■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2021-05-23/
ヨドコウ桜スタジアムへ移行前、最後のヤンマースタジアム長居での一戦となった今節。バックスタンドには、「THANK YOU TO ALL~全てのセレッソファミリーに感謝を」のメッセージが掲げられ、惜別の思いが込められた。
前節のヴィッセル神戸戦から中7日で迎えた今節。セレッソ大阪は、高木俊幸と新井直人が先発し、清武弘嗣をトップ下に置く[4-2-3-1]でサンフレッチェ広島を迎え撃った。序盤、勢いよく試合に入ったのはセレッソ。開始30秒、高木のパスをファーサイドで加藤陸次樹が折り返し、奥埜博亮がシュート。6分にも、清武のパスから奥埜が裏を狙った。
ただし、次第に広島に主導権を握られると、10分、柏好文のミドルシュートを受ける。ここはGKキム ジンヒョンが防ぐと、17分にも柏に右サイドを突破されたが、クロスが中と合わず、事なきを得た。26分、高木のパスに抜け出した加藤がシュートに持ち込む場面もあったが、広島のペースは変わらず、35分にも決定的なピンチを招く。FKから野上結貴に放たれたヘディングが際どいコースに飛んできたが、キム ジンヒョンがギリギリ右手で触って失点を阻止。38分の藤井智也のシュートもキム ジンヒョンが弾くなど、前節、J1通算300試合を達成した守護神の活躍が目立った前半となった。
後半は、チアゴが負傷で交代、CBの一角に瀬古歩夢が入る。前半はチャンスを作り切れなかったセレッソだが、47分、試合を動かすことに成功。清武のCKをGKの前で競った奥埜が、DFに当たってこぼれたボールを押し込んだ。劣勢の展開で掴んだ先制点で試合を優位に進めていくかに思われたが、リードも束の間、50分、広島にCKから同点に追い付かれた。
すると、59分、今度はカウンターから浅野雄也に決められ、広島に逆転を許してしまう。
この場面では、直前に瀬古のシュートが相手DFの腕に当たったとして、セレッソの選手が猛アピール。一瞬、プレーを止めてしまった隙を突かれた形となった。その後、該当シーンがハンドか否かを巡り、VARが介入。他にもいくつかの事象にチェックが入り、試合は5分ほど中断したが、結局、判定は覆ることなく広島のゴールも認められた。
66分、レヴィー クルピ監督は原川力と豊川雄太を同時投入。反撃に出ると、82分には西川潤と丸橋祐介も入れて、交代カードを使い切った。選手の配置を変えつつ最後まで果敢に同点を目指したセレッソだったが、広島の守備を崩すことはできず、タイムアップ。ヤンマースタジアム長居のラストマッチを勝利で飾ることはできなかった。攻守に課題が残った一戦を振り返り、「攻撃がうまく機能していない責任は私にある。もっともっと決定機を多く作れるサッカーを目指していきたい」と語ったレヴィー クルピ監督。次節は中2日で調子上向きの鹿島アントラーズとのアウェイ戦。この難局をチーム一丸で乗り越え、流れを変える大きな一勝を掴みたい。