■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2022-02-19/
迎えた30年目のJリーグ開幕戦。セレッソ大阪はアウェイに乗り込み、昨季リーグ2位の横浜F・マリノスとの一戦に臨んだ。栄えある開幕スタメンには、GKキム ジンヒョン、DF松田陸、進藤亮佑、西尾隆矢、丸橋祐介、MF原川力、奥埜博亮、乾貴士、清武弘嗣、FWブルーノ メンデス、加藤陸次樹が並んだ。
立ち上がり、セレッソは立て続けにセットプレーを獲得。原川、丸橋と左右のキッカーが鋭いボールを入れる。ただし、その後は横浜FMにボールを握られる時間が続く。それに対し、セレッソはミドルサードでセットして構える守備で対応。攻撃はカウンターが中心で、相手のスペースへ素早くボールを入れた。すると23分、丸橋のクロスにファーサイドで加藤が合わせてネットを揺らしたが、わずかにオフサイドでノーゴール。惜しいシーンだった。時間の経過とともに横浜FMに押し込まれ、ラインを下げられたセレッソだが、40分、先制に成功。ハーフェーライン付近から乾貴士がドリブルで運び、見事なステップで相手3人をかわして加藤へパス。加藤が持ち込んで放ったシュートがDFに当たって得たCKから試合を動かした。原川のファーサイドへのキックに合わせたのは進藤。「開幕のピッチに立てる喜びは感じながらプレーした」と期する思いで開幕戦に臨んでいた男の打点の高いヘディングが逆サイドのネットに吸い込まれ、セレッソが1点リードで前半を折り返した。
後半は、“ハイプレス・ハイライン”の戦術をより前面に押し出し、前かがりに攻めてきた横浜FMに対し、セレッソは守勢に回る時間が続く。奪ったボールもクリアが精一杯で、つないで時間を作ることができずにいると、横浜FMの2次、3次攻撃を受ける展開に。52分、西尾がPKを与えてしまったが、ここで魅せたのがキム ジンヒョン。マルコス ジュニオールのキックを完璧に読み、ビッグセーブ。難を逃れたが、試合の流れは変わらない。すると、69分、耐え切れずに失点。3分前に途中出場で入っていたアンデルソン ロペスの突破から仲川輝人に決められた。76分、77分と連続してキム ジンヒョンが相手の決定機を阻止するなど何とか耐えていたが、78分に2失点目を喫して逆転される。
直後の79分、小菊昭雄監督はセレッソ大阪U-18の北野颯太と古巣戦となる山中亮輔を投入。すると、クラブ史上3番目の年少記録となるJ1デビューを果たした北野が流れを呼び込む。83分にドリブルで勢いをもたらすと、87分には、進藤の縦パスを受けて巧みなトラップからシュート。ディフェンスに当たってCKを獲得したが、このシュートが同点を呼び込む布石となった。89分には、相手DFのパスをカットした清武と為田大貴でチャンスを作ると、迎えた90分。原川のCKにヘディングで合わせたのは清武。土壇場でセレッソが追い付き、試合を振り出しに戻した。内容的には課題も残った一戦だが、逆転負け寸前で獲得した勝点1の価値は大きい。新鋭・北野が勢いをもたらし、中原輝、山中、鈴木徳真と新加入選手も途中出場してピッチを活性化。全員の力でもぎとった勝点1となった。