【11/7 柏戦】Match Preview
- チーム
≪大一番が続いた5連戦のラスト。連勝で連戦を締めくくり、成長への歩みを加速させていきたい≫
再出発となった前節の徳島ヴォルティス戦から中3日。再びアウェイに乗り込み、セレッソ大阪は、柏レイソルとの明治安田生命J1リーグ第35節へ挑む。JリーグYBCルヴァンカップ決勝での敗戦から中3日で迎えた徳島戦は、メンタル的にも厳しい状況の中での一戦だったが、「練習が始まったらプロなので。試合もすぐに来ますし、『今日、勝って残留を決めよう』という思いで、みんなで一つになって今節に臨みました」と試合後に松田陸も話したように、チームは敗戦のショックを感じさせず、果敢な入りを見せると、11分にCKから先制。リーグ戦では2戦連発となる加藤陸次樹のゴールで主導権を握ると、その後は徳島に攻め込まれる時間帯こそあったが、自分たちで試合をコントロール。徳島のシュートを後半は0本に抑え、1-0で勝ち切った。
「選手たちは、ファイナルの敗退、悔しさを糧に、素晴らしい準備で(今日に向けて)取り組んでくれました。全員で絆を持って、チームの規律を守って、90分間ファイトしてくれたことが勝利につながった。選手たちを誇らしく思います」と、試合後は小菊昭雄監督も最大限に選手たちを称えた。
前節の結果、セレッソのJ1残留は確定した。途中、リーグ戦11試合勝ちなしなど苦しい時期も過ごしたが、そこから指揮官交代も含めて立ち直り、最低限の目標を達成したことに安堵の思いはある。ただし、現在の順位に満足している選手、スタッフは誰一人いない。
リーグ戦の残り4試合、17年から4年連続で達成している一桁順位も含め、一つでも上の順位でフィニッシュすべく、チームはラストスパートをかける。球際に激しく来る柏とのアウェイゲームとなる今節は、タフな戦いになることは覚悟の上、セレッソは試合に臨む必要がある。守備で激しく寄せてくる相手に対し、背後のスペースをうまく活用することもポイント。また、堅守速攻に特長がある柏に対し、不用意なボールの失い方は禁物だ。J1通算200勝まであと1勝に迫る柏のネルシーニョ監督が用意してくる策を打破し、リーグ戦での勝敗を五分に戻す勝��を掴み取りたい。
今節は、大一番が続いた5連戦のラスト。「肉体的、精神的に満身創痍な選手もいる」(小菊監督)と、心身の消耗は激しく、最後の力を振り絞って戦い抜く一戦になる。チームの総力を結集させ、連勝で連戦を締めくくり、中断明けに待つ、王者・川崎フロンターレとの一戦に向かっていきたい。
≪試合前日コメント≫
■小菊昭雄監督Q:前節の結果、J1残留は確定したが、満足している選手、スタッフはいないと思います。リーグ戦は残り4試合ですが、明日の柏レイソル戦へ向けての意気込みをお願いします。
「まず、先日の徳島戦は、我々にとって再スタートとなる大切な一戦でした。ルヴァンカップファイナルで敗退して、もう一度、自分たちが力強く前進するためにも必ず勝たないといけない試合でした。その試合を、精神的にも肉体的にも困難な状況の中、魂を込めたゲームで勝って、再スタートを切れたことを誇らしく思います。その後のミーティングでは、選手たちに『リーグ戦の残り4試合、天皇杯の2試合、6試合を全勝で締め括りたい』という話をしました。『それだけのポテンシャルを持ったチーム』だと選手たちに伝えた上で、明日、タフな相手である柏レイソルとのアウェイゲームですが、全員の力で、全勝で終わるという目標へ向けて、勝って帰りたいと思います」
Q:柏は球際に激しい守備にも特長があるが、試合のポイントになりそうな部分は?
「レイソルはブラジル人選手を中心に個のクオリティーが高い選手が攻撃には揃っていますし、守備のところも、球際で、1対1で、バトルしてくるチームです。我々としては、しっかりとゲームをコントロールすることが大事になってくると思います。ビルドアップのところ、守備のところでは、前線からのプレスとブロックを組んだ守備の共有。今までやってきたことですが、積み上げてきたことが試される、非常に大事な一戦になると思います」
Q:今節は5連戦のラストです。アウェイでの試合が続く中での締めくくりになるが、選手個々のコンディションについて
「タフなゲームが続き、ルヴァンカップのファイナルもアウェイと考えれば、マリノス戦以降はアウェイが続いていますので、まずはケガのリスクを抑えないといけません。肉体的、精神的に満身創痍な選手もい��すので、そういった選手の見極めはしていかないといけません。何より、天皇杯の準々決勝で素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた選手たちが、それ以降も素晴らしい準備をしてくれています。毎日のトレーニングで、素晴らしい競争をしてくれていますので、明日は、そうした選手たちの見極めもしながら、最終的には私が(先発を)ジャッジしていきたいと思います」
Q:前節、川崎フロンターレが優勝を決めました。来季へ向けて、ということになると少し気は早いですが、今季も対戦が残っています。フロンターレとの差は、現状でどのように感じていますか?
「フロンターレも、17年のルヴァンカップのファイナルで負けてから、その後、色んな過程を踏みながら、今は常勝軍団になっています。一人ひとりのサッカーに対する取り組みも、色んなところから聞くと、『素晴らしいグループだ』と。(優勝は)日々のトレーニングでの競争に勝ち上がってきた選手たちが自信を持ってプレーした結果、1試合1試合の積み重ねの証だと思います。そこは私たちも、ブレずに、日々のトレーニングを大切にしていきたい。ファイナルでの悔しい敗戦を糧に、個人としても、チームとしても成長を続けていけば、近い将来必ず、セレッソもフロンターレのように常勝軍団になっていけるポテンシャルを大いに秘めていると思います。前節の徳島戦から、私たちもそうしたところへ向けて歩み続けています。その歩みを加速させていけるように、明日のゲームも勝ち取りたいと思います」
Q:先日、クラブからリリースがあったアダム タガート選手について。手術も受けるということですが、今後について
「今シーズンもあとわずかとなり、手術を受けるということで、母国に戻りました。正直、今シーズン中に復帰することは厳しい状況です。ただ、本人にも伝えたのですが、『手術を無事に終えて、リハビリ期間を経て、また元気な姿で会える日を楽しみにしている』と。本人も悔しい思いはあると思いますが、そこへ向けて準備してくれると思います」
Q:小菊監督になり、今まで出場機会の少なかった喜田選手など若手の台頭も著しいが、中島選手や西川選手など、チャンスを掴み切れていない若手もいます。そうした選手たちに求めていきたいところは?
「今、試合に出場している若い選手と同様、元彦も潤も、素晴らしいクオリティーを持っていることは間違いありません。ただ、メンバーに入れていない、試合に出られていない現状、課題に対して、真摯に向き合って、自分のポジションを自らの力で勝ち取れるか。そこに尽きると思います。素晴らしいポテンシャルを持っていても、活躍できずにこの世界から離れる選手も見てきましたし、当初、期待されていなくても、自らの努力で成長し、日本を代表する選手になった例も見てきました。最終的には、自分の課題に対して、毎日コツコツ取り組んでいけるかどうか。そこにかかっています。難しいことですが、そこをやり続けるしかないと思っています。今はチャンスを与えられない若手に対しても、私は必ず見ています。正当な競争の中で、彼らが試合に出るべきパフォーマンスを発揮すれば、チャンスはありますし、そうでなければ現状は続くと。シンプルに、そういうことだと思います」
Q:監督もしくはコーチングスタッフから、彼らに対する課題は伝えている?
「はい、私たちは、スタッフの中で色んな役割があって、コーチ陣も色んなサポートを、色んな角度からやってくれています。彼らも課題に対して、しっかりと把握して、そこを埋めていく、伸ばしていく。そうした作業を徹底してやっていくことが大事だと思っています」
■坂元達裕
Q:前節の結果、J1残留は確定したが、満足している選手、スタッフはいないと思います。リーグ戦の残り4試合、天皇杯へ向けて、自身はどのようなモチベーションで臨む?
「天皇杯もありますし、リーグ戦も残留が決まったとは言っても下の順位にいるので。残り4試合、全部、勝って、一つでも上の順位で終わりたいです。天皇杯もありますし、気を抜ける試合は一つもないので、全員で準備していきたいです」
Q:ミーティングでは「残り試合、全勝を目指す」という話もあったようですが、チームとして、12月まで駆け抜けていきたい?
「そうですね。いま、チームとしての士気は凄く上がっていますし、練習の雰囲気も凄くいい。『やるときはやる、楽しむ時は楽しむ』と、凄くいい雰囲気で、小菊監督を中心に練習もできているので、この流れを最後まで続けていきたいです」
Q:今節は5連戦のラストになります。ルヴァンカップ決勝こそ敗れましたが、3勝1敗でここまで来ました。チームとして��安定感は増してきたのでは?
「監督が代わり、少し苦しむ時期もありましたが、徐々にチームのやり方も浸透してきた感じはあります。それが結果にも出てきているので、いいところは継続して、突き詰めることは練習の中からやっていきたい。ルヴァンカップの決勝でも課題はたくさん出ましたし、勝った試合でも課題はあります。それを練習の中から小菊さんは伝えてくれるので、もっともっといい状態にして、最後まで進んでいきたいです」
Q:守備の意思統一がなされてきたことが、安定感が出てきた要因でしょうか?
「そうですね。守備は大事にしていますし、まずはそこをやらないといけないと、チームの中で監督も言っているので。そこが安定してきたことが一番、大きいと思います」
Q:その上で、ルヴァンカップ決勝後にも話していましたが、チームとして、個人として、崩す形、得点を奪う形を増やして、この2ヶ月でさらに攻撃力も高めてしていきたい?
「守備はもちろんやらないといけないですが、その中で、攻撃をどう高めていくかは今の自分たちが突き詰めていかないといけないところ。もっともっと複数得点で勝つ試合も増やしていきたいですし、そこはチーム全体で、練習の中から話しています。個人としても、もっとゴールの意識を高めていきたいと思っています」
Q:攻撃について。引いた相手をどう崩すかは取り組んでいると思うが、チームとして必要なことは何だと考えていますか?
「まず、一人ひとりのゴールへの意識を上げていくことが一番大事だと思います。その中で、練習の中から色んな形を試しながらやっています。ブロックを作られた相手に対しても、前に飛び出していく動きや、そこに連動した動きを加えていくことなど、チーム全体で意思統一そして、チーム全体でゴールへ向かう意識を高めることが大事だと思います」
Q:柏は開幕戦でもガツガツ削りに来ていたが、球際でかなり激しく来る印象があります。今節は球際の勝負でも譲らず戦いたい?
「そうですね。球際の部分は監督も大事にしていて、まずそこで負けてはいけないと言われています。ガッツリ来る相手に対して、自分たちもボールを失わず、強度の高いサッカーをしていくことは練習からもやっています。(プレスを)外せるところ、いなせるところはいなしつつ、行くべきところはし��かり行くことを使い分けて、全員でやっていきたいです」