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■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2021-11-03/
JリーグYBCルヴァンカップ決勝戦から中3日。準優勝という悔しい結果から顔を上げ、セレッソ大阪は、明治安田生命J1リーグ第34節・徳島ヴォルティス戦へ挑んだ。先発は、ルヴァンカップ決勝から1人変更。原川力に代わって喜田陽がボランチに入った。
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立ち上がりから攻勢に出たセレッソ。開始早々、乾貴士のパスに加藤陸次樹が抜け出し、相手のイエローカードを誘発すると、加藤と山田寛人の2トップを中心に前からのプレスが機能。相手に蹴らせてセカンドボールを回収、丸橋祐介、松田陸の両サイドバックが高い位置を取って押し込むと、10分にCKから決定機。丸橋のキックをニアで瀬古歩夢がフリック。DFに当たってこぼれたボールが再び瀬古の前に落ちると瀬古がシュート。ここはGKに防がれたが、直後に得たCKからセレッソが先制に成功した。丸橋のニアへのキックに今度は奥埜博亮がフリック。ファーサイドで加藤が合わせてネットを揺らした。「前日から準備していた」(加藤)形がキレイに決まった。
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良い入りを見せたセレッソだが、15分過ぎから徳島にボールを持たれる時間が増え、左右に揺さぶられる。徐々に押し込まれると、18分、20分と立て続けに決定機を作られたが、前者はシュートが枠を外れ、後者はシュートがGKキム ジンヒョンの正面に。
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「左右に振られる中で、自分たちのラインがズルズル下がり過ぎた。自分たちで取りどころを作れなかったことで、悪い時間帯も続きました」と松田陸も振り返る苦しい時間帯を過ごしたセレッソだが、ここを何とか無失点でしのぎ、前半を1点リードで折り返すことに成功した。
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後半は、再びセレッソが主導権を掌握。51分、奥埜が高い位置でカットすると、加藤、山田と渡ってチャンスも、山田のシュートはGKに防がれる。
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直後の52分には、より明確な決定機。乾のパスを受けた坂元達裕がドリブルし、相手を引き付け、オーバーラップしてきた松田陸へ絶妙のパスを送ると、DFに競り勝った松田陸が左足で絶妙なコースへシュートを放ったが、ここもGKの好セーブに阻まれ、追加点とはならなかった。
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それでも試合のペースはセレッソが握ったまま。後半は坂元が躍動感を強めると、68分、坂元のドリブルから獲得したFKから決定機。丸橋のニアへのキックに奥埜がうまく頭で合わせたが、ここもGKの好守に遭う。詰めた西尾隆矢のシュートも防がれた。
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前半は、先制以降は徳島の時間帯も長かったが、後半はセレッソが試合をコントロール。前からの守備、引き込んでの守備とうまく使い分け、徳島に反撃の糸口を掴ませない。相手にほぼシュートを打たせることなく試合を進め、1-0で勝ち切ることに成功した。ルヴァンカップ決勝での敗戦に「悔しさが残った」と胸の内を明かした加藤も、「今日は勝つしかないと思っていた。うまく点を取れて勝てたことは、自分の自信にもつながった」と晴れやかな表情を見せた。「悔しさを糧に、力強く前進している姿を皆さまにはお見せしたい。必ず明日のゲーム、全員が一つになって、勝利できると信じています」と試合前日に話していた小菊昭雄監督の言葉を選手全員が体現。
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再出発となる今節を、見事、勝利で飾り、J1残留も確定させた。