【8/25 湘南戦】Match Preview
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≪リーグ戦2連勝を目指す今節。調子を上げてきたFW陣のゴールにも期待≫
ホーム2連戦となる今節の明治安田生命J1リーグ第26節。セレッソ大阪は、リーグ戦2連勝を目指し、ヨドコウ桜スタジアムに湘南ベルマーレを迎える。前節の横浜FC戦、セレッソはリーグ戦では12試合ぶりとなる待望の勝利をつかんだ。19分に先制されるも、34分、37分と連続してセットプレーからチアゴがヘディングでゴール。
マークに付いた相手DFをはじき飛ばして決める、チームを勇気づける2得点だった。システムを[4-4-2]に変えて臨んだ後半は、攻撃陣が躍動。逆転後に投入された豊川雄太が前からのプレスと背後への飛び出しで勢いを与えると、55分には、清武弘嗣のスルーパスに坂元達裕が抜け出して3点目。試合を決定付けた。その後は相手に退場者も出る中、4点目を目指しつつ、後半は無失点でしのぎ、3-1で逆転勝利。試合後は、「とにかく勝利だけが必要な試合で、得点に関わることができて良かった」と坂元も安堵の言葉を残した。もっとも、まだまだ一息つくことはできない。今節対戦する17位・湘南との勝点差は『8』。今節の結果次第では下位に吸収される可能性もあるだけに、前節に続き今節も必勝態勢で臨むことに変わりはない。アダム タガート、加藤陸次樹、豊川らFW陣も揃って調子を上げてきているだけに、今節も果敢にゴールを目指し、勝利をつかみたい。
湘南とは、第6節での対戦時はスコアレスドロー。天候不順で台風並みの強風が吹き荒れる難しいピッチコンディションではあったが、相手の守備を崩すことができず、無得点に終わっている。今節も、守備時は後ろが5枚で堅く守る相手をどう打開していくか。前節と同様、セットプレーも有効活用しつつ、ゴールをこじ開けていきたい。湘南の攻撃で警戒すべきはFWウェリントンの高さ。ヘディングの強さはJ1リーグでも屈指であり、セレッソとしては中でしっかり体を寄せること、クロスを簡単に上げさせないことを徹底したい。遠い位置からでもゴールの枠に飛ばす威力もあるだけに、一瞬たりとも油断はできない。サイドでの攻防、ペナルティーエリア内での空中戦で負けないことが重要だ。また、サイドだけではなく、中央をパスで崩してくる力もあるだけに、中を���単に割られないことも心掛けたい。
今週は、今節のあと中2日でガンバ大阪とのアウェイ戦も控えている。“大阪ダービー”に勢いを持って臨むためにも、今節が持つ勝利の意味は大きい。天皇杯ラウンド16から続く公式戦3連勝を達成し、さらなる上昇気流に乗っていきたい。
≪試合前日コメント≫
■レヴィー クルピ監督Q:今週も週2試合の連戦です。今節、湘南ベルマーレ戦のあと、次節は中2日でガンバ大阪との大阪ダービーも控える中、今週のチームマネジメントについて
「大阪ダービーは、皆さんもご存知のとおり、大阪のプライドを懸けた重要な戦いです。ダービーが重要な一戦であることは間違いありません。ただ、リーグ戦においては、どの試合も同じ勝点3をかけた戦いです。そうした意味では、重要度はダービーでも他の試合でも変わりません。いつも言いますが、チームを大きく変えることは、フィジカル的にはフレッシュな選手がいる分、走る距離が増えることはあるかも知れません。ただし、走る距離は増えても、チームとして機能しない可能性もあります。そうしたことを考えると、チームを大きく変えるのではなく、なるべくベースを維持したまま、ということは、明日の試合に向けても言えます」
Q:豊川雄太選手も戻ってきて、前線はいい競争ができているのでは?
「おっしゃる通り、トヨも含め、アタッカーの選手たちがいい競争をしています。試合中に選手交代によってバランスを維持することも変えることもできます。ひとりの選手が入ることでチーム力をアップさせることもできます。トヨも含めて、攻撃のカギを握る選手がいいポジション争いをしています」
Q:大久保嘉人選手も間もなく復帰できそうですか?
「そうですね。復帰は近いです。嘉人は経験豊富な選手ですが、その分、年齢を重ねているということもあって、復帰に向けたプロセスは、より慎重にしないといけません。ただ、いずれにせよ、復帰は近いことは間違いありません」
Q:前節は逆転での勝利だったが、先制されても逆転できたことは自信になった?
「先制点に関しては、相手のFWが精度の高いフィニッシュを決めた部分もあります。我々が無失点で抑えようと思っていても、そういう��で失点してしまうことがサッカーの面白さでもあります。当然、我々は先制されても勝利を目指して戦いました。その中で逆転勝利できたことは大きな自信になりました。それは間違いなく言えます。今節もホームで戦えるとあって、サポーターの皆さんの力も借りながら、サポーターの皆さんと勝利を分かち合える試合をしたいと思います」
Q:天皇杯ラウンド16のサガン鳥栖戦では3バック、前節の横浜FC戦では3バックでスタートして途中から4バックに変更。今後も対戦相手によって、両方のシステムを併用していく?
「後ろが3枚か4枚か、相手によって変える選択肢はあります。ただ、システムを変える上で一つ大きな問題があって、連係の部分です。チームとして長くやっているシステムと、連係の高まっていないシステムがあります。相手によってふさわしいシステムがあるとしても、それが機能するかどうかも考えないといけません。もちろん、理想としては、どちらのシステムも完成度を高めていくことです」
■瀬古歩夢
Q:チアゴ選手との連係も含めた現在の守備について
「自分がJリーグに戻ってから、仙台戦では無失点で抑えて手応えも感じたんですけど、その後、福岡戦と横浜FC戦で失点が続いている中で、2人の間でも、コミュニケーションをもっと取らないといけないと思っています。喋れば改善できる点も多かったので、そこはもっと意思疎通を図れるようにやっていきたいです」
Q:チアゴ選手の特長は、昨年コンビを組んでいたマテイ ヨニッチ選手とも違うと思います。彼の良さと、その良さを出すために心掛けていることは?
「人に行く強さは彼の武器です。その良さを出すためにも、自分がよりカバーすることも大事。『カバーするから行っていいよ』とは常に言っています。そのためにも、自分がもっと喋ることが必要です。コミュニケーションを取ることを大事にやっていきたいです」
Q:今節について。相手のメンバーは分からない部分もあるが、前節と同様であれば、ウェリントン選手が湘南のターゲットになると思うが、現時点でイメージしていることは?
「コンディションも良さそうなので、どう抑えるか、自分の中でイメージは持っています。ただ、ウェリントン選手だけにフォーカスし過ぎると、他の選手が空いてきます。そこは試合状況を見ながら、マークに付いた方がいいのか、周りの選手をケアした方がいいのか、試合状況を見ながら見極めていきたいと思います」
Q:確かに湘南は下から崩して攻めてくる力もあります。そうした中でもう一度、ウェリントン選手に話を戻すと、遠めからでもヘディングを枠に飛ばす力は高いが?
「そうですね。自分が1年目のとき、彼がヴィッセル神戸にいたときも対戦していますが、シンプルに体が強いですし、遠いところからでもヘディングを枠に持っていく首の強さは、Jリーグでも並外れていると思います。だからこそ、遠くにいるからマークを離してもいい、というのではなく、いつでも体をぶつけられるようにして、うまく競らせないようにすれば、失点も防げると思います」
Q:東京五輪でともにプレーした谷晃生選手とは昔から切磋琢磨してきたと思うが、五輪後に、何か今後に向けて話をしたことはある?
「昔からずっとやっている選手なので、終わった後、特別、何かを話したかと言えば、話してはいないです。晃生はしっかり五輪で試合に出て活躍して、結果も残しました。あいつの中で目指すべき場所は明確になっていると思います。それは自分も一緒です。話さなくても、目指しているところは分かります。なので、特に話したことはないですね(笑)」
Q:改めて、東京五輪は瀬古選手にとってどんな場所でしたか?
「夢と希望が詰まった大会でした。その中で、自分自身は出場できなくて悔しい気持ちもありましたが、その中でも得たモノもあります。それを今後、自分がどう生かしていくかは自分の問題。とても楽しい大会でした」
Q:試合には出られなくても、次に向けて明確になった部分もありますか?
「そうですね。アンダー世代としての大会は終わったので、次はA代表しかありません。この悔しさをぶつけるには、チームで活躍して、もう一度、日本のエンブレムを背負うこと。それが自分にとっての目標になっています。A代表でも(CBで)スタメンを張っている2人は大きな存在ですが、遠くはないと思っています。それは自分次第。あの2人を追い越せるようなプレーを今後のJリーグで見せていかないといけないです。そのために、Jリーグで1試合1試合、大事にやっていきたいです」
Q:東京五輪での活動を通して、連帯感など、チームとして学んだことは?
「サッカーに対する姿勢��そうですし、日常のコミュニケーション能力もそうです。コミュニケーションについては、これまで自分も取ってはいましたが、もっと取れる部分があると感じました。最初の方にも話したように、コミュニケーションを取れば改善できる部分もあります。お互いに思っていることを話して、共有して、プレーに出していくことの重要性は今大会で学ばせてもらいました。なので、それをチーム(セレッソ)に還元していきたいです」
Q:コミュニケーションの重要性という意味では、ピッチ内外のどちらでより感じた?
「両方ですね。試合で起こったことに対するプレーの振り返りをグラウンドでもしていましたし、ピッチ外でも、相手の分析や、自分たちの試合を映像で振り返って改善点を話すことも多かった。そういったことは、セレッソでももっとやっていけば、このチームももっと良くなっていくと思います。試合には出られなかったですが、チーム(U-24日本代表)でみんなと戦っていく中で、感じたことはたくさんありました。セレッソに帰ってきて、そういった部分をどんどん伝えて、還元して、よりチームを強くしていきたいです」
Q:湘南には、セレッソのアカデミー時代の先輩、池田昌生選手もいます。瀬古選手にとってどういう存在ですか?
「兄貴です(笑)小学校から中学校までセレッソで一緒でしたし、小学校のチームも一緒で、中学校も一緒でした。なので、練習の行き帰りはずっと二人でした。もう自分にとっては兄貴です」
Q:J1リーグで対戦することについては?
「考えていなかったので、非常に楽しみです。今は違うチームですが、昌生もセレッソで育って、気持ちが高ぶっていると思います。2人とも大阪で育って、J1で対戦することは家族も嬉しいと思います」
Q:パスがうまいが、昔からあのようなスタイルだった?
「そうですね。昔から何でもできるタイプでした。ドリブルもパスもうまかった。プロになって、より伸びたのではないかと、試合を見ていて思います。いいボールを上げてくるので、しっかり準備して、跳ね返せるようにしたいです」