【Match Review】田中亜土夢の芸術的なゴールをチーム全体で守り抜く。連勝でCグループ首位に浮上!
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■試合データー(選手・監督コメント/トラッキングデーター/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2019-04-24/
「ルヴァンカップでのプレーをリーグ戦につなげていきたい」。
今節、ピッチに立ったセレッソ大阪の全選手に共通する思いだったが、この言葉には、「チームとして」「個人として」その両方が含まれていたが、早速、その想いの強さをプレーで表現してみせる。
開始50秒、前線で水沼宏太が体を寄せてボールを奪ったところからスタートした試合は、前半、セレッソが神戸を圧倒。ルヴァンカップの前節・名古屋グランパス戦と同じ11人が先発に名を連ねると、4-4-2のコンパクトな陣形から、縦に速い攻撃を繰り出す。11分、田中亜土夢のボール奪取から右サイドのスペースに走り込んだブルーノ メンデスにチャンス到来。シュートこそミートしなかったが、最初の決定機をセレッソが作ると、22分、セレッソがスコアを動かした。
水沼が高木俊幸とのワンツーで抜け出して上げたクロスから得たCKを藤田直之が蹴ると、一度はDFにクリアされるも、ファーサイドで受けた田中が胸トラップから左足でドライブ回転のシュートを放つと、これが見事な弧を描いて、ファーサイドに突き刺さった。試合後のインタビューで、「時が止まったようだった」と自身が表現した芸術的なゴールに、スタジアムは大歓声に包まれた。
その後も攻撃の手を緩めないセレッソ。25分、田中がスペースに出したパスに抜け出したブルーノ メンデスが相手DFをなぎ倒してゴール前に進入。パスを受けた高木が冷静に相手をかわして藤田へ落とすと、藤田がGKを襲う強烈なシュートを放つ。33分には、藤田のCKをニアで舩木翔が逸らし、ファーサイドで山下が倒れ込みながらヘディングシュート。わずかにバーを越えたが、決定的なシーンだった。
前半は神戸の枠内シュートをゼロに抑えるなど、セレッソは守備も機能。全体の距離感が良く、相手ボールになっても素早く囲い込み、神戸につなぐ時間を与えなかった。
追加点が奪えなかったこと以外はほぼ完ぺきと言える内容となった前半を経て、迎えた後半は、一転して、神戸の攻勢を受ける展開になる。後半開始から神戸の吉田孝行監督はウェリントンを投入してきたが、ウェリントンの圧力により全体が押し下げられ、前半に比べて陣形が間延び。初瀬亮のアクシデントにより神戸の右サイドバックに西大伍が入ったことで、こちらのサイドもセレッソは劣勢に陥る。
ただし、この状況で神戸に立ちふさがったのが、CBの山下達也とGKの圍謙太朗。サイドからのクロスを山下が何度も跳ね返せば、ハイボールに対して圍も勇敢に飛び出し、ゴールを死守。62分、高木に代えて片山瑛一を投入したロティーナ監督は、システムを3バックに変更。最終ラインに厚みを加えた。69分、FKから得た決定機こそブルーノ メンデスのヘディングが枠を捉えることができず、追加点のチャンスを逃したセレッソだが、最後まで守備での集中力が切れず、1-0で完封勝利を収めた。
2年前、クラブに初タイトルをもたらす原動力となったのは、当時のリーグ戦で控えに回る選手たちの奮闘だったが、そんな“俺たちのルヴァン”を思い起こさせる熱戦の末に勝利を収めたセレッソが、ルヴァンカップ連勝で勝点を7に伸ばし、Cグループ首位に浮上した。