【9/14 磐田戦】Match Preview
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愛すべき“ホーム”キンチョウスタジアムとのしばしの別れ。勝利で、歴史に刻む一戦に
代表ウィークでリーグ戦が中断している間、セレッソ大阪は湘南ベルマーレとのJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝を戦った。前回王者として連覇を目指したセレッソだが、アウェイでの第1戦を0-3で落とすと、ホームで迎えた第2戦も2-2の引き分け。準決勝進出はならず、連覇の夢も潰えた。天皇杯もすでに敗退しており、今季、残すはリーグ戦のみ。残り9試合、ACL出場圏内である3位以内を目指しての戦いとなる。
その初戦、「フライデーナイトJリーグ」でもあるJ1第26節。セレッソ大阪はジュビロ磐田をホームに迎え撃つ。両チームの前回対戦は第11節。磐田のホームで行われた試合は、セレッソにとって厳しい一戦となった。中を固めてきた相手に対し、セレッソは「自分たちがボールを受けたい場所で受けることができなかった」(清武弘嗣)と攻め手を欠いた。杉本健勇のPKによりどうにか引き分けに持ち込んだが、その杉本が今節はケガで不在。今節、セレッソがどのような形で攻撃を仕掛けるか。一つの注目点となる。
一方の磐田は、中断期間中に中村俊輔が完全復活へ向けて速度を上げたようであり、今節は先発の可能性もある。「俊輔さんにゲームをコントロールされると、僕らは苦しい試合になる」(柿谷曜一朗)「セットプレーでのキックの精度が高いので、守備からしたら、簡単にファウルできない緊張感もある」(木本恭生)と警戒を強めるセレッソ。川又堅碁、大久保嘉人といったJ1屈指の2トップへの配球源を、しっかりと断ちたいところだ。
見事な逆転勝ちを収めた前節の第25節・浦和レッズ戦を含め、直近のリーグ戦5試合を3勝1分1敗と好調をキープしているセレッソは、暫定3位のFC東京との勝点差も『3』まで縮めた。他クラブより早く試合を消化する今節。勝利で上位陣にプレッシャーを与えたい。
そして、何と言っても今節は、現状のキンチョウスタジアム(今季終了後、第三期改修工事に入る)で行われるJ1のラストゲームでもある。10年のJ1第17節・川崎フロンターレ戦以降、数々の名勝負が繰り広げられてきたキンチョウスタジアムは、私たちに幾多の感動を、希望を、勇気を与えてくれた。圧倒的な“ホーム感”を背に、キンチョウスタジアムではこれまで負け数より勝利数がダントツに多く、特に尹晶煥監督が就任した昨季以降は公式戦23試合を戦い、20勝2分1敗と驚異的な勝率を誇る。
「J1に昇格したスタジアムでもあるし、自分自身、得点した試合など思い出がいっぱいある。(来季以降も)工事しながら試合をしたらいいんじゃないですか?(笑)」と話すのは松田陸だが、そんな、セレッソにとって“聖地”とも言える舞台とのしばしの別れ。「しばらくここでプレーできなくなるのは寂しいけど、また新しいスタジアムを迎えるためにも、最後はいい形で終わるためにも、勝つことが一番」(柿谷)という思いは、選手、サポーターの総意でもある。リーグ戦も残り9試合。ラストスパートをかける初戦としても、キンチョウスタジアムの歴史に刻む一戦にするためにも、今節、セレッソは是が非でも勝利を掴みたい。