■試合データ(選手・監督コメント/写真/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2020-09-16/
前節の横浜F・マリノス戦から中2日。セレッソ大阪は、ヴィッセル神戸がAFCチャンピオンズリーグに出場する関係で前倒し開催となった明治安田生命J1リーグ第25節・ヴィッセル神戸戦に臨んだ。
過密日程のアウェイ連戦。試合前、「いくつかのポジションはローテーションする必要がある」と語っていたロティーナ監督だが、前節から3人、先発を変更。片山瑛一、清武弘嗣、坂元達裕に代えて、丸橋祐介、柿谷曜一朗、西川潤をピッチに送った。西川にとっては、これがリーグ戦におけるプロ初先発となった。
前半、セレッソは、アンドレス イニエスタが先発復帰した神戸にボールを握られ、守勢に回る展開が続いたが、いつものように、中央を固めた[4-4-2]の3ラインで対抗すると、10分、柿谷がボールを運んでスルーパス、都倉のシュートはヒットしなかったが、チャンスを作る。33分にも、カウンターから好機。奥埜博亮のパスに抜け出した都倉が得意の左足でシュートを放つが、GKに止められる。この直後、詰めた都倉が振った足がGK前川 黛也の顔に入り、都倉が1発退場。セレッソは、10人での戦いを強いられることになった。
この後、ロティーナ監督の決断は早かった。ボランチで先発した木本恭生をDFラインに落とし、3バックを形成すると、41分には、西川に代えて片山を投入。守備時は後ろが5枚になり、中盤はレアンドロ デサバトを中央に、左に奥埜、右に片山の3枚。前線に1トップ・柿谷を配置する[5-3-1]にシフトチェンジして、前半を終えた。
「相手のスペースをなくすこと」(ロティーナ監督)を狙いとして変えたシステム。選手たちも呼応し、しっかりとスペースを埋め、神戸に隙を与えない。もっとも、守備に意識が傾く分、攻撃の回数は減り、シュートまで持っていく時間を作ることができない。それでも「1つ、2つ、チャンスはあると思っていた」(柿谷)と、虎視眈々と狙っていた得点が、62分に生まれた。丸橋が蹴ったFKのこぼれ球。レアンドロ デサバトが相手をうまくかわしてクロスを入れると、合わせたのは柿谷。「タイミングも、パスの質も、自分の動き出しも全部がかみ合った」(柿谷)ヘディングがネットに突き刺さり、1人少ないセレッソが先制に成功した。
この得点により、さらに守備での集中力が増したセレッソ。ボールこそ神戸に持たれるも、危険なスペースには入らせず、決定的なシュートは許さない。神戸に決定機を作らせず、時計の針を進めると、90+6分には、喜田陽が交代でピッチに入り、J1リーグデビューを飾った。試合はこのまま1-0でセレッソが勝利。ロティーナ監督の狙いを遂行した選手たちが、見事、集中力の高い守備を披露。そして、桜の背番号8が値千金の決勝点を叩き込み、リーグ戦6連勝を達成した。この日、試合がなかった首位・川崎フロンターレとの勝点差を『5』に縮めることにも成功した。