【Match Preview】4位に食い込むため、来季へつなげるため、良い形で終えたい“ロティーナ体制”1年目の今季最終節
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今季のJ1リーグもいよいよ最終節。ロティーナ監督1年目の今季、右肩上がりで成長を遂げてきたセレッソ大阪は、大分トリニータのホームに乗り込んでの一戦となる。
ホーム最終戦となった前節、セレッソは清水エスパルスに先制されるも水沼宏太が同点ゴールを決めると、柿谷曜一朗が逆転弾。試合後に行われた藤本康太の引退セレモニーに華を添えると同時に、ACL出場権獲得の可能性がある4位に食い込む可能性も残す、貴重な勝点3を積み上げた。最終的な順位は他クラブの結果次第ではあるが、まずは今節、4位に入るためにはセレッソが勝点3を得ることが絶対条件。「自分たちができることに集中したい」とロティーナ監督も話す。
前々節のヴィッセル神戸戦ではビルドアップに苦しんだセレッソだが、前節は試合開始から左サイドを中心に優位な形でボールを保持すると、終始、自分たちのペースで試合を進めることに成功。その中心にいたのは、前節、リーグ戦9試合ぶりに先発復帰を果たした清武弘嗣。丸橋祐介、柿谷との連係はセレッソの武器であることが改めて証明された。その清武にとって、今節は故郷での凱旋試合。「すごく楽しみ。今でも応援してくれている大分のサポーターも多い。感謝の気持ちも込めて、しっかり戦いたい」と話す背番号10のプレーに注目したい。
今節もボール保持から相手の隙を突いていきたい一方で、片野坂体制4年目の大分も、ボールをつないではがす攻撃は成熟の域に達しており、セレッソとしては我慢の時間はしっかりと我慢することが大切。ボール保持にこだわるだけではなく、守備を固めた中から、相手を裏返す速攻も織り交ぜて試合を進めていきたい。
その守備は、現在25失点とリーグ最少をキープ。08年に大分が打ち立てた18チーム制でのJ1リーグ最少失点記録(24失点)こそ抜くことができなくなってしまったが、ロティーナ体制1年目でのこの堅守は胸を張れる。今節も集中力を高く保ち、大分の攻撃を封じ込めたい。
4位に食い込むため、来季へつなげるため、勝利で今季を終えたいセレッソにとって、もう一つ、戦う理由が生まれた。試合2日前、「大熊清チーム統括部長と今季の契約満了後、来季の契約���更新しないことで合意した」ことがクラブから発表された。J2に降格した15年に強化部長として就任された大熊氏。16年は、チーム統括部フットボールオペレーショングループ部長と監督を兼任する形でチームをJ1へ押し上げた。17年は再びチーム統括部長に戻り、クラブ初のタイトルを含めた二冠獲得に貢献され、18年も7位、今季もここまで5位と安定したセレッソを築くことに尽力された。目には見えないところでも、人と人とのつながりを大切にされた大熊チーム統括部長。現場だけではないクラブ力、クラブの幹を太くするべく奔走されてきた大熊氏を感謝の気持ちで送り出すためにも、是が非でも勝利を掴み取りたいシーズン最終節となる。
Q:今節について
「すごく重要な勝点3を懸けて戦う試合。我々はまだACLに出場できる可能性も残っている。他クラブの結果次第な面もあるが、我々は、自分たちができることに集中したい。もっとも、相手の大分トリニータも素晴らしいチーム。勝つことが難しい相手との試合になるので、よりアラートな状態で試合に入ることが重要。両チームともボールを持っているときに強みを発揮する。どちらがより、効果的にボールを動かしていけるかが勝負のカギを握る」
■清武弘嗣選手
「今季、最初は厳しい時期もありながら、そこを乗り越えて、ここまでうまくやって来ることができた。来季につなげていくためにも、いい形でシーズンを終えたい。それに、今節で勝てば、まだACLに出られるチャンスも残っている。そこも目指して戦いたい」
Q:故郷での一戦となるが?
「すごく楽しみです。セレッソのサポーターと同じぐらい、僕が海外に行ったときも応援してくれていた大分のサポーターも多いので、感謝の気持ちも込めて、しっかり戦いたいです」
■瀬古歩夢選手
「最後、勝って終わって、いい形でシーズンを締めくくりたい。まだ4位の可能性も残されているので、そこに向けて、いい準備をして試合に臨みたい」
Q:個人としては、トップチームではルヴァンカップのアウェイ大分戦から始まった今季。最後も大分とのアウェイ戦で締めることになったが、今季1年については?
「確かに、大分のアウェイで始まって、大分のアウェイで終わる。何か持っているのかな(笑)あの試合では負けてしまったので、今回は勝てるように準備したい。今年1年、充実した1年でしたけど、満足しているかと言えば、していません。来年はもっと上を目指してやっていきたいと思います」