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【8/28 G大阪戦】Match Preview

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≪再スタートとなる今節。小菊昭雄新監督のもと、チーム一丸で大阪ダービーに挑む≫

1-5で敗れた前節、明治安田生命J1リーグ第26節・湘南ベルマーレ戦の翌日。今季から就任したレヴィー クルピ監督とマテルコーチがクラブと双方合意のもと、 8月26日付けで契約を解除し、退任することになった。「皆さんの期待に応えられるサッカーができず、本当に残念で心苦しい限りですが、人生を歩み続けるしかありません。セレッソの今後の幸運を心から祈っています。素晴らしい時間を共有してくれたこと、本当にありがとう」との言葉を最後に残してチームを離れたクルピ監督に代わって指揮を執るのは、コーチから昇格する形で新指揮官に就任した小菊昭雄。これまで様々な役職でクラブを支えてきた小菊にとって、暫定ではない形での初の監督就任となる。

チームは現在、リーグ戦では7勝9分9敗、勝点30の12位。当面の目標はJ1残留を確実にすること。その上で、一つでも上の順位を目指し、ここからの1戦1戦を戦っていく。小菊新監督にとって初陣となる今節は、勝点で並ぶ宿敵・ガンバ大阪との一戦だ。新指揮官にとっては、いきなりの大一番。試合前日、リモート会見の中で小菊新監督は、「一番負けたくない相手として、常に意識してきた。スタートを切るには最高の相手」と話し、闘志を漲らせた。同じく前日会見の中で坂元達裕も、「このタイミングでのダービーは、凄く大きな試合。小菊監督のもとで、結果だけを求めてやっていきたい」とキッパリ語った。

ここから新指揮官の色がどのようにチームに落とし込まれるか。これまでの経験を活かし、その手腕に期待は高まるが、今節に関しては前節から中2日と、できることは限られている。連戦が続く中、まずは選手たちのコンディションを把握し、メンバーを決める作業が待っている。その上で、どう相手に立ち向かい、勝点3を手繰り寄せるか。戦い方の部分を詰めていくことになる。最初に手を付けるべきは、前節5失点を喫した守備。4バックのままでマークの受け渡しやポジショニングを整備するか。それとも3バックで後ろに人数を割き、しっかりとスペースを埋めて対応するか。やり方も含め、決断していくことになるだろう。とは言え、今節は大阪ダービ��。得点を奪いにいくためには守備ばかりに意識を傾けてもいけない。積極性を発揮し、相手の背後を取り、果敢にゴールを目指したい。

今節からガンバとの公式戦3連戦が待ち受けているセレッソ。その初戦となる今節は、小菊新監督にとって初戦であり、新チームのスタートでもある。選手、スタッフ、サポーター、クラブに関わる全ての人たちが気持ちを一つにして立ち向かい、勝利という最高の結果を手にしたい。

≪試合前日コメント≫

■小菊昭雄監督

Q:これまで代行としては指揮を執られたこともありますが、正式に監督に就任された率直な気持ちはいかがですか?
「私自身、コーチとしての時間が長かったので、素晴らしい監督の下で、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。戦術面もそうですし、トレーニングの引き出しも含め、自分の幅を増やすことができました。そういった貴重な経験をどこかでチームに還元したい気持ちはずっと持ちながら、コーチとして日々、取り組んでいました。実際、監督という立場になって、改めて今までの監督の皆さんの大変さや、やりがいを感じています。この2日間、とても刺激的な時間を過ごさせてもらっています」

Q:監督の打診を受けたのは、いつ、どなたに、どういう言葉で打診された?
「正式に打診されたのは、湘南戦の翌日です。森島社長、梶野部長から、レヴィー クルピ前監督の経緯を説明していただき、『小菊がしっかりとチームを立て直して欲しい』との力強いお言葉をいただきました。私も先ほど申し上げたとおり、気持ちの準備という部分では、自分が監督であればこうするかなとか、こう伝えるかなとか、こういうトレーニングをするかなと、常に考えて取り組んでいましたので、やるしかない、と。今こそチームに経験を還元するタイミングだという気持ちになりました」

Q:改めて、監督を引き受ける決断した理由と、もしくは葛藤などもありましたか?
「このクラブが困難な時ほど自分はそこに立ち向かっていかないといけないという思いは持っていましたし、まさにそのタイミングが今だと思いました。葛藤という部分では、コーチと監督は全く違う職業だと思っていますし、コーチとしての選手との距離感や立ち位置��変えていかないといけないと思っています。そこは自分の中で切り替えるようにしています。ただ、距離を空け過ぎてもダメなので、その辺りはうまく微調整しながら、この2日間やってきたつもりです」

Q:今節・ガンバ大阪戦を迎えるにあたって、中2日ですが、限られた時間の中で選手たちに伝えたことは?
「湘南戦で大敗した後だったので、まずメンタル的なコンディションと、連戦が続いているので、フィジカル的なコンディション。その両方を整えることを意識しました。メンタル的なことに関しては、我々は今、リーグで苦しい状況ですが、ACL、天皇杯、ルヴァンカップ、この3つのタイトルに向かって全員で獲りに行くと改めて強調しました。リーグ戦も、1試合1試合を大切に、少しでも上位に食い込んでいくサッカーをしないといけないと訴えました。フィジカル的なところはスタッフ全員でマネジメントをして、戦術的なことはトレーニングで落とし込む部分は限られていたので、映像を使いながら、チームのデザインを共有したつもりです」

Q:前任のクルピ監督から受けたメッセージはありますか?
「前節の試合後、クルピ監督からは、『自分の中ではチームに全てのことを伝えていたつもり。ただ、今の状況では、自分はこれからクラブと話し合いをしないといけない。(去就が)どうなるか分からないが、万が一の時は、今までどおり、変わらず選手たちとの関係を築いて、多くの監督のもとで勉強してきたことを思い切りぶつけて欲しい』という、有難い言葉をいただきました」

Q:今季、ここまでの課題をどう感じていますか?
「ロティーナ監督のサッカーと、クルピ監督のサッカー。シーズン当初はすごく融合されて、いいバランスのサッカーができていたと思います。ただ、最近はバランスのところをうまく取れずに、攻守両面でバランスの取れたサッカーをする部分で課題があったと思います。特に守備面のところに課題があるのかなと思います」

Q:まず立て直しが求められるが、今後、どういうスタイルを目指したい?
「セレッソと言えば攻撃的なサッカーが信条です。ただ、私はまず守備でハードワークできない選手は使いません。まず守備をしっかりやってこその攻撃だと思います。攻撃に長けた選手が守備も頑張るからこそ、チームが引き締まり、一体感が生まれます。今日のトレーニングでも、清武や坂元が守備のところでハードワ��クしてくれました。私の意図を汲んで取り組んでくれたことに感謝しています」

Q:初陣がガンバとの大阪ダービーになったことについて、心境はいかがですか?
「そうですね(笑)私自身、育成の頃から一番負けたくない相手として、常に意識してきました。子どもたちにも常に言ってきました。その中で、このタイミングで初戦がガンバ大阪で、それも3連戦だと。深い縁を感じます。運命なのかな、という気持ちでいます。スタートを切るには最高の相手なので、凄くワクワクしています」

Q:思いとしては、明日のリーグ戦も来週のルヴァンカップ2試合も落とせない?
「そうですね。私自身は毎日毎日、1試合1試合と考えています。正直、ルヴァンカップは明日の試合が終わってから考えたいと思います。今は明日のリーグ戦のことだけに集中して、準備している段階です」

Q:最初の練習(26日)で、選手たちにはどんな話をされましたか?
「チームを成長させることが監督の一番の仕事だと思うのですが、それと同時に、個人を成長させることも大事だと話をしました。毎日のトレーニングでは、ピリッとバチバチと。ピリピリした雰囲気でやっていきたいですし、1回1回のトレーニング、1対1の球際、攻守の切り替え。そういったところにはこだわってやって欲しいという話をしました」

Q:監督という立場になられますが、これまでの指導者人生で培ってきたことで、監督になってもここは変えたくない、大事にしたい部分は?
「アカデミーでもスクールでも大切にしてきたことは、サッカーを楽しむこと。私自身もそうですし、一生懸命やるからトレーニングも楽しい。全員が一生懸命、取り組むことによって、一体感や充実感を得られる。そこはプロの選手でも、アカデミーの選手でも大切にしてきたつもりですし、これからも大切にしていきたいです」

Q:セレッソで長年、選手たちを見てきた小菊監督だからこそ可能なことはどんなところにあると自身は考えますか?
「セレッソというチームの歴史、哲学。そういったことは、長年、時間を共有してきて、私の中で身に染みています。そこを大事にしながら、セレッソらしくハツラツと攻撃的に。かつ粘り強く、全員がチームのために走り切る、戦う。そういったことを大事にしていきたいと思います」

Q:過去に見てきたチームで���この年のあのチームが理想というイメージはありますか?
「10年のレヴィー クルピ体制も攻撃的で素晴らしいチームでした。ロティーナ監督のデザインされたサッカーも魅力的でした。その中でも、一番勝負強かった、全員が魂のこもった戦いができたのは、ルヴァンカップと天皇杯の二冠を獲った17年です。その3つのシーズンがパッと浮かびます」

Q:これまで数々の監督の元でコーチをされてきましたが、一番学んだ監督をあえて一人挙げるとすれば、どなたですか?
「そうですね(笑)素晴らしい監督ばかりでした。最初の小林伸二さんからスタートして、これまで10人以上の方と一緒に時間を共有させていただきました。それぞれに素晴らしい長所、魅力がありました。そのような魅力ある監督のもとで勉強できたことは財産ですし、この財産を大切にして、クラブに還元しないといけないという思いが強いです。答えにならなくて申し訳ないですが、一人を挙げるのは難しいですね。いい時ばかりではなく、困難な時間も共有してきました。それぞれの長所を自分の引き出しにしまっています。困難な時には必ず理由がありました。そうならないように、しっかりと引き出しの中からどのチョイスすればいいのか、間違えないようにしていきたいと思います」

■坂元達裕

Q:今回の監督交代について、率直な気持ちは?
「クルピ監督のもとで結果を残せなかったことは、チームとしても個人としても悔しいですし、辛いものがあります。監督が責任を取って辞める形を取りましたが、責任は自分たちにもあるので、申し訳ない気持ちと悔しい気持ちが大きいです。これを機に変わらないといけないと思いますし、ここからもっともっとチームとして変わっていかないといけない。小菊監督のもとで、チーム全員で上の順位を目指してやっていきたいです」

Q:坂元選手はここまで今季リーグ戦で6得点5アシスト。個人としては数字も残されています。クルピ監督から学んだことで、今後に生かしていきたいことは?
「ゴールに近い距離でプレーすることは、去年とは違い、クルピ監督に新しく教えてもらって意識するようになった部分です。その結果が、こうしてゴールやアシストの数字が昨季よりも多い形で表れていると思います。その部分はクルピ監督に感謝しています。その中で、あと一歩、チームを勝���せるゴールやアシストでは、まだまだ足りない部分はあったと思います」

Q:小菊監督のもとでの練習は昨日と今日の2日間ですが、監督が強調された部分や、今後どういったチームになっていきそうな手応えがありますか?
「今までの練習では勝点が取れなかったという部分では、チームとして練習の強度がなかなか上がらなかったことがあると思います。自分の印象としてもありますし、みんなも思っていたと思います。そこを小菊監督は、『練習からガツガツやろう』と。『ケガを恐れずどんどんチャレンジして、強度の高い練習をしよう』と言われました。ビビッていたら強度は上がっていかない。もちろん、攻撃的なファウルはダメですが、最後のところで体を張る部分は今のチームに必要なところだと思うので。そこを強く言ってもらったので、チームとして変わっていけたらいいと思います。監督も代わって、チームとしても変わらないといけない中で、守備の仕方、攻撃の流れは、昨日、今日の練習で確認できたので、そこを明日の試合で出せるようにやっていきたいです」

Q:攻守の形について。これまでとはやり方を見直す形になるのか、これまでのいいところは踏襲する形になるのか。
「もちろん、クルピ監督のもとでも、ある程度、形は決まっていましたが、小菊監督になって、より細かく、攻撃でも守備でも立ち位置を意識しています。守備でスイッチを入れるタイミングも、今日の練習で細かく練習しました。立ち位置や選手同士の関係性は、今まで以上に細かく求めてプレーしていきたいです」

Q:まさに強度という部分は大阪ダービーで一番大事になる部分ですが、明日に向けての意気込みをお願いします。
「こういうタイミングでのダービーは、自分の中でも凄く大きな試合だと思っています。明日の結果次第で今後のチームが変わると言っても過言ではないくらい、大事な試合だと思っています。クルピ監督が離れてしまったことは悔しいですが、新しく小菊監督のもとで、明日の大事な試合に向けて、結果だけを求めてやっていきたいです」

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