■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2021-05-30/
中3日でのアウェイ連戦となった今節のベガルタ仙台戦。2分3敗と結果を出せずに苦しんだ5月を勝利で締めくくるべく挑んだセレッソ大阪は、今季初の3バックを採用。瀬古歩夢、チアゴ、ダンクレーが後ろで並び、アンカーに原川力。両サイドの松田陸と丸橋祐介が高い位置を取り、清武弘嗣、坂元達裕、奥埜博亮が中央を流動的に動き、トップの位置にアダム タガートが入り、フィニッシュを狙った。
並びを試したのは「試合前日」(坂元)という急ごしらえの布陣ではあったが、「選手たちの持っているポテンシャルを引き出したい」というレヴィー クルピ監督の強い決意の下で採用された形は、まずまず機能。序盤からボールを保持しながら全体を押し上げ、両サイドも高い位置を取ってクロスまで持っていく。中盤では、清武が相手の間に入ってボールを受け、背後を狙う。23分、清武のパスを受けたアダム タガートが持ち込んでシュートを放つと、24分にも松田陸の鋭いシュートがゴールを襲った。もっとも、ボールは支配するも、なかなか仙台の組織された守備を打ち破れずにいると、つなぎのミスを突かれ、カウンターから2度、クロスバー直撃のシュートも浴びた場面もあった。
「ハーフタイムに『どんどんゴールを狙っていこう』という話はした」(坂元)と改めてゴールへの強い意欲を確認してピッチに入った後半。49分、坂元が右サイドからカットインしてシュート。攻撃のスイッチを入れると、続く53分、先制に成功する。坂元がファウルを受けて得たFK。原川のキックに合わせたのはチアゴ。頭でうまく合わせてゴールにねじ込んだ。これが嬉しい加入後初ゴールとなったチアゴは、72分にも今度はCKから決定的なヘディングを放ったが、ここはGKにセーブされた。このこぼれ球を途中出場の大久保嘉人が蹴り込んだが、再びGKに防がれる。セレッソは78分にも、清武のパスに抜け出した坂元が決定機を迎えたが、シュートはまたもGKの好守に遭う。
試合を決定付ける2点目を奪えずにいると、79分に痛恨の失点。左サイドからのクロスにファーサイドで角度のないところからマルティノスに押し込まれた。それでも最後まで勝利を諦めないセレッソは、後半アディショナルタイム、キム ジンヒョンから素早く出たパスをチアゴが前線の清武へつなぐ。清武がドリブルからカットイン。昨季、ユアテックスタジアム仙台で決めた決勝点を彷彿とさせる、右足で巻いたシュートを狙ったが、わずかに枠を外れた。終了間際、セレッソは藤田直之のロングスローをGKにキャッチされ、カウンターを浴びると、最後はあわやPKという場面もあったが、ここは笛が鳴らず、事なきを得た。
試合はこのまま1-1で終了。今節はここ数試合に比べるとチャンスの数も多く、新たに試したシステムは今後への期待を抱かせた。ただし、今節も先制した展開を生かすことができず、勝点は1止まり。収穫と課題の両方が残った。リーグ戦の次節は7月17日、ヨドコウ桜スタジアムのこけら落としとなる第20節のヴィッセル神戸戦だ。新たなホームで巻き返しを図りたい。