■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2021-06-09/
改修されたヨドコウ桜スタジアムで行う初めての公式戦となった天皇杯2回戦・ガイナーレ鳥取戦。セレッソ大阪は、直近のリーグ戦、明治安田生命J1リーグ第17節・ベガルタ仙台戦のシステムを継続。3バックの前に原川力をアンカーで置く[3-5-2]で臨んだ。キム ジンヒョンが韓国代表に選出されて不在のGKは、ダン バン ラムが先発。セレッソでのデビューを飾った。
未勝利が続くリーグ戦の流れを変え、今月末から始まるACLへ向けて弾みを付けたい一戦。火を付けたのは、大久保嘉人。5分、瀬古歩夢、丸橋祐介、清武弘嗣とつないで左サイドで崩すと、最後は清武のクロスにファーサイドでDFに競り勝ち、ヘディングでゴールへ流し込んだ。この日が39歳の誕生日となる自身を、そして、ヨドコウ桜スタジアムの船出を祝う見事なゴールを決めてみせた。
その後もセレッソがボールを握って試合をコントロール。7分、再び左サイドを起点にチャンスを作ると、31分に追加点。瀬古のサイドチェンジを受けた松田陸が狙いすましてクロスを上げると、ニアで合わせたのは奥埜博亮。この試合では、清武、原川と中盤でトライアングルを築いていた奥埜が、この場面では、スルスルと前へ飛び出し、得点力を発揮した。32分にも、相手DFのクリアミスを拾った加藤陸次樹がシュートを放つと、45分には、瀬古のフィードを大久保が落とし、抜け出した加藤がゴールネットを揺らしたが、わずかに加藤がオフサイド。守っても、鳥取に決定機を与えなかったセレッソ。唯一、カウンターからピンチを招いた21分のシーンでは、チアゴが1対1で抜群の強さを発揮。相手の突破を食い止めた。
後半は、2枚替えも含めて攻勢を強めてきた鳥取の攻撃を受ける展開となったセレッソ。46分にはサイドを崩され、決定機を許したが、ここは最後のシュートがクロスバーを越え、事なきを得た。その後も前半とは打って変わり、鳥取にボールを握られる時間帯が続く。それでも、セレッソも守備時は[5-3-2]でブロックを作って対応。クロスはしっかり中で跳ね返し、奪ったボールを素早く前に運び、3点目を狙った。71分には、今度はレヴィー クルピ監督が2枚同時交代。加藤と、この試合は3バックの一角で先発した西尾隆矢に代えて、豊川雄太と高木俊幸を投入し、システムも[4-4-2]に変更した。
82分には、大久保に代わって、ケガで戦列を離れていた中島元彦が入り、J1第13節・名古屋グランパス戦以来となる復帰を果たすと、中島が右サイドに入り、清武がトップ下に入る[4-2-3-1]に。85分には、高木が前からプレスをかけ、こぼれたところを豊川が詰めたが、シュートはわずかに枠を外れた。終盤は中島が起点となって何度もチャンスを作ったセレッソだが、3点目は奪えず。それでも、前半で得た2点のリードを生かして危なげなく勝利。改修されたヨドコウ桜スタジアムの初戦を見事に飾り、天皇杯3回戦進出を果たした。