【Match Review】前後半で大きく変わった一戦。水沼宏太のFK弾で先制も、後半に追いつかれ、3連勝はならず
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■試合データー(選手・監督コメント/トラッキングデーター/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2019-07-06-19/
リーグ後半戦のスタートとなったアウェイでのサンフレッチェ広島戦。今季初の3連勝を目指して敵地に乗り込んだセレッソ大阪の先発は、前節と同じ11人。木本恭生がボランチに入る4-4-2で臨んだ。
試合前、勝利を掴む上でのポイントとして、「ボールを持って効果的に動かすこと」と話していたのはロティーナ監督だが、前半はまさにセレッソが試合を支配。ディフェンスラインも高い位置を取って全体を押し上げた中で、相手陣内で質の高いポゼッションを見せる。
2分、丸橋祐介のパスにブルーノ メンデスが裏へ走り、深さを取って広島ディフェンスを押し下げると、3分には、木本のサイドチェンジを受けた松田陸のクロスからブルーノ メンデスがシュート。わずかに枠を外れたが、今度は幅を使った攻撃で広島ゴールを脅かした。15分には、藤田直之のパスを受けた水沼宏太がドリブルシュート。DFに当たって軌道が変わったボールがゴールに向かったが、クロスバーに弾かれた。
セレッソは守備でもリスク管理を徹底。広島に有効な攻撃を許さず試合を進めると、19分、先制に成功する。ブルーノ メンデスが粘って奪ったFKを水沼が鮮やかなキックで直接決めた。その後もチャンスを作ったセレッソは、広島に決定機を与えることはなく、攻守に優位な状態を保ち、前半を終えた。
一転して、後半は広島のペースで試合は進む。より高い位置からプレスに来る広島に対し、セレッソは全体が下がってしまい、広島の両ウィングバック、ハイネルと柏好文に高い位置を取られてしまう。幅を使われ、シンプルなクロスからパトリックの強さを生かした攻撃でゴールを脅かされると、66分に失点。ペナルティーエリア内まで進入してきたハイネルのクロスにパトリックにヘディングで合わせられ、ネットを揺らされた。73分、今度は左サイドの柏のクロスから再びパトリックにヘディングを許したが、ここはポストに救われた。
77分、ロティーナ監督はたまらず、高さと強さを兼ねた山下達也を投入。守備のテコ入れを図ると、79分、広島の城福浩監督は皆川佑介をピッチに送り、システムを4-4-2に変更する。86分、セレッソはその皆川にシュートを打たれたが、枠の外に飛んだ。
後半は思うように攻撃の形を作れなかったセレッソだが、51分、水沼のスルーパスに抜け出したブルーノ メンデスが鮮やかな切り返しから放ったシュートは決定的な形だった。惜しくも枠を捉えることができなかったが、セレッソとしては、ここで広島を突き放す2点目が欲しかったところ。結局、このシーンが後半、唯一のシュートとなり、後半は攻め手を欠いた状態で試合を終えた。
成長を遂げているビルドアップから好機を量産した前半と、守勢に回った展開から盛り返すことができなかった後半。収穫と課題が内包された一戦は、「妥当な結果」(ロティーナ監督)でもあった。セレッソとしては、今季初の3連勝こそ逃したが、敵地での難しいゲームで獲得した勝点1を次につなげるべく、次節からのホーム2連戦に挑む。