを掴んだのはセレッソ。「ボール保持者に対して厳しく行く」(柳下正明監督)金沢のマンマークの守備に対し、プレスを回避するようにテンポよくボールを回すと、10分、中央での鮮やかなパスワークから、最後は柿谷曜一朗のスルーパスに抜け出した水沼宏太がGKとの1対1を落ち着いて決め、セレッソが先制に成功した。
ここから約10分間は金沢に攻撃を許すも、マテイ・ヨニッチを中心にセレッソがしのぐと、26分、再び鮮やかなパスワークから、今度は柿谷のクロスに清武がヘディングで合わせて追加点。試合を優位に運ぶも、30分過ぎ、アクシデントが発生する。ここまで攻撃の中心として2アシストを決めた柿谷が足の痛みを訴え、自らベンチに下がった。
前半の残り15分は一進一退の攻防に。41分には、金沢の加藤大樹のシュートがポストに当たり、跳ね返ったボールを丹野研太がキャッチする場面も。45分には、水沼のクロスをファーサイドで杉本健勇が折り返し、柿谷に代わってピッチに入ったヤン・ドンヒョンが決定機を迎えたが、ヘディングシュートはGK正面を突いた。アディショナルタイムにもセレッソに好機。清武のスルーパスを杉本が落とし、水沼がダイレクトでシュートを放ったが、惜しくも枠を外れた。
後半に入ると、50分、勢いよく駆け上がった丸橋祐介がポスト直撃のミドルシュートを放つ場面こそあったが、60分以降はセレッソの選手たちの足が止まり始め、セカンドボールを拾えず金沢の攻勢を受ける展開に。63分、72分、83分と連続してピンチを迎えると、89分には、金沢の10番、宮崎幾笑のシュートがクロスバーを直撃する。ただし、この1発は直前に丹野が触っており、わずかにコースを変えた、丹野のビッグセーブだった。90分にも右サイドのクロスから途中出場の佐藤洪一に決定機を許したが、シュートは枠を外れ、セレッソは事なきを得た。
セレッソにとって守勢に回る時間帯が多い後半となったが、相手のシュートミスや丹野の好セーブにも救われ無失点でしのぐと、試合終了直前、金沢のゴール前でボールを持った福満隆貴がドリブルを仕掛けて相手DFをぶち抜くと、最後は冷静にシュートを沈めてセレッソが3点目。このゴールと同時に試合は終わり、セレッソが4回戦進出を決めた。
中断明け初戦。試合中盤から終盤にかけては苦しい展開にも陥ったが、「そういう時に、一歩頑張るとか。それを全員が意識すれば大きな力になる。ピンチもあったけど、最後で失点しなかったことも良かった」と杉本が話せば、尹晶煥監督も、「休み明けの初戦ということで心配もありましたが、選手たちが期待以上によくやってくれました」と選手たちを褒め称えた。
気になる負傷交代した柿谷だが、試合後は丸橋に付き添われる形で足を引きずりながらミックスゾーンに現れた。記者陣からの問いかけに対しては、「また次、頑張ります!」と答えるに留め、「(足は)痛いっすよ」と話すも、表情には笑顔も。前半のプレーぶりを見ても、ここから続く連戦で重要な役割を担うことは間違いないだけに、軽傷であることを願うばかりだ。
また、試合後は、清原と庄司が揃ってセレッソゴール裏へ挨拶に向かった。その後、庄司は尹晶煥監督と言葉を交わす場面もあり、清原とともにセレッソの選手、スタッフに囲まれていた。「試合に出続けることで、自分ができること、できないことも分かる。今は、セレッソに戻るために、というよりも、金沢での日々を頑張って過ごしています」と話した庄司のさらなる成長にも期待したい。