【Match Review】守備で我慢し、山下達也の値千金の一撃で神戸を撃破。“ロティーナ・セレッソ”が初陣を飾る
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■試合データー(選手・監督コメント/トラッキングデーター/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2019-02-22-1930/
昨季に続いてフライデーナイトJリーグとして行われた今季のJリーグ開幕戦。セレッソ大阪対ヴィッセル神戸の一戦は、試合前日にチケットは完売。試合開始前にスタジアムの最上段まで観客で埋まる光景は壮観であり、最終的に、ヤンマースタジアム長居は42.221人の大観衆で埋め尽くされた。セレッソにとって、ホーム開幕戦での4万人超えは初であり、クラブ歴代でも5番目となる観客数となった。
ルーカス ポドルスキ、アンドレス イニエスタ、そして、今季から加入したダビド ビジャとW杯優勝経験者がズラリと並ぶ神戸。昨季までセレッソでプレーしていた山口蛍も先発に名を連ねた。一方、セレッソのロティーナ監督は、スタメンに舩木翔を抜擢。システムは3-4-2-1で、右のウィングバックに配置された舩木にとってはこの試合がJ1リーグデビュー戦となった。
試合は、序盤こそセレッソが右サイドを攻め込み攻勢に出るも、次第に神戸にボールを握られる展開となる。それでも、セレッソはしっかりと中を固めて神戸に決定機は作らせない。両サイドに張り出したポドルスキとビジャにカットインしてからのシュートこそ許したが、いずれもペナルティーエリアの外から。奪った後の攻撃こそ課題が残ったが、「みんなが自分のポジションを守って、我慢してできた」と試合後に清武弘嗣も振り返ったように、守備時は5-4-1でスペースを埋める連動した守備を見せ、前半を無失点で折り返すことに成功した。
後半は、幾分、高い位置からの守備もハマり始めたセレッソだが、前半と同様、守備で耐える時間が続く。それでも、後半も神戸に決定機を作らせずに試合を進めると、64分、水沼宏太に代わって都倉賢がピッチに入り、それまで1トップでプレーしていた柿谷曜一朗がシャドーの位置に下がった。70分には、清武に代わってレアンドロ デサバトが投入され、デサバトが奥埜博亮とダブルボランチを形成。ソウザがシャドーの位置に上がった。
ここから、セレッソの攻撃のギアが上がる。72分、舩木が都倉にボールを入れると、都倉が柿谷に落とす。受けた柿谷が神戸の選手2人をかわしてドリブル開始。スペースへ走った都倉へスルーパスを送ると、都倉が狙い済ましてチップ気味のシュートを放ったが、ここは惜しくも枠を外れた。75分にも、柿谷の絶妙なパスを受けたソウザがボールを収めてシュートも、ここもわずかに枠外。なおもセレッソの攻勢は続く。76分、ソウザ、柿谷、都倉、ソウザとテンポよくパスがつながり最後はソウザがシュート。DFに当たってCKを得ると、このCKからセレッソが待望の先制点を奪った。丸橋祐介のインスイングのキックをニアで木本恭生が逸らし、ファーで詰めた山下達也がヘディングを叩き込んだ。
この瞬間、スタジアムは大歓声に包まれ、ゴールを決めた山下はゴール裏へ一直線に走り、歓喜の雄叫びを上げた。その後はしっかりと守備ブロックを作って逃げ切りを図ると同時に、柿谷に代えて松田陸を2列目で起用するなど新たな試みも行ったロティーナ監督。90+1分には、その松田が前線でFWばりのトラップからシュートを放つなど、見せ場も作りつつ、1-0で試合は終了。世間の注目を集めたW杯優勝経験者トリオに仕事をさせず、“ロティーナ・セレッソ”の初陣となった一戦で快勝を収めた。