■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/2022-07-13/
明治安田生命J1リーグ第21節・横浜F・マリノス戦から中2日。名古屋グランパスとの天皇杯ラウンド16に挑んだセレッソ大阪。公式戦5連戦の4試合目、さらにはこの試合から中2日で次節のリーグ戦も控えているとあって、先発は横浜FM戦から8人変更。出場機会に飢えたフレッシュな面々で臨んだ。
序盤から攻勢に出たセレッソ。2分、CKから西尾隆矢が打点の高いヘディングを放つと、4分にはジェアン パトリッキが左サイドを突破してチャンス。すると、7分、セレッソが先制に成功した。再びジェアン パトリッキが高速ドリブルで左サイドを突破すると、そこから上げたクロスが名古屋DFのオウンゴールを誘った。この場面では、アダム タガートもクロスに反応。背番号9が導いたゴールでもあった。15分、今度は中原輝のクロスから再びオウンゴールになりかけると、21分にもセレッソに決定機。山田寛人が起点となり、ジェアン パトリッキ、山中亮輔とつなぎ、山中のクロスに山田が飛び込んだが、ヘディングシュートはわずかに枠を外れた。
守備でも[4-4-2]のコンパクトな陣形を崩さず対応したセレッソは、名古屋に付け入る隙を与えない。31分、ビルドアップのミスを突かれ、前半で唯一、名古屋にチャンスを作られたが、ここはシュートがクロスバーを越えて、事なきを得た。終了間際には立て続けにセットプレーの機会を得るなど、前半はセレッソが優勢のまま終えた。
後半、セレッソはアダム タガートに代わり上門知樹、原川力に代わり岡澤昂星がピッチに入る。名古屋も後半はベンチに控えていた主力選手が続々と入ってくると、50分、FKからのこぼれ球をレオ シルバに決められたが、ここはオフサイドでノーゴールに。胸を撫で下ろすと、セレッソが続けてチャンスを作る。55分、上門のクロスからジェアン パトリッキ、57分には、山田のドリブル突破から上門に、それぞれ決定機が訪れたが、仕留めることはできなかった。すると69分、途中出場のマテウス カストロに強烈な直接FKを決められ、同点に追い付かれてしまう。直近のリーグ戦2試合ではリードした展開から引き分けに終わっていただけに不穏な空気も漂ったが、そうした雰囲気を一掃したのが為田大貴。88分、進藤亮佑のクロスに逆サイドから飛び込み、ボレーシュートを叩き込み、見事ゴールネットを揺らした。ニアに走り込んだ加藤陸次樹が相手DFを引きつけ、空いたスペースへ走り込む「練習通りの形」(為田)でセレッソが勝ち越しに成功した。
試合前日、「日替わりでどんどん選手が出てきている中で、明日はさらに新たなヒーロー、新たな発見があるゲームになると思うので、私自身も楽しみに、ワクワクしています」と話していたのは小菊昭雄監督だが、まさに為田と進藤、2人のヒーローがチームを天皇杯ベスト8に導いた。他にも、快速を飛ばしてサイドを切り裂いたジェアン パトリッキ、鋭いターンや突破で再三チャンスを作った山田らも好パフォーマンスを見せた。過密日程の中、総力戦で勝ち抜いたことは、今後のシーズンにもつながっていくだろう。次なる公式戦は、中2日で迎えるリーグ戦の“大阪ダービー”。川崎フロンターレに続く“シーズンダブル”を達成し、公式戦5連戦を締め括りたい。