【Match Preview 横浜FC戦】前節、掴んだ良い流れを加速させるために、ホームに戻り、連勝を目指す
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この結果、順位も4位に浮上。上位との勝点差も縮まった。3位の名古屋グランパス、2位のガンバ大阪ともにセレッソより消化試合が1試合多いことを考えると、セレッソとしても、十分に上位を狙える位置に付けている。そんなシーズンも終盤に差し掛かった今月27日、契約満了により、ロティーナ監督の今季限りでの退任が発表された。この2年、新たなスタイルに取り組み、試行錯誤の中から1戦1戦、積み上げてきたチームにとって、ここからの残り5試合は、その集大成にもなる。前節の試合後、「ACL圏内に何が何でも入りたい。僕たちがやってきたことが間違っていなかったことを証明したい」と話したのはキャプテンの清武弘嗣だが、この言葉はチームの総意だろう。
横浜FCをホームに迎える今節も、狙うは勝利のみ。アウェイで行われた第1クールでの対戦では、前半に清武が先制点を決め、後半にもブルーノ メンデスが追加点。終盤に1点は返されたが、2-1で勝利している。もっとも、昇格1年目ながら、しっかりとボールを保持して主導権を握る戦い方にブレがない横浜FCは、決して侮れない相手。セレッソとしては、前節と同様、自分たちの時間帯にしっかりと先制点を奪い、試合を優位に進め、ゲームをコントロールしていきたい。
今節を前に、試合の前日会見に応じたロティーナ監督は、「今、手の届くところに目標があるので、お互い、団結して残りの試合を戦って、手が届くところにある目標に向かって戦っていきましょう」とファン・サポーターに呼びかけた。「セレッソの歴史に刻むために、2位で終わりたい思いはみんなが持っています。個人的にも、17年の3位を越えたい思いもあります。最後まで、残り5試合、全勝できるように、1試合1試合、勝っていきたいと思います」と話したのは、チーム生え抜きの木本恭生。チーム全体が一つになって向かうシーズンの最終盤。何よりもまず今節。前節、掴んだ良い流れを加速させていくために、ホームで連勝を狙う。
Q:5試合ぶりの勝利を受けて迎える今節に向けて
「前節の勝利は重要でした。悪い流れを切ることができました。それはサッカーにおいて重要なことです。上位は接戦なので、勝点を取れるだけ取ることができればいいと思います」
Q:横浜FCは、ビルドアップにこだわりがあり、タックル数も少ない。ロティーナ監督が率いるセレッソ大阪とも共通していると思うが、相手をどう分析し、試合のポイントは?
「昇格した後のシーズンですが、素晴らしいシーズンを送っています。おっしゃるように、ビルドアップでも、守備でも、攻守において、機能しているチームだと思います。我々のアイディアは、いつもと変わりません。もちろん、試合の中では何が起こるか分かりませんが、我々のアイディアを表現し、実現していくことが重要だと思います」
Q:昨日、クラブから“今季限りでの契約満了による退任”が発表されました。監督の思いを聞かせて下さい。
「クラブには満足していました。プロジェクトも良くなってきていると思っていましたが、クラブが決断したことなので、受け入れる必要はあると思っています。クラブとの関係も良好でしたし、選手たちともいい関係を築けていました。また、サポーターともいい関係を築けていたので、悲しい気持ちはあります。ただ、それはクラブの決断なので、プロとして受け入れるべきですし、今、クラブや選手、特にファン・サポーターの皆さんにメッセージを送りたいのは、『今、手の届くところに目標があるので、お互い、団結して残りの試合を戦って、手が届くところにある目標に向かって戦っていきましょう』ということです。ファン・サポーターに特に伝えたいのは、応援に来て下さることで、選手たちもモチベーションも高まりますし、我々にとって、目標に向かって戦うために、サポーターの応援というものは、とても重要であり、必要なモノだということです。良いプレーができていないこともあるので、応援したくなくなることもあったと思いますが、選手たちはこの1年間、素晴らしい姿勢で戦ってきました。結果が出ても出なくても、素晴らしい姿勢でトレーニングしています。そういったことができるのも、ファン・サポーターの応援があってのことです」
Q:試合が残っているので総括するのは早いと思うが、“これまでのセレッソ大阪で、J1で指揮を執って来られた監督の中で、最も勝率が高い”という結果が残っています。この2年間、チームに戦術や勝利に対する意識を植え付けられた、という思いはお持ちでしょうか?
「そうですね。セレッソでできた仕事には満足しています。ただ、おっしゃるように、大事な試合が残っており、大事な目標も残っているので、2年間を総括するのはまだ早いと思います。今、喋り過ぎることは、選手、サポーターが目の前の試合に集中していることへの邪魔になると思うので、またシーズンが終わってから総括したいと思います。クラブは今年、コロナウィルスの危機により、予想していた収入を得ることができませんでした。順位が上になればなるほど、クラブは収入、賞金を得ることができる。我々の義務は、チームをできるだけ上の順位で終えるために、精一杯、努力することです」
Q:お話を伺っていると、監督本人は「来年もセレッソで仕事を続けたい」という思いがあったと思いますが、クラブから、来季の契約を結ばないことについて、どのような説明があったのでしょうか?
「2年間の契約が満了する、ということです。それについて(クラブが)特に説明する必要はないと思いますし、特に自分も説明を聞きたいとは思いません。クラブには決断する権利があって、クラブがそういう決断をした、ということ。それを受け入れて、次に進むだけだと思っています」
Q:2位に入ればクラブの歴代最高順位になりますが、そういった目標に向けて、シーズン終盤への思いを聞かせて下さい。
「それは素晴らしいことです。難しいことも分かっていますが、可能性がある、ということも分かっています。我々スペイン人にとって、クリスマスはとても重要で、クリスマスがなくなることは、我々家族にとって、とても大きなことですが、それ以上に、2位になって、挑戦する大会があるこということは、私にとって大きなことで、素晴らしいことだと思っています」
■木本恭生
Q:勝っても負けても次の試合へ向けて集中することは変わらないと思いますが、前節、5試合ぶりに勝利したことでの影響について
「前節の前に4試合、勝てなくて、チームとして少し自信を失っているのかなという思いもあって、個人的にも、少し気持ち的に落ち込む時期もあったんですけど、やっぱり勝利は自信をもたらしてくれますし、『今のサッカーは間違っていない』という証明もできたと思うので、次に向けて自信になる勝利だったと思います」
Q:「やってきたこと」という意味では、前節は相手の攻撃に応じてディフェンスの枚数も変わるなど、戦術的にもうまく対応できた?
「そうですね。相手の長所を消しながら戦えました。相手はいい攻撃をするチームだったので、それを出させない守備はできたと思います。少しボールを持たれる時間は長くなりましたが、我慢強く、失点せず戦えた。勝てなかった時期は、簡単に失点してしまうことがありましたが、前節は苦しい時間も集中して守れたことが、勝利できた要因なのかなと思います」
Q:今節に関しては、前節よりボールを持つ時間を長くしたい気持ちもあると思いますし、一方で、今節の相手もビルドアップに特長があります。守備も大事になりそう?
「そうですね、自分たちもボールを持ちたいですけど、相手もあることなので。相手もビルドアップに特長があるチームですし、ボールを握られる時間もあると思いますが、そこをうまくみんなで守って、前の試合よりはボールを持つ時間は増やしたいなと思います」
Q:横浜FCはデータで見ると、タックルの数が少ない。セレッソとも似ていると思うが?
「タックルが少ないということは、余計なファウルをしない、ということだと思う。それは自分たちとも似ている。(相手のファウルが少ないということは)自分たちのセットプレーの回数は減ってしまうけど、少ない機会でも生かしていきたい。自分たちも、無駄なファウルをしないことも大事です」
Q:2位になればクラブ最高順位になります。そのあたりの思いや、そういった話は、選手同士でもしている?
「セレッソの歴史に刻むために、2位で終わりたい思いはみんなが持っています。チームの中で、そういう話題は出ていませんが、各選手、思いもあると思いますし、個人的にも、17年の3位を越えた���思いもあります。最後まで、残り5試合、全勝できるように、1試合1試合、勝っていきたいと思います」
■藤田直之
Q:以前、勝てない時期が続いていた時でも「1戦1戦、目標に向かってブレずに戦うことが大事」という話もあったが、やはり勝利がチームに与える影響は大きい?
「もちろん、勝ちがない試合が続いていた中で、一つ勝つことは、チームにまた自信を与えて、勢いをもたらしてくれます。前節を勝ちで終えることができたことは、残りの試合に挑む上で、大きな勝点3だったと思います」
Q:前節は、守備の枚数が状況に応じて変化したり、坂元達裕選手が中でプレーしたりと、戦術的にも幅ができた?
「前節に向けて準備してきた中での形でした。そういう意味では、みんなで準備してきたことを、グラウンドで表現できたと思います」
Q:横浜FCもビルドアップに特長があるチームですが、今節のポイントは?
「毎試合そうですが、今回も、相手の対策やストロングを消す練習もしましたし、彼らの弱みを突く準備もしたので、練習でやったことを、いかに僕たちが表現できるかが大事になると思います。ただ、練習してきた通りに相手が動くわけではないので、そのあたりは、実際の試合の中で、個々で考えて、臨機応援にプレーすることも必要になると思います」