■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2022-04-10/
前節の柏レイソル戦から中4日。ヴィッセル神戸のホームに乗り込み、明治安田生命J1リーグ第8節に挑んだセレッソ大阪。
運命的のいたずらか、ロティーナ監督の神戸での初陣となった今節。晴れ渡る青空の下、ビジター席を埋めた鮮やかなピンク色のサポーターに後押しされた選手たちは、開始から勢い良く攻め込む。2分、敵陣深くのスローインから山田寛人が決定機を迎えると、12分には原川力の鋭いCKがゴールに向かう。
立ち上がりから果敢にプレスをかけ、セカンドボールも回収したセレッソは、主に左サイドで優位性を作り、攻める。すると、序盤から鋭いクロスを上げていた山中亮輔の左足から先制点。27分、西尾隆矢のパスを受けた山中が狙い澄ましてクロスを上げると、ファーサイドで加藤陸次樹がヘディングで合わせ、ネットを揺らした。加藤にとっては、これが嬉しいリーグ戦での今季初ゴール。献身的なプレーを続けながらもリーグ戦では無得点だった背番号20に生まれた会心のゴールにより、チームの一体感はさらに強固なモノになった。
リードして迎えた後半は、「連戦、暑さに加え、神戸が強い矢印を前に、人数をかけて前進してくることを想定」(小菊昭雄監督)し、プレスの位置を下げ、「意図的に引き込んでのカウンター狙いを全員で徹底」(小菊監督)したセレッソ。ボール保持は神戸に譲ったが、中央は堅く閉じ、神戸に決定機を作らせない。70分に一度、サイドを割られかけた場面では、松田陸が懸命に戻ってカバー。他にも奥埜博亮や原川がスペースを埋め、中ではマテイ ヨニッチと西尾が跳ね返す。
後半はカウンター中心の攻撃となった中、途中出場のジェアン パトリッキがサイドからチャンスを作れば、75分には、ブルーノ メンデス、中原輝とつなぎ、最後は北野颯太にチャンスもシュートはDFに防がれた。
80分にはケガから復帰の清武弘嗣もピッチに入り、時計の針を進めていく。
後半アディショナルタイム、クロスバー直撃のヘディングを浴びてヒヤリとする場面こそあったが、前半に挙げた加藤の1点を守り切ったセレッソが、敵地で勝点3を掴んだ。
かつての師、ロティーナ監督の前で2つの戦い方を使い分けて勝利した小菊監督は、「まさに激闘だった。全員が勝利のために自己犠牲してハードワークした結晶が、今日のクリーンシートにつながった」と充実の表情で試合を振り返った。試合前、小菊監督と奥埜が口を揃えて語った、「勢いを持ってプレーする自分たちの戦い方に加えて、試合の状況や相手も見てプレーすることが大事」という言葉をまさに体現する試合運びで“関西対決”を制してみせた。