【Match Review】決め手を欠いてスコアレスドローも、敵地で勝点1を獲得。西川潤が今後に期待を抱かせるJデビューを飾る
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■試合データー(選手・監督コメント/トラッキングデーター/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2019-03-13-19/
JリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ第2節。初戦の大分トリニータ戦に続いてアウェイでの一戦となったヴィッセル神戸戦、セレッソ大阪は、直近のリーグ戦からマテイ ヨニッチとソウザが続けて先発。福満隆貴と圍謙太朗が今季の公式戦、初先発を果たした。U-21枠には第1節に続いて瀬古歩夢が入り、今月5日に来季の加入内定が発表され、8日にJFA・Jリーグ特別指定選手として認定された桐光学園の西川潤はベンチからのスタートとなった。
前半は互いにバランスを崩さず慎重な立ち上がりとなる中、セレッソは左ウィングバックの舩木翔を起点にゴールに迫る。11分、舩木のクロスをブルーノ メンデスが競り、こぼれたところを田中亜土夢がシュート。ここで得たCKをソウザがファーサイドへ直接狙うも、GKに弾かれた。13分にも藤田直之のサイドチェンジから舩木がダイレクトでクロスを入れたが中と合わず。14分には瀬古のフィードに抜け出した福満からチャンスが生まれかけたが、フィニッシュに至る過程で味方との呼吸が合わなかった。
前半途中から流れは神戸に傾くも、神戸の1トップ・ウェリントンには瀬古が体を当てて対応。サイドからのクロスもGKとCBがしっかり跳ね返し、前半は神戸にシュートを許さず、0-0で折り返した。
後半、最初にチャンスを掴んだのはセレッソ。51分、3バックの右サイドを務める山下達也が攻撃参加からクロス。ブルーノ メンデスがニアでつぶれてファーサイドの田中へボールは流れたが、シュートには至らず。直後も山下、福満、水沼とつないで水沼が深い位置からクロスを上げてチャンスを迎えたが、ブルーノ メンデスはシュートを打てず。
57分、ロティーナ監督は福満に代えて西川を投入。これが西川にとってはJデビュー戦となる中、どういったプレーを披露するか。セレッソサポーターが固唾を飲んで見守る中、ピッチに入った直後こそ硬さも見せていた西川だったが、63分、左足でソウザへ浮き球のパスを送ってチャンスを演出すると、徐々に動きがほぐれ、68分には決定機を迎える。
神戸の自陣深くからのスローインを藤田がカット。これを拾った西川は水沼に預けて前へ出る。水沼からリターンをもらうと、角度のないところからワンフェイントを入れて右足インサイドでシュート。ニアを捉えた鋭い弾道が神戸ゴールを襲ったが、ここはGKに防がれ、惜しくもJデビュー戦でのゴールとはならなかった。以降も再三、チャンスに絡んだ西川。74分、カウンターからドリブルで持ち込み、左足でシュート。試合後に「力んだ」と振り返ったシュートは大きくバーを越えたが、気持ちが伝わるプレーだった。
77分には、この試合、神戸に許した最初のシュートからピンチを迎えたが、ゴールに吸い込まれかけた田中順也のヘディングシュートはGK圍が懸命に手を伸ばして弾き、ポストを直撃。跳ね返りもマテイ ヨニッチがクリアし、事なきを得た。直後、都倉が1トップに入ると、より攻撃が活性化。79分、都倉のポストプレーから水沼がクロス。ソウザがヘディングでゴールを狙えば、86分にはカウンターから都倉がドリブル。後ろから駆け上がってきた西川へパスを出すと、西川がダイレクトで中へクロス。都倉がオーバーヘッドで合わせたが、わずかにミートしなかった。89分にも、ソウザのサイドチェンジを受けた西川がクロス。都倉がシュートを放ったが、GKの正面を突いた。
後半は、「ボールを持ったときのチームのプレーに満足している。より相手の陣地に入っていくことができた」(ロティーナ監督)と形を作ったセレッソだが、決め手を欠いてゴールは奪えず。何より欲していた勝点3こそ掴めなかったが、途中出場の西川が期待を抱かせるプレーで攻撃を活性化すれば、守備でも大崩れせずに無失点。瀬古の堂々としたプレーぶりも印象に残った。勝点0に終わった初戦の大分戦から攻守において改善を見せたセレッソが、敵地で勝点1を獲得。グループステージ突破へ向けて、今後につながる第一歩を刻んだ。