【Match Review】ボールを握って攻め込むも、広島の堅守を破れず敗戦。悔しすぎる一戦も今後の糧にする
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■試合データー(選手・監督コメント/トラッキングデーター/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2019-03-09-16/#tab5
ヴィッセル神戸とのJ1リーグ開幕戦に続くホーム連勝を期して臨んだ第3節・サンフレッチェ広島戦。セレッソ大阪は、前節の名古屋グランパス戦から先発3人を変更。レアンドロ デサバト、松田陸、片山瑛一の3選手が、今季リーグ戦初先発を飾った。
3分、セレッソは片山のインターセプトから清武弘嗣、ソウザとつないでチャンス。最後はソウザがシュートを放つもDFに防がれた。「ボール保持の時間を長くして試合を進めること」(ロティーナ監督)を今季のコンセプトの一つに掲げる中、今節は立ち上がりからそれまでのリーグ戦2試合に比べるとボール保持の時間は増えた。ただし、広島のプレスに手を焼き、守備に回ると素早く中を固める守備ブロックに進入できない。
すると、19分、思わぬ形で試合は動いた。セレッソは、レアンドロ デサバトのバックパスをマテイ ヨニッチとGKキム ジンヒョンがお見合い。空いたスペースに詰めてきたエミル サロモンソンに泥臭くボールを奪われ、シュートをゴールに押し込まれた。その後、一層、守備に注力してきた広島に対し、セレッソはパスが横へ動くばかりで、縦に入れることができない。裏への動き出しも少なく、停滞感が漂う前半となった。
ただし、ハーフタイムを挟んで迎えた後半は、ボールを握った中で縦への意識を強め、パススピードも上がっていく。54分、レアンドロ デサバトのパスから裏を取った松田がキープしてシュート。ここは惜しくも枠を外れたが、ゴールの可能性を感じさせるプレーだった。
57分に高さとキープ力のある都倉賢、63分に突破力のある高木俊幸と攻撃の選手を次々と投入して活性化を図るロティーナ監督は、松田から高木の交代とともにシステムを[4-4-2]へ変更。すると、早速、交代で入った2人が絡む形でチャンスが生まれた。65分、片山のフィードを都倉が打点の高いヘディングで競り勝ち、柿谷曜一朗へ落とすと、柿谷がサイドを駆け上がる高木へパス。高木がクロスを上げてゴールに迫った。
74分、奥埜博亮に代えて最後の交代カードとして水沼宏太が投入されると、セレッソは清武がボランチに下がって起点となり、ボールキープをさらに強める。81分、高木のクロスを都倉が競り、混戦の中からレアンドロ デサバトがシュート。86分にも、丸橋祐介のクロスを都倉が高木へ落とし、チャンスを迎えたが、ここはシュートには至らず。
89分、FKから丸橋がニアへ鋭い弾道のクロスを蹴るも、DFのクリアに遭う。ここで得たCKから再びチャンス。ショートコーナーを選択し、清武の鋭く巻いて落ちるキックが広島ゴールを襲うが、合わせることができなかった。90+4分には、キム ジンヒョンから丸橋、都倉、丸橋とつながり、丸橋のクロスに柿谷が詰めたが、あと一歩合わなかった。
ボール支配率は66%、パスの本数は広島の倍以上と最後まで攻め立てたセレッソだが、広島の堅守を破ることができず、0-1で試合は終了。悔しすぎる敗戦となったが、試合後の選手たちは、敗れた事実をしっかりと受け止めるとともに、前を向き、ここからさらにサッカーの質を高めていくことを誓った。“ロティーナ・セレッソ”にとって新たなスタイルを目指す上での“通過儀礼”とも言える一戦を、今後の糧としてつなげていく。