■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2021-09-05/
ガンバ大阪とのJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝・第2戦。第1戦は0-1で敗れたセレッソ大阪としては、準決勝進出へ向けた条件は勝利のみ。90分で勝ち上がるには2得点以上が必要な試合となった。もっとも、試合前日、小菊昭雄監督が「全員で規律を持って、1試合を通して守備をしっかりやらないといけないと思っています」と語ったように、守備でもアラートに対応しつつ、攻撃に力を注ぐバランス感覚が問われた試合でもあった。
果たして、第1戦から先発5人を入れ替えて臨んだ敵地での第2戦は、まさにプラン通りの展開で試合は推移。6分、カウンターから山田寛人が最初のチャンスを迎えると、その後も敵陣で試合を進め、セットプレーを中心に相手ゴールを脅かす。すると、24分、待望の瞬間が訪れた。喜田陽の縦パスを起点に中島元彦、山田とつなぎ、山田のクロスがクリアされたところを拾った喜田がミドルシュート。これが相手DFに当たって山田の元へこぼれると、右足でうまく止めて左足でシュート。ポストに当たって逆サイドネットに決まった。先制後は、よりパス回しにスムーズさが増すと、32分に追加点。フリーでボールを持ったCBの鳥海晃司が相手DFの背後へ柔らかなパス。斜めの動きで抜け出した山田が収めてシュートを放ち、ポストに当たった跳ね返りを加藤陸次樹がうまく足に当て、ゴールにねじ込んだ。その後は受けに回る時間帯もあったが、守備の強度は高く、ガンバに前半はシュートを打たせず終えた。
後半も立ち上がりからセレッソが攻勢を強めると、54分に決定機。相手のスローインをチアゴが跳ね返し、加藤が収めて山田へパス。山田がDFをかわして放ったシュートはわずかにクロスバーを越えたが、その2分後に3点目。松田陸を起点に右サイドを崩すと、松田陸のクロスが跳ね返されたところを藤田直之がダイレクトでシュート。鋭い弾道がゴールに突き刺さり、セレッソがより優位に立つ。66分には、約10年ぶりにセレッソへ復帰した乾貴士がピッチへ登場。さらに勢いを強めると、68分、乾と同時にピッチに入った松田力が高い位置で相手DFからボールを奪い、そのままシュートに持ち込みゴール。松田力にとっては嬉しい加入後初ゴールとなり、セレッソが試合を決定付けた。
注目の乾は、試合終盤、立て続けに見せ場を作った。85分、鮮やかなダブルタッチで相手を抜き去りドリブル突破。86分には、左45度から巻いたシュートを放ってゴールを脅かすと、アディショナルタイムにも巧みな右足アウトサイドでのパスでチャンスを作るなど、短時間で技術の高さとアイディアを披露した。守備でも危なげなく試合を進めたセレッソ。87分に迎えた相手の決定機では、キム ジンヒョンが好セーブで失点を回避。「何点入っても失点はしたくなかった」と無失点で締めた。試合はこのまま4-0でセレッソが勝利。第1戦の敗戦を敵地で取り返したセレッソが、2戦合計4-1でルヴァンカップ準々決勝を突破し、浦和レッズとの対戦が待つ準決勝進出を果たした。