【9/22 広島戦】Match Preview
- チーム
≪必要なのは攻撃でのイメージの共有。リーグ戦3試合ぶりの勝利へ向けて、一体感を持って戦い抜きたい≫
前節の浦和レッズ戦から中3日。セレッソ大阪は、再びアウェイにて、サンフレッチェ広島との明治安田生命J1リーグ第32節に挑む。浦和戦は攻守に課題を残す内容で、0-2での敗戦を喫した。前からのプレスははがされ、攻撃でも打開の糸口を掴めず、チャンスを作り切れずに終わった。もっとも、小菊昭雄監督の就任以降、攻守において一つひとつ戦術の再構築を図っているチームにおいて、課題が出ることは決して悪いことではない。実際に肌で感じた課題を教材として、今後のチーム作りに生かしていきたい。
前節の試合後、会見の冒頭で、「ACLから中2日でのアウェイということで、選手たちはかなり疲れて満身創痍の中、最後まで勝利を目指して戦ってくれたこと、走ってくれたことに感謝しています」と小菊監督も話したように、連戦が続く中、選手たちの疲労はピークに差し掛かっている。今節に向けて、まずは心身のリカバリーを行うことが先決だ。その上で、守備の改善とともに取り組みたいのが、得点へ向けたイメージをチーム全体で共有すること。「私が監督になってから、ビルドアップのところは立ち位置を含めて、選手たちには常に要求しています。立ち位置やパスの質、サポート。このあたりは、一つひとつ時間をかけて成熟させていかないといけない。中2日や中3日で試合が続いていますが、落とし込むところは毎日を大切に、ミーティングなども含めてやっていきたい」と話す小菊監督。今節に向けても、準備期間は限られた中で“広島対策”は行ってきた。前から来る守備に特長があり、野上結貴、荒木隼人、佐々木翔と、3バックも人に強い選手が並ぶ広島の守備は堅いが、勝点3を獲得するためには、こじ開けていかなければならない。
広島は前節、アウェイでの柏レイソル戦に3-0と快勝を収めた。攻撃ではドウグラス ヴィエイラがハットトリックを達成すれば、守備では無失点を達成。試合後は城福浩監督も「最後まで締まったゲームができた」と話していたが、チーム本来の手堅さを取り戻してきた相手に対し、セレッソとしては今節も難しい試合になることが予想される。それでも、「今は困難な時期に差し掛かっていますが、日々、ブレずに積み上げていくこと、毎日を大切にコツコツと頑張っていくこと。それをやり続けるしかないと思っています」と語る指揮官のもと、「選手たちは建設的に意見を出し合って、どうやったらうまくいくかと日々のトレーニングにも明るく取り組んでくれている」(小菊監督)とチームは団結している。「ピッチ内外でポジティブな声を掛け合って、いい方向に、いいメンタルで戦えるようにしていきたい」とは奥埜博亮。リーグ戦3試合ぶりの勝利へ向け、攻守に一体感を持って戦っていきたい。
≪試合前日コメント≫
■小菊昭雄監督Q:今節のサンフレッチェ広島戦に向けて
「チームとして難しい時期に差し掛かっていますが、連戦が続く中で、毎試合を大切に準備しています。明日も全員の力を結集して戦わないといけない相手です。ここ最近、課題に出ているところは、一つひとつチームで共有しながら戦っていきたい。積み上げているビルドアップのところ、アタッキングサードでの崩しの共有、守備での規律を全員で徹底することなど、短い時間の中で、トレーニングと映像を使いながら、もう一度、再確認して明日に臨む形になります」
Q:公式戦3試合で無得点が続くが、得点を奪うためにチーム全体で共有したい部分は?
「一つは、我々のボール保持の時にいかに安定して相手のアタッキングサードまでボールを運べるか。それと、いい守備からいい攻撃に移ることは、常々、選手には要求しているので、その両方を大切にしながら、チーム全員で共有できた時は、必ずチャンスは増えると思っています。無得点が続いている3試合も、いい形を作れたところもあるので、その回数を増やしていきたいと思います」
Q:サンフレッチェ広島の印象について
「攻守に前への矢印が強い印象を受けています。攻撃も、個のクオリティーは高いですし、隙を見せれば、速い攻撃で私たちのゴールに襲い掛かって来る怖さがあります。しっかりとゲームをコントロールしながら、リスクマネジメントも含めて対応しないといけない。(前への矢印が強い相手に対して)いかにかいくぐれるか。矢印をうまく利用して、私たちの攻撃を構築できるか。そういったところは今節、しっかりと準備をして臨みたいと思います」
Q:やろうとしていることが結果につながらない難しい時期だが、監督として、どんなことを選手に伝えていますか?
「選手に伝えたのは、『人生と同じで、うまくいく時、厳しい状況の時、色んな時間はあるが、一喜一憂しないで、しっかりと自分たちがやっていること、積み上げていることを大切に、毎日を明るくポジティブに過ごすこと。トレーニングや日々の過ごし方を大切にしていくことが大事だ』と。私自身、監督就任当初はいいスタートが切れた一方で、今は困難な時期に差し掛かっていますが、日々、ブレずに積み上げていくこと、毎日を大切にコツコツと頑張っていくこと。それをやり続けるしかないと思っています。明日の試合も大切に戦っていきたいと思います」
Q:選手にも伝わっている実感はありますか?
「そうですね。長いコーチ生活の中で、連敗中になると、どうしても元気がなくなったり、矢印を他の方向に向けてしまう傾向に出てしまうことも多いですが、今は選手たちでも建設的に意見を出し合って、どうやったらチームがうまくいくかと日々のトレーニングにも明るく取り組んでくれているので、選手たちには感謝しています」
■奥埜博亮
Q:今節のサンフレッチェ広島戦に向けて
「アウェイですけど、まずは勝つことが一番だと思うので、そこを目指して戦いたいです」
Q:準備期間が短い中だが、試合に向けてチームで話し合ったことは?
「連戦で間も短く、1日休みの後、2日しか練習はできなかったのですが、広島さん相手にどう戦っていくか、アイディアの共有は練習でやりました。あとは、準備してきたことが必ず起こるとも限らないので、実際のピッチの中で解決すること、選手たちでいいアイディアを持って解決していくことが大事になると思います」
Q:前から来る守備に特長があり、3バックも人に強い選手が並ぶ広島から得点を奪うために必要だと思うことは?
「まずは、一人ひとりがいい立ち位置を取ること。相手を悩ませるポジションを取ることによって、相手もプレスに悩むと思う。相手が来るということは、一つはがせればチャンスになると思うので、勇気を持って、いい立ち位置を取って、ボールを一つは��せるようなプレーができれば、自分たちとしては、いい展開になるのではないかと思います」
Q:「勇気を持って、いい立ち位置を取る」という言葉もあったが、結果が出ない時期は、どうしても後ろ向きの選択が増えがちになりそうだが、プレーからメンタリティーも変えていきたい?
「そうですね。勝てていない状況の中で、メンタル的な部分は大きくなると思います。誰か一人が怖がってボールを受けられないポジションを取ることで、うまくいかない場面も出てくるので。ピッチ内外で、チームとして戦う中で、ポジティブな声を掛け合って、いい方向に、いいメンタルで戦えるようにしていきたいと思います」
Q:「勇気」という部分では、積極的に縦へクサビのパスを入れていくことも必要?
「そこも大事かなと思いますし、クサビを入れるにしても、入れた後のサポートのスピードを上げることも必要。浦和戦が終わった後、映像を見て、サポートのスピードはもっと高めていけると感じたので。チームとしての3人目の動き、クサビを入れるタイミングと、もぐるタイミングをしっかり共有できれば、もっと良くなっていくと思います」
Q:浦和戦から短い準備期間の中でも、多少の修正はできた実感はありますか?
「チームとして練習できたのは2日間。昨日と今日で、次の試合に向けての練習はしました。ただ、先ほども言ったように、アイディアをもらっても、プレーするのは選手なので、グラウンドで、そのアイディアの中からいい選択ができるようにやっていきたいです」
Q:監督からはどんなメッセージがありましたか?
「監督からは、『人生もそうだし、苦しい時は絶対にあるから、そういう時でもチーム一丸となってやっていこう』という話をもらったので、そこはチームとしてまとまっていると思います」