Match Preview
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正真正銘“キンチョウラスト”の一戦。有終の美を飾るとともに、3位以内へ望みをつなげる勝点3を掴みたい
6日、台風の影響により延期されていた明治安田J1第28節・名古屋グランパス戦が、キンチョウスタジアムにて行われる。今季終了後に拡張工事に入る同スタジアム。本来なら、第26節のジュビロ磐田戦が改修前のラストマッチとなるはずだったが、期せずして、今回の一戦が正真正銘、現在のキンチョウスタジアムで行われる最後のJ1リーグ戦となった。
「前(磐田戦)は引き分けで終わったけど、たまたま、もう一回キンチョウスタジアムでできるチャンスが来た。何としても、勝利という形で終わりたい」と話すのは柿谷曜一朗だが、現在、勝点44で暫定8位につけるセレッソ大阪にとって、来季のAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得を目指す上で、勝てば上位との差を縮めることができる今節は、是が非でも勝利が欲しい一戦。もちろん、名古屋にとってもJ1残留を目指す上で負けられない試合であることは承知だが、「相手の状況よりも、“自分たち自身が上に行く”ということを意識したいし、そういう気持ちをサポーターの皆さんにも見せたい」と田中裕介は語る。
10月のリーグ戦3試合を1勝2敗で終えたセレッソにとって、喫緊の課題は得点力。敗れた2試合はいずれも無得点であり、勝利した試合も奪った得点は1。得点力不足が勝利から遠ざかる大きな原因となっている。直近の試合である第31節・鹿島アントラーズ戦にしても、前半に迎えたチャンスで杉本健勇と柿谷曜一朗のシュートがポストに嫌われるなど、あと一歩が遠かった。「毎試合、チャンスはあるので、そこでしっかり仕留められるようにしたい」。鹿島戦の反省も踏まえ、今節に向けてそう話したのは杉本だが、試合2日前の紅白戦では、その彼らが揃ってゴールを決めた。試合当日も、2トップに懸かる期待は大きい。
また、「最近はカウンターになった時にチーム全体としてあまり前に出られていないから、そこは意思統一しないといけない」と水沼宏太も話すように、守備から攻撃に切り替わった際のスピードや迫力を出していくことも、チームとして徹底したい部分だ。
もちろん、ジョー、ガブリエル シャビエル、前田直輝、そして、15年、16年とセレッソでもプレーした玉田圭司と多彩な個を揃える強力な名古屋の攻撃陣に対して、セレッソは守備で我慢する時間帯も増えるだろう。鹿島戦では自身のミスからの失点を悔やんだGKキム ジンヒョン、CBのマテイ ヨニッチ、山下達也らが踏ん張ることも、勝利を掴む上では欠かせない。チーム全体の守備としても、相手のポゼッションに対してプレスに行くところ、しっかりとブロックを作って守るところの状況判断は必要になるだろう。
この試合を含めて、今季も残すところあと4試合。その内、ここからはホーム3連戦となる。まずはその初戦となる今節の名古屋戦。現キンチョウスタジアムのラストを飾るとともに、今季のリーグ戦3位以内へ向けて望みをつなげる勝点3を、必ずや手中に収めたい。
■尹晶煥監督
「まだ(3位以内に入れる)チャンスはあるので、最後まで諦めずに戦いたい。いい雰囲気で練習もやれているが、試合の中で、勝ちたい気持ち、最後まで戦う姿勢を、もっと出さないといけない。上を狙う気持ちがあれば、必死に戦う姿勢を見せないといけない。今年だけではなく、来年、再来年と続いていく未来につなげるためにも、今の1試合1試合が大事。どんな試合でも、勝つ姿を見せないといけない。勝つことが、イコール、サッカーの楽しさにもつながる。勝つことで、選手もクラブの価値も、高くなる。サポーターの皆さんも、セレッソが勝つ姿を見たくて応援しに来ているのだと思う」
Q:今節のポイントについて
「ここ数試合、シンプルにプレーすべきところで難しくしてしまい、ミスから逆に相手にチャンスを与えてしまうところも見られる。細かいパスで崩していくプレーも必要だが、それだけではなく、大きな展開なども含めて、攻めていくことも必要。相手のエリアに入った状態で、いろんなアイディアを持って、連動性を持って、崩していきたい。自分たちのエリアでボールを回すことはリスクも高い。できれば速く、相手のエリアに入って崩していきたい。そういう意識を持てば、攻撃もスムーズになると思う」
■柿谷曜一朗
「名古屋も力のあるチーム。風間監督のサッカーで、相手を圧倒して、攻撃のチャンスを多く作っている。キンチョウスタジアムの最後の試合で勝ちたいのはもちろんやし、全員で一生懸命プレーすることも当たり前やけど、それ以上のモノを名古屋が出してくるかも知れない。そこは始まってみないと分からないけど、キンチョウスタジアムの最後をいい形で終えたい。前(第26節・磐田戦)は引き分けで終わったけど、もう一回、キンチョウスタジアムでできるチャンスが来た。何としても、勝利という形で終わりたい」
Q:現キンチョウスタジアムでのラストの一戦。サポーターはゴールを待ち望んでいると思うが?
「自分がこのクラブでプレーする意味、役割をもっと理解して、もっとやらないといけないし、もっと示さないといけない。もっと引っ張っていかないといけない。そういった意味では、今シーズン、不甲斐ない一年だったと思うから、最後ぐらい、来季に向けて期待してもらえるようなプレーをしないといけない。チームとしても、一つでも上の順位を目指したい」
■ソウザ
Q:名古屋のジョーやガブリエル シャビエルとのマッチアップについて
「ブラジルでも、彼らとは何度も対戦したことがある。特にジョー選手との試合は多かった。対戦するのは楽しみだけど、2人とも、ブラジルでもトップレベルの選手たちなので、注意を払わないといけない。彼らもJ1残留のために必死に来ると思うので、厳しい試合にはなるとは思うけど、最後に勝つのはセレッソ。(キンチョウスタジアムは)大好きなスタジアム。(改修工事に入る前に)最後に勝って、終わりたい」