■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2021-10-10/
ファイナル進出を懸けた浦和レッズとのJリーグYBCルヴァンカップ準決勝・第2戦。ピリッとした緊張感が漂う中、この試合からスタジアム収容人数の上限が10,000人に引き上げられたことにより、ヨドコウ桜スタジアムが作り出すホーム感は、より一層、増した。第1戦から先発5人を変えてきた浦和に対し、セレッソ大阪は同じ11人がスタメンに並んだ。ベンチには、“小菊セレッソ”の初陣となった大阪ダービーで負傷した清武弘嗣も戻った。
アウェイでの第1戦を1-1で終えたことにより、セレッソは第2戦を0-0でも勝ち上がれる状況ではあったが、「積み上げてきたサッカーを発揮して、勝ってファイナルに進みたい」と試合前日、小菊昭雄監督は話した。試合開始から、指揮官の思いを選手はピッチで体現。2トップと両サイドハーフのプレスをスイッチに、ボランチとサイドバックも連動して積極的にボールを奪いにいくと、中盤で挟み込むシーンを何度も作った。攻撃では、4分、原川力のCKから山田寛人がヘディングでゴールを脅かすと、29分には、素早いリスタートから、奥埜博亮のパスに加藤陸次樹が抜け出してシュート。第1戦でも活躍した2トップが躍動感のある動きを見せた。前半に許した唯一のピンチでは、GKキム ジンヒョンが好セーブで相手のシュートを阻止。セレッソが主導権を握り、前半を0-0で折り返した。
後半、よりプレスの位置を上げたセレッソは、前からボールを奪うシーンを増やす。その反面、裏返されてピンチを招く場面もあったが、前半以上にゴールに向かう意識を高めると、53分、待望の先制に成功。キム ジンヒョンのパスを坂元達裕が収め、奥埜が左サイドへ展開すると、丸橋のクロスにニアへ飛び込んだのは加藤。一度はシュートをGKに防がれたが、跳ね返りを自ら拾って再びシュート。GKの体に当たってゴールに吸い込まれた。第1戦では、2度シュートをクロスバーに当てるなど悔しい思いも味わった背番号29。その思いを払拭するゴールで雄叫びを上げ、喜びを表現した。得点後は、ベンチメンバーも含めたゆりかごパフォーマンスで、坂元と小池裕太の第一子誕生をお祝いした。
勢い付いたセレッソは、58分に原川がミドルシュート、61分には坂元のクロスから加藤がボレーシュート、65分にもショートカウンターから山田がシュートと、立て続けにゴールに迫る。ただし、ここで2点目を奪えずにいると、選手交代で配置を変えてきた浦和に対し、守勢に回る。77分、82分とキャスパーユンカーのシュートからピンチも迎えたが、前者はキム ジンヒョンの好守で阻み、後者は瀬古歩夢がブロック。粘り強い守備で同点ゴールは許さない。セレッソも、大久保嘉人、復帰戦となった清武、松田力を投入し、前線の強度を保つとともに2点目を奪いにいく。終盤、槙野智章を前線に入れてパワープレーを仕掛けてきた浦和の攻撃もしのぐと、前線でうまく時間を使いつつ、1-0で勝利。準決勝を1勝1分としたセレッソが、見事、ルヴァンカップのファイナル進出を果たした。決勝戦の舞台は埼玉スタジアム2002。10月30日、クラブ史上3度目の戴冠を懸けた決戦に挑む。