Match Preview
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今季のホーム最終戦にして、尹晶煥監督のホームラストマッチ。勝ちたい理由が、そこにはある
昨季の天皇杯王者として臨んだ「FUJI XEROX SUPER CUP」を皮切りに、ここまで公式戦45試合を戦ってきたセレッソ大阪。46試合目となる今節の柏レイソル戦は、今季のリーグホーム最終戦であり、19日に今季限りでの退任が発表された尹晶煥監督にとっては、セレッソで指揮を執るホームラストマッチとなる。
前節、セレッソはリーグ連覇を果たした川崎フロンターレに2-1で勝利。勝点を47に伸ばした。残り2試合、数字上は3位から10位まで変動する可能性がある。ここまでリーグ戦では上位をキープし続けたセレッソにとって、ここからの2試合をどう戦い、どういった形で今季を終えるかは非常に重要だ。
負ければJ2降格が決まる柏は、勝利に向けてモチベーションがハッキリしているが、今季のホーム最終戦、尹晶煥監督のホームラストマッチ、一つでも上の順位を目指すため、セレッソにとっても、今節は勝ちたい理由が揃っている。今節を前に、「ユンさんになってからの2年間で積み上げてきたことを出したいし、何より勝ちたい。全員でしっかり戦って、ユンさんが築いてくれたサッカーで勝って、しっかり送り出してあげることができたらいい」と話したのは、キャプテンの山口蛍。「来年につなげるためにも連勝したいし、『やれるぞ』というところをサポーターに見せないといけない」と強い意気込みを示したのは、今週の紅白戦でも大きな声でチームを鼓舞していた山下達也。
追い込まれた柏は、ここに来て今季2度目の監督交代に踏み切り、メンタルを一新している。戦い方も整備して臨んでくることが予想され、ある意味、これまでの試合は過去のモノとして、今節に懸けてくるだろう。言うなれば、セレッソが過去にJ1昇格プレーオフに臨む前の状態と似ている。“一戦必勝”の精神をしっかりと持てば、本来はタレントも揃っており、下位に低迷するチームではない。ドリブルやクロスもJ1上位の数値を残しており、前節の川崎Fとはまた違った攻撃の怖さがある。
セレッソとしては、そういった相手の強い気持ちに押されないこと、そして、前半を我慢強く守ることが大切か。前節の川崎Fとは置かれた状況こそ違うが、柏も無得点の時間が続けば、「勝たないといけない」といった焦りの色が出てくることは同じだろう。もちろん、セレッソが早い時間帯に先制できればベストだが、0-0でも慌てず、90分の中で相手を仕留める意識を持って戦いたい。
尹晶煥監督について話を戻すと、やはり昨季の二冠という結果は、今後も色褪せない記録と記憶として、クラブ史に刻まれ続けていくだろう。「タイトルを獲った時の気持ちや光景は、サッカー選手としての財産。間違いなく、ユンさんの元で成長できた部分はたくさんあるし、僕は感謝しています」と話したのは水沼宏太。
「サッカー界、監督交代はよくあることだけど、よくあることで済ませてはいけないとも思う。昨季からプラスして積み上げることができなかったことは、選手一人ひとりが考えないといけない。もちろん、監督、スタッフ、選手全員の力が足りなかったのだけど、試合に出てプレーしていた選手たちが結果を出せなかった責任を感じないといけない」とも水沼は続けた。
尹晶煥監督のホームラストマッチを勝利で飾りたいセレッソ。岩瀬健監督の初陣で勝利を掴み、J1残留の望みをつなげたい柏。それぞれの想いが交錯する緊迫感に溢れた試合になりそうな今節だが、クラブ、尹晶煥監督にとって今季の締めくくりであると同時に新たな出発でもあるセレッソとしても、勝利は絶対に譲れない。
■尹晶煥監督
Q:今季のホーム最終戦であり、監督にとってはホームで指揮を執る最後の試合になる今節に臨む心境について
「あっという間の2年間でした(笑)結果によって順位も変わってくるので、勝って、ホームで喜びたいという気持ちがあります。勝って、ホーム最終戦を終えたいですね」
Q:勝つために大事になることは?
「気持ちの部分は大きいと思います。相手は負けたらJ2降格という状況で、強い気持ちで勝ちに来ると思う。昨季のいい時期を思い出しながら練習に取り組んでいる、という話も聞いています。柏との試合は、昨季、ホームで勝ちましたけど、毎試合、難しい試合になる。しっかり戦いたいと思います」
Q:集大成、ではないですが、選手たちにはどういったプレーを見せて欲しいですか?
「今までのセレッソは、試合の中で楽しむこともあったと思いますが、勝負に対してより強く意識して臨み、勝つことで楽しむという気持ちにもなってきていると思います。勝つために何をしないといけないのか。そういう意識になってきている。僕はいつもそういう気持ちで指揮を執ってきました。まずは最後まで自分がブレないようにしたいと思います」
■清武弘嗣
「(今節は)今季のホーム最終戦であり、ユンさんの退任も決まったので、この2年間で積み上げてきたモノをホームで示さないといけない。やってきたことは間違っていなかったということを見せたい。そのためにいい準備をして臨みたい。前節はいいゲームができたし、前節のようなサッカーが2年間やってきたサッカーだと思う。その中でも、時間帯、時間帯ではボールもしっかり握れていた。そういった内容を今節も見せたい。柏レイソルは残留するためには勝たないといけないので、ガムシャラに来ると思う。厳しい戦いになるとは思うけど、僕たちにとっても大事な試合。温く入ったらやられるので、もう一回、一体感を持って戦わないといけない」
■山下達也
「自分たちは前節、川崎フロンターレに勝ったけど、ここでもう一回、来年につなげるためにも連勝したいし、『やれるぞ』というところをサポーターに見せないといけない。勝ちにこだわりたい。試合展開としては、先に1点取れば、相手の勢いも落ちると思う。そのためにも、後ろはしっかりと我慢強く守って、先に点を取りたい。(柏の)外国籍選手はパワフルで、日本人選手も決定力はあって、ペナルティーエリア内で違いを見せることができる選手もいる。そこは警戒したいし、監督も代わって、『やってやるぞ』という気持ちを持った選手を使ってくると思う。そういった意味では、捨て身というか、そういう気持ちで相手は来ると思うので、ディフェンスとしてはしっかり対応しないといけない」